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念願のKENWOODのFMチューナーをレストア

  • 2015/07/24 09:12
  • カテゴリー:make:

 今でこそFMラジオなんて見向きもされませんが,ステレオ放送が始まった1960年代以降,30年から40年くらいは,それはそれは貴重な音楽ソースでした。

 スイッチを入れておくだけで,その道のプロが選んだ曲を,解説やコメントと一緒にどんどん流してくれるFM放送は,当時高価だった音楽を無料で手に入れる機会だったと同時に,自分からは買うことがないだろうと思うような,様々なジャンルの音楽に触れる,お試しの場でもありました。

 ここから,どれだけの音楽を知り,聴く事になっただろうか・・・

 書いていて思ったのは,これと同じメリットを声高に,今のAppleMusicやAWAなどのサブスクリプション音楽サービスが,叫んでいることでしょうか。音楽との出会いに,詳しい人の力をあてにしているというのは,いつの時代も変わらないということです。

 で,1980年代は日本がバブル景気にわいた時代で,ものを作って並べれば,なんでも飛ぶように売れた時代でもあります。オーディオ機器もしかり。今だと考えつかないですが,FMラジオを超高級化してHi-Fiオーディオ機器とした「FMチューナー」が,各社から発売されていました。

 安いものはラジオの毛が生えた程度のもので2万円くらいから,超高級機だと20万円近いものまでピンキリだったのですが,高級機と呼ばれる5,6万円程度くらいのものを買えば,放送局側がしっかりしていれば,かなり良い音でFM放送が楽しめました。

 楽しめました,と過去形なのは,もうこうしたFM放送を音楽を愉しむ道具として新品を購入することはほぼ不可能だからです。特に評価の高かったケンウッドは完全撤退しています。

 ケンウッドはもともと通信機のメーカーですから,FMチューナーに得意なのはなんとなく分かっていましたが,高周波機器としてのチューナーの性能以上に,オーディオ性能が卓越していた事実を私は21世紀になってから知る事になります。

 1990年頃だったか,展示品が安く買えるという理由でパイオニアのF-757を買いましたが,これはそれなりの値段がした割に,回路構成も音も高級機とは言えず,後日がっかりするわけですが,そのころから「やっぱケンウッドのチューナー欲しいなあ」と思うようになりました。

 ある友人が,私の持っていたSGをあてにして,KT-3030を持ってきたのですが,どうも呼称しているらしく調整が追い込めません。それでもその端整なデザインと高級機にふさわしい回路構成に,私はすっかりクラクラしてしまい,ずっと手に入れる機会を狙っていました。

 ふとしたことから,KT-1100Dという,定評のある高級機の中古品が手に入ったのが2週間ほど前です。値段は1万円ほどですが,ちょっと高かったかなあと思います。

 傷あり汚れありで外観は程ほどですが,無改造の完動品ですし,うまく調整をして性能を追い込めたら1万円の価値はあると納得しました。なにより欲しかったケンウッド,欲しかったKT-1100Dです。

 さっと動作確認とデータ取りを行い,正常動作をしていることを確認します。そして,この時期のケンウッドに多いとされる,電解コンデンサのショートや容量抜けを警戒して,すべての電解コンデンサを交換します。

 大した価格差もありませんので,出来るだけ音響用として売られているものを使います。今回は秋月で買えるものという理由で,ニチコンのFineGoldを使いました。バイポーラについてはこれも秋月で買えるMUSEですが,FineGoldで揃えられなかった容量も,このMUSEを使う事にしました。

 また,1uFや0.33uFや0.22uFなど,フィルムコンデンサが使えるところはあえて電解コンデンサから変更しました。

 もう1つ大事な交換作業として,半固定抵抗があります。友人のKT-3030もそうだったのですが,プラスチックの部分が割れていて,値が不安定になることがありました。こういうものは言うまでもありませんが,正常なものであっても,調整のしやすさから多回転型を使いたいところで,可能な限りベックマンの25回転型に交換します。

 OP-AMPの交換も行います。KT-1100Dには安価なNJM4560Dが大量に使われていますが,これはあんまり特性が良くないとされているのですね。もっとも,このOP-AMPで音作りをしているんだとしたら,無闇に交換するのは考え物ですが,気分の問題ですから,ちょっと高級なものに交換しましょう。

 検波基板は,NJM5532にします。上位機種ではこの部分に5532を使っているという話を聞いたからですが,私はあまりこの5532というOP-AMPが好きではありません。

 他の4560は,4580DDに交換です。回路構成やファミリーとしても似ているし,4580DDの低歪みは私も体験済みということもあり,その割に安いことから,もうあれこれ考えずに交換です。

 そして,4558相当とされている割に案外高音質なM5218も,4580DDに交換です。

 これで,OP-AMP自身が性能を劣化させている部分があるとすれば,かなり改善されることでしょう。


 そうそう,FMのアンテナ入力端子も交換です。この時期のケンウッドのチューナーは,F型コネクタとはちょっと違う端子を使っているので不便です。そこでこれをF型コネクタに交換するのですが,元々RCAプラグが先端についた同軸ケーブルが基板から出ていますので,RCA-F型の変換コネクタを使ってやれば,問題は解決です。

 背面のコネクタ繋がりで,ACコードも直出しからインレットに交換しました。これだけで随分メンテナンスが楽になります。

 あとは分解し,可能な限り洗剤と水で荒いって汚れを落とします。

 買い忘れや間違いがあり,交換作業に1週間ほどかかってしまったのですが,とりあえず作業は終了。ドキドキしながら電源を入れ,SGで動作確認をしてみますと,問題なく動いているようです。

 この流れで調整を始めます。

 VTの電圧が随分狂っていたりしたのですが,これは調整点がずれたと言うよりも,どうやらトリマーが壊れてかかっていて,大きく値が狂ってしまったことにあるようです。交換すべきなのですが,なんだか面倒になって,再調整で今回はすませます。

 案外スムーズに調整は進んだのですが,最終的な性能をみて私はがっかりしました。

  WIDE
歪率 MONO:0.025% L:0.12% R:0.12%
セパレーション L->R:53.7dB R->L:53.6dB
S/N MONO:72dB L:63.2dB R:63.2dB
キャリアリーク 67.3dB

 NARROW
歪率 MONO:0.035% L:0.12% R:0.12%
セパレーション L->R:50.2dB R->L:50.3dB
S/N MONO:72dB L:63.2dB R:63.2dB


 悪い数字です。モノラル時の特性は,この機種としては良くないとはいえ,許せる範囲です。しかしステレオ時の特性,特に歪率とセパレーションの悪さは信じられないレベルで,F-757よりも劣っています。

 信じられなくなり,もう一度調整をやり直しましたが,やはりこのくらいです。しかも,筐体を閉じて機内温度が上がると,特性が急激に悪くなり,セパレーションなど40dB近くまで悪化します。

 ハズレを引いたのか,それとも部品の交換に失敗しているのか。どっちにしても作業前に再調整をきちんと行っておくべきだったと反省しています。まさかこんなに悪いとは思わなかったもので・・・

 実際に音を聞いてみました。F-757と比べるまでもなく,実に心地の良い音です。サシスセソも濁らず,ノイズも少なくて,ギュルギュルというマルチパス妨害によるノイズも出ません。

 F-757はざらざらと荒っぽい音で,これは聞いた瞬間にわかる違いなのですが,数字で見るとF-757の方がちょっと良い成績なんですよね。

 モノラルの時の性能はきちんと出ている(歪みもKT-1100Dが0.025%,F-757が0.056%)のですから,これはやっぱり,FMステレオモジュレータの問題だろうと思います。

 私のVP-7635Aは非常に疑わしいもので,まずはっきりしている点としてパイロット信号の位相が調整しきれず,ずれたままになっています。なんとかしたいのですが,回路図もないし,あれこれと内部の半固定抵抗をいじっても変化がないので,もうあきらめています。

 パイロット信号の位相がずれていると,セパレーションが極端に悪くなり,歪率も悪化します。スペック上は,1kHzで歪率0.01%以下をうたっていますので,実力でも0.05%くらい出て欲しいところです。セパレーションも,スペック上は66dB以上ですから,やっぱり60dBくらいは出て欲しいです。

 ステレオ時の歪率とセパレーションは,F-757でもKT-1100Dでもほとんど同じ程度ですので,やっぱり測定器の問題だろうと思います。

 ここで,滅多に使わないけども,ないとどうにもならないFMステレオモジュレータを買い直すのが良いか,それとも今の環境で最良点になっているはずなので,実力はもっと上のはず,という勝手な予測でこのままにしておくか,大いに迷うところです。

 もう1つ,やっぱり東京FMが歪みます。これこそマルチパスじゃないかと思うのですが,どうにもなりません。F-757でも出ていた問題ですし,F-757ではNHK-FMでもダメでしたから,KT-1100Dで改善していることは間違いないのですが,これ以上はもうアンテナの向きを調整するなりしないと,手に負えない思います。

 どっちにしても,KT-1100Dの実力は噂通りのものがあり,聞いていての心地よさ,人の声のリアリティなど,アナログ技術の集大成とも言えるFMステレオ放送の送受信システムのポテンシャルの高さに,納得するという結果になりました。

 9月に毎年放送されるTokyo-Jazzも,これで録音することになるでしょう。昨年までは,F-757でも十分と思っていても,実際に聞いてみるとやっぱり悪いところが耳についたものですが,KT-1100Dであればそれもないでしょう。楽しみです。

ClipHitから音が出ないので修理した

  • 2015/05/27 13:43
  • カテゴリー:make:

 先日,とある事情があって,私が自由に使って良いとされている作業部屋(とても小さい)の整理整頓をしていたところ,コルグのClipHitが出てきました。

 あー,そういえば買ったなあ・・・

 ハードロックを聴きながら,エアドラムをすることがとても爽快である事を知った私は,やはりここは本物のドラムを買うべきではないのかと,いろいろ思案したことがあります。

 今にして思えば買わなくて良かったなと思うわけですが,叩いて音を出すというプリミティブな楽器演奏に憧れる私としては,大げさにならず安価なClipHitはまさに福音だったのです。

 ですが,買ってみて解ったことは,ドラムと同じように楽しむには,センサーをドラムと同じ場所に設置して,こいつをスティックで叩かないといけないという,小学生でもわかる事実でした。

 結局の所,場所も取るし,準備も片付けも必要なClipHitは,電池を抜くことも忘れるほど奥の方にしまい込まれていたのです。

 片付けをしている最中に,どうやら保育園で太鼓を叩くことを覚えた3歳の娘が,部屋を覗きに来ました。なにせ危険なものが散乱している片付け中の作業部屋です,小さい子供には面白そうな秘境に見えても,大人が作り出したただの無秩序なわけで,危険なことこの上なし。

 そこで「あっちいけ」というのですが,純真で無垢な3歳児には,拒絶された,否定された,と大げさに聞こえるらしく,絶望して泣きわめくのです。

 そこで私は,発掘されて手の中にあるClipHitを,彼女に見せることにしました。ClipHitは白くて丸く,子供にも違和感のないデザインです。本体を叩くと音が出ますので,本体だけで遊べてしまうのも魅力です。

 電源を入れようとしましたが入らず。電池切れとわかったので電池を交換します。娘はワクワクしながら,私の作業をしゃがみ込んでみています。なにげに幸せな瞬間です・・

 電源は入りました。しかし,音は出ません。シーンとしています。

 壊れた。

 娘は残念そうな顔をしています。電源のON/OFFは出来るので,マイコンまわりはちゃんと動いていそうです。それならとセンサ-取り付けてみますが,やはり音は出ません。

 そこでヘッドフォンを取り付けてみると,なるほど,ここからは音が出ます。本体内蔵のスピーカーから音が出なくなってしまうという故障が起きたという結論です。

 娘には「うーん,どうも壊れてしまったみたい,残念だなあ」というと,とても寂しそうな顔をして,自分が楽しむ機会を失ったということよりもむしろ,私の持ち物が壊れてしまったことが残念だという雰囲気で,母親の所に戻って行きました。

 4日かかった部屋の片付けも目処が立ち,気になっていたClipHitの修理を検討してみます。

 分解して,スピーカーを固定している部品と配線を外して,スピーカーを取り外してみます。なんか立派なスピーカーです。口径は80mm弱で,柔らかいエッジで大きなストロークが確保されています。いかにも低音が出そうなコーンです。

 そして中心部には銀色のプラスチック製のコーンがもう1つついていて,ダブルコーンによるアコースティック2ウェイになっています。おお,これで高域も出そうと言うのか!

 まあその割には磁気回路が貧弱そうで,案外大したことはないんじゃないかと思ったのですが,電源器で1Vくらいを作って,このスピーカー端子にいれてみます。

 断線していなければガリガリと音がするはずなのですが,全く反応無しです。これでスピーカーの破損で原因は確定です。念のため,別のスピーカーを付けてみて,ちゃんと音が出ることも確認しました。

 スピーカーを交換すれば修理完了になることはわかったのですが,ここでふと思ったのは,もしかすると保証期間なんじゃないのか?ということです。

 私が買ってからというよりも,発売してから1年経過していない商品です。ということは全数が保証期間中です。

 ほとんど使っていないスピーカーの断線なんて,はっきりいえばもう部品不良としか言いようがありません。しかも保証期間なのですから,これはきちんと無料で修理してもらうべきでしょう。

 しかし,最近の私はどうも手間がかかることを忌避するのでいけません。サービスセンターに送るとか,そういうのがもう面倒で面倒で,それならさっと自分で修理しちゃおうと考えるのです。これが結果的に失敗に終わることもままあるので,困ったものです。

 そんなわけで,とりあえず,交換出来そうなスピーカーを探しましょう。口径は80mm弱ですので,これはいわゆる3インチ(77mm)でしょう。秋月を見ていると,ちょうど3インチのスピーカーが安く出ています。10Wクラスで,なかなか音も良いと評判ですが,2個以上買うと1つあたり250円という安さです。

 問題は厚みです。元々のスピーカーは,マグネットがかなり出っ張っているのですが,マグネットの口径は小さいので,斜めに取り付けられたスピーカーと基板や部品が干渉してしまう可能性があります。

 しかし,あれこれ考えていても仕方がない。安いんだし,買ってから考えよう。そういえばこの秋月のスピーカーは取り付けネジ用の耳が四方についているんで,これも邪魔になるけどドンマイ。あ,なんか効率がやたらと低いなあ,そのままだと音が小さくなってしまうだろうなあ,まあやってみるか。

 その日のうちに秋月に注文を出し,中一日でスピーカーが届きました。

 見た目はアレですが,音はなかなか良さそうな構造です。仕様書にある周波数特性はちょっと出来すぎのような気もしますが,多くの先人達の評判に悪いものは少なく,むしろその実績を信用すべきでしょう。

 まずはそのままで交換可能かどうかを考えますが,どう考えても取付ネジ用の耳が邪魔です。そこでドラ○もんよろしく,切り落としてしまいます。

 これで素の取り付け用部品をネジ止めして,スピーカーを上ケースに取り付けできました。次の懸念は,大きくなったマグネットのせいで,他の部品と干渉しないかどうかです。

 仮止めの状態で組み立ててみたのですが,うまい具合に収まっているようです。隙間から見ていても,ギリギリなんとかぶつかっていないようです。

 ここまで来れば,あとはハンダ付けで配線を元に戻して,修理完了です。

 電源を入れてみると,ちゃんと音が出ます。当たり前の事とはいえ,なかなかうれしいものです。しかし,今ひとつ音量が不足しています。ボリュームを一杯まで回しても,音量が足りません。これが新しいスピーカーの効率が低いことによるものであることは,もう疑う余地がありません。

 しかし,もうそこは割り切ります。

 早速娘に「なおったよー」というと,ぱっと明るい表情を見せて,手でポンポンと叩きます。そしてスティックを持ってこいと,私に命じます。私はそそくさとスティックを取りに戻り,娘に手渡します。

 娘はまたも明るい表情で,両手に持ったスティックを交互に動かし,器用に音を出して遊んでいます。

 そのうち飽きたのか,他の遊びを始めてしまいましたが,私がいないところで母親には,直って良かったねと,ニコニコしながら言っていたそうです。

 ということで,Cliphitは修理が出来ました。秋月のスピーカーで修理出来ることもわかりました。ついでにもう2つ買ってあるので,今度壊れても全然大丈夫です。(同じ壊れ方をするんであればその原因を調べないといかんのですが)

 ただ,やっぱり手でポンポン叩くだけでは面白くないんですね。かといってあちこちにセンサーを取り付けるのも面倒なので,修理はしましたが,そのまま袋に入れて片付けてしまいました。

 

パナコラン充電器を作る

  • 2015/02/23 15:34
  • カテゴリー:make:

ファイル 735-1.jpg

 割り箸の端っこを加工して作った充電治具を用いて,なんとか使えるようになったパナコランですが,数日試したところ,なかなか効き目がある事が分かってきました。

 日によって,あるいは痛い場所によって違ったりするのですが,概ね痛みが取れるようです。ただ,内服薬のように傷みが全体に消えるわけではないし,貼り薬(うちはおきゅ膏Zかロイヒツボ膏)のように,張り付けた場所の周辺も痛みが取れるわけではなく,あくまでパナコランを張り付けた直下だけ,が効いている感じです。

 ですから,正確に張り付ける必要があるということ,そして痛みが取れるまでに少々時間がかかり,一晩では駄目で,効き目が出るまでに12時間以上はかかること,そして痛みが消えても,すぐ隣の痛みを意識するようになるので,結局痛みが消えていないと感じてしまうことに注意すれば,なかなかよいものであるとわかりました。

 使ってみると不便なことも分かるのですが,なにせ4時間充電で2日しか動きません。効き目が出るのに12時間以上かかることを考えると,予備を常にフル充電で待機させておかないと効果的に回せません。

 それに,効き目の出る範囲が狭いということは,数が少ないと駄目という事でもあるので,私の結論は「2つでは無理」でした。

 パナコランの最盛期には,4つまで一気に充電できる充電器も売られていたようですが,今はもちろんありません。

 私の場合はどうせ,パナコラン本体を交換部品で手にれるしかなく,充電器は自分でなんとかしないといけないのですから,ここは4つまで充電出来る充電器を作る事にしましょう。

・基本的なこと

 先日の解析で,充電制御は本体がそれぞれで行う事が分かっています。充電電流は約3mAで,電圧は4Vほどあれば大丈夫です。

 ここでぱっと閃いたのは,3mAの定電流回路なわけですから,ここにLEDをただ直列に突っ込めば充電インジケータになるんじゃないのかということです。

 早速実験してみると,当然というか当たり前というか,ちゃんと3mAの電流が流れ,LEDも点灯しています。電圧が低いと充電が行われませんが,4Vの充電電圧にLEDの順方向電圧である2Vを加えた6V以上があれば,ちゃんと充電が出来ています。

 充電が完了するとLEDも消えています。これで充電インジケータは簡単に実現可能です。


・構造

 割り箸の端っこを加工して作った先日の充電治具を4つ作ってしまえば,それで解決という作戦もあるのですが,実はこの治具,木で出来ているために変形してしまい,3階ほど使ったらもう固定できなくなってしまいました。どっちにしても作り直しが必要です。

 電気回路は簡単ですが,こういうのはメカ的な難しさがあります。どうしたものかといろいろ思案したのですが,目に入ってきたのが,本棚にあった「型どり剤」です。

 これ,プラリペアの武藤商事が販売している「型どり君」という,プラリペアの関連商品です。よく似た商品は昔からあり,私も昔「型想い」という商品名の型どり剤を使っていました。

 この型どり君を70℃のお湯に入れて3分ほど暖めると,水飴のように柔らかくなります。冷えると硬くなるのですが,肉やせもなく,変形も小さいので,これで型をってプラリペアで部品を作るというものです。

 固まったプラリペアが型から外せるように,冷えて硬くなった型も,カチカチになっているわけではなく,ちょっと片目のゴムのように弾力があります。これが重要です。

 この型どり君を,半分の大きさにカッターで切ります。4つ分用意したら,鍋でグツグツ煮て柔らかくします。

 箸で取り出して,粘土のようにこねて円錐型にし,上からパナコランを押しつけます。すると,電池端子の窪んだところに型どり君が入り込みますが,さらに押しつけると,パナコランの外周部からはみ出るように型どり君が広がってきます。

 5mmほどはみ出たら,割り箸を使って綺麗に整形,パナコランの外周部に沿うように割り箸を押しつけます。この時にパナコランの上側にも,柔らかくなった型どり君が回り込んで,しっかり固定できるようになるんですね。

 冷えたら型を取り外します。綺麗にパナコランの「魚拓」が取れました。

 充電端子もうっすらと型が取れていますので,ここに3mmの穴を開けます。そして大きめの万能基板にゴム系のボンドで接着です。

 先ほどの穴に合うように,基板にも2.5mmの穴を開けて,Nゲージの集電バネを通ります。基板の裏側からハンダ付けです。

 これで,パナコランのホルダーと充電端子が完成しました。見た目は悪いですが,素人としてはまあこんなもんでしょう。

 残る作業は配線です。LEDを4つのホルダーごとに用意し,配線していきます。こうして4つの充電回路を並列に繋いで,おまじないのパスコンを入れます。

・電源の確保

 6V以上の電源が必要になるのですが,製品のように乾電池で動くものにすれば,確かに便利かも知れません。しかし,パナコランは充電完了後,端子に電圧が印加されているときだけ動作を停止する仕様になっており,電圧がかからなくなると本体が動作を始めてしまいます。

 つまり,満充電でスタンバイさせるには,電圧がかかっていないといけないのです。この考え方だと,乾電池では「いつの間にか」電池が切れてしまいます。

 まあ,4つのパナコランを同時に充電しても15mA程度,アルカリ電池が2000mAhくらの容量を持つとすれば,130回ほど充電出来ますし,充電が終わってからの電流は全部で20uAほどですから,これも電池が切れることなど考えなくてもよいのかも知れません。

 ニッケル水素を使うことも考えました。4本だと4.8Vとなり,6Vには全然足りません。6本にすると7.2Vなので大丈夫ですが,ニッケル水素の充電が4本までしか一度に出来ないので,なんとか4本で動くようにしたいです。

 そうすると,5Vを6V程度の昇圧するDC-DCコンバータを組み込もうという話になります。そうすれば電池2本で動かせたり,USBで充電出来たりと夢は広がってきます。

 HT7750AというICを使って昇圧回路を検討した事もありますし,やってみようかと思ったのですが,部品集めが急激に面倒になり,やめました。

 それに,充電完了後にHT7750Aが消費する電流が見えてくると思いますので,やっぱりこの作戦は,手間がかかる一方でメリットが薄そうです。

 いろいろ考えた結果,ここはACアダプタ方式にします。ジャンク箱を探してみると,6VのACアダプタが見つかりました。スイッチング方式,実測6.2Vとちょうどいい電圧です。

・作ってみて

 型どり君で作ったホルダーは,案外がっちりとパナコラン本体をホールドするのが好印象なのですが,解析のために分解し,その後接着剤で修復したパナコランは,うまく充電出来ません。ホルダーにセットしても,上から押さえないと充電してくれないのです。

 分解していない無傷のパナコランなら,全く問題なく4つのホルダーのどれでも,ちゃんとい充電が出来ています。

 バネを引っ張って伸ばしてみたり接点を磨いたりしましたがだめ。パナコランの底部の穴を真円にするためにカッターで削りましたがそれでも駄目。仕方がないので再度分解して組み立てなおすことにしました。

 しかし,よく見ると本体のLEDが点滅しなくなっています。基板をちょっと曲げてみると点滅を開始します。あれ,こわれたんと違うの?

 分解した基板に直接電圧をかけても充電は行われません。部品のハンダが割れた可能性もあると思ってハンダ付けをやり直しましたが,改善せず。ICがマウントされている黒い樹脂を加熱したり,スルーホールにハンダを流し込むと,一応LEDの点滅はするようになりましたが,それでも充電は出来ません。

 むむー。壊してしまったようです。

 分解するときに壊したのか,カッターで穴を削るときにパターンを切ってしまったのかわかりませんが,とにかく修理不可能な壊れ方をしたのは事実です。あきらめが付くようにと,電池を予備の部品として取り外した後,基板をペキッと割って,ゴミ箱に捨てました。

 彼の貴い犠牲のおかげで,充電仕様の解析が出来,治療の効果も確認できました。かれの偉大な功績をたたえ,彼に与えられたシリアル番号「1」は永久欠番とします。

 かくして,最初に買った2つのうち1つは壊れてしまい,もう1つの番号を「2」,土曜日に購入した追加の2つに「3」と「4」,1つ壊れたことであわてて補充したもう1つに「5」を割り当てることにしました。ああ,高くついたなあ。

 日曜日の夜に4つ全部が揃ったところで,全部一気に充電している様子が,冒頭の写真です。前述の通り,4つまでなら充電出来る純正品がありましたし,急速充電が出来るわけでもなく,使い勝手が良いわけでもなく,ただ入手困難なものを自分で作っただけの寂しい工作ではありますが,これでパナコランが4つ,常に使える状態でスタンバイできるようになり,これからその使い勝手を工夫して,長年に渡る肩凝りの対策になればいいなと思います。

MX-10のレストア

  • 2014/11/10 14:51
  • カテゴリー:make:

 エフェクターで有名なBOSSブランドに,一時期BOSS PROというシリーズがありました。

 もともとBOSSは安価なリバーブやディレイなどをハーフラックのサイズに詰め込んだシリーズを出していましたが,この後継という感じで登場したのを覚えています。

 最初に出たのは,記憶違いでなければステレオマルチエフェクターのSE-50だったのですが,BOSSのくせに結構いい値段,PROのくせにノイズが多いという欠点があり,それでもステレオの空間系エフェクターとしては安かったので,私も2台買って使っていました。

 その後出た10chのミキサーMX-10は,複数台のシンセサイザーをステージで使っていた私としては,まさにぴったりの製品に思えたので,すぐに購入して私のラックに収まるようになりました。

 MX-10は10chといいながらも,ch1からch8まではステレオ入力専用で,レベルは2ch分が同時に変化しますし,パンは奇数が左,偶数が右で固定されています。また基本的にラインミキサーですので,マイク入力が可能なのはch9とch10の2つだけです。

 そのch9とch10はマイク入力に対応し,パンも調整可能ですし,レベルもそれぞれ独立したツマミでコントロールできます。

 エフェクトのSENDとRETURMはありますが,EQはありません。だからちゃんとしたミキサーというよりも,キーボードミキサーとして割り切って使うべきものです。

 ただ,8chのミキサーでもステレオだと4台分しかまとまりませんから,やっぱりこれではつらいです。だから,ハーフラックでステレオでも最大5台分が入るMX-10は,結構便利な存在でした。

 現在,RD-700とMicronしか置いていない部屋でも,MX-10だけは実家から持ってきてあり,ここで一度まとめています。ですが,どうも音質的にしっくりこないように感じていました。

 まず,RD-700のヘッドフォン端子から直接聞いた場合と,MX-10を通した場合とで明らかに音が違います。MX-10の方が中低域が大きいというか,高域が不足している感じです。
 
 ケミコンの劣化だろうなと思いつつ分解すると,見えてきたのはオーディオ用に特に気を遣ったような感じの部品が見当たらず,この時期のローランドやBOSSに多用された,三菱の4558互換であるM5218が9つ使われていることがわかりました。

 4558は悪いオペアンプではないのですが,いかんせん設計が古く,今ならもっと良いオペアンプが使えます。ここは1つ,オペアンプもコンデンサも良いものに交換してみることにしました。

 とはいうものの,M5218はよく見かける8ピンDIPではなく,8ピンSIPです。万能基板でささっと変換をしてもよいのですが,さすがに9つもあると面倒です。

 と思って秋月を探すと,やっぱりありました。SOPをSIPに変換する小基板が売られています。25枚セットで750円。1つ30円というのは,安くもなければ高くもないという絶妙な値段です。

 問題はSOPのオペアンプをどうするかですが,これは私がたまたま手持ちで腐るほど持っているOPA2134を使います。数を数えたことはありませんが,300個くらいはあるんじゃないかと思います。

 OPA2134はオーディオ用としては良いオペアンプだと思いますが,地味な音質で,高音質という評価には異論は出ないにせよ,今好まれる音ではないと思いますが,私は好きです。

 コンデンサは,22uFが40本近く使われていました。22uFの電解コンデンサだと一般品でも10円,50V品だと25円くらいです。それが秋月ではオーディオ用の50V品が1つ20円だったので,これにしました。

 何だかんだで多めに買ったので,電解コンデンサばかりで7000円近くもかかってしまいました。とほほ。

 交換前に特性を測っておきます。80kHzのLPFを通して測定した結果,歪率は1kHzで0.04%,周波数特性は20Hzから75kHz,S/Nは85dBと,別におかしくない値です。

 あれ,これでなんでそんなに悪く聞こえたんだろうなあ。

 まあいいです,とりあえず部品の交換です。まずOPA2134を変換基板にハンダ付けして,9つ分のSIP版OPA2134を作ります。

 そしてもともとついていたM5218を外し,交換します。

 この勢いにのり,電解コンデンサを一気に交換します。全部で100本近く交換しましたが,良くパターンを追いかけていくと,どうもピークインジケータのために使われているコンデンサもあるようで,これは音質に影響がないことから,交換するのをやめました。

 最後に,もともとついていなかったのですが,電源とGNDの間に0.1uFのパスコンを入れておきました。ついていないわけではなく,電解コンデンサの10uFがついていますが,高周波特性の良い積層セラミックを一緒に取り付けておくことで,保険をかけようという話です。

 さて,案外簡単に作業が終わり,目視によるチェックをしてから通電です。音を聞く前に準備が済んでいる測定を早速開始しますと,歪率は1kHzで0.03%と下がりました。周波数特性は変化無しで20Hzから75kHzです。

 S/Nは改善し,92dBになっています。これはなかなかよいですね。

 ということで,音を聞いてみますが,以前よりもずっと良くなっています。4558はザラザラした音が華やかなオペアンプですが,OPA2134はきめ細かい一方で元気がないおとなしいオペアンプという印象を私は持っていますが,その印象どおりのMX-10になっていると思います。

 ただですね,電源かいろの発熱が大きく,オペアンプ自身も随分発熱しているようなのです。触れないほどではないですから,正常動作範囲だと思いますが,M5218の時にどれくらいのい発熱があったかを調べていませんので,これで正しく動作しているかどうかは,もうわかりません。

 ざっと調べた限り,発振もしていませんし,おかしな電圧もかかっていません。なにより無理に動かせば測定値が急激に悪くなるものですけど,以前よりも改善しているわけですから,回路そのものは動作していると考えてよいと思います。

 ということで,実はあまりレストアする意味はなかったのかもしれないのですが,電解コンデンサのような寿命が短い部品を20年経って交換したことは意味があり,もう10年くらいは問題なく使えるようになったと思います。

 
 

aitendoの時計キットでかつてのLEDクロックを復活

  • 2014/09/02 16:06
  • カテゴリー:make:

 2010年頃の話ですが,大型の7セグLEDの,ラジオクロックを寝室用に買いました。

 当時はまだ高価だった青緑の発光色で電波時計でしたが,結構な値段だったのにいかにも中華品質という感じで,購入時からあまり良い調子ではありませんでした。

 ACアダプタの接触不良に始まり,電波時計の感度が低すぎる,あるいはどんなに頑張っても電波を受信しない,LEDが明るすぎて眠れないくらい,ラジオは周波数がずれるなど,不満だらけでした。

 その度に修理や改造を繰り返して,なんとか騙し騙し使っていたのですが,新居への引っ越しをしたときにどうしても時刻が自動修正されず,買い換えました。

 ただ,私には思い出深いものでしたから捨ててしまうのも惜しく,購入当時に高価だったことを「まあ青緑の大型LEDだしな」と納得したことを思い出して,この7セグLEDだけ残してあったのです。

 ところで,先日aitendoで時計のキットを買ってきて組み立てたことを書きましたが,この時計のLEDの輝度ムラがひどいことから,対策を考えていました。

 ここでピコーンと繋がるのですが,ならばこのaitendoの時計に,大型7セグLEDを取り付けてみようと思い立ちました。とはいえ,詳細を検討するとなかなか簡単にはいきません。

(1)7セグLEDの改造が必要

 この7セグLEDには,2つの改造が必要になります。

 まず,時計キットはダイナミックドライブですが,このLEDはスタティックドライブ用に端子が引き出されています。幸いどちらもアノードコモンだったので,そこは大丈夫です。

 まあ,スタティックドライブというのは要するに全ピン出ているということですので,適当にまとめれば良いだけですから,面倒という話以外はどうにかなります。

 ですが,次が問題です。

 このLEDは12時表示のため,時刻の10の桁が,「1」しか表示出来ません。ほかのセグメントはLEDが仕込まれていないですし,その上「1」だって2つのセグメントが内部ですでに繋がっています。

 aitendoの時計は24時表示なので,このままでは使えません。そこでLEDを改造しなければなりません。

 まず,LEDを分解します。するとLEDチップが直接ベークの基板にボンディングされています。むき出しです。おお!

 次に,時刻の10の桁の2つのセグメントを分離します。パターンを切るだけなのでそんなに難しいものではありませんが,なにせLEDがむき出しですので,触ったらもうアウトです。

 そして,LEDが取り付けられていないセグメントにLEDを用意して上げます。同じ色のチップLEDをマルツ電波で安く買えそうだったので調達し,1セグメントあたり2チップを接着剤でまず接着,固定できた頃に細いワイヤーで配線していきます。

 ここで私は勘違いをしたのですが,時刻の桁は1と2だけ表示出来ればいいので,左上のセグメントにはLEDは必要ないと思っていたのですね。これは正しいのですが,aitendoの時計キットを使う限り,誤りです。

 なぜ?それは,このキットがゼロブランキングを行わず,0の表示を行う仕様だからです。0を表示するためには,左上のセグメントも必要です。これに気が付いたのはLEDを組み立てて実際に光らせてからでした・・・なんとも鈍くさい話です。

 配線も完了し,基板とセグメントをはめあわせて元に組み立て直しますが,悲劇はこの時起きました。つい手が滑って,落としてしまったのです。あわれ,基板はLEDの面を下側にしてぶつかり,滑って床に落ちました。

 確かめてみると,4つほどLEDが死んでいます。死んだLEDは削って,新たにチップLEDを取り付け直します。新たに作業中に1つ壊してしまい,これはえらいことになったなあと思いながらなんとか作業を収束させました。

 光らせてみると,案外新しいセグメントも違和感なく,綺麗に光ってくれます。そしてこれをダイナミックドライブ用に配線して,一応完成です。


(2)ゼロブランキングの実装

 前述のように,LEDを組み立ててから,時刻の10の桁にすべてのセグメントが必要な事が分かったわけですが,それなら左上のセグメントを光るようにすれば問題が解決するのかと言えば,そんな簡単な話ではありません。

 確かに,0時を00時,7時を07時と表示するaitendoの時計キットの仕様が許せるならそれでもよいでしょうが,冷静に考えてみるとそんな時計,みたことないですよ。

 やっぱり07時ではなく,7時と表示されないと。

 この,最上位桁のゼロを表示しないようにすることを,ゼロブランキングといいます。

 aitendoの時計に違和感があったのは,このゼロブランキングがないせいだったとはっとするわけですが,7セグLEDを壊してしまうリスクを負って,その違和感のある表示を行うように作ることが,正しいとは思えません。

 なら,ゼロブランキングを実現するしかありません。そうすれば見た目も自然だし,7セグLEDもこのまま使えます。ついでに高価なチップLEDも2つも削減できます。

 なんちゅうか,ゼロブランキングくらいソフトで書けば簡単なのに,なんでこれくらいの機能を最初から入れておいてくれないのかと,aitendoのクオリティの低さにブツクサ文句を言いたくなるのですが,ソフトを変更出来ないのですから,もう電気的に行うしかありません。

 原理は簡単で,時刻の10の桁の左上のセグメントが点灯するときというのは,0,1,2のうち0の時だけですから,この時には時刻の10の桁そのものを消灯すればいいだけのことです。あとの1と2の時には,そのまま10の桁のドライブ信号をスルーして出します。

 ゆえに,時刻の10の桁のドライブ信号と左上のセグメント信号のANDをとって,これで10桁のドライブを行えばよいのです。

 具体的には,10の桁のドライブ信号をカット,セグメントの信号を反転させて,ドライブ信号とNANDに入れます。そしてNANDの出力を,10の桁をドライブするトランジスタのベースに突っ込みます。

 桁のドライブ信号もセグメントの信号も負論理で,Lowでイネーブルです。ですから真理値表としてはこうなります。(Aはセグメント,Bは桁のドライブ信号)

A B X
-+-+-
0 0 1
0 1 1
1 0 0
1 1 1

 こうするとほら,セグメントがLowの時(つまり0の表示)はどんな場合も必ず10の桁のドライブ信号はHighになって,この桁そのものが消灯します。セグメントがHighの時(つまり1か2)は,10桁のドライブ信号がそのまま出ますので,ちゃんと10の桁が表示されます。

 この回路を追加して,どうにかゼロブランキングが実現して,自然な表示にすることが出来ました。

 

(3)秒を表示する桁が必要

 この7セグLEDは分までしか表示出来ませんから,もし秒の表示をするなら桁を増やさねばなりません。そこでちょっと大きめの7セグLEDを用意したのですが,青緑が手に入らず,黄緑にしました。

 実際に動かしてみると,色も明るさも違うし,おさまりがどうにもよくありません。そこで思い切って秒の桁は表に出さず,基板上の小型LEDで表示させることにしました。

 基板はこのLEDの裏側に取り付けましたので,秒を見るときには裏側をみないといけなくなるのですが,まあ日常生活で秒まで必要な事はないし,時刻合わせの際には裏側をみればいいだけの話ですから,これでもいいかなと思ってます。


(4)そして精度の追求

 クオーツ時計でも時刻が狂うのがなんとなく許せない私としては,ずっと電源同期式を好んで使っていました。しかし,電波時計が手に入るようになった15年ほど前からは,これを選ぶようになっています。

 今回も電波時計なら良かったのですが,なにせキットですのでそうもいきません。そこで出来るだけ精度を追い込むことにします。

 このキットは,ATMELの8051コアのマイコンを使っているのですが,クロックは12MHzです。これを基準に1秒を生成しているはずなので,とにかく12MHzの精度を追い込む事が肝要です。

 周波数カウンタで測定すると,ちょっと高めに出ています。これならトリマコンデンサを並列に繋ぐだけで12MHzに追い込めそうです。

 マイコンの水晶発振子にバッファを1段入れて,周波数カウンタで調整します。室温が25度くらいになる頃を見計らって,12.000000MHzに追い込みました。もしこの値から本当にずれないとすると,1Hzまであっていますから,1/12000000秒しかずれません。つまり1秒ずれるには12000000秒かかるわけで,これを計算すると約140日に1秒となります。

 うーん,案外ずれるものですね。

 加えて,普通の水晶発振子ですから仮に温度変化で50ppmずれると,それだけで50Hzずれるわけで,そうなると最悪の場合3日で1秒ずれる計算になりますね。うーん,これでは実用にならないかもなあ。

 ただ,通常のATカットの水晶の場合,我々が普通に生活する範囲ならほぼ大丈夫,±25ppmの範囲でさえも-40℃から85℃ですし,-20℃から40℃くらいの範囲だとほとんど変動しません。むしろ時計用の音叉型水晶振動子の方が,温度特性は悪いんですね。


(5)ゴーストの発生

 真面目に検討する気もないのですが,実は隣の桁の点灯していないはずのセグメントが,うっすらと点灯している場合があります。いわゆるゴーストが発生しています。

 ゴーストは,ダイナミックドライブの場合には桁のドライブの切れが悪いときに発生しますが,ドライブ用のトランジスタのキャリア蓄積で素早くトランジスタがOFFしない,という場合が考えられます。

 この回路では,PNPトランジスタでドライブしているにもかかわらず,トランジスタが確実にOFFするようベースとエミッタの間に入れる抵抗が省略されていて,これが原因かなと思っていました。

 そこで2.2kΩとベースとエミッタの間に付けてみましたが,全く変化無し。これはひょっとすると桁のドライブ信号の速度が速くて,トランジスタがOFF仕切れていないのかも知れないなと思ったのですが,もう測定するのも面倒になったので,放置することにします。


 ということで,たかだかこれだけの話に,2週間ほどかかってしまいました。鈍くさいというか,時間がなくて集中出来なかったとか,まあいろいろ原因はあるんでしょうけども,これくらいなら1日か2日で片付けてるのがこれまでの実績であり,こんなに時間がかかってしまうと,さすがに衰えを感じてしまいます。

 さて,こうして復活を遂げた時計ですけども,どこに設置するのか決まっていないのです。元のように寝室にと思いましたが,電波時計ではないし,今の時計になれているので,今さら置き換えるのもどうかと思います。

 かといって,AC電源の必要な時計を置ける場所は限られていますし,主なところにはすでに電池式のLCD電波時計が置かれています。気温や湿度も表示されるので,今回のLED時計で置き換えると不便になります。

 大きな青緑の表示で,遠くからでも暗闇でもはっきり見えることが最大の売りなのですが,これに見合う場所を考えつつ,しばらくは私の机の上で精度を確認していこうかなと思っています。

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