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カテゴリー「カメラに関する濃いはなし」の検索結果は以下のとおりです。

この連休~カメラ篇

 この連休は実家にも戻ることなく,長いお休みを自宅で過ごしました。天気の良い日もあったのですが,基本的には引きこもっていました。

 しかし,引きこもった家では,毎日大忙しでした。


・防湿庫の改造

 私の防湿庫は,東洋リビングのED-50SSというモデルです。2006年に買いました。先日防湿庫の整理を行った際に電池が液漏れしていて大騒ぎだったわけですが,この時懸案だったトレイをもう一段増やそうと考えました。

 オプションとして販売されていたことを思い出し,探してみたのですが,結果として分かったことは,ED-50SSはすでに何世代も前の機種になっていることでした。現行機種はトレイも,トレイを支えるレールもプラスチック製に変わっていますし,湿度計もデジタル表示の電子式に変わっています。

 それだけではなく,光触媒でカビを防止する機能もあるようで,よってお値段も数千円上がっています。私はそこまでの機能は必要としていないので,安く買えてよかったと胸をなで下ろしました。

 しかし,最新機種から随分遠いところにいる自分がちょっと悔しく,最新機種に近づけるべくアップグレードを計画しました。

 まず,湿度計です。ED-50SSはアナログ式の湿度計が付いていますが,当時ドイツ製との触れ込みであったにもかかわらず,私のものは壊れているらしく,50%以下の表示にはなってくれません。それで紙製の湿度計をガラスの内側に貼り付けていたのですが,現行機種に採用されている電子式の湿度計が別売りされているので,早速注文。約2500円でした。

 取り付け方法については確認出来なかったのですが,防湿庫のような息の長い商品は,あまりこうした取り付けの方法などを変更しないものです。まぁなんとかなるだろうと届いた商品を見てみると,今ついているアナログ式の湿度計と交換可能になっていました。ネジの穴までぴったりです。

 新しい電子式の湿度計に交換して一日放置すると,紙製の湿度計とほぼ同じ値を示しています。これならもう電子式の湿度計単独で湿度管理が出来そうです。大きく見やすく,デジタル表示でしかも正確と,これは大満足です。


・トレイの追加

 ED-50SSのトレイはすでに入手が出来なくなっており,現行機種の追加トレイを購入しました。湿度計と同じく,一応サイズだけは確認して,まぁなんとかなるだろうという甘い考えで注文しました。

 注文したのは,「透明プラスチック引き出し棚セット ED-41・55CDB専用 小」という長い名前のやつです。約2700円。

 届いて中身を確認すると,私は自らの考えが甘かったことを思い知ります。トレイのサイズはともかくとして,レールの取り付け方が全然違っています。

 幸いプラスチック製ですので加工は簡単です。やむを得ません,削って加工しましょう。かなりの部分を削る必要があるのですが,これを手作業で削っていると日が暮れてしまいます。こういうときに活躍するのがベルトサンダーです。

 久々に取り出して削って行くのですが,粘りのあるプラスチックなので作業も今ひとつ捗りません。あともう少しというところで,粗目のベルトがぷちんと切れてしまいました。かなりの熱を持っていましたので,やむを得ない所です。

 ベルトを交換して作業続行。1時間ほどかかってなんとか目論見通り削ることができました。これを庫内に取り付けるのですが,ここがまた難しい問題です。安易に接着剤などを使ってフックを取り付けても,重みや経年変化で外れてしまいます。トレイに乗っているのは大事なレンズ。これがガシャーンと落ちてしまったら,下のトレイも巻き込んで大損害です。

 そこで,ちょっと厚めのステンレスの板をZ字に曲げてフックを作り,レールをぶら下げるように取り付けました。フックに乗せてあるだけですが,トレイの大きさが横幅いっぱいなので,トレイが取り付けられるとレールはちょうどいい間隔で固定されるわけです。前後の位置は,さきほど旧レールの固定用の支柱を避けるようにレールの一部を削り勘合させましたので,これも大丈夫。

 少しずつ削ってあわせ込むという場当たり的な方法ですが,グリスを塗ってやれば実用上問題なしです。ただ,トレイを手前に引っ張り出すと,重みで奥側が上に浮き上がります。レールを上下方向で固定してあることが前提のトレイですが,私は乗せてあるだけですので,これはもう注意するしかありません。

 あとはトレイの高さを調整し,並べ替えを行うだけです。

 大幅に置き方を見直し,手持ちのレンズやカメラが,随分綺麗に取り出しやすく保管できるようになりました。一緒に買ったフジのカビ防止剤を入れ替えて,これで一安心です。


・MZ-10が壊れた

 それで,トレイ追加と並べ替え作業中に,ペンタックスのMZ-10の動作確認をしたところ,モーターが空回りして,シャッターのチャージが行われないという恐ろしい持病が発生しました。

 この頃のペンタックスには,シャッターのチャージを行うモーターのピニオンギアが割れるという持病があり,発売から10年以上が経過している現在,無事な個体は少ないのではないでしょうか。ピニオンの割れですですので,使い込んだかどうかにはあまり関係なく,ほとんど使っていなくても割れるでしょうから,なおさらです。

 以前ジャンクで買ったMZ-10はまさにこれで,結局ピニオンを接着したか何かで無理に修理を行ったのですが,その後オークションで2台の完動品(色はいずれもシルバー)を入手し,黒の外側に交換して使っていました。

 MZ-10はMZシリーズの廉価版で,プラスチックを多用した安っぽい外観,ペンタミラーのおかげで暗くて狭いファインダー,そしてマウントがプラスチックと,実害の有無は別にしても,コストダウンを最優先にしたモデルです。

 しかし小ささ,軽さ,そして1/4000まで切れるシャッターにモータードライブ内蔵という基本性能の高さで,ついつい持ち出してしまうカメラでした。加えてCPUを内蔵しないレンズでもちゃんとAEが動作するのでAE,フォーカスエイド,そしてモータードライブというフィルムカメラの最新装備をM42レンズでも利用出来るというメリットがうれしいカメラです。

 もう何年も前の話なので,慣れていたはずの分解に手こずりましたが,なかを確認すると予想通りピニオンの割れが発見されました。がっかりです。

 そこで,もう1台だけ残っている予備機を用意し,黒の外装に交換しましたが,これがなかなか手こずったのです。どのネジを外せば良かったか,その順番で組み立てれば良かったか,配線の色はどうだったかなど,もうすっかり忘れています。

 時間をかけて組み立てて,一通りの動作の確認をしましたが,切れ味の悪い愚鈍な動作ではありますが,なにか飽きの来ない不思議な手触りのするカメラです。先日買ったSFXnも個人的には好きなカメラですし,SuperAはもっと小さく好ましいカメラです。M42時代のSPやES2は言うに及ばずですが,それらとはまた違った楽しさがこのMZ-10にはあります。

 このギアが割れるまで,あと数年。これが割れてしまえば,もうおしまいでしょう。


・K10Dのフォーカスずれ

 K10DのAFがややずれていることが,以前から気になっていました。マニュアルでジャスピンにあわせたつもりでも,フォーカスエイドがジャスピンの表示をする位置からはずれますし,実際に撮影すればやはりピンぼけになっています。

 そこで,AFズレを自分で修正する方法を探し出して,調整を試みました。

 マニュアルでジャスピンにあわせた場所と,AFでジャスピンになる所を一致させて見たのですが,これで撮影すると派手にフォーカスがずれてしまいます。

 それで,AFズレの調整値を初期値に戻したところ,ファインダーの像はぼけていても,撮影した画像にフォーカスのズレはないことがわかりました。

 これで分かったのは,私のK10DにはAFズレはないということ,しかしファインダー像はフォーカス位置からずれてしまうことです。AFで使う限り,あるいはフォーカスエイドに頼る限り,この問題は回避できますが,せっかくの見やすいファインダーを持つK10Dだけに,とても残念です。

 ・・・と,まてよ,ファインダーの像だけずれるという事は,フォーカシングスクリーンの位置がずれているんじゃないか?

 そういえば,私はフォーカシングスクリーンを,*istDSのものに交換していたのでした。これはK10Dでは定番の改造で,本当は使えないとされている*istDSのスクリーンに交換すると,やや暗くなるのですがピンとの山が掴みやすくなるということで,マニュアルでの使用頻度の高い私は早速この改造を行いました。

 改造といっても,別に削ったり穴を開けたりすることはなく,本当に交換するだけです。

 多くの人がこの改造を行って「よくなった」と言っていますので,これが原因だったとは思いたくないのですが,万が一の事もあると思ってもともと付いていたスクリーンに戻したところ,ファインダー像のピントの山が来たところで,スパッとフォーカスエイドの表示が点灯するではありませんか。

 原因はこれだったのね・・・私は単純に露出が1/3段ほどずれるだけだと思っていたのですが,まさかフォーカスにまで影響があるとは思っていませんでした。なんかおかしいなあと思い続けていましたが,この結論にも複雑な思いです。

 確かに,ピントの山は*istDSのスクリーンの方が掴みやすいですが,掴んだ山がずれているのでは意味がありません。これはもう元に戻す他ないでしょう。

 定番の改造なんですが,他の人は問題出ていないのかなあ。今頃になってこういう話をする私も私ですが。

防湿庫の整理と粉を吹いた酸化銀電池

 昨日,ふと防湿庫に目をやると,湿度計が70%というまずい値を示していることに気が付きました。

 そういえば,3月11日の地震からこっち,防湿庫の中身をきちんと確認していないので,急に不安になりました。もし防湿庫が壊れたんだとしたら,これは買い直しも処分も大変面倒です。(いや,大きめのものに買い直すチャンスかもしれません)

 とりあえず中身を取り出し,湿度設定をより低いものにしてしばらく放置すると,ちゃんと50%位まで下がってくれたので,地震で扉に隙間が出来たか,あるいは振動で中身が内側から扉を押して隙間を作ったか,まあそんなところでしょう。

 とりあえず壊れてなくてよかったです。

 せっかくですので,軽く点検をしましょう。下手をすると1ヶ月以上高湿度で締め切ったので,もしかすると予期せぬ異常が起こっているかも知れません。
 
 まず銀塩カメラです。一番気になるES2ですが・・・あれ低速シャッターが動きません。ES2で低速が出ない時は,大体ソレノイドか基板が逝ってるので,もう致命傷です。おどおどしながらバッテリーチェックをしてみると,電圧が下がっています。しかもバッテリーチェックをしている間,ジワジワと電圧が下がっているので,これはかなり電池がへたっているんだと思います。

 ES2の電池ブタを外し,電池を取り出します。そういえばダイソーで売っていた酸化銀電池を奢ったことを思い出しましたが,嫌な予感がしつつそれぞれの電池の電圧を測定すると,1つは0.4Vくらいまで下がっています。あとの3つは1.57Vくらいあるので,まだ使えそうです。

 その下がった電圧の電池をよく見ると,粉ふきいものように粉が付いています・・・「も,もしやこれはっ!」

 そう,液漏れでした。

 ボタン電池で液漏れしたことがないのでちょっと驚きだったのですが,油断しました。酸化銀電池でも液漏れってするんですね。

 幸いカメラ本体への被害はなく,電池を1つだけ新しいものに交換するとちゃんと動きましたので助かりました。ちゃんと1秒の低速シャッターも切れましたので,一安心です。しかしあらためて,このES2というカメラには一種の麻薬が潜んでいますね~。手に収まる感じ,音,振動,ずっしりとした重さと妙なハイテク感,最近の高級機とは違った厚ぼったい重量感・・・

 そんなことはどうでもいいのですが,他にも同じような液漏れを起こしている可能性が急に心配になって,防湿庫内の全てのカメラを点検することにしました。

・NikonF100・・・自作のCR2電池ケースに入れていた,マクセルのCR2は電池が切れて動かず。F100って結構電池を食うカメラなんですね。単三電池で動かすと問題なしなので,この際だから電池は抜いて保管しましょう。しかし,このシャッターの切れ味といいボディの剛性感といい,さすがF100です。このカメラには一種の麻薬(以下略)

・NikomatEL・・・高価な4LR44を入れていますが,これは国産だけに液漏れはありません。電圧もやや下がっていますが,一応動作はします。しかしあらためて,このNikomatELというカメラには一種の(以下略)

・NikonF3・・・全く動作しなかったため電池を取り出すと,GoldenPowerのSR44が出てきました。1つは液漏れしており,粉を吹いています。カメラは無事で,LR44に入れ替えると問題なく動作しました。しかしあらためて,このF3というカメ(以下略)

・NikonFE・・・バッテリーチェックはギリギリ大丈夫という所だったのですが,動作は問題なし。電池を確認すると,なんとCR1/3が入っています。私がこれを買うことはおそらくないので,最初に入っていたのでしょう。しかしあらため(以下略)

・PENTAX SuperA・・・一応動作はしたのですが,確認するとやはり電池の1つが粉を吹いていました。電圧を測定するとどちらの電池も1.55V以上あります。一応1つだけ入れ替えておきましょう。しかしあ(以下略)

・MinoltaCLE・・・動作確認を行うともんだいなく動いていますが,電池はやはり1つだけ粉を吹いていました。電圧は下がっていないのですが,粉の吹き出し方が激しく,かなり中身が吹き出したようです。とりあえず1つだけ交換しました。このCLEはご存じの通り,私がPICマイコンを使って電気部分を作り直したものですが,コトリという音を発して走る上品な横走りシャッターが,実はPICマイコンで制御されているというのは,ちょっとうれしいです。しかし(以下略)

・MinoltaXE・・・このカメラも動いたのですが,やはり電池は1つだけ粉を吹いていました。粉を吹いた電池も電圧は1.55V以上あるのですが,やはり気持ち悪いので交換しないといけません。XEは無骨でそんなに美しいカメラとは思えませんが,巻き上げ,シャッターの落ち方など,とてもスムーズで癖になる味わいです。しか(以下略)

・OlympusPEN EED・・・Autoモードでは一応シャッター速度が可変しているようなので動作しているように思うのですが,スポンジテープを外周に巻いたSR44を取り出して見るとやはり粉を吹いています。さらに悪いことに,電池バネに使ったリン青銅板に緑青が浮いています。とりあえず紙やすりで削り落とし,電池を交換して同じように動作していることを確認しました。し(以下略)


 ということで,ダイソーか秋月で購入したGoldenPowerの刻印のある電池が軒並み粉を吹いていたわけですが,とりあえずカメラ本体に甚大な被害を出さなかったことは幸いでした。

 それにしても,電圧にバラツキがあったり,粉を吹くものと吹かないものとあったりして,どうもばらつく印象ですね。

 確かに,自分で修理したカメラですから,動態保存していつでも空シャッターが切れるようにしておきたいものです。しかしそのことで今回のような液漏れが起こるとなると恐ろしいですし,最近はそんな取り出して空シャッターを切ってニヤニヤすることもなくなっています。安全のため電池は一度全部取り出しておくのが良いように思えてきました。

 ところで,その中国製のあやしげな酸化銀電池ですが,その後の調査で,ダイソーで購入してあった10個の新品のストックのうち,なんと5つがパッケージに入った状態で液漏れしていました。有効期限が2008年までですので怒る気にもなりませんが,結局100円ショップで買ってきた電池のうち半分が死んでしまい,単価は200円になりました。これだと一頃目にしたマクセル製のものと,そんなに値段が変わらないですよね。(今もこの値段で売られているかは知りませんが)

 どうせ水銀もバンバン使っているんでしょうから,この液漏れ電池はまずいです。まさかボタン電池,それも高級品の酸化銀電池でも,安物買いの銭失いが通用するとは思ってませんでした。まじで中国の人たちは,こんな低品質な電池を普段使わされているわけでしょ,もう気の毒としか言えません。

 なお,紛らわしいのですが,GoldPeakのLR44については,どれも全く液漏れしていませんでした。なぜか大量にストックがあるLR41についても,同社製のものは全く無事でした。GP社といえば「ははーんあれか」と思う人もいると思いますが,なんだかんだでここは電池メーカーとしては大手ですし,豊富なOEM実績があるので,性能はともかく品質は大丈夫と思われます。

 そうそう,レンズ関係も一通り確認してみましたが,どれも無事でした。時々風を入れて上げないとカビも出ますし,悩ましいところですが,AiAF-Nikkor85mmF1.8Dや,FA77mmF1.8の大きな前玉を見ていると,まさに吸い込まれそうになります。至福の時,ですね。

 確かにレンズの数は増えました。よくあることだと思うのですが,必ずしもそれらレンズの癖を覚え,出てくる画の特徴がレンズ本体と紐付けされているわけではありません。その意味で,FA43mmF1.9やPlanar50mmF1.4ZF,SMCtakumar28mmF3.5,NoktonClassic40mmF1.4あたり,本当に個性的で大好きな,それぞれに記憶がちゃんとあるレンズで,決して高価なものではありませんが,宝物として絞り込まれて来ているんだなあとつくづく思いました。(というか全部マウントがバラバラというのはどういうことでしょうね)

 minoltaのMC/MDレンズやAsahiPentaxSP,NikonF70Dあたりの防湿庫に入れることが出来なかったものは未確認ですが,今度の休みの日にでも確認しようと思います。

実はSFXnを買いました

 先日,クリスマス前の休日に,近所のデパートのカメラ屋さんを見ていたら,PENTAXのSFXnが2000円で売られているのを見つけました。

 SFXやSFXnといえば,私が高校生の頃,後発だったPENTAXがようやく発売したAFカメラです。いかにも1980年代のカメラという感じのプラスチッキーな感じもそうですし,当時は最先端だったかも知れない性能だって,今から見るとオモチャみたいなものです。

 その後出たSF7やMZシリーズには,私は全然興味がないのですが,SFXだけはとても気になる存在でした。なんといっても,同時の私はSPのユーザーです。時代遅れの感じがあったPENTAXがようやくα7000やEOS650に匹敵するカメラを作って肩を並べたと知れば,やはり感情移入は起ころうというものです。

 で,2000円という価格もあり,また手持ちのレンズで遊べるなと思って,保護しました。中古カメラにも「保護」という言葉が使えるようになるとは,思いませんでした。

 ガラスケースから出してもらうと,底面に入荷日を記したメモが貼り付けられています。見ると,11月中頃の日付があります。そうか,2000円でも1ヶ月以上も買い手がつかなかったのかと,値段よりもむしろこのことの方が私には悲しくなりました。

 家に持ち帰って動作の確認ですが,電池が切れていて動きません。そこで外部電源を無理につないで動作確認をします。問題なく動作していそうです。シャッター速度も低速は少なくとも出ているようですし,AFも問題なく動作しています。さっと露出を確かめてみましたが,こちらも問題なしのようです。

 フィルムを通しての確認は,電池(2CR5です)を買ってからになりますが,返品不可のジャンク品でも2000円という価格から,動作そのものには問題はないだろうと考えたところ,正解でした。傷も少なく,大事に使われていたようです。

 さて,特に目立った性能も個性もないSFXnですが,もう少し素性を調べて,いろいろ遊んで見たいと思います。なんだかんだで,当時の高級モデルだったわけですし。

リコーのGXRが作る素晴らしき世界

 リコーから発表になった新しいコンセプトのデジタルカメラ,GXRを取り上げないわけにはいきません。

 名前の由来として,同社のコンパクトデジカメGXシリーズと,かつて同社が発売していた一眼レフ銀塩カメラXRシリーズをあげたあたり,ついついニヤニヤしてしまうオッサンとしては,XRシリーズの面白さってなんだったかなと考えてしまいました。

 XRはKマウントのカメラで,ペンタックスの豊富なKマウントレンズを使う事の出来る,非常にコストパフォーマンスの高いカメラでした。基本性能に特化し,普段余り使わない機能や性能にはお金をかけず,お金のない高校生なんかにユーザーが多かったように記憶していますが,これはこれで重要な価値がありました。

 ボディは基本性能さえしっかりしていれば,そんなに高価なものはいらないというのが私の考えです。高価なボディにはそれなりの理由もあるし,持っていてうれしくなる精神面での寄与が良い写真を生むトリガになるのも事実ですから,高価なものを否定する気はありません。

 しかし,ボディよりも,レンズが支配する割合が大きいのが銀塩写真の世界ですので,あの個性豊かなKマウントのレンズが,あんなに安い値段で使えるなんて,なんてうらやましいカメラだろうとXRシリーズに感じた事は,実は何度かありました。

 これはつまり,GXRシリーズの面白さに繋がるといえるのですが,GXRは撮像素子と光学系を1つのパッケージにし,ボディには画像処理エンジンとストレージ,そしてディスプレイと操作系を担わせたものであるわけで,レンズの交換によるメリットと共に,ボディ側の進化やシリーズ展開が期待できるということです。

 リコーも含め,報道でもこの点はあまり積極的に触れていないように思うのですが,私はこれを強く期待したいです。(そのためには長くこのシステムを継続してもらわねばなりませんし,魅力的なレンズユニットが登場することが必須ですけど,これは大丈夫なような気がします)

 つまり,耐環境性能に優れた完全プロ仕様のボディや,超大容量のストレージを内蔵したモデル,超高速化や超高画質化という流れもあるだろうし,電池寿命が極端に長いモデルもありでしょう。もしかすると2つレンズユニットを取り付けてステレオ撮影が可能なモデルもありかも知れません。

 逆に,液晶画面も小さく,耐久性もやや低い安いボディというのもいいですね。最初にこうした廉価版を買っても,後で高級なボディに買い換えるというステップアップも出来ます。

 製造の難しい光学系を電気信号で分離したことで,もしかすると他社の参入もあり得るかも知れません。こればかりはリコーの考え方によるでしょうが,各社の画像処理エンジンの性能差による画造りの差を楽しめたりするかも知れません。

 コンパクトデジカメを作る力があれば,このレンズユニットを作る事が可能という点で,こちらも様々なメーカーの参入が可能でしょう。光学系の製造は出来ても,画像処理はまだまだ,という海外メーカーは多く,それこそCarlZeissのような高級品から,旧ソ連のレンズのようなマニアックなレンズまで,それこそいろいろな可能性が出てくるように思うのです。

 これはもしかして,M42のレンズ沼になる可能性が・・・いや,それはちょっと気が早すぎるか。他社の参入があった時点で,その夢を膨らませることにしましょう。

 いずれにせよ,システムカメラとして一歩を踏み出す決意が,最初に50mm相当のマクロレンズをAPS-Cサイズの撮像素子で用意したあたりでうかがえるのは,私だけではないと思います。その長く険しい,容易に撤退することを許されない世界に飛び込んだ英断を賞賛したいと思います。

 技術的には,1つのパラダイムシフトといって良いと思います。レンズとボディは,連動無しから機械式連動になり,やがて電気信号を用いるようになりますが,ここまでは光学系と制御系が分離していました。

 しかしGXRではこの光学系についてもレンズで完結し,制御系共々電気信号に統合してボディに伝達するという,1つの到達点に来たように思います。

 このことによって,光学ファインダーを捨てることになってしまいました。逆の言い方をすると,光学ファインダーのせいで,光学系を電気系にまとめることが出来なかった,とも言えるかもしれません。

 電気信号になってしまうと,もうなんでもありです。

 レンズユニットとボディの接続に無線を使ってしまえば,レンズとボディは一体である必要さえなくなります。TCP/IPを実装すればインターネットに繋いで,世界中のレンズユニットと接続出来ます。距離という物理的な壁を越えるのです。

 レンズユニットから無線LANでPCにつなぎ,PCでボディを代替する方法もありですね。PCの巨大な演算能力をもってすれば,もはや何だって出来ちゃいます。

 いやー,夢はドンドン膨らみます。

二子玉のライカ

 すでにプロの道具としてより,お金持ちの道楽となって久しいライカですが,写真を楽しむ人間の間に横たわるライカ原理主義には,確かに抗いがたいものがあります。

 こういうことを言っているのも日本人だけのような気がしなくもありませんが,ライカ自身も自分達の製品のどこが支持されているかをよく分かっているので,そこから外した製品を作ってこないところは,さすがだなと思います。イタリアもドイツもフランスも,それぞれ相容れないほどの個性があるのに,こういうところは共通していますよね。

 私はライカには今ひとつ魅力を感じない人で,つくづくNikonとPENTAXの国に生まれた良かったと胸をなで下ろしているのですが,世界で最初の直営店を銀座にオープンしたというニュースを聞いたときには,ライカもよく分かっているなあと感心したものです。

 さて,続く2号店が出来るというので聞いてみると,なんと二子玉川の高島屋です。

 確かに世界中のブランドが軒を連ねる二子玉の高島屋ですが,だからといってライカの直営店を出してどうすんのかなと,興味というよりに心配になりました。Nikonが御殿場にアウトレットモールを出すのとは訳が違います。

 そのオープンが先週だったので,この土曜日に偵察してきました。

 まず,やや薄暗く照明を落とした上質な内装,ぴしっとした服装の店員が,一見さんを遠ざけています。展示された品物はすべてガラスケースに入っており,手に取ってみることなど全然出来ません。カタログは完備されているようですが,同時に写真集なども用意されており,こういうところをちゃんと押さえているところに好感を持ちました。

 でも,まるで宝石店のような値札と,宝石に匹敵する値段のカメラが鎮座していますが,これじゃますますここでライカを買うのは難しいんじゃないでしょうか。

 扉などもなく,非常にオープンなスペースではありますが,その入りにくさは通りすがりに目で追いかけるのがやっとという雰囲気です。仮に用事があっても,一度足を止めると,また翌日に来る羽目になるでしょう。

 うーん,中学生の時にはじめてエロ本を買った時を思い出しますね。

 しかも,お客さんは誰もいません。

 私は,彼らの放った「貧乏人は来るな」オーラに強い向かい風を感じ,すっかり戦意を喪失しました。まさにATフィールド。この見えない壁を越えた人は,どれだけいるのだろうか・・・そこにあるのは屍です。

 最初から一人で入るのは無理とふんで,友人に一緒に来てもらいましたが,すっかり戦意を喪失した私は友人の方を見て「やっぱ無理だわ,せっかくだけど帰ろうか」と尻尾を巻いて逃げるつもりで横を向くと,いつもの間にやら彼女は私のはるか先を歩いてグングン店に近づいています。

 おいおいおい・・・と手を伸ばした時には,彼女はすでにお店の中にいました。なんと突入成功です。いやはや,カメラマンはファインダー越しなら怖いものがなくなるといいますが・・・

 やむなく私も彼女の後を追いかけて店内に入ります。

 お店には私と彼女の二人だけです。しかし明らかにライカを分かっていない人丸出しで,しかもお金の匂いの一切しない貧乏人であることが見透かされていますから,店員さんも無理に声をかけてこようとはしません。

 私も,カメラとレンズがいくつか展示されている程度だと見るべきものも少なく,店に入ったことを本気で後悔したほどでした。はっきりいって,秋葉原の真空管専門店の方が100万倍楽しいです。

 実は,レンズキャップやボディキャップなどのちょっとした小物が確実に手に入る場所として期待している所もありました。しかし,仕立ての良さそうな高価な革製のカメラケースがいくつかあった以外に,そうしたオプションのたぐいがあるような気配もなく,もしかすると言えば出てくるのかも知れませんが,そもそも尋ねにくい空気が充満しているので,はっきりいって電車で新宿までいった方が楽です。

 私は,はっとしました。

 このアウェイな感覚はなんだ,と。

 これをホームと思える人でないと,ライカを買う資格はないのか。その価値を認めるだけでは全然足りないというのか。

 無邪気に「これなに~」と私に聞く彼女の背中を押し,私は頭の中を真っ白にしながら,そそくさとお店を後にしました。撤退です。

 しかし,一矢報いたと思うのは,私たちが店に入った後,数人続けて店に入ってきたことです。みんな興味はあるんですね。入りたいとも思っているんですね。でも,やっぱり入りにくいのです。誰かがいればそれでも入りやすいんでしょうが,誰もいない所に入り込んでいくのは,二子玉川のような場所だからこそ難しいのです。

 窒息寸前で意識が朦朧としている私は,近くにあるカメラのキタムラに逃げ込み,NikonとPENTAXの中古品に囲まれ,その傷を癒しながら,「ここが私の居場所だ」とつぶやいて,2800円のレンズを買うかどうか迷っていました。幸せを噛みしめていました。

 真面目な話,銀座の直営店が出るとき,売れなくても儲からなくてもいいと言う事でしたから,ライカとライカのカメラを見てもらう機会を作る事,現在の顧客はもちろん将来顧客になりそうな人,あるいは顧客になる条件を備えた人の貴重な意見を吸い上げる場所として機能することが,最重要なのだと思います。

 すでにライカを持っている人,あるいはこれからライカを負う人にとって,サロンのような役割が期待されているのだと思いますが,ヨドバシやビックでカメラ自慢をするじいさんがこういうお店に吸収されてくれると,我々のような買い物客は待たずに買い物できるなと思いました。

 ただ,私のような人でさえ,ライカがとっても格好良く見えました。これは事実です。M8もM9も実にかっこよかったですし,無骨なS2も実物は流麗で,手に取ってみたくなりました。X1も展示がありましたが,写真よりもずっと格好良く,特に上からの眺めが実にいいです。値段によっては買ってもいいかなと思わせる魅力があります。

 レンズも双眼鏡も展示がありましたが,やっぱり高いです。ただ,その重厚さは手に取るまでもなく,見ているだけでも十分に想像が付きます。そして,フードが格好いい。ライカの角形フードはなんであんなに格好いいんでしょうね。

 かつて,ライカのM3は業界を震撼させ,特に「俺たちはライカに迫った」と勘違いをしていた日本のカメラメーカーを,完膚無きまでにたたきのめしました。

 ライカとM3に恐れをなした日本のメーカーは,しょんべんをちびりながら,ライカが手を付けていなかった一眼レフに逃げ込みます。ライカは王者の風格で,敗走する敵を追う事はしませんでした。

 しかし,ここで敵を逃がしたことが仇になり,大量生産技術と電子化技術でカメラを高級品から日用品にした日本のメーカーに,ライカは土俵際まで追い込まれてしまいます。

 ミノルタがライツと技術提携した際に,ミノルタの社長が恩返しのつもり,と言ったことはよく知られたエピソードですが,この時,果たして日本側に奢りはなかったでしょうか。

 自動車メーカーと同じく,資本が入れ替わり立ち替わり,そのオリジナリティを維持するのも苦しかった時代があったと思うのですが,Mシリーズをデジタルカメラのブランドとすることで明確なメッセージを発信した覚悟はすばらしく,今のライカは良いスタンスを保っているなあと感心しています。

 私の場合,一生オーナーになる事はないと思いますが,その輝きを失わず,今いる顧客を大事にして,写真の歴史と文化にこれまでと同じ足跡をきちんと残して欲しいと思います。

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