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ES2不定期報告

 実家に持って帰ったES2は,あえなくトラブルが出たために使用を断念せざるを得ず,戻ってからも実は毎日メンテを続けています。

 これまでにも書いていますが,問題になっているトラブルで深刻なのはシャッターの幕速の問題で,後幕が先幕に追いついてしまって,1/1000秒で重なってしまうというものです。

 いやらしいのは,きちんと調整をしたつもりでいても,一晩経つとまた重なってしまっていることと,シャッターを何度か切るうちに重なりがなくなってしまうことです。

 シャッター幕のテンションが低すぎるために,時間の経過で下がったテンションが限界値を超えて重なってしまったのではないかと考えて,問題が出る度にテンションを上げている(つまり幕速を上げている)わけですが,3日ほど前に行った調整以後,重なってしまうという問題は出ていません。

 これで解決すればと思っていたのですが,巻き上げのトルクが妙に重たいのです。実家から持って帰ったSPにしても,最近2台手に入れたジャンクのES2にしても,もっと軽くてスムーズなんですよね。

 幕速が速いと,幕が停止するときにぴたっと止まらず,跳ね返ってしまいます。これが起こると露光ムラを引き起こしてしまいますが,一方で幕速が遅い場合のフラッシュ撮影時に全開にならない問題よりは,ずっとましと言えるかも知れません。

 幕速の測定は,スタート点からストップ点までの時間を測定すれば良いことになっていて,ES2の場合フィルムの両端から2mm内側の34mmの間を,12.5msで走り抜けば良いことになっています。

 幕速を測定する測定器を作っても良いなあと思って,回路も考えたのですが,なんか面倒になってしまって,今すぐ実行しようという気にはなっていません。気持ち悪いのでなんとかしたい気持ちもあり,でも果たしてその測定器を信用して良いのかどうか,そこもあやしいと思うようになったらもう底なしです。

 少々話が逸れますが,現在シャッター速度の測定をどうやっているかといえば,以前作ったシャッター速度測定器の使用を諦め,オシロスコープを使うようになっています。

 シャッター速度測定器の問題はいくつかあって,1つは光源の明るさで測定値が大きく変わるという問題があります。おそらく明るさによってフォトトランジスタが反応を始めるタイミングが変わってしまうことが原因だと思いますが,1/1000秒で2割も測定値が変化すると,どの明るさを信用すればいいのか,わからなくなります。

 また,この測定器では自動露出のシャッター速度を測定するのが難しいです。フォトトランジスタが反応する明るさまで光源を明るくしなければなりませんが,そうすると低速側の速度が全然測れません。

 配線が面倒臭い,操作性が悪いなどの問題もあって,さっぱり使わなくなったのは,オシロスコープを使った方法が思った以上に楽ちんだったからです。

 私の手持ちのオシロスコープはテクトロニクスの2465Aというアナログタイプのもので,今から20年ほど前のものです。

 ブラウン管のテレビを使ってシャッター速度を確認することはよく知られた簡易チェック法なのですが,悪いことに私はすでにブラウン管のテレビを一掃して久しく,その代わりにならないかと思いついたのが目の前にあったオシロスコープです。

 トリガモードをAUTOにして掃引をフリーランさせておき,入力はGNDに落として水平線を表示させておきます。そして掃引時間を1ms/divと設定して,1/1000秒でシャッターを切ります。

 レンズを付けず,裏蓋を開けてシャッター越しに表示を見てみると,本当に1/1000秒でシャッターが切られているなら,1divだけ輝線が見えるはずです。ただし,掃引方向とシャッターの走行方向は直交している必要があります。

 同様に,2ms/divで1/500秒のシャッターを切ると1divの輝線が見えますし,16ms/divで1/60秒でもやはり1divの輝線が見えます。1ms/divで1/500秒のシャッターを切れば2divの,1/250秒のシャッターを切れば4divの輝線が見えるはずですから,いろいろな組み合わせで確かめる事も出来ます。

 2465Aはリードアウトがありますので,掃引時間の細かい設定も可能ですし,測定器でですからそこそこ信用できる精度を持っているでしょう。さすがにオーバーホールを済ませたF3で試すと,どの速度もきちんと1divの輝線が見えます。

 この方法だと,操作するのはカメラ本体だけなので,作業がテンポ良く進みます。目視による確認ですので精度は出ませんが,極端に狂っていれば意外によく分かるので,全面的にこの方法に切り替えました。

 幕の重なりがあった場合,先幕と後幕のテンションをそれぞれ上げて,重ならないところまで持っていきます。そしてオシロスコープを使って速度を確認し,後幕のテンションで調整を行います。このまま一晩放置して,また重なりがないかどうかを確認するのです。

 この方法では,幕速そのものを測定できませんし,シンクロ速度でシャッターが全開になっているかどうかも,シャッター幕の跳ね返りが起こっているかどうかも分かりません。

 1/1000秒というシャッター速度を装備することが1つの技術的な壁になっていたという当時の事情を,なんとなく追体験した感じです。

 そんなわけで,ES2は現在調整を終えて現在確認の最中です。今のところ幕の重なりもなく,速度もメカ/電子制御を問わずきちんと出ているようですので,かなり期待をしていますが,やはり巻き上げトルクの大きさが気になります。かなりテンションが上がっていると思われますので,あちこちに無理をさせているようで気がかりです。

 ところで,ここ1週間ほどの間に,2台ほどジャンクのES2を確保することが出来ました。外側の程度は非常に悪く,2台ともへこみがかなりあり,1台は裏蓋が開かないほど変形しています。ただ,中身の程度はなかなか良いようで,プリズムの腐食は皆無,ミラーもとても綺麗ですし,基板にも錆一つありません。1台はスローシャッターがそのまま切れてしまうほどの程度の良さでした。

 しかし,あまりに外側が汚いので当初の予定通り部品取りにすることに決めました。

 私のES2は,残念ながらプリズムの腐食があります。早速腐食のないプリズムに交換することにしました。

 軍幹部を開けて,プリズムを押さえているバネを外します。プリズム前方の左右にあるネジをゆるめると,簡単にプリズムが外れてくれます。

 この時期のペンタックスはモルトやスポンジが加水分解を起こしてボロボロになっていて,しかも水分を多量に含んで湿っています。最悪の場合には周辺の真鍮をサビさせてしまいますし,プリズムの腐食もこれが原因で起こります。

 交換用のプリズムもスポンジを丁寧に取り除きます。注意しないとこの時銀のメッキを傷つけてしまいますので,慎重に作業をします。

 本体も綺麗に掃除を行い,プリズムが収まる部分にモルトを貼り付けます。ゴミが入るのを防止して,ショックを和らげる目的で元々ついていたスポンジの代わりなのですが,プリズム側に貼り付けると糊がメッキを痛める可能性があると考え,本体側に貼り付けました。

 逆の手順で組み上げて完成。作業そのものは1時間もかかりません。のぞき込んでみるとすっきり,いい感じです。

 次に気になっていたのが,バッテリチェック機能の調整です。今回,基板が2つも手に入りましたから,それぞれのバッテリチェック電圧がどうなっているかを見てみることにしました。

 サービスマニュアルには,4.4Vで60付近を示すように調整せよとあるわけですが,私のES2は調整範囲内にありません。現在,ギリギリのところで調整を行ってあって,5.2Vで8付近を示すようになっています。

 結論から言うと,基板の2つとも,私のES2と似たような状態でした。4.4Vでは全然60には届かず,5.2V付近で8を示しますので,私のES2が特別おかしいということではないようです。

 ところが,突然私のES2のスローシャッターが切れなくなりました。原因は電池が減っていたようなのですが,電池単体の電圧は1.357V程度。4つで5.428Vですから,バッテリチェックボタンでは指針は中央付近を示します。

 電池がLR44だったせいで,大電流を引っ張るときに電圧が急降下したためでしょう。このカメラは潔く,高価な酸化銀電池で運用するのが確実なようです。

 ここまで分かったところで,あまりバッテリチェック機能にこだわるのはやめにしました。他の基板でも似たような状態ですし,そもそもあまりあてにならないなら,気休めと割り切るべきところだと思います。

 今後の予定ですが,今基板に直接ハンダ付けをしてある部分をコネクタに戻そうかと思っています。基板の差し替えが簡単にできるのは便利ですし,オリジナルに近づけることが出来るというのもよいことです。

 ただ,コネクタは今回のジャンク品でもひびが入っており,修理や補強で使用することが出来るかどうか,判断の難しいところです。やっぱりコネクタより,ハンダ付けの方が信頼性は高いですから。

 あと,露出計用のγカーブを持つCdSを手に入れたわけですから,ニコマートELに組み込んでみようかなと思ったりしています。調整からすべてやり直しになりますが,これでニコマートELが完璧になるのであれば,試してみる価値はあるでしょう。

 そうそう,CLEのブライトフレームの問題ですが,これはさっさと修理しました。ブライトフレームがちょっと変形していて,レバーから外れていました。変形を戻し,レバーに正しく引っかけて元通りなのですが,心配なのはブライトフレームが金属疲労で破断してしまうのではないか,ということです。スプリングで斜め方向に力がかかっているブライトフレームですので,今回の変形が今度起こってしまうと,そこにクセがついてしまって,修理不能になる可能性もあります。

 スプリングを少しのばして,力を弱めておけば良かったなあと今更反省です。

SPの電池アダプタを作ってしまおう

 実家からペンタックスSPを持って帰ってきました。目的は,電池アダプタを作ることと動作の確認,必要に応じて調整や修理を行おうと思ったことです。

 実はこのSP,私が子供の頃から慣れ親しんでいたものとは違います。もとは父親がSuperTakumar50mm/F1.4付きで中古品を買ったものだったのですが,私が高校生の時にはすでにプリズムの腐食が現れ,コマも揃わなくなっていました。

 それでも露出計を含め,基本機能には問題はないようで,TRI-Xを詰め込んでとにかく数を撮りました。

 社会人になってからですが,シャッターが時々切れなくなるようになってしまったので,どうせ壊れているのだしと修理を試み,あえなく壊してしまいました。あまりにも無謀だったなと思います。

 ただ,思い入れのあるカメラだったので,もっと程度のいいものを見つけて,いずれは買おうと思っていたところ,偶然デパートの中古市で見つけて購入しました。今,SPの程度よいものはなかなかいいお値段がするようですが,10年ほど前だったのでそれほどでもありませんでした。確か55mm付きで15000円ほどだったように思います。

 これ,今の目で見ても,結構程度がいいんですね。プリズムの腐食はありませんし,巻き上げもスムーズ,シャッターも気持ちよく切れますし,露出計も完動です。外側も割と綺麗で,素人さんが分解を試みて途中でやめた「躊躇した分解痕」が少しあるのが玉にきず,です。

 先日実家に戻ったとき,これで写真を撮ってみようと思ったのですが,よく考えると露出計の電池がありません。SPの電池は水銀電池でH-Bという型番のものですが,水銀電池は1995年に製造が全面的に中止されて,現在は入手困難とされています。

ファイル 35-1.jpg

 これは製造中止になる直前に大阪で買ったH-Bですが,これまで大事に使わずにとってありました。

 同じ時期に,ペンタックスがSR41という酸化銀電池をH-Bの代わりに使うアダプタをSPユーザーの為に安価で販売していたことがあり,これも私は入手していたはずなのですが,実家の取り壊しと新築のどさくさの中で,どうもなくしてしまったらしいのです。このアダプタが現在入手不可能なのは皆さんもご存じかも知れません。

 とりあえず実家で撮影するのに,この新品のH-Bを使うときが来たかと,封を開けて見たのですが,露出計は全く動作しません。電池が切れてしまったか,それとも露出計が壊れてしまったか,どちらかだなと思ったのですが,10年以上ですからね,こちらに戻ってきてから確かめてみると,やはり電池が切れてしまっていたようです。

 とりあえず手持ちのLR41を無理矢理入れてみたところ,露出計は問題なく動きました。ここまで来ると,やはりアダプタをどうにかしたくなりますよね。

 こんな時は作る,これしかありません。

 純正のアダプタは,実は電圧の調整機能は持っていません。水銀電池は1.35V,アルカリ電池は1.5Vで,酸化銀電池は1.55Vですから,本当なら電圧の調整が必要です。

 しかし,SPの露出計は電池電圧の変動に強くする目的で,ブリッジ回路になっているので,この程度の電圧差は無視できるのだそうです。H-Bを使っているすべてのカメラがそういうわけにはいかず,なかには数千円もする高価なアダプタが売られているようですが,SP専用と割り切れば,外形を合わせるだけで済むわけです。

ファイル 35-2.jpg

 H-Bの外形はこんな感じになっています。純正でも,SR41やLR41にはめ込むようなアダプタでしたから,これと同じようなものを記憶を頼りに作ってみましょう。

 まず,H-Bの型を取ります。「型想い」という名前の型どり材を使えば楽勝です。

 取った型の中央に,LR41を置きます。そしてその周りにポリパテを詰め込んでいきます。1時間ほどして固まってから型から取りだし,削るなど修正を少し行って完成です。

ファイル 35-3.jpg

 左側の黄色いリングがアダプタ,右側の電池がLR41です。

ファイル 35-4.jpg

 実際にはめ込んで見たところがこの写真。なかなかうまくいっています。

ファイル 35-5.jpg

 裏側の写真です。H-Bはツバのある方がマイナスですが,LR41では底面がマイナスになるため,絶縁も気をつける必要があります。外側のケースが底面に露出しないよう,調整しながら削ります。

 実際にSPに入れてみますと,なかなかうまい具合に収まります。露出計もきちんと動作しているようです。グレイカードで確認してみましたが,それほど大きなずれもないため,調整せずにこのまま使うことにしました。

 本体自身は1/1000秒がやや遅いようなので,後幕のテンションを上げて少しだけ速度を上げました。

 ダイアルなどの文字に,改めてエナメル塗料でスミ入れを行い,これで一応完成です。

 撮影は週末にでもやるとして,ぱっと手に取った感覚がやはり当時のままで,手が覚えているんですね。面倒な絞り込み測光も,重たい巻き上げレバーも,すっぽり手に収まるサイズも,なにもかも「いいなあ」と思わせるものがあります。

 思い起こせば,あの頃は1枚1枚をとても大切に撮っていました。無駄に出来ないから,自分の意図が確実に残せるよう,考えて使っていました。SPには自動露出はありませんから,露出計の指示をカメラの設定にどう反映するかは撮影者の考え次第なところがあり,露出補正などというむしろ面倒な操作などせずとも,思い通りに撮影できたものです。

 今でこそ露出補正を面倒とは思わなくなりましたが,はじめてSPからF3に乗り換えたとき,自動露出なんて全然便利じゃないなあと感じたものです。

 原点に返るカメラとして,このSPは手元に置いておきたい気がするのですが,それはやめときましょう。実家にあるから値打ちがあって,たまに帰省して手にとってこそ,原点回帰の意味があるように思います。

 今やるべき事をきちんとやって,実家に返しておきましょう。

 ちなみに,このSPが実は2代目であることを,当の父親は全然知りません・・・

ES2実用範囲へ

 タイミングコンデンサ用のスイッチの調整ビスを試してみようと,昨夜試してみました。

ファイル 28-1.jpg

 これがその部分の写真です。ぱっとみると,時間を調整するためのものであることは間違いなさそうです。

 試してみると,やはり1/1000秒の露光時間が大きく変化します。調整範囲いっぱいのところで1/1000秒の露光時間を1.4ms程度出すことが出来ました。

 平行して1/500秒や1/250秒も狂うかと思ったのですが,そうはならず,なかなか精度良く制御できているようです。

 これで当面の問題は解決した,と喜んでいたら,今度はメカシャッターの1/1000秒がおかしい。先幕の速度が遅く,コマの端っこで幕が重なってしまっています。

 いやらしいのは,何度かシャッターを切っているとこれが解消してしまうことです。時間がたつとまた重なります。先幕のテンションを少し上げたのですが,重なりが発生するまでの時間が多少延びた程度で,根本的な改善にはなっていないようです。

 思い当たる節がないわけではありません。このES2は私がカメラ修理を始めたきっかけで,訳も分からず注油をしたカメラでもあります。

 露光ムラが大きいのはそのせいがあると思っているのですが,まさか幕が重なるほどになってしまうとは・・・

 この問題は,オートモードでは出ません。だから実用的には全然問題はないのですが,ほっとくわけにもいきませんので,対応を考えたいと思います。

ES2は先に進みません

 日々涼しくなって,夏の暑さに弱い私にとっては幸いな毎日ですが,昨夜もES2の検討を少し行いました。

 まず,前回交換したままになっているいくつかのICを元に戻しました。戻すことでずれてしまったシャッター速度も元に戻ってくれるか,確かめる必要もあります。

 まず,演算用のICを元に戻してみると,ズレ幅がほとんどなりました。演算と一口に言っても,対数圧縮と伸張を行うICですから,結構な個体差があるのは確かでしょう。

 次に電源用のICを元に戻します。ここを戻してもそれ程影響はなし。シャッター速度にはあまり関係がないようです。でも,定電流回路やコンパレータはここに入ってるはずなので,これほど影響が少ないのもおかしいのですが。

 そしてシャッター速度を一通り測定し,元の通りになったことを確認すればとりあえず終了です。

 ここから先,ちょっとスケベ心が出てしまって,ソレノイド駆動に関していろいろ試してみることにしました。まず,ソレノイドが強力に駆動されすぎていて,動作が遅くなっているかも知れないと,直列に抵抗を入れてみました。結果,確かに1/1000秒で3.5msほどの露光時間が1.6ms程に大幅に改善されたのですが,なにせ不安定で安定しませんし,1/125秒なども全然変な値が出てきます。これはダメです。

 次にソレノイドの駆動電圧を急峻にゼロにするため,抵抗を並列に付けてみました。ひょっとしたらコンデンサなどが入っていて,ここの電荷を急速に抜くことが出来るかも知れないと安易なことを考えたのです。この結果は全然ダメ。なにも変化がありません。

 逆起電力の吸収用にダイオードを入れてみましたが,これも関係なし。最後に,トランジスタのスイッチを追加して,これで高速なドライブを考えてみたんですが,途中で面倒臭くなってしまってやめました。実はES2って,+アースなんですよ。

 まあ,別のES2を手に入れたら検討をするとして,もうここでおしまい,と思っていたのですが,サービスマニュアルをちょっと見ていると,タイミングコンデンサへ電流を流すスイッチが先幕の走行と同時にONになるようになっており,ここに調整用のビスがついているんですね。

 1msとか2msとか,そんなオーダーの時間ですので,ちょっとした調整のズレでも狂ってしまうかも知れません。その調整が時間ではなく,動作角度の調整だったりするとあてが外れるのですが,一応試みる価値はありそうです。

 ここまでの話をまとめてみると,

・メカシャッターによる1/1000秒と1/60秒は正常 -> メカはOk
・ICを交換しても全く変化なし -> 電気回路の影響もなし

 ということになってしまい,原因は調整不良くらいしかないのです。メカは正常とはいえ,電気に関係するメカであればオートモードの時だけ影響が出るのは理屈に合いますし,やはりこのあたりの調整を見直すのは,どっちにしても必要な気がします。

 ただ,来週は実家に戻ることになっていて,検討は一時中断です。今週はこれにかかりっきりだったので,実家に戻る用意もまだ進んでいません。高速道路での事故が多発する折,わざわざ自動車で帰省するのも不安はあるのですが・・・

手強いES2

 昨日,引き続いてES2の検討を進めました。結論から言うと,謎が深まっています。

(1)ツェナーダイオード

ファイル 26-1.jpg

 写真は私のES2の基板の写真です。左側のコネクタが壊れてしまったので,直接ハンダ付けを行ってあります。

 一番右の部品は,前回ツェナーダイオードではないかと書いた部品なのですが,外して型番を見ると,1N5225と書かれていました。調べてみると3.0Vのツェナーダイオードでした。

 早速外して部品取り基板から外したものに交換しますが,症状はバッテリチェックの指針がおかしい事も1/1000秒の遅れも変化なし。気持ちが悪いので元の部品に戻しました。

 ツェナーダイオードの両端の電圧はいずれの場合も1.7V程度で,3Vよりも低い値になっています。おかしいですよね・・・ということは,ツェナーダイオードに繋がっている電源ICの問題ではないのかと考えました。


(2)電源・コンパレータハイブリッドIC

 前回もハイブリッドICの異常の可能性を書きましたが,ツェナーダイオードの問題ではないと分かった以上,これを交換してみるのは自然な流れです。

 基板右の黒い部品が電源や定電流回路,コンパレータが入ったハイブリッドICです。これを部品取り基板のものと交換してみます。

 結果は全く変化なし。ここも違ったようです。


(3)サーミスタハイブリッドIC

 基板中央部,三脚穴のそばにある黒い物体は,高精度タンタルコンデンサとサーミスタ,高精度抵抗を封入したハイブリッドICです。セラミック基板の上に金属皮膜を蒸着して作り込んだ高精度抵抗に,1μFの湿式タンタルを2つと温度補償用のサーミスタがパッケージされています。

 私の経験則に,電解コンデンサはあてにしない,というのがあり,出来れば全部新品に交換したいくらいのものです。

 これも外して交換してみましたが,全く変化なし。一応温度補償はされていましたから,ここの異常はあまり考えられなかったのですが,精度が落ちると高速シャッターがおかしくなるのでは,という仮説は,簡単に崩れ去ってしまいました。

 このICも元に戻しました。


(4)メーター駆動ハイブリッドIC

 基板の左端の黒い部品は,メーター駆動を担うハイブリッドICです。バッテリチェック,露出の表示など,メーターに関係する機能はこれの世話になります。

 交換してみたのですが,さらに悪くなりました。

 露出の表示はおかしくないのですが,バッテリチェックが全然だめです。指針がほとんど動きません。よく考えてみると,部品取りのES2は電池を入れてもバッテリチェックが動作しませんでした。このICが壊れていたんですね。勉強になりました。

 動かないICを付けてあっても意味がないので,元に戻します。


(5)演算用モノリシックIC

 最後に残るは,対数圧縮伸張などの演算を行うモノリシックIC,μPC34です。基板上では中央右にある丸いパッケージのICです。変わった形をしています。

 ダメモトでこれを交換して見たところ,やはり変化はなし。


 と,ここまで順番に交換してみても,結局何一つ問題が改善しませんでした。2つとも同じ部品が同じ程度に劣化していたという可能性も否定しませんが,全く変化がないほど同じ壊れ方というのも考えにくいような気がします。

 結果としてハンダ付けも大半をやり直したわけですから,ハンダのクラックによる故障ということも考えにくく,基板の問題だろうという推測そのものが間違っていたような感じです。

 結局電源ICと演算ICの2つが交換された状態なのですが,シャッター速度が少しずれてしまっていました。何が原因だったのか分かりませんが,少なくともICに問題がないという事は分かったので,元の部品に全部戻してみたいと思います。

 それにしても,高速側にズレが出てくるのは,なんででしょう。メカが原因なら電池を抜いても遅れるはずなのに,1/2000秒相当の速度で動作していますから,明らかに回路が動作した正で遅れているのは疑いようがありません。

 ソレノイド周辺も疑わしいですが,ここは半年ほど前に徹底的に検討をして,取り付け位置も最良点を見つけてありますから,問題はないと考えたいです。

 幕速が速すぎるのかと思いましたが,メカシャッターで1/1000秒が現在の幕速で出ていること,1/60秒で全開にならねばならないことを考えると,今の幕速が見当外れなものであるとは思えません。

 という風に考えていくと,もう原因などないんですね。ここから先は修理と言うより,改良という感じになります。もしソレノイド駆動の電圧が緩やかに変化していたら,これを急峻な変化に改めてやるなど,新しい部品や回路を追加した対策を講じることになってしまいます。

 それでもバッテリチェック機能はおかしいままで,どちらの機能も以前はきちんと動作していたわけですから,所詮対処療法に過ぎないことは,あまりしたくはありません。

 とりあえず現状の回復を最優先にし,1/1000秒については今後の宿題として考えるしかありません。もう1つ,ジャンクでもなんでもいいのでES2を手に入れたいところです。

 しかし手強い。頑張るしかありません。

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