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2019年01月の記事は以下のとおりです。

DM15Lは素晴らしい

  • 2019/01/30 12:08
  • カテゴリー:散財

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 遅ればせながら,DM15Lを買いました。

 スイスのSwissMicrosというガレージメーカーのような小さい会社が,HPの電卓の互換機を作るという話は昔から聞いていましたが,本家HPがHP15Cの復刻をするに至って,私の視野からは消えていました。

 復刻されたHP15C LEは私もすぐに買ったのですが,カードサイズまで小さくなった互換機DM15を手に入れる事はなく,数年が経過します。

 しかし,オリジナルの15Cと同じ大きさの互換機を作る話が出ていた事を私は知らず,今頃になって琴線に触れたのです。

 実のところ,コンピュータ技術者用の電卓であるHP16Cの復刻を望んでいた私にとって,DM16Lという互換機が存在し,そしてこれが現在入手出来ない状態にある事を知って地団駄を踏んだわけですが,amazonで引っかかったDM15Lを見て即座に買うことを決めたのでした。

 HP15C LEはもったいなくて常用出来ません。これは保存機です。

 なら,常用機として,互換機を買いたいと思うでしょ?

 値段はちょっとお高めで,HP15C LEの定価よりも随分高いのですが,まあスイスからの送料もあることですし,amazonで買えるというお手軽さも手伝って,ポチったことに疑問はわきません。

 果たして10日ほど経過して,うちのポストに届いたDM15L。小さな段ボールをあけると,化粧箱もなにもないまま,ビニル袋に入ったDM15Lがそのまま入っています。説明書も納品書もなしか・・・

 手に取ると,その質感やずっしり感に,それまで期待していなかった私の気持ちが高揚します。ボタンの押し心地も良いですよ。

 ONキーを押します。

 動きません。

 何度か押します。

 それでも動きません。

 あれ,と思ってさらに押すと,ようやく動き出しました。

 他のキーは問題なく動きますが,ONキーだけ接触が悪く,ぐいっと押し込まないと反応しません。うーん,ハズレだったかなあ。

 何度か押している間にかなり接触が良くなってきたので,分解してペコ板を磨こうと思った思ったのですが,これはテープでがっちり貼り付けられているので断念し,その代わり直接ペコ版を押しまくって,酸化膜を剥がしてみようと試みました。

 とりあえずこれで確実にONするようになり,一安心。

 そこからしばらくは,忘れて閉まった使い方を思い出すのに必死でした。

 簡単な四則演算を小学校1年生の娘の目の前でやってみせると,面白がって自分でもやると言い出します。何度か試した後には,足し算や引き算がすらすら計算できるようになっています。

 ああ,普通の電卓を使う前に逆ポーランド記法の電卓を使わせた罪は,重い。

 HP15C LEがあまりにもったいなくて,ろくに使う事もなくしまい込んだ私は,付属の日本語マニュアルを読みながら,本気でDM15Lを操作し始めます。

 ファームウェアがV23と古かったので,最新のV27に書き換えます。フォントが7セグっぽいものが追加されており,これだけでもアップデートの価値があります。

 おお,楽しい。

 加工精度が今ひとつな感じもしますが,自称チタンのケースの安定感が素晴らしく,マットな塗装も手に馴染んで触っている感じがたまりません。

 そこへきて,キーの感触がなかなかよいです。ああ,どんどん押したくなる。

 HPの電卓は,RPNが注目されるのですが,実のところキーの配列にも手に馴染む理由があると思っています。

 しかし,RPNがHPの電卓共通であるのに対し,キーの配列はさすがに機種ごとに違っていて,これが機種依存性をユーザーにもたらしていると気が付きました。

 例えば,HP35Sは手に馴染みますが,正直に言うとWP34Sはあまりしっくり来ません。そしてHP15CとHP35Sは全然違う配列ですが,出来る事は基本的には同じです。

 だから,HP15Cに習熟するという事は,そのキー配列に馴染むこと,もっといえば機能がアサインされたキーがどこにあるかを覚えることと同義です。

 それには,訓練しかありません。ひたすら計算をして体が覚えるようになると,新しい地平が開けてきます。

 ここにたどり着くには,触って楽しいことが不可欠です。このキーの押し心地,この筐体の剛性感は,そのための強力な動機です。

 ああ,すばらしい。

 惜しむらくは,オリジナルのHP15Cが現役の頃にその電卓を必要としていなかったことです。私はこの時代の日本人らしく,ポケコンが面倒な計算を片付けてくれていました。

 使ってみると,全然使いこなせていないことに愕然とします。もっと頑張らないといけないですね。

AF-S Nikkor 200-500mm F2.8を買いました

  • 2019/01/28 12:47
  • カテゴリー:散財

 突然ですが,AF-S Nikkor 200-500mm F2.8Eを買いました。

 そう,「超望遠の撒き餌レンズ」「タムロンとシグマを本気で潰しにかかった」などと言われる,超望遠ズームレンズです。

 純正の超望遠ズームレンズにもかかわらず,実売が15万円を切るという低価格でありながら,画質は非常によく,VRもよく効くと評判で,発売当時は品不足が深刻だったレンズです。

 価格によって割り切ったのは,大きさとAFの速度です。他にも付属品をけちったり,堅牢性に不安があったりと,安い理由はいくらでもありますが,高画質というレンズの本分にお金をかけた,ニコンの良心とも言うべきレンズです。

 高画質でありながら純正レンズがこの値段で存在することにも,私はニコンを使う理由があるすらと思っていますが,50万円のレンズをただ安売りしているわけではなく,知恵と工夫と割り切りでこの値段のレンズをきちんと成立させていることに憧れを感じています。

 従来,こうした価格の安いレンズの供給はレンズメーカーの重要な役割でした。しかし近年,そうした価格と性能による棲み分けに変化が生じています。

 レンズメーカーにとっては,安いことで勝負するには限界が来ていることがあるでしょうし,一方の純正メーカーは,設計技術の進歩によって,許容出来る画質を低価格で実現出来るようになった事が理由として挙げられるでしょう。

 AF-S Nikkor 200-500mm F2.8Eは,まず小型軽量化を割り切っています。非球面レンズや新しい硝材,高性能なAFモーターを使えば小型化・軽量化が出来る訳ですが,それらは概して高価なものです。

 小型化もレンズの性能の1つだという考え方に私は大いに賛同しますし,そうして小型になったレンズにはそれまでの撮影限界を打ち破る力があることも理解しています。

 しかし,安いことも性能の1つです。安いことでより多くの人が,使う機会に恵まれます。「大きい・小さい」は工夫の余地がありますが,「ある・ない」は工夫のしようがありません。

 お金のかかるナノクリスタルコーティングも使っていません。ヌケや耐逆光性能に大きく貢献するコーティングで,特に超望遠レンズには効果絶大ですが,割り切っています。

 AFモーターにお金をかけないことで,食いつくような追従性は得られません。超望遠こそAFの食いつきが命で,そこを割り切ってしまうことは,即座に歩留まりに影響が出ます。

 防塵防滴でもありませんし,望遠側では鏡筒が大きく繰り出してしまうことも使いづらいでしょう。大きいことと同じ事ですが,重いことは撮影現場に持ち込むことすら大変なことだという事実を突きつけます。

 プロの使用に耐えることを示す金の輪がないことから,おそらく過酷な使用には耐えられないでしょうし,耐久性や寿命についても,それなりに割り切ったところがあると考えた方がよいでしょう。

 ズーム倍率は2.5倍と無理をせず,ズームリングの回転角も大きく取ってあります。付属品にもお金がかかっていませんし,フードも三脚座もチープで,実用ギリギリです。

 しかし,こうした妥協は,すべて計算された上で行われている事に気が付きます。それは,レンズとして手を抜いてはいけないところを,きちんと押さえてあるからです。

 画質は驚くほどよく,F8あたりまで1段絞れば隅々までキレのある画像が手に入ります。ズーム全域でF5.6という明るさにもこだわりを感じますし,とてもよく効くVRで500mmでの手持ち撮影が可能です。しかもスポーツモードを備えていて,超望遠レンズの撮影を楽なものにしてくれています。

 AFも速くはないとはいっても,十分な速度を維持していますし,フォーカスリングを回せばいつでもMFに切り替わります。もちろんAFの動作でフォーカスリングが回ってしまうような無様なことはありません。

 そして純正ならではの安心感です。互換性もサービス体制もそうですし,初期不良や調整不足などのハズレ品を引くことも少なく,売却時の売値についても純正なら気をもむことはありません。

 本当かどうかはわかりませんが,ニコンはこのレンズを,タムロンと一緒に作ったそうです。OEMという話もあるくらいですが,どちらにしてもニコンの厳しい品質基準に合致したものが,ニコンのカメラで動作する保証込みで手に入るのですから,やはり純正であることには大きな意味があります。

 私はブランド信奉者でもなければ,純正にこだわる人でもありません。よいものは良い,それだけの単純な理屈で動いています。そしてその単純な理屈の結果,手元に残っているレンズの大半が純正だという結論です。

 ただ,純正を持つにはお金がかかります。

 私のレンズラインナップでは,300mmまでが精一杯。VRを使った手持ち撮影が可能なのは200mmまでで,ちょっと被写体が遠いともうお手上げです。400mmクラスの超望遠までカバー範囲を広げることは必要な事だったのですが,そんなに出番のないレンズに数十万円の投資は不可能ですし,かといってレンズメーカーもF6.3まで暗くなってしまうなど,今ひとつ共感出来ません。

 そこに見つけたのが,AF-S Nikkor 200-500mm F2.8Eです。

 価格以上の画質の高さで大人気のレンズは,価格が理由で超望遠の世界に踏み込めなかったアマチュアに,新しい機会を与えてくれました。こういう入門レンズでは,基本性能がしっかりしていないと,次に進んではくれません。

 ずっと狙っていたレンズでしたが,値段の変動が割に大きなレンズで,先日128000円近くになったときに意を決して購入しました。

 まだ,ちゃんとテストをしていないのですが,軽くインプレッションです。

(1)大きさと重さ

 噂通り,大きいです。長いし,太いし,重たいです。レンズだけで2.3kgもありますから,持つときも両手で「よっこいしょ」です。

 鏡筒が太いので持つと言うより手のひらに載せる感じですし,500mmにすればさらに鏡筒が伸びてしまうので,かなり前のめりになります。これに小さめの丼ほどあるフードを取り付けると,もう目立って仕方がないでしょう。

 とはいうものの,ぎっしり中身の詰まった重さではなく,大きさに対して軽く感じる印象です。手持ちでもなんとかなりそうです。


(2)画質

 これは私も驚きました。F8やF11での画質は定評がありますので心配なし,しかしF5.6でも十分な画質です。シャープで色もよく乗っていますし,ボケも自然で綺麗です。実践投入がとても楽しみです。

F5.6ではちょっと周辺光量が落ちますが,1段絞ればほぼ解決します。

 使い勝手が悪いにもかかわらず,プロにもこのレンズを使う人がいることは十分納得出来ます。


(3)手ぶれ補正

 4.5段の補正能力を持つVRは,本当によく効きます。AF-ONを押してすぐにファインダーの像がぴたっと止まり,そのまま撮影した画像がパチッと止まっているのには,感動さえ覚えます。

 スポーツモードを備えていることも大きなメリットで,これらを現場でうまく切り替えていくことが成功の鍵でしょう。


(4)操作性

 MFへのシームレスな切り替えは自然で,フォーカスリングも適度なトルクがあり好感触です。先にMFでラフに合わせ,AFで追い込む事も出来るし,逆にAFでラフに合わせてMFで追い込む事も自由に出来ます。

 ズームリングは回転角が大きくて,200mmから500mmまでを持ち替えることなしに動かす事は不可能です。カメラボディも一緒に回すというテクニックで一気に端から端まで動かせますが,ファインダーを覗きながらは無理ですから,操作上の欠点はここに集約されるでしょう。

 スイッチ類は小さく,また感触もあまり良くありません。このあたりはあまり目立った違いではありませんが,高級なレンズとの差でしょう。


(5)左脚座

 三脚座は,これが堅牢であるという前提で,その役割をきちんと果たしてくれるなら私はそんなにこだわりません。ただ,このレンズについて言えば,マウントの耐久性も含めて,本当にこれでレンズとボディを支えきれるのかと,心配です。

 でもまあ,手ぶれ補正が強力なのですから,思い切って手持ちで勝負すると言うのもありかも知れません。


(6)まとめ

 画質はいうことなし,価格もリーズナブルで,超望遠撮影の素晴らしさを最も手軽に楽しめるレンズだと思います。

 確かに望遠だけど,なんかぼやーっとしてるとか,ゆがみが大きいとか,色が乗らないとか,ボケが汚いとか,そいう理由で超望遠の世界に私自身も幻滅していました。

 この価格なら超望遠を初めて経験する人もいるでしょう。そんな人がこの画質で超望遠の世界に目覚めることはあり得る話で,それはとても幸せな事だなあと思います。

 しかし,やはりこの大きさは,持ち出すのに勇気がいります。私は苦にしませんが,これをみた人は,やはりただならぬものを感じるに違いありません。なかには反感を持つ人もいるでしょう。

 超望遠を使うシーンは,被写体が遠く近寄れない場合です。近寄れない理由に人が多いという場合もあるわけで,そういう場合はこのレンズは,周囲に迷惑をかけるレンズになってしまいます。

 言い換えると周囲の理解がないと使えないレンズになってしまうわけで,こればかりは自分自身の努力や工夫ではどうにもなりません。

 写真は撮っていると言うより,撮らせてもらっているものです。それは被写体からも,周囲の人からも,環境や状況からも,許されるようにしないといけないということです。

 もしかすると,私が使おうと思っている現場では,この大きさと威圧感が許されないかも知れません。その場合は残念ですが,この用途には使えなかったと潔くあきらめる必要があることも,覚悟しておきましょう。


 しかし,この重さはかなりつらいです。このレンズの評価のあと,真面目にm4/3の中古ボディを探していました。(結局買いませんでした)

 

2018年の散財を振り返る

  • 2019/01/22 15:17
  • カテゴリー:散財

 毎年のことですが,2018年もやっぱり,無駄遣いを散々していました。

 中には必要不可欠なものもありましたが,そうでないものも結構多く,その上単価がかなり大きなものがあります。

 詳しいことは後で書きますが,高価故に使わず,結果として稼働率が非常に低いという状態になっています。これなら買わなくても同じです。

 かといって,傷も故障も気にせずガンガン使うほど私は器が大きくありません。やはり,分不相応なものを手に入れてもダメなんですねえ。


(1)カメラ

 昨年は大きな投資をしました。

 まず一昨年の広角ズーム騒動を決着させるために,純正のAF-S14-24mmF2.8Gを中古で買いました。

 トキナーは調整を精一杯頑張ってくれましたが追い込めませんでした。タムロンは「こんなもんです」と調整さえもやってくれませんでした。しかしニコンはいきなりバシッと最高の画をたたき出してくれました。

 これが純正のメリットかと思いました。私はブランド信仰はありませんが,その分実力を過度に重視します。だからブランド力の弱いメーカーが,性能で追いつかなかったら,選ぶ理由がなくなります。

 それでも,トキナーのように精一杯頑張ってくれて,それが結果に出てきているなら,やっぱりいいなと思うのです。事実,当時売却してしまったAT-X16-28mmF2.8は,トキナーブルーが忘れられず,買い直そうかと思っているくらいです。

 しかし,タムロンのように「こんなもんです」と言ってしまうのは,最後の最後にしないといかんのじゃないかと思うのです。私の場合,測距点によっては許容出来ないくらいピントが合わない状態になっていて,実用に耐えないレベルでした。

 これを指摘しても「こんなもんです」と言われてしまえば,もうタムロンはあきらめるしかないです。だから,売却したときにはとてもスッキリしましたし,私には縁のないものだと考えるようにもなりました。

 以前も書きましたが,これまでタムロンで言い思いをしたことが一度もありません。我慢すれば済むと言う話ではなく,文字通り使い物にならないという話です。

 話を戻します。

 これで純正で大三元が揃ったのですが,その画がとても気に入っていたAF-S70-200mmF2.8Gの欠点である,VRが効き始めるまでの異様な遅さに我慢ならなくなり,買い換えを決意し,買い換えたのがAF-S70-200mmF2.8Eでした。

 VRの効きは最高,画質も素晴らしく,AFは俊足と,まさに非の打ち所のないレンズでした。ただ,画質は淡泊になったと言うか,キレがよくなりすぎたというか,ちょと自分の好みからはズレてしまったように感じています。

 で,この時ついでに,AF-S24-70mmF2.8Gも買い換えました。このレンズは画質が今ひとつと言われることもあるようですが,私はとてもとても気に入っていて,主題が浮かび上がる感じは他にない個性だと思っていたわけですが,標準ズームは万能でなければならず,その万能選手がVRを持たないことはさすがに問題でした。

 加えて,華奢である事も気になっていました。細身で使いやすかったのですが,機構的な脆弱さがあって,壊れやすいというのがこのレンズの評価の1つでした。せっかくの純正でも,壊れてしまえばそれはもうゴミです。壊れる前に売却しないと大変なことになる,と言う強迫観念もあって,その時在庫のあったEタイプに買い換えることにしたのです。

 さすがに最新のレンズだけに,画質はもうこれ以上を求めるのは無理でしょう。VRといいAFの速度といい,フラッグシップのボディに標準で装着されることが前提のこのレンズには欠点は見つかりません。

 しかし,やはり画質は淡泊になったような感じがします。70-200mmのEタイプと傾向は同じで,それはそれでよいことなのですが,映りすぎるというか,主題が前に出てこないというか,ちょっと難しいなあと思っていつも使っています。

 それ以前に,高価すぎ,怖くて常用出来ないのが問題かも知れません。

 ともあれ,これで現行の純正大三元が揃ってしまいました。これで14mmから200mmをまでを,最高の画質でカバー出来る機材が整ったことになります。

 200mmの上はAF-S300mmF4Dがあるので300mmまではカバー出来ていると考えていたのですが,やはりレンズ交換は面倒ですし,VRがないのがこれほどデメリットになるとは思っておらず,これも現在てこ入れを計画中です。

 
 さて,これとは別に,サブとしてD300を中古で購入しました。3万円以下でかつてのフラッグシップが手に入るのですから,とても面白いです。手に入れて見ると画素数も性能も十分使えました。

 画質は確かに世代的に古くさく,特に色の表現と階調が弱くて,ダイナミックレンジも狭いです。ですからやはりサブはサブなんですが,D850を修理に出している間,大活躍してくれました。

 このD300専用に用意したのが,シグマの17-50mmF2.8EX DC OS HSMです。発売時期も古いのですが,それにしても2万円台でF2.8通しの標準ズームですからね,やっぱり試してみたくなるじゃないですか。

 大きさも重さも手頃で取り回しは良くて,確かに万能だなと思うのですが,フォーカスリングがAFで回ってしまうのでレンズを構える時に気を付けないといけないのが唯一残念なところです。

 画質はシグマらしい切れ味と涼しげな色が好感触ではありましたが,やはり値段相応な収差や歪みがあり,特に背景のボケがうるさくて開放で使う気が削がれます。

 いや,この値段でこの取り回しの良さですから文句は言うまい。かくしてD300に付けっぱなしになりました。

 ストロボもニッシンのDi600を買い足して,SB-700と2灯体制です。微妙に色が違うこの2つのストロボですが,さすが優秀で知られるニコンのライティングシステムは素晴らしく,ただただポンと置いて多灯発光させれば,それで立体感のある写真が撮れてしまいます。ああ,ニコンでよかった。

 そうそう,娘の運動会では200mmや300mmでは届かず,どうすれば400mm相当になるかを思案した結果,とりあえず急場しのぎにテレコンを使おうと,純正TC-20EIIIを買いました。

 これで400mmF5.6か,600mmF8になると思っていたのですが,AF-S70-200mmF2.8Eに取り付けると確かに実用レベルの画質は得られるのですが,70-200mmF2.8Eの素晴らしい点がすべてそぎ落とされてしまい,とてもがっかりしてしまいます。

 AF-S300mmF4Dに取り付けるともはや論外です。

 もともと持っていたTC-14EIIをAF-S70-200mmF2.8Eに取り付けて見たこともあるのですが,全体に眠い画像になってしまい,結局テレコン無しで撮影し,トリミングした方が良い結果が得られました。

 純正とは言え,テレコンはやっぱり残念な結果しか生まないように思います。

 カメラ関係で最後に書くのは,カーボン一脚です。中国製の製品の品質が上がっていることはすでによく知られていることですが,特にSIRUIの一脚には参りました。P-326という製品を買いましたが,1万円を切る価格でこの品質ですから,もう選ばない理由はないんじゃないかと思います。

 とまあ,こんな感じで,子供の成長は速く,ゆえに毎日を漠然と過ごすともったいないわけで,幸い私は,それを記録する方法を知っていて,その手段への投資に価値を感じ,実際に保有を許されています。いつまで現行モデルについて行けるかわかりませんが,最新の高級機を持ち,これを使いこなす楽しさを味わえ,かつ日々を確実に記録出来ることはとてもありがたいことで,無理をしないで続けていこうと思います。


(2)オーディオ

 音楽を楽しいと思って聴く機会が少なくなり,すでに音楽とオーディオは私の中で大きな存在ではなくなっているのですが,技術的好奇心をわかりやすくかき立ててくれるのは,やはりよくわかっている音楽とオーディオの世界です。

 昨年は,シュアのMMカートリッジの生産中止をきっかけに,最近盛り上がっているアナログレコードの再生に少し投資をしました。

 まず,きっかけになったシュアのM44GとM97xEを購入。M44Gなんか,そのままシュアの音です。V15シリーズにこだわっていたことがバカらしくなりました。

 そのV15ですが,長く使っていたV15typeVxMRを床に落として壊してしまい,同じ物といわれるVST IIIを中古で入手,それもそれなりに高価だったのですが背に腹は代えられず,中身を取り出しV15typeVxと入れ換えて,なんとか片を付けたのでした。

 音は紛れもなくV15typeVxMRの音で,カートリッジの音というのは結局の所,スタイラスとカンチレバーが支配的だと思い知った次第です。

 で,ここに端を発してグラドのPrestige Blue2を買ったわけですが,その精細さと解像度は価格を大きく超えており,今おすすめをきかれたら,迷わずこれを即答すると思います。

 そしてカートリッジ祭りは,モノラル専用カートリッジの存在理由を私に教えて幕を閉じます。いつまでこの値段で売っているのかと思われるAT-MONO3を買ってみたところ,モノラルのレコードが明らかにモノラルで聞こえることに,感激しました。

 そう,ステレオのカートリッジでモノラルを聴いても,左右で同じ音が出ているにすぎません。ノイズやちょっとした位相差は左右別で,それがステレオ感を作ってしまいます。

 しかしモノラルカートリッジなら,ノイズも左右同じ,位相差もありません。完全にモノラルであることは,左右で同じ音が出るステレオとは本質的に違うのです。

 こうなってくると,アンプもスピーカーもモノラルで,と,それはそれは恐ろしい沼にはまり込むんですが,幸か不幸かモノラルのレコードが限られる私は,沼の方からお断りが来そうです。

 最後にPCMレコーダ,DR-100mk3です。

 これまでうちの標準機として活躍したDR-100mk2は,LCDに横線が入り,引退しました。後継に選ばれたのがDR-100mk3です。あらゆる面でブラッシュアップされ,もう元には戻れません。

 しかし,ライン入力のインピーダンスが低すぎて,レベルが下がってしまうのはちょっとプロ用としては問題があるかもしれません。DR-100mk2ではこんなことはなかったんですけど・・・

 そのDR-100mk2ですが,aitendoの安いLCDを無理矢理付けて無事復活。LCDだけ取り外して使おうとDR-100mk2をオークションで探していますが,これってどうも人気があるようで,とても安くは手に入りそうにありません。修理したのは正解でした。


(3)家電

 昨年の家電は,大物が2つ。1つは洗濯機,もう1つはテレビでした。いずれも7,8年経過した古い家電でしたので,買い換えでおおきなメリットがありました。

 必ずしも賢い買い物ができたわけではないのですが,得られた結果には満足しています。

 まず洗濯機ですが,シャープのES-G110です。デザインでヒットした斜めドラムで,私は別にそれを理由にして買い換えたわけはありません。しかし,使ってみるとこのデザインは飽きが来ず,異物感がないのです。

 それまで一般的だった曲線を多用した,プラスチッキーなデザインは,冷静に考えると異物感がすごいですよね。なんか,太ったおっさんがでんと座り込んでいるような感じです。

 冷蔵庫だってテレビだってタンスだってテーブルだって,およそ直線で作られています。なのに洗濯機だけパステルカラーに丸いデザインというのは,今は抵抗感が強くてダメです。

 ES-G110は,そこはさすがにシャープ製なので,細かいところは詰めが甘いです。デザイン重視と言いながら建て付けがズレていたりしますしね。

 でも,この「普通の」デザインにトライしたことは素晴らしいと思いますし,洗濯機の基本性能としても,以前のものより格段に良くなっているので,買って満足でした。

 現在は,耐久性がどのくらいかに興味が移っていて,特に乾燥機がいつダメになるのかが心配なところです。毎週の槽洗浄を欠かさず,とにかくホコリと洗剤のカスを溜めないようにしていますが,原理的にホコリが乾燥経路に溜まることは避けられず,まずは3年,無傷で動いて欲しいなと思っています。

 テレビは夏頃に買い換えました。娘が振り回したオモチャがテレビの画面に傷を付けたと思っていたら,これは汚れで一安心,しかし汚れを取るときに傷を私が付けてしまい,結局買い換えという展開です。

 ちょうど43インチでは小さいなと思っていたころだったので,予算12万円でできるだけ大きなサイズという条件で買ったのが,東芝の55BM620Xです。

 ラインナップ上は中の下ではありますが,それは最下位機種にオーディオをてこ入れしたものであるからで,画像面は最下位レベルです。それにLCDですから,そもそもプラズマにはかなうはずもありません。

 実際,買い換えた時には,その画質差に愕然としました。しかし,輝度の高さと画作りの良さ,そして目が慣れてしまうまでに行った画像の調整で,今は不満なく大画面を堪能しています。

 音の良さを軽く見る向きもありますし,いくら頑張ってもサウンドバーを増設するにはかなわないといういけんもあるのですが,それでも内臓のスピーカーだけでそれなりの音質が得られる事のメリットは大きくて,低音もしっかり出ていて,しかも無理に強調することなく,音楽番組も楽しめてしまうこの機種を選んだことは,実は正解だったと思っています。

 買い換え前はBSさえも見ていなかった我が家ですが,どうせならと4K放送をきっかけにBSを見るようになりました。4Kは期待以上の面白さです。BSも面白い番組がたくさん散らばっていて,私はまたテレビに戻ってきています。

 今どき放送波によるテレビなんかで大喜びしているなんてとバカにされるでしょうが,番組表を眺めて面白そうなものを録画予約する楽しさは,かつてのFMエアチェックと同じ物があります。そもそも時間がない私には,このくらいが無理なく楽しめる範囲なのかも知れません。

 家電について言えば,電気ひげ剃りを買い換えたのと,コリコランを購入しました。

 ひげ剃りはラムダッシュのES-LV7Bですが,自動洗浄が改良されていて,特に洗浄剤が安く小さくなったことは特筆すべきでしょう。そり心地も良くて,刃が悪くなっても肌を傷めないというのはさすがだなあと思います。


 コリコランは,かつてパナコランとして売られていた高周波治療器のリバイバルです。値段が随分上がっていて手軽に手を出せなくなっていますが,私には効果があり,手放せません。

 個人的には,次世代機では電池の寿命を半分して,薄型にしたものと出力をアップしたものの2つを用意して欲しいなと思います。


(4)おもちゃと工作

 最近,工作関係はご無沙汰しているのですが,ちょうど1年前に3Dプリンタを買いました。ですが,3Dプリンタはなにかを作る道具であり,それ自身の楽しさを否定こそしませんが,夢中になるほどのものはありません。

 PLAフィラメントもいろいろな色を確保しましたが,まさか経年変化でボロボロになるとはおもわず,これって使えるのかなあとリールにたくさん残ったPLAをみて心配になっています。

 テスターは,FLUKE101やDL2050に決着をつけましたし,なによりアナログテスタを新調しました。サンワのYX-361TRには少々がっかり,しかしCX-270Nには期待以上の結果に満足でした。

 そうそう,昨年は私にとってラズパイ元年でした。もともとローカルに立てるDNSをラズパイに移行しようという計画で始めましたが,実際にセットアップを始めてみるととても面白く,LinuxとPythonでLED点滅という,ハードとソフトの界面が目の前にある事に,懐かしい感激を覚えました。

 そう,8ビットマシン全盛の頃は,これが当たり前だったんですよ。

 オモチャの範囲で最後に買いたいのが,Ozobot Evoです。STEMというキーワードは子供のいる私にも無視できないものですが,私自身が子供だった頃に比べると,娘はすでにコンピュータもネットワークも当たり前の世代だからか,今ひとつこういうオモチャには興味を示しません。

 まあ,子供というのは親の想いとは真逆に生きるものなので,過度な期待はしませんし,そんなもんかと笑い飛ばすわけですが,本当に今の私と真逆に生きられてしまうと,それはそれでちょっとしんどいなと思ったりします。

 で,そのOzobot Evoですが,良く出来ていますし,面白いのも事実ですが,確かに何時間も,何日もハマリ続けるだけの魅力があるかといえば,それは難しいように思います。

 思えば,私が昔プログラムを書いたのも,電子工作をやっていたのも,その成果物が目的としてあり,作った後も便利だったり楽しかったりと継続して接していられたことが大きいと思うのです。

 もちろん,作ることそれ自身が楽しい事はもちろんですが,思うにそれだけでは長続きしません。作ったものが自分の生活の質を向上していくことを実感し,モノづくりが楽しいのは過程も結果もどっちもだと知る事で,一生の趣味となり得ます。

 Ozobotは,確かにプログラミングを簡単にし,その過程と結果をビジュアルで楽しめることに素晴らしいメリットがありますが,何時間かかけてやったことがその場でおしまいになり,その後の自分の生活になにも与えないと思えば,次にまたやろうと思わなくなってしまうでしょう。

 ここに至って,ozobotは学校の勉強と同じレベルに格下げされます。勉強だからやる,学校で習うからやる,というのは,次第に試験に出るからやる,やらないといけないからやる,に繋がり,本人がやりたいかどうか,面白いと思うかどうかに関係がなくなってきます。

 ozobotにしてもscratchにしても,あくまでロボットやコンピュータを動かすために練習に過ぎません。ロボットやコンピュータを動かそうと思わない大多数の子供たちにとって,それらは興味の対象ではなく,縁遠いものであるということ,我々大人はもっと知るべきなのかも知れません。


(5)その他

 世の中が新しいiPhoneで盛り上がっているときに,あえてBlackberry KEYONEを買いました。まだ半年ほどですが,すでに大幅に値下がりしており,3万円出せば手に入るようになっています。

 気になっていたOSは8.1.0にアップデートが済んでおり,あとは運用実績を積み重ねて便利に使うだけとなっているのですが,私はゲームをしませんし,メールもLINEも,物理キーボードがとても便利に使えています。

 とはいえ,ちょっと大きいし重いなあと思います。この大きさでも画面が狭いのはキーボードのせいでもあり,Blackberryが評価されないのも無理はないと思います。

 今買うのだとしたら,KEY2LEがおすすめです。安いし十分な機能を持っています。指紋認証は誤動作が多くあてになりませんし,キーボードのスライド機能も使い物になりません。なら素直にKEY2LEで十分です。

 あと,細かい事は書いていないのですが,古い雑誌をコツコツを集めています。もともとトランジスタ技術で始めたバックナンバー集めですが,1976年以降はすべて揃っています。1975年も1月号と8月号を,1974年も5月号と10月号を手に入れればコンプリートです。

 初歩のラジオは1975年以降はすべて揃っており,1974年も1,2,6月号でコンプリートです。ただし,ハムガイドになってからはそろっていません。

 さすがに私が生まれる前の技術雑誌を集めても仕方がないなあと思いますし,1980年代に比べて1970年代(それも前半)の雑誌は面白くないです。ただ,こういうのって意地になります。

 エレクトロニクスライフは1985年以降ほぼ揃っていますが,まだまだ抜けがあります。1995年くらいまでは集めようと思っていますが,正直なところ,エレクトロニクスライフが面白かったのは1985年から1988年くらいまでで,それ以後はパソコンの話が増えてくるので,あまり集めようという気が起きません。

 そういえばI/Oは古いものの価格高騰がすごいわけですが,私は一番面白いと思われる1983年から1987年までを揃えていますし,1982年も1,3,5月号でコンプリート出来るくらい持っていますので,そんなに必死になっていません。

 ただ,先日,1991年頃のI/Oを読み返す機会があったのですが,この頃のことを思い出して面白く読むことが出来ました。I/Oはエレクトロニクスライフと違い,やっぱりハードウェアに力点を置いてくれているので面白いですし,広告がたくさんあるのもよいです。

 電子展望という雑誌は,今やほとんど知られていませんが,誠文堂新光社の電子工学系の雑誌のうち,最上位に位置するプロ向けで,トラ技のような位置付けです。半導体からマイコンにフォーカスしたことで,パソコンに傾倒して存在意義が問われてしまい,半導体に再帰するもすでに遅く,あえなくバブル前に廃刊になった雑誌です。

 初歩のラジオや子供の科学が大好きな私は,トラ技の内容がこのテイストで読めるので結構好きなのですが,内容がやっぱり薄いのと,パソコンに手を出し始めてからが趣味に走りきれておらず,そこは名門I/Oとの力の差を感じてしまいます。

 その割には最近値段が上がっていて,簡単に手が出せません。もともと,安い値段で80年代前半の空気が吸えたらなあと言う目的だったのに,残念です。

 そして真打ち,Oh!mzです。Oh!Xはすべて揃っていますが,さすがに古いOh!mzは持っていません。それでも1986年は1,3月号,1985年は3月号,1984年は9月号,1983年は1,2月号が欠けているだけです。1982年は全滅ですが・・・

 Oh!mzのように,機種別の雑誌で,しかも長年出ていた雑誌というのは,その時々で主役となった機種とその機種が得意だったことに内容がごろっと変わります。

 まして,シャープのマシンはビジネスに弱く,ゲームとグラフィックと音楽と自作という,まさにコンピュータで遊ぶ方法を全方位でカバーした雑誌になっていました。時に高等数学,時に計算幾科学と,アカデミックな空気に触れることが出来たのも10代の私には貴重なものでした。

 これらの雑誌は,以前は古本屋にしかなく,出ていれば安価に買うことも出来たのですが,いかんせん古本屋が雑誌の目録を用意してくれるはずもなく,現地に赴いて足で稼ぐしかなかったので,入手は難しくまさに時の運でした。

 それがWEBベースで全国の古本屋さんから買えるようになり,入手が楽になったと喜んでいたら,今度は古本屋さんの軸足がオークションになってしまい,値段が高騰するようになりました。

 30年前,古いトラ技は1冊60円だったのに,今や1000円超えても安いくらいです。そろそろ潮時ですかねえ。


 てなわけで,昨年も無駄遣いをたくさんしました。金額だけなら,スマホのゲームに課金しまくって廃人になってるレベルでしょう。寒気がしてきます。

 2019年は,買ったものを上手に使いこなして楽しむフェイズにしたいところです。ただ,消費税も上がり,駆け込みで買うものも出てくるかも知れませんし,家電や風呂釜などの設備で大きな出費があるかもしれません。

 少し,身の丈に合った生活をしようと思います。


 

ちょっとした編み物ブーム

 昨年のことですが,娘がお世話になっている学童で,編み物をするとアナウンスがありました。小学1年生の娘が,手編みのマフラーなど出来るはずもなく,少なくとも私はやらないものだと思っていました。

 しかし,本人はやる気です。友達もやると言ってるらしいです。学童の先生も「大丈夫です」と言い切ります。聞けば,機械を使うとのこと。

 機械?

 編み物の機械と言えば,編み機です。多数の編み針が並んだ上を,ハンドルの付いたキャリッジが左右に行き来する,あれです。

 確かに,左右に動かすだけなら子供でも出来るかも知れませんが,それでも機械編みは教室に通って習って初めて出来るものです。だから大人がほとんどやるんだろうと思っていました。

 始まってみると,その機械というのはなにやら手作りという話です。ますますわからなくなり,現場を見せてもらいました。

 すると,ペットボトルを半分に切り,割り箸を何本か立ててものを使い,これに毛糸を引っかけて,筒を編んでいます。リリアン編みというやつですね。

 娘は2日でポンポンまでついたマフラーを完成させて,上機嫌です。

 これに味をしめた娘は,正月番組のCMで見た「ラブあみ」なるおもちゃを欲しがりました。これ,編み機というより,機織り機です。

 確かに面白そうだと思った私は,度重なる我々両親のうっかりを埋め合わせる事もあり,早速リサーチを開始します。しかし複数ある商品セットごとの構成や価格の違いがわからず,また買い足すオプションで何が出来るようになるのか理解出来ず,この商品は却下しました。

 代わりに買ったのが,リリアン編みの本格的な道具である「ニットクイックルーム 帽子作成編み台」です。ペットボトルを使った自作品では,ペットボトルの太さの筒しか編めません。マフラーは出来るかも知れませんが,太いものが欲しい時,あるいは帽子はお手上げです。

 そこで4サイズの輪っかがセットになってるこれを使えば,すでに習得した技術で帽子を編めます。実はこれが本命でした。

 しかし,これだと「ラブあみ」と違うという指摘に抗しきれません。そこで用意したのが,上位機種と考えて良い「モコもじオリーナ」です。

 縦糸と横糸のある機織り機ですが,パンチカードによる文字や図形を織り込む事が出来る優れものです。パンチカードってのが痺れますよね。

 で,これを探しているときに,偶然見つけたのが「あむかわアミーナ」です。

 そう,これこそ,あの機械編みを行う編み機を,子供向けにアレンジしたものです。

 私の母親も,他例に漏れずまるでギターかキーボードかと思うような大きな編み機を担いで教室に通い,機械編みをマスターしていました。大きく重くかさばり,機械で編める部分は速いけど,それ以外の部分は手作業になり,トータルではそんなに楽できないという根本的なことに気が付いて,母親も熱が冷めてしまい,引っ越しの際に編み機は処分されたことを覚えています。

 なら,なにが編み機の魅力だったのかと思えば,やはり既製品と同じような風合いが手作りで得られる事にあったのでしょう。手編みが尊ばれ,その風合いこそ正義とされる現代においてはにわかに信じがたい面もありますが,当時は既製品が高価で,手作りの理由が「安い」ことだったことで手作りが既製品よりも低く見られる風潮もあって,自作派は一歩でも工業生産品のクオリティに近づこうと頑張っていたのです。

 だから,「レストランの味をご家庭でも」という触れ込みで編み機が入り込むことも,まあわからなくはなく,しかし次第に変化する価値観の中で,すっかり忘れられた存在になっていました。

 と思っているのは私くらいのもので,確かに編み機は30年ほど前に最終製品が出てから消えてしまいましたが,今でもマニアはメンテをしながら使い続けているそうですし,最終品はフロッピーディスクで図案を流し込めるようになっているらしく,これをハックしてUSBでPCに繋げるようにする改造が海外で報告されるや,任意の画像を毛糸を編んで描画できる「プリンタ」として,maker達の間でブレイクしているらしいのです。

 本当かどうか知りませんが,6本の色を切り替えて,キャリッジをモーターで動かす事の出来るようなバケモノのような編み機も存在したらしく,これは稼働するものが世界に数台というレアモノで,伝説となっているそうです。

 一方で,特に女の子向けのおもちゃとして,手作り道具をオモチャにした物の再販がここ数年で続いています。確かに私が子供の頃には,こうしたクラフト系のオモチャがたくさんあったように思うのですが,しばらく見ていませんでした。

 私たちが子供の頃は,親がやっていることを真似したくて,それで親の道具をオモチャにした物が人気を保っていたのだと思いますが,やがて大人が自作をせず,価格の下がった高品質の既製品を買うようになって,子供がこれらに憧れることがなくなったのでしょう。

 しかし,ここ最近,本質的にモノづくりが大好きな子供達の間でブームが到来し,織機や編み機が復活しているという話を聞きました。だから,「モコもじオリーナ」も「あむかわアミーナ」もここ数年で出た新製品ですが,我々と同じ世代の反応は「持っていたものと同じだ」「いやはやなつかしい」となってしまうわけです。

 まあ,こうしてブームは回っていくものです。私としては,知らずに育ってしまった世代と知って楽しんだ世代の違いが,なんだかんだで大人の都合だったりすることを理不尽だと思いつつ,我が子にこうした機会が訪れたことを素直に喜んで,買うことにしたのです。

 ところが,このうちあむかわアミーナについては,ちょっと様子がおかしいのです。元の値段が1万円超えなのに,特価で1500円です。いくらなんでも安すぎます。

 レビューを見ると,星1つの最低のものがならんでいます。読めば最悪だの子供が泣いているだの欠陥品だの金返せだの責任者出てこいだのと,もう散々です。

 確かに機械編みは難しく,道具も調整が必要なものですが,それらを簡略化した子供向けのオモチャが,話にならないほどの完成度というのは大手メーカーの製品としては信じがたいものがあります。

 しかし実際この価格ですし,調べてみるとクレームが殺到し販売中止になっていることから,まるっきりウソでもなさそうです。つまり,売る側と買う側の想定がズレていたということでしょう。(その原因は価格である事も忘れてはなりません)

 なら,過度な期待をしないで使いこなして見ようと意気込んで,自分用にあむかわアミーナを買ってしまいました。

 週末に少し時間が出来たので,家にあった毛糸を使って試してみました。

 ・・・全く編めません。

 なにより精度が出ておらず,キャリッジが引っかかり進みません。無理に動かすと針が曲がってしまいます。

 なんとか頑張ってみましたが,2時間格闘して8段が最高記録です。

 で,説明書をもう一度見てみると,7号の棒編みの毛糸は使えるが,アクリル100%はダメとあります。手元の毛糸のラベルを見ると,アクリル100%でした。

 ならばと付属の少し細い毛糸で試してみたら,サクサク編めます。いや,おもしろい。

 確かに説明書通りで,欠陥ではないんでしょうけど,本当ならアクリル100%でも編めるようにするべきなんでしょうし,買う側はそれを期待しますよね。

 機械編みとは言え,あむかわアミーナは針の数も少なく,目も粗いですから,糸は太くないと実用的なものを作る事ができないでしょう。

 良く出来ているなあと感心する反面,おそらく昔のまま再版されたこの商品は,十分な検証もされず,また現代のニーズや購入者のスキルを推し量ることが出来ずに,欠陥商品扱いを受けることになったんだろうと思います。

 機械編みは前述の通り,手動で操作する部分がかなりあります。特にセーターなどは袖の部分の太さを変えるところや袖のゴム編みなど,完成までに大変な手間がかかります。

 私はニットを作る趣味はなく,むしろ苦手ですのでこうしたものを完成させることに興味はありませんが,キャリッジを左右に動かす事でなぜ1本の糸が面になるのかをようやく知る事が出来て,それでもう満腹になっています。

 私が平編みや模様編みを綺麗に出来るようになったら,娘に払い下げる予定です。娘は実用品を作る事を目的にしているので,きっとあむかわアミーナも使いこなして。マフラー何かを作る事をするでしょう。

 父親としては,それがどこの馬の骨かもわからん奴のために作られることがないように,心から願っています。


 追伸:モコもじオリーナは娘も面白がって遊んでいます。パンチカードで模様が編めることもおもしろいらしく,寝食を忘れて編んでいるのですが,いかんせん最初と最後やミスをしたときのリカバーを自分で処理できず,結局母親の手を患わせてしまうので,買い与えた私は不評を囲っています。

 しかし,娘は自分の祖母に名前入りのマフラーをプレゼントしたいらしく,一生懸命です。けなげだと思う一方で,自分の作ったもので他の人が喜ぶことの楽しさを味わってくれて,私はよかったと思っています。

 

GRのセンサのホコリを取る

 年末年始は,右手中指の脱臼で本当に不自由しました。

 なにせ中指ですから,ものをつかめません。それが利き腕ですので,もうなんにも出来ないといっていいです。

 問題の1つは,一眼レフを扱えないことでした。

 D850は手にフィットし,ストレスなくホールド出来る優秀なデザインを誇り,レンズ込み3kgまでならその重さが障害になりません。

 しかし,指が不自由になって,恐る恐るD850を持って見ると,シャッターボタンを押せません。無理に押そうとすると痛みが走り,カメラを落としてしまいます。そもそも握ることに支障があるのですから,D850はもう持てません。

 このままこれが続くと泣いてしまうなあとがっかりしつつ,とりあえる年末年始をどうやって乗り切るかを考えます。

 Pentax Q7でいくというのも考えましたが,ふと目にとまったのがGRです。

 GRはどうも肌に合わず,長い間使わない状態が続いていました。しかし,右手を怪我した今となっては,これが一番高画質です。

 必要に迫られて取説を見ながら真面目に使ってみます。ちょっとホワイトバランスが好みに合いませんし,派手にモアレも出てしまうので油断出来ませんが,十分高画質です。

 よし,しばらくはこれいこう。

 で,ふと気になって,F16で白い壁を撮影してみました。そう,センサのホコリを確認してみたのです。

 通常の撮影で気付いた訳ではないですから,よせばいいのに確かめてしまったから始末に負えません。果たして,右上に4つほど,大きなホコリが映り込んでいます。

 そうなるともう気になって仕方がありません。しかしGRはコンパクトカメラです。レンズ交換が出来ないので簡単にセンサの掃除をするわけにはいきません。実際,修理扱いとなりそれなりに高価な出費を覚悟せねばなりません。

 このこともあって,発売が予定されるGR3にはセンサを振動させてホコリを落とす機能が入ることになっていますが,なるほど羨ましいです。

 羨ましいですが,手元にあるのはGR3ではなく初代GRです。とっくに保証期間は終わっていますし,これはもう自分で掃除をするしかないと覚悟を決めて,年末のある夜,家族が寝静まってから分解を始めました。

 幸いにして,海外を含む多くのユーザーがGRを分解し自分でセンサの掃除を試みてくれていて,その詳細な方法を語っています。私もこれにならい,分解をしていきました。

 特に難しい箇所はないのですが,なにせコンパクトデジカメですから,センサのホコリがちゃんと取れたかどうかを確かめるには組み立て直しをしなければならず,そこでまたセンサが汚れていると判断されれば再度分解をしないといけないというのが大変でした。分解と組み立てを繰り返すと,必ず壊れるものですから,もう冷や冷やしながらの作業です。

 今回も5回ほど分解と組み立てを繰り返すことになりましたが,それでも気になっていたホコリは綺麗に取れました。1つ,センサとの距離が表面にあるホコリと違っているせいで,もっとぼやけて大きく映っているものがありました。

 表面のホコリではないので拭き掃除をしても全く取れず,これはもうあきらめました。

 組み立て後は全く問題なく動作しています。よかったよかった。

 GRに限らず,デジカメのレンズとセンサの間は完全に平行である必要がありますし,その間隔も精確ではなくてはなりません。レンズが交換出来ないカメラでは,これが製造時に調整されているものがほとんどで,分解すると調整が狂うものも少なくありません。

 しかしGRはレンズユニットを固定するネジと,平行を出す調整ネジが別々になっているので,固定ネジだけで作業が済めば再調整をする必要は避けられそうです。だから素人でもセンサの掃除が可能です。

 さて,これだけの危険と手間をかけて掃除をしたのですから,もう二度と同じ事をしたくはありません。しかい悪いことに,沈胴式のコンデジは,鏡筒が本体内に潜り込みますから,ここに付着したホコリが本体内部に入り込むことを避けられません。

 そこで,GRユーザーに受け継がれてきた対策が,フードアダプタとフィルタによる密封です。

 GRでは,フードやフィルタを付けるために,伸びた鏡筒をすっぽり覆う筒を本体に取り付けることができます。フードはこの筒の先端に取り付けるわけですが,せっかくの可搬性が損なわれてしまうと,私は用意していませんでした。

 しかし,ホコリを防ぐといわれれば致し方ありません。ディスコンになる前にということで,フードとセットで買いました。この段階ですでにポケットに入らなくなったので,もう割り切って革製のジャケットも買うことにします。

 アダプタを本体に取り付け,さらに49mmのフィルタをねじ込みます。これで実質的に沈胴しないレンズを装備したGRになりました。

 さらにフードを取り付けますが,純正のフードは今ひとつ格好良くないです。そこで私の大好きな,SMC takumar28mmF3.5のアルミ製角形フードを取り付けて見ます。

 このフードはねじ込みではなく,鏡筒の外側を噛み込むように取り付けるので,フードをしたままでもレンズキャップができる上に,アルミならではのシャープな外観を持っていて,格好がいいのです。

 同時に届いたジャケットを取り付けてみると,なにやら既視感が。

 うーん,このサイズ感は,小型化競争が激しかった頃のMXやMEにそっくりだなあ。

 コンパクトデジカメなのに,銀塩時代の一眼レフのようなシルエットで,やっぱりカメラは大型化しているんだなとつくづく思いましたし,むしろ格好がいいということもあって,もう可搬性についてはさっさとあきらめてもよいと思うようになりました。

 小型薄型の伝統を守ったGRですが,こうしてポケットにもカバンにも入らず,一眼レフ並みの扱いを受けることになってしまいました。それでも格好はいいですから,気をよくして使っています。

 フォーカスを固定し,ノーファインダーでガンガンスナップを撮ることが出来るその小気味良さ,最強のスナップシューターといわれることをようやく実感しました。

 新しいGR3はさらにGRよりも小型になり,GR Digitalのようなシルエットになります。私は今のGRやGR2が好きですし,当分これでいこうと思っています。

 しかし,どうもAFの精度とモアレ,ホワイトバランスが今ひとつです。このあたりは使い込んで癖を掴むことで改善されることもあると思います。もう少し頑張って見る胃事にしましょう。

 

 

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