エントリー

カテゴリー「カメラに関する濃いはなし」の検索結果は以下のとおりです。

オッサンホイホイとしてのモータードライブ

ファイル 204-1.jpg

 先日,半年ぶりくらいに,行きつけの中古カメラ屋を覗きました。価格も上がり気味,そもそも球数が少ないという理由ですっかり遠のいていたのですが,価格も下がり,在庫も増えているという感じで,どうやら銀塩は本当に終焉を迎えてるっぽいですね。

 F100でも3万円台,F4なら1万円台からあったりします。F2でもそんなもんで,もうカメラには資産的価値はないと見た方が良さそうです。(あ,ライカを除きます)

 いつものようにジャンクワゴン,ジャンク箱を見てカビレンズを探します。ここのジャンクはジャンクと言いつつ結構な値段がするので油断なりません。

 M42のレンズがあればと思ったのですが,不思議とここはM42もほとんどありません。

 ジャンク本体もこれといっていいものはありません。うーん,収穫無しかとおもったところ,別の棚にMD-12がいくつか列んでいます。

 MD-12というのはニコンのモータードライブで,FEやFMに始まり,FM3Aまで共通で使えるモータードライブです。つい先日まで新品が買えたロングライフ商品でした。

 モータードライブなんて今時の若者は知らんやろうなあ。80年代の一眼レフカメラは底部にフィルムの巻き上げ機構を別に取り付けないと自動でフィルムを巻き上げてくれない代物でした。,当時のカメラ小僧は爆音させながら連写するのが夢だったのです。80年代の記者会見の音は,まさにあれですね。

 いつしかカメラに内蔵されるようになり,デジタルになった現在はその存在すらなくなりました。バッテリーグリップってありますよね,あんな感じです。

 重いはうるさいはでかいは高いは素人に必要ないはで,あんなものが定番オプションだったことも変な歴史なんですが,何度もいうようにあれが格好良かったんです。そういうものなんです。

 ただ,さすがプロ機とでもいうんでしょうか,F3に専用モータードライブMD-4との組み合わせは秀逸で,デザインの良さ,ホールドの良さ,そして基本性能の高さ,なにより動作音の素晴らしさには,今でもファンが多いです。F3はMD-4とで完成,と暴言を吐く御仁もいらっしゃいますね。ただ,今これを使っていたら,空気読めと怒られるでしょう。

 さてMD-12です。私は少し前,FEのジャンクを買い,これを修理しました。かなり程度が悪く苦労した覚えがあるのですが,せっかくですからモータードライブを付けるのも悪くないと,機会をうかがっていました。

 ただ,そこそこ人気もあるのであんまり安くはなりません。安くても6000円とか7000円とかするので,使わないオプションにはちょっと高いです。でも,モータードライブというのは大きな機械的エネルギーを発生させる装置なので,誤動作するとカメラ本体を壊すかも知れません。あまりいい加減なものを買うのはやばいです。

 そんなわけで,いくつか列んだMD-12を見てみると,3000円から7000円くらいまであります。でも,ぱっとみると3000円の奴が一番程度がよさそうなんですね。

 ワレあり,と書かれています。確かに割れているのは分かりますが割れ筋というレベルです。位置から考えると落としたんでしょうね。

 ただ,剛性もあるし,シリアルナンバーも新しく,使用感も少なく,なぜ安いのかよく分からないのです。

 でも,とりあえず動くならなんでもいいかと,3000円のMD-12を買って帰りました。安いのでそのまま渡されるんだろうと思っていたのですが,「どうぞ」と言ってくれた店員さんの横には,いつの間にかFEが用意され,さくっとテストをしてくれました。余計な会話は全然せず,2年以上も通っていますが全然一見さんの域を出ない私ですが,ひょっとすると覚えてくれているのかも知れません。

 持ち帰って早速FEにくっつけます・・・動きません。

 おかしいなあ,お店では動いていたので,中古によくある相性問題かなあ,と考えたのですが,他にボディもないので確認もできません。

 力尽くでいじっていると,ミラーが上がりっぱなしになって焦りました。裏蓋を外してジャムを解除,なんとか分解せずに復帰です。

 悩んでいても仕方がないので,FEのサービスマニュアルをみます。

 確認方法として,4つある端子のうち,三脚ネジ側の2つが制御用の端子のようです。巻き上げ前はON,巻き上げ中もON,巻き上げ完了でOFFということですが,巻き上げレバーが起き上がっている状態ではどの状態でもOFFです。

 ところが私のFEはこういう挙動を示しません。少なくともMD-12はボディの状態を全く把握できていないようです。

 この端子は巻き上げ機構に連動したリーフスイッチにつながっていますが,このスイッチはボディの底面,電池ケースの横にあり,OFFの時のクリアランスは0.8mmと指定されています。

 このスイッチにアクセスするには前板を外さないといけないのでかなり大がかりな分解が必要です。困った。

 いろいろ考えていると,三脚ネジをはずとちょうどリーフスイッチの一部が見えるようになりました。ここをピンセットで曲げて調整,サービスマニュアル通りの挙動になっていることを確認出来ました。

 どきどきしながらMD-12をとりつけます。

 無事に動きました。何度動かしても問題なし。半押しで露出計を動かすことも,約1分後に電源が切れる動作も完璧です。

 あとは傷にラッカーを塗り補修して完成です。

 しかし,想像以上に音がでかいです。夜中にこれを動かすのは迷惑ですね。

 ということで,久々にお買い得品を買うことが出来ました。中古カメラ屋を巡ると,こういう面白いものが転がっているのでやめられません。

今頃になってアサヒペンタックスSP

ファイル 190-1.jpg

 4,5ヶ月前になるでしょうか,ES2の修理中に落下させ,貴重なメーターを壊してしまったのですが,その時慌ててメーターの代品を確保しようと,なぜかSPをオークションで落札してしまいました。

 考えてみるとSPのメーターはセンターがゼロですからES2には使えません。実家には程度のいいSPが1つありますから,安かったとはいえもったいないことをしたかなあと思っていました。

 届いてみると,傷やぶつけた跡なども少なく綺麗な後期品です。しかしギシギシと音を立てて動くことやプリズムの蒸着剥がれもひどいですし,なによりシャッター幕におかしな塗り物をしてあります。これは相当いい加減です。

 試しにシャッター速度を見てみると,1/500秒以上はかなり怪しいです。

 後期品ですからきちんと手入れをすればまだまだ使えると思ったのですが,よく考えてみると私は純機械式のカメラを修理したことはありません。電気式ならメカがシンプルなのでわかるのですが,露出時間を作る機械であるカメラは,つまり時計と同じ仕組みで動いてるわけで,そんなメカメカなものに私などがかなうはずもありません。

 そんな気持ちでしばらくほったらかしになっていたSPですが,ちょっと手が空いた時に,修理をしてみることにしました。

 改めて見てみますと,幸いなことに露出計は動きます。シャッター幕の交換は必要ですね。プリズムも交換しないとつらい。動きのが渋いので清掃と注油もしないといけないでしょう。

 ということで,早速分解開始です。途中まではES2と同じですのでサクサク進みます。前板を外し,ミラーボックスを外してシャッター幕を観察します。

 交換しようとしている部品取りのES2から外したシャッター幕となんとなく比べてみると,差はないようです。ゴム系の接着剤を使い,位置さえ正確に取り付ければ案外簡単にできそうです。

 しかし,これが甘かった。なにせシャッタードラムの周辺が狭く,接着剤で接着するのに正確な位置が出ないのです。うまくいったと思ったら斜めになっていたり,巻き上げてみると長さが足りなかったりと,何度もやり直す羽目に。そうしているうちに接着剤の厚みでデコボコになり,見るからに「失敗」という感じです。

 意を決して最初から作業をやり直します。周辺の部品も出来るだけ外して作業をやりやすくします。

 先幕と後幕との重なりが少し少ないのが気になるところではありますが,ここからのやり直しはリスクも大きいので,このまま進めましょう。

 スローガバナーはベンジンにどぶ漬けし,引き上げてからベンジンで薄めたオイルを注油します。ミラーボックスにこびりついた古いグリスも拭き取り,新しいグリスを塗ります。その他各部清掃と注油を行い,組み立て直します。

 プリズムも部品取りのES2から,少しましな物に交換します。ある程度組み上がったら幕速を合わせるため,シャッター幕のテンションを調整します。

 幕速を測定器で大体合わせ,あとはいつものようにオシロスコープで確認して調整していきます。1/60秒を合わせると,スロー側はほぼ問題なしの値が出てきました。いい感じです。

 高速側も問題なしです。案外きちんと1/1000秒も出てきます。この頃の機械式カメラは,実質1/750秒くらいでも十分okな範囲です。

 数日かけてテンションが馴染んでから後幕が追いつかないかどうかを確認しましたが,ES2よりも素性がいいですね。全然狂いません。

 次は露出計です。グレイカードを使って合わせるだけですが,これも問題なし。

 綺麗に外側を磨き,貼り皮も掃除し,モルトも交換します。最後のビスを締めて,これで完成。

 空シャッターを切ってみますが,やっぱり少し巻き上げが渋いです。実家のSPは感動するほどスムーズなんですが,これには全然及びません。

 そしてフィルムを通してみます。各シャッター速度を試して見ますが,全速でほぼバラツキ無し。露光ムラもありません。いやー,これだけきちんと揃うとうれしいものです。

 ピントもきちんと出ているようですし,光漏れもありません。SPは露出計との連動機能はありませんから,もうこれで作業は終了です。

 私の手元にある完全な機械式のカメラは,このSPだけです。これだけシンプルな機械で,中身も分かっているというのは,妙な安心感があるものです。

 世間一般では,電気式よりも機械式のカメラの方が値打ちがあるとされ,中古でも人気ですが,それは単純に修理がしやすいかどうかという問題だけではなく,同じカメラという目的に対しても全然別の仕組みで動く「別の物」という意識が潜在的にあるんだろうと思います。

 どっちにしても,ES2が本当にダメになっても,M42の世界から離れなくて済みそうです。
 
 

なんとかES2は直りました

 ES2,ようやく動作確認が取れました。

 修理そのものは少し前に終わっていたし,試し撮りも終わっていたのですが,現像するのが随分後になってしまい,確認できたのは昨日でした。

 寒さもあって,幕速が安定せず,1/1000秒で後幕が先幕に追いついてしまうという問題がそもそものスタートでした。その後,余計なオイルを拭き取るために分解したり,分解したせいで調整をやり直す部分が出てきたりと,大事になってしまいました。

 いくら頑張っても時間が経てば後幕が追いついてしまいますので,これはもう考え方をかえようと思いました。幕速測定器を使って調整をしていましたが,これを基準に合わせると,どうも数日で狂ってしまうのです。

 幕速測定器を信用できないのか,それともES2を信用できないのかと言われれば,実はどっちも信用できないのです。もっとも,幕速測定器は他のカメラの調整にも使っているので,ある程度信用していますが,かといってES2側を徹底的に調整しても,返って調子が悪くなるだけのような気もしてきたのです。

 そこで,もう実力勝負で合わせることにしました。

 ある程度の目処は幕速測定器で合わせておくのですが,そこからの微調整はオシロスコープを使ったシャッタースピードの確認と,後幕が先幕に追いつかないことを交互に確認しながら進めます。

 そうすると,結構後幕のテンションを低くしても使い物になることが分かり始めるんですね。それを数日繰り返し,今年一番の冷え込みになった二晩を放置して,問題のないことを確認できました。

 露出計が1段ほどおかしいようにも思うのですが,どうせポジは使いませんし,どうしてもというなら露出補正で逃げればいいです。それにこのカメラは平均測光ですから,今のカメラと比べてもあまり意味がないのかも知れません。

 現像した結果ですが,おおむね大丈夫でした。オートではレンズの絞りを変えても一定の露出になってくれています。マニュアルにするとちょっとずれますが,オートの場合は無段階のシャッター速度が使えるので,結果に差が出ることは悪いことではありません。

 絞り込み測光でのオートが1段ほど狂うのですが,絞り込み測光はほとんど使いませんので,大目に見ます。

 どのコマも失敗がなく,期待以上の結果に満足です。なんとかなるものですね。

ファイル 182-1.jpg


 それで,気になっていたボディの歪みです。

 修理中に落下させてしまい,裏蓋が曲がってしまったのですが,もしボディが歪んでしまっていたなら,このカメラはもう捨てるしかありません。望遠系のレンズでピントが狂えば,ボディの歪みが考えられます。

 結果は問題なし。狙った被写体はもちろん,その左右の同じ距離にピントがきています。

 ということで,ES2はどうにかこうにか復活しました。こういうカメラですので,またどうせ悪くなると思います。ただ,その場合でもあまり大げさな事はせず,こういう感じで調整出来るとわかったので,ES2についてはボディの状態も考えて,カメラの優しい調整をしてあげようと思います。

 それにしても,ES2は手間のかかるカメラです。予備機を3台確保し,そのうち1台は調整すればすぐに使えそうなほど程度がいい(しかもクローム)ので,復活させることも考えたのですが,結果としてこんなに不安定なら,やらなくて正解でした。

 ES2といえば,私にとってはSMC-takumar28mm/F3.5です。このレンズとES2があるだけで,私にとっては十分楽しいのです。

ファイル 182-2.jpg

ES2はだめかもしれない

 さて,先日「問題なし」としたES2ですが,やはり1/1000秒で後幕が先幕に追いつくという現象が再発しました。どうも,一晩おくと先幕の速度が落ちてしまうことも原因のようで,これはもう別の方法を検討せねばならんだろうと,とりあえずばらしてみることにしました。

 とにかく気になっていたことは,給油の問題です。

 このES2は私が最初に取り組んだジャンクカメラです。いわばこの道に入ったきっかけだったのですが,当時の私は無知もいいところで,ギアに油を差し,こすれる部分にはグリスをたっぷり塗るということを平気な顔をしてやっていました。恐ろしいことです。

 フィルム巻き上げを軽くスムーズにしたいとグリスを塗ったそのパーツこそ,シャッターを走らせる最重要部品であることを知るのは後のことですが,これが寒いときに粘度を上げてしまい,速度を落としてしまっているのではないかと考えたのです。

 ならば,そのグリスを落とすしかありません。言うは易し,しかし全部をばらしてベンジンで洗うという手の込んだ作業をする気力は今はありません。

 そこで,見るからにはみ出たグリスを拭き取った後,ベンジンを何度も染みこませて滲み出た油を拭き取るということを繰り返しました。結果はあまり変化がありません。

 そこで,シャッターを走らせるカムを直接拭き取ることにし,シャッタースピードダイアルを外すことにしました。

 思えば,不幸はここから始まりました。

 ES2はAUTOモードで回路の電源を入れるメインスイッチがシャッタースピードダイアルに連動していますが,この機構はボディの奥まった部分にあるため,外れてしまうとなかなか厄介です。そんなことに気が付かない私は案の定その連動機構を外してしまいました。

 手探りではめ込むのですがなかなかうまくいきません。そこで前板を外してなんとか入れようとしますが,前板を外しても奥まったところにあるためなかなか見えません。

 四苦八苦して入れたつもりが,シャフトの回転角がまずく,シャッタードラムにレバーがあたってしまい,綺麗だったシャッター幕に傷を付けてしまいました・・・

 致命傷にはなっていないのでこのまま使い続けることは可能ですが,精神的なショックがでかい・・・


 しかし,そんなショックなど序の口。

 カムにこびりついたグリスを拭き取り,綺麗に清掃をしますが,今度は組み立て方が今ひとつ分かりません。そこでもう1つの部品取りのES2を分解し,組み立て方を確認します。

 なんとか組み立てることが出来て,うまくシャッターも走るようになったのですが,膜の重なりがさっきよりもひどくなっています。

 幕速をあわせないといかんはずだと調整をしますが,幕速をあわせても1/1000で半分ほど重なるという危機的状況です。

 そこで,ラッカーで固定されていた2つのネジを調べることにします。1つはシャッターブレーキ,1つはストッププレートの調整ネジです。

 結局ストッププレートの調整ネジは,巻き上げ時にカムがそれ以上回らないように調整する物だったのでシャッターの動作にはあまり関係がなく,ブレーキも私も個体では調整によって変化はほとんどありません。

 さらに深みにはまります。後幕のラッチを外す機構を調整することにしました。ここでラッチを外すタイミングを調整すれば,後幕が走り始める時間が調整できるのです。

 ところが,ここをいじったのが運の尽き。1/125秒も出なくなってしまいます。非常に微妙な調整を繰り返し,なんとか出るようにしてみると,今度は1/1000秒で幕が重なります。

 これではもうどうにも追い込めません。

 そうこうしているうちに,あろうことか机の上から落下させてしまいました。

 ビスを入れたプラスチックのケースもとろも,1mの高さから落下するES2。

 裏蓋が変形し,締まらなくなった上に,メーターが断線して動かなくなってしまいました。この調子だとダイキャストが変形し,ピントが出なくなっているかも知れません。

 なんとか裏蓋の歪みをとり,目視でボディを確認しましたが,どこまでひどい状態にはなっていないようです。メーターは予備機から外して交換しました。

 こうなったら,もう幕速をいじるしかありません。先幕の速度を13ms,後幕の速度を14msくらいにして,意図的に後幕を遅らせます。これで1/1000秒も重ならなくなります。

 そうしてメカシャッターを全速あわせて一安心したのですが,今度はAUTOモードで1/500秒以上が出ていません。メモリコンデンサのタイミングスイッチの調整を行って高速を出さないといけないのですが,それも前回の調整の時に「調整範囲ギリギリ」ということでした。

 困った私は,調整機構を固定するネジをゆるめ,微調整を行うことにしました。これでなんとか1/1000秒まで出るようになりました。

 結局,やったことは後幕の速度を落としたことだけです。

 こんな事なら,余計なことをしなければよかったと思います。確かにやるだけやったという安心感はあるのかも知れませんが,落下にメーターの破損,それによって各部の調整が狂ったことも心配ですし,何より触らなくてよかった部分を触ってしまったことで,これまでかろうじて微妙なバランスを保てていたES2を,一気にだめにした可能性もあるのです。

 今週の寒さの中で様子を見た上で,1/1000秒がきちんと出ているなら,もうこれ以上は触らないようにしようと思います。その後試写をしてみて,正常に動作するかを見極めたいと思います。

 駄目だった場合・・・残念ながらES2は放棄せざるを得ません。

ES2の幕速が狂ってました

ファイル 171-1.jpg

 毎年この時期になると,私は決まって「1年で一番寒い時期」などと思うのですが,部屋の中でも10度を割ることがあるこの季節だからこそ,寒さに弱いカメラ,とりわけアサヒペンタックスES2の調子を確認しようと考えます。

 しかし,あまり気乗りがしません。おおむね悪い結果になるだろうと分かっているので,その後に発生する調整作業に憂鬱な気持ちになるからです。

 かといって絶好の確認の機会を逃すのも惜しいですし,問題が見つかったものをそのまま放置しておけるほど私はおおらかでもありません。

 ・・・ええい,そんなことをいっていても始まりません。意を決して防湿庫からES2を取り出します。

 そしておもむろに1/1000秒にシャッター速度を合わせ,バックプレートを開けてしシャッターをのぞき込みながら,レリーズボタンを押し込みます。

 ・・・音は期待通りで問題なしと言いたいところですが,やはり案の定,コマの左側,1/4程シャッターが開いていません。

 ああ,やはり,シャッターの幕速が狂っていました。

 私のES2は,弱点とされるソレノイドの調整がばっちり出来ているのですが,もっと基本的なシャッターの幕速が経年変化でじわじわ狂う,という致命的な問題を抱えています。シャッター機構をばらしていないので原因は分かりません。横走りシャッターの幕速が落ちるのはおおむねシャッター軸の油ぎれということだそうですが,一方でES2はSPと違って樹脂製の軸受のおかげでメンテフリー,注油は厳禁とも聞いています。

 一昨年の9月頃に同じような症状になり,再調整を行ってあったのですが,それ以降は調子を見ていませんでしたから,まあそんなもんかなという気もします。特に寒いときはこの現象がよく出るようです。うーん,やっぱ油が回っているんでしょうかね。

 厄介なのは,10回ほど空シャッターを切っていると,幕速が戻ってくることです。また数時間放置すると遅くなるので,調整そのものよりも安定した状態に追い込むことが面倒なので,非常に億劫です。部品取りのES2の方が,シャッターについては状態が良かったりするので,困ったものです。

 さて,こうなると幕速を測定しないといけません。幕速測定マシーンを久々に取り出し,測定してみます。先幕が17.4ms,後幕が14.6msとなりました。

 ES2は標準が13.6msということですので,どちらも遅くなっていますが,特に先幕が遅すぎです。左側が露光されていないという事から分かるように,先幕に後幕が追いついてしまってますね。

 ES2の幕速の調整はSPと同じで,底面のスクリューを回して調整します。マウント側が後幕,背面側が先幕の調整です。ここのテンションを調整することで,幕速をあわせていきます。

 どうせ時間が経つと遅くなるんですから,少し速めにしておこうと思ったのですが,そうはいっても1/1000秒もきちんと出さないといけないので,やっぱり13ms前後を狙っていくしかありません。

 先週の金曜日,何度か調整と測定を繰り返しました。

1st Curtain 17.4 14.25 12.90 13.35 12.57 12.51 13.19 13.75
2nd Curtain 14.6 13.87 13.17 12.90 13.34 13.52 13.77 14.19

 シャッター速度も1/1000が出ていますし,露光ムラもなさそうなので,まあ今日はこんな感じかなと,一晩放置しました。

 翌日の土曜日,また測定と調整を繰り返します。

1st Curtain 14.01 13.44 12.83 13.34 12.67 11.93
2nd Curtain 14.11 13.37 13.52 12.87 12.89 13.31

 やっぱ一晩放置すると,先幕の速度が落ちますね。どうしたものかなあと思いますが,少しずつ追い込むしかありません。最終的に1/1000が出ていることを確認して,また一晩放置します。

 そして昨日の日曜日。調整は行わず(実は土曜日にネジをペイントでロックした),測定だけ行います。

1st Curtain 12.95 12.49 12.64 12.59
2nd Curtain 13.56 12.91 12.65 12.86

 まあ,こんなもんでしょうね。念のため1/1000や他の速度が出ていることも確認しました。

 基板を元に戻し,組み立て直しますが,露出計が動きません。かなり焦ったのですが,シャッターダイアルのAUTOモードの接点がちょっと接触不良だったようで,いじっているうちに直りました。

 スローシャッターもこの寒さの中で全く問題なく動作していますし,実用機として使い物になるかどうかは少々不安が残るものの,現時点においては完調!です。

 フィルムを通してやろうと思いましたが,もうすっかり夜になってしまいました。試写は来週まで取っておきましょう。(来週また調整が狂ってしまっている可能性が高いのですが・・・)

 角の部分の塗装の剥げをタッチアップして改めて眺めてみると,ES2はSPと兄弟機でありながら,高さが増した分だけかっこいいなあと。程度のいいSPなどと比べて,巻き上げやレリーズの感触は良くない個体ではありますが,それでもちょっと引っかかる感触も指が覚えるほど触っただけに,とにかくこいつだけはずっと持っていようと,そんな風に思いました。

ページ移動

ユーティリティ

2020年05月

- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ユーザー

新着画像

新着エントリー

過去ログ

Feed