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MCヘッドアンプは計装アンプだ

  • 2007/11/13 17:20
  • カテゴリー:make:

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 今年の7月頃に,K&Rという会社のイコライザアンプキットを作ったことを書きました。このイコライザはおかしな味付けをせず,何も足さず何も引かずを設計思想に持って生まれたのですが,そのせいか解像度も高く,一方で大変にソリッドな音がするものでした。

 それまで私が使っていたイコライザは中域に特徴があり,ボーカルにふくよかさ加味される反面で奥行き感や解像感が薄いものでした。これはこれでいいんですが,性能としてどちらが上ですか,と言われれば,間違いなくK&Rのものになると思います。

 それで,その第二弾として,MCヘッドアンプが新発売になったというので,早速買ってみました。キットで9800円。イコライザアンプに比べちょっとお高くなってはいますが,ギリギリ4桁に収まっています。

 私がMCカートリッジを使う場合は,このイコライザに昇圧トランスを使っています。ノグチトランスで安売りされていたもので,タムラのものです。

 安かったのですが個人的にはなんの不満もなく,MCカートリッジらしいさわやかな音を出してくれていました。ちょっと高域でだれてしまうのと,低域に粘りがないのが気になっていましたが,まあそれも個性です。

 ヘッドアンプに対しては悪いイメージしかなくて,半導体である以上ホワイトノイズの発生は避けられません。0.3mVを増幅するアンプですから,どうしたって「サー」というノイズが聞こえてしまいます。

 トランスはこうした雑音を発生する仕組みはありません。だから昇圧トランスを始めて使った時に,全くノイズが増えずに静寂の中でMCカートリッジが動いたときには,ちょっとしか感動を味わいました。

 ですが,キットの説明には,計装アンプSSM2019を用いたこと,抵抗には超高精度な薄膜抵抗が使われているとあります。なるほど,それで9800円もするわけですね。

 ここで普通のOP-AMPなんかを使ってしまうと,オフセットやらノイズやら歪みやらで,これまで通りの普通のヘッドアンプになってしまうのですが,計装アンプを用いたあたりに「おっ」と思わせるものがあります。

 私は知らなかったのですが,このSSM2019はプロ用の録音機材などにも使われている,音響用としてもよく知られた存在なんだそうで,そういうことならなお安心です。

 ということで,計装アンプと薄膜抵抗という,私にとって未知の部品を使ったヘッドアンプを,早速試してみたくなったわけです。

 部品点数も少なく,組み立てやすさはイコライザ以上です。しかし前作同様に基板はしっかりとしたガラスエポキシに金メッキ,抵抗はすべて金属皮膜で温度特性まで管理されています。

 コンデンサは今回はあまり重要な部品ではないのですが,それでも音質を気にしたと思われるフィルムコンデンサと音響用電解コンデンサがきちんと使われています。相変わらず部品選びからいい仕事しています。

 ちょっと気になったのは,MM用に信号をスルーするために用意されたリレーです。リレーを使ってヘッドアンプをバイパスする仕組みは結構なのですが,このリレーの素性が今ひとつ分かりません。微少信号を扱う訳ですから,それなりに気にしないといけないと思うのですが,そこら辺で見かける普通のリレーのように見えます。

 電源はイコライザと同じ±15Vです。大した電流ではないので,出来ればイコライザと同じケースにおさめて,共用にすると楽ですね。(楽をすることはオーディオの瀬愛では御法度とされています・・・)

 ついでにリレーのコイルの電源も,この電源で動かします。本当は別電源にした方がいいんですが,面倒なので共用します。

 基板が完成して,組み込みを検討する時になって,イコライザのケースを開けると,もうすでにいっぱいで,ヘッドアンプを組み込むスペースなどなさそうです。まして電源まで内蔵したので,トランスからの漏洩磁束が誘導するともう手が付けられません。

 ここで引き下がってしまうと面白くないので,なんとか押し込むことを考えます。

 ヘッドアンプの入力側は特に入力レベルが小さいですから,出来るだけ配線を短くし,トランスから離します。そうるすと出力側がトランスに近くなりますが,インピーダンスも低いですし,5mV程度ですので,なんとかなるでしょう。

 とにかく出来るだけ距離を稼ぐため,イコライザの基板から40mm程浮かせて,天板の真下あたりに配置します。

 ここで,MMとMCを切り替えるスイッチをパネルに取り付けてしまうと,もしどうしても漏洩磁束が防ぎきれず,別ケースにする場合に穴が開いたままになるので,まずはバラックの状態で試してみます。

 ・・・やはり結構のりますね。入力側は大丈夫なのですが,ヘッドアンプの出力(つまりイコライザの入力)にかなりのっているようで,配線を動かすだけで「ブーン」というハムの量が大きく変化します。

 しかし,ほとんど無音に出来るポイントが見つかったので,この距離でもなんとか防げることがわかりました。妙な自信に後押しされて,パネルにもう1つ穴を開け,スイッチを取り付けます。もうこれで後戻りは出来ません。

 漏洩磁束の対策に効果があるのは,なんと言っても磁気シールドです。薄い物でも構わないので,ステンレスの板でトランスを囲ってしまうと,ぴしっと誘導がなくなります。

 手持ちのステンレスの板を曲げてシールドを行って試すと,もう配線の取り回しでハムが変化したりしません。いい感じで押さえ込めているようです。

 ただし,それでもハムがのっています。左右でアンバランスなのり方をしているので,配線長の違いなどが原因なんだろうと思います。

 ステンレスの小さい板であちこちを遮蔽しても変化がないので,これは漏洩磁束によるものではなさそうです。GNDからの回り込みか,静電誘導によるものでしょう。

 銅箔テープでリレーを包んで見ましたがあまり変化はありません。GNDからの回り込みについても,いろいろ試しましたがあまり効果がなく,結構現状で諦めました。

 確かにハムはありますが,普通にレコードを聴いていると,スクラッチノイズによってうもれてしまう程度ですので,もうこれでよいことにします。たぶんイコライザ単体でもこれくらいのハムは出ていたはずですし。

 さて,組み込みも終わり,評価です。

 まず,ノイズはやっぱりありますね。MMからMCに切り替えると,途端に「サー」というノイズが耳に付きます。これだけ大きいと目立つだろうなあと覚悟をしていましたが,針を降ろしてみるみると,気にならなくなりました。

 曲間で目立つかと思いましたが,それも気になりません。この心配は消えました。

 次に音です。

 音は実に好感触。解像感が素晴らしく,奥行きがあります。また,すべての帯域がフラットで,かつ信号レベルによる特性変化が少ないらしく,エネルギーに偏りを感じません。従って大変に素直な印象があります。

 いかにも広帯域,低歪みなアンプらしく,高域には雑味がなく,透明度が高いです。しかもよく伸びます。よく伸びるなあと思ったところからさらにもう一発伸びるので,思わず背筋も一緒に伸びてしまいます。

 DL103は実はこういう音を出していたのか,と新しい発見にうれしくなった私は,とっかえひっかえ様々なレコードを試してみましたが,どれも同じような素直な傾向を示しています。

 設計思想がイコライザと共通しているというのは実に好感が持てることで,設計者が揺るぎない信念で設計を行っている証拠だと,私は高く評価をしています。

 シンプルな回路,吟味した部品,新しい半導体,そして揺るぎない設計思想から生まれる素直で解像度の高い音に,最近の半導体アンプはすごいなあと感心しました。

 私の知るヘッドアンプは,半導体で構成するにはもうギリギリのところで,ノイズも直線性もかなりの妥協を強いているように感じたものです。無理にイコライザのゲインを上げた物も世の中にありますが,そもそも低インピーダンス,極小電圧のMCカートリッジから出てくる信号を扱うのに,従来と同じ「音響用」の回路では限界があると思っていました。

 しかし,世の中にはMCカートリッジ以上に少ない出力しか持たないセンサがあるわけで,それらを使って制御を行う産業機器は,音響の世界以上にシビアでないとうまく動きません。

 そうした用途に使われる計装アンプをMCヘッドアンプに持ち込んで,しかも音響用に流用して定評のある部品をきちんと使いこなすというのは,なかなか技術力が必要なはずです。

 設計者を,ただのエフェクタ屋さんと思っていましたが,それは大きな間違いだったようです。イコライザアンプの時も「いい仕事してるなあ」と思いましたが,今回のヘッドアンプは「プロだ」と唸らせる仕事でした。

 ヘッドアンプはすでに計装アンプです。生半可な気持ちで取り組むと大失敗します。とてもいいキットですし,価格以上の価値があると思うのですが,扱いの難しさゆえに万人にお勧めできるものではありません。

 私はギリギリ失敗せずにすんだというところでしょうが,まだまだ不満があります。責めてハムは片付けたいところです。

 しかしながら,アナログの世界は面白いですね。手をかければかけるだけ,音が変わっていきます。悪くもなり,よくもなり,同じソースから新しい音が取り出せます。

 今回のヘッドアンプは,かなりの情報量をレコードから引き出していると思うのですが,そう考えるとレコードというのは非常に寿命の長いメディア,フォーマットであるとつくづく思います。

 amazonでもアナログレコードのコーナーが出来たようですし,個人的には今が一番アナログを楽しめているなあと,思います。

X-07修理の顛末

  • 2007/10/07 20:48
  • カテゴリー:make:

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 1980年代前半,8ビットのパソコンがブームになり,家庭やオフィスに入り込んでいきました。実際の所何の役にも立つこともなく,ただパソコンが動いているのが面白い,触っているのが幸せだ,というだけの話でした。

 ただ,自動で物事が処理されるというコンピュータの根本的な特徴を理解し,またそれを楽しいと思える体験をした人々が,その後のネットワーク社会を支えているんではないかと思います。

 で,今は撤退したメーカーが当時個性的なマシンを作っていました。今回の主役,X-07もそんな1台です。

 1983年,キヤノンから発売されたこのコンピュータは,すべてのLSIをCMOSで構成し,単3電池だけで動かすことが出来たハンドヘルドマシンです。その性能は当時のデスクトップマシンなどに比べても遜色なく,もっと評価されてもよいマシンではないかと思います。

 私は当時雑誌で見たことがある程度で,実物を見たことも触ったこともありませんが,一度は触ってみたいものだと思っていました。

 先日,オークションで壊れているものが安く出ていたので落札。動作品だと8000円とか1万円とかするんですね,これ。そんな価値があるとも思えませんが,それでももう25年近く前のものですから,別の価値が出てきているのかも知れません。

 届いたものは,さすがにあまり程度がよくありません。キーボードも黄ばみがひどいです。問題は電池の液漏れです。これが故障の原因であることは明白でしょう。

 電池を入れてみますと,画面にゴミが出まくっていて,起動画面も出てきません。ただし,キーを押せばクリックがなりますので,完全に死んだわけではなさそうです。

 X-07は面白いメモリ構成のマシンです。Z80など80系のマシンは,リセット後0000H番地から実行されるので普通はROMを0番地から配置し,RAMはROMの後に置きます。

 しかし,なぜかX-07ではRAMを0000H番地から配置し,ROMをB000H番地から配置しているのです。これでは起動しないはずなのですが,面白いのはここから。

 X-07では,0番地から3バイトはC3Hが読み出せるようになっています。C3C3C3Hは,C3C3H番地にジャンプという命令ですので,ROMのありC3C3Hに飛んでいきます。試しにC3C3Hをダンプすると,DI命令で割り込みを止めて,スタックポインタの初期化をおこなっています。間違いないですね。

 起動してから0000Hを読み出してもC3Hにはなりません。起動してからはRAMが読み書きできるようになっているんでしょうね。

 さて,修理です。

(1)クロックとリセットと電源
 リセットとクロックはCPUにとっての神の手,と例えた人がいますが,まずこの2つをきちんと確認しないといけません。確認すると,メインCPUであるNSC800のクロックもサブCPUのクロックも問題なし。リセットも問題ありません。
 電源電圧も問題なし。回路図に書かれているとおりです。

(2)フレキの不良
 派手な液漏れのせいであちこちが腐食しており,コネクタ類もかなりひどいことになっています。導通のチェックを行うと奇跡的にすべてok。念のため錆びている部分を少しだけ磨いておきます。症状は変化なし。

(3)RAMの不良
 RAMはHM6117LFPが4つで合計8kByteです。チップの不良はあまりないでしょうが,基板の不良が心配です。導通を調べていくと,データバスが他のRAMにつながっていない場合があります。こりゃいかんとさらに調べると,D0とD1,といった具合に,別のピンにつながっているようでした。そうです,SRAMはROMと違って,別のピンにつなげても動作するのです。しかし,こういうのはトラブルの原因になるんだけどなあ。ブートの仕組みといい,かなりマニアが設計したマシンのようです。
 で,私はRAMの増設も頭に入れて,256kbitのSRAM1つに載せ替えました。このうち前半の8kByteだけをとりあえず使うことにします。試してみますが,症状は変化なし。

(4)ROMの不良
 ここまでくると,かなり雲行きが怪しくなります。ROMはマスクROMですから壊れていると交換できません。本当にROMが壊れているならあきらめるしかありません。(そんなケースはまれだろうって?いやいや,私のMatrix1000は電源投入後10分ほどすると暴走してしまいましたが,原因はマスクROMが10分ほどで読めなくなったからでした。あわててEPROMにコピーして今は問題なしです。)
 某サイトからX-07のエミュレータを手に入れたのですが,そこにはROMイメージが付属していました。(私は実機を持っているので限りなく黒に近いグレーと思ってください・・・)このイメージをROMライタで焼いてみることにします。
 X-07は,B000HからBFFFHまでを32kbitの,C000HからFFFFHまでを128kbitのマスクROMで合計24kByteを搭載しています。この両方のイメージを256kbitのEPROMに焼きます。
 交換して,アドレスデコーダを作り込んで動かしてみますが,ますます状況が悪くなり,画面になにもでなくなりました。冷静に考えると,B000H番地のデータをEPROMの0番地に書き込んでいるので,CPUがB000H番地をアクセスにいっても,アドレスがずれてしまうのですね。
 本来はオフセットをつけて焼くべき所を,いやーうっかりしていました。お恥ずかしい。
 そこで,オフセットをつけて焼き直しをしようと思いましたが,どういうわけか書き込みエラーが出てしまい,書き込めません。殺菌灯でROMを消そうと思いますが,なぜか殺菌灯も見あたりません。万事休す。
 しかしあきらめません。アドレスをオフセットする回路を3ゲートで作り,これを組み込みます。
 ところが,問題は解決せず。最初の状態になっただけです。念のためアドレスデコーダのICも交換しましたが変化はありません。しかし,最初の状態になったということは,ROMが壊れていた可能性は極めて低いということになります。

(5)サブCPU
 とはいえ,ROMが壊れていないとなると,残るはもうサブCPUだけです。サブCPUはLCDの制御,キーボードの監視,RTCなどの機能を受け持っています。これが壊れている場合に考えられる症状と今起きていることは近いので,サブCPUの故障という可能性はかなり高いと思われます。
 しかし,サブCPUこそ交換する方法がありません。もし本当に壊れているなら絶望的です。
 回路図を見ながら,サブCPUと外付けの16kbitのSRAMとの配線を確認します。するとどうもD7とD8がつながっていないようです。このデータバスはLCDドライバICにもつながっているので,影響はかなり大きなものとなりそうです。
 SRAMを基板から剥がすと,SRAMで隠れていたパターンが切れているのがわかりました。こわいですね,電池の電解液によって,溶けてなくなってしまっているのです。
 実は,ROMの確認をする過程で,ROMのチップセレクトの配線が切れていました。これも電解液による腐食でした。
 ここを配線し直したところ,画面のゴミは消えました。しかし,相変わらず起動画面に至りません。

(6)そして・・・
 サブCPUのデータバスをオシロスコープで見ていくと,Lowに下がりきっていない信号がありました。こういうのは大抵データバスの制御が羽なく行っていないのが原因です。SRAMのチップセレクトを確認すると,ずっとHighになっています。これはおかしい。確認すると,チップセレクトを作るICの足がブリッジして,ずっとHighのままです。
 このブリッジを外してみると,データバスは正常になりましたが,それでもまだ起動画面は出てきません。

(7)やはりフレキ
 先程とは違って,直接ハンダ付けされているフレキがあるのですが,これをよく見ると,いくつかきれてしまっています。とりあえず導線で配線しなおしてみます。
 すると,うれしいことに起動画面が出てきました。


 いやー,うれしいものですね。この程度のマシンなら修理可能だろうと思っていましたが,1週間もかかってしまいました。

 高校生の時,故障したMZ-80kを修理した時には,飛び上がって喜んだものですが,こういう感動はいつ味わってもよいものです。

 暫定的な配線をすべて綺麗にやり直し,メインRAMを拡張する改造を行い,あらかじめ洗ってあった筐体を用意して,組み立てていきます。

 強力なBASICが使えるX-07が動作するようになり,付属してたTableカードというアプリケーションカードも動作することを確認しました。

 今回はなかなか厳しい修理でしたが,その分感激も大きいです。幸いにしてICの破損は1つもなく,液漏れした電池の電解液があちこちのパターンを切断していたことが原因でした。

 今回は3カ所の切断だけで済んでいますが,電池の電解液がこれほど強力なものとは思っても見ませんでした。基板がその信頼性を維持できないことを見せつけられたわけで,電池の恐ろしさを実感しました。

 80年代といえば,CMOSのSRAMがバックアップ出来るようになり,電池が100μA程度で消費されることが増えた時代です。しかし,電池にとってこの100μAというのはかなり厳しい使用条件で,この電流をずっと流し続けると,過放電になり簡単に液漏れするようになります。

 もっと少なくか,もっと多く流せば液漏れの可能性は減りますが,それが製品の設計に反映されるのは90年代も半ばになってからです。だから,この時代の製品を使っている方は,電池は面倒でもこまめに抜いた方がよいです。その被害は甚大です。

 というわけで,とりあえずX-07が手に入りました。ポケコンとは桁違いのパワーを持つマシンですし,使い道は考えれば出てきそうです。

 しかし今回は,何より修理が出来た,ということに価値があると思います。信号を追いかけ,1つ1つ原因を潰していけば,必ず修理は可能です。今回はそのことを改めて実感したいい機会でした。

ThinkPadX20のコンボカードを交換する

  • 2007/09/13 16:44
  • カテゴリー:make:

 先日内蔵Ethernet/Modemコンボカードが壊れてしまって,CardBusのEthernetで運用しているThinkPadX20ですが,以後安定動作で問題なく,特に困っていることもないとはいえ,やはり壊れたままというのも気になるところです。

 若松あたりで安くジャンク扱いのコンボカードを売ってないものかと思っていたのですが,さすがに5年以上前の製品ですし,あっても激安という事はないでしょう。

 こういう場合にすがるのがオークション。私はあまりオークションが好きではない(素人同士が善意を前提で楽しめていた大昔はよかったです)のですが,こういう場合はちょっと覗いてみることにしています。

 予算は1000円まで。現状で困ってないのですから,これ以上は出す必要なし。

 すると,結構ごろごろ出ているものですね。ジャンクのパソコンは,分解してばら売りした方が実は儲かるんですね。だからこうやって小銭を稼ぐ。

 1つ目は入札した物の,値段が上がってしまったのでパス。2回目は記載されている情報が少なかったせいもあってか,私以外に入札者がなく,安価に落札出来ました。写真で見る限り同じ物ですが,安いだけに使えなくても文句を言わない覚悟で支払いを済ませます。

 数日して到着したのですが,梱包が結構いい加減で,輸送途中に壊れてもいい,という感じでした。ややこしいことは言いませんが,壊れていないものをわざわざ少しの手間をけちって壊してしまう事があるとすれば,それは経済原理というより人間性に根ざす問題かも知れません。

 早速ThinkPadに取り付けてみます。

 電源を入れてみると,起動時に「ぴーぴー」とブザーが・・・

 画面は真っ黒です。これはやばい。カスつかまされました。

 すぐに電源を切ります。もう一度分解して取り付け直します。接触不良とか取り付けミスとかあるかも知れません。

 ですが結果は同じ。ただ,画面が真っ暗のままでしばらく放置すると,ちゃんと起動します。OSが新しいハードウェアを検出し,起動後も正常に動作しているみたいです。

 謎です。

 サービスマニュアルにいると,画面が真っ黒で「ぴーぴー」いう場合には,マザーボードを確認せよという指示があるのですが,ググってみるとコンボカードの故障で同じような状況が起きているという話もあるようです。

 何度か再起動させているうちに,今度はなぜかアラームが全く鳴らなくなってしまいました。

 謎です。

 ただし,依然と挙動がちょっと違っていて以前はBIOS->コンボカードのメッセージ表示->OS起動画面と進んだのですが,今回はコンボカードのメッセージ画面が飛ばされています。

 それが普通ですし,別に困りませんからいいんですが,見た目で同じように見せたコンボカード(基板のマーキングなども同じです)も,なにか違うのかも知れません。

 ともあれ,以前の故障の原因はやはりコンボカードの破損にあったことと,交換して元通りに動くようになってとりあえずすっきり,という結論になりました。数百円で回復したので,よしとしましょう。

 そういえば,モデム機能は試してないです試すことすら面倒だし,使うことはおそらくないので,このままでいいです。

5998プッシュプルの復活

  • 2007/08/28 00:30
  • カテゴリー:make:

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 残暑が厳しい毎日にすっかりまいりつつある私ですが,B&WのCM1は夏の間,MOS-FETの半導体アンプにつながれています。さすがに強烈な熱源である真空管アンプを常用する気にはなれず,だからといってエアコンをいれて真空管アンプを使うというのも,さすがに気が引けます。もし見つかったらゴア元副大統領にフルボッコされかねません。

 ところが,やっぱしなんかパンチ不足なんですね。あまり楽しくない。で,ふと思ったわけです。CM1はドライブ能力の高いアンプが必要,半導体アンプのような優等生的なアンプでこんな風に面白くない音を出しているなら,いっそのことうちで一番強力な,5998プッシュプルを動員してみてはどうなのか,と。

 しかし,5998のプッシュプルは,2000年の秋頃に作ったアンプで,しばらくメンテもされていません。主役の座を300Bシングルに譲ってからは,まともに電源も入れられていない状態です。

 確か,プレートの赤熱が気になって,カソード抵抗を設計値から大きくして,アイドル電流を小さくしたんだよなあとかいろいろ思い出したのですが,まずはこれをオリジナルに戻してみようと考えました。

 806Ωという中途半端な値のメタルクラッド抵抗がオリジナルには使われているのですが,これを入手するのがちょっと面倒だなあと思っていたところ,名古屋の小坂井電子に在庫があるとのこと。

 ただし,よく聞いてみると,必要な本数である4本に対し,2本ずつしかメーカーを揃えることができないそうです。メーカー違いはちょっと気になるところではありますが,このメタルクラッド抵抗,異なるメーカーでも同じ番号が記載されています。

 気になって調べると,この番号はMILのナンバーとのことで,私は勝手に軍の調達基準を満たしたものであると考えました。つまり,同じ番号なら互換性が十分にあるというわけです。

ファイル 151-2.jpg

 左下は通販サイトの写真に出ていたもので,注文もこの商品の型番で行っています。右下はよく知られたDALEのもので,これは2本確保できるということでした。

 あまり知らなかったのですが,DALEはVishayの子会社になっているんですね。どちらのブランドでもメタルクラッドは生産されているようですが,少なくとも現在のDALEのものはメキシコ製だそうで,くだらないオーディオマニアは例によってアメリカ製のヴィンテージものをありがたがっているようです。(どうも806Ωというのは現在のカタログからは落ちてしまっています。)

 この写真にあるように,見た目も異なる4つに共通して書き込まれている「RE70G8060」というのがMILの番号らしく,この番号でググってみると,メタルクラッド,20W,806Ω,誤差1%という条件を満たした様々なメーカーの製品がひっかかります。(写真の黒いタイプは20Wではなく15Wなのですが・・・)

 ちょっとしたことですが,少し調べてみるだけで勉強になります。メタルクラッドなんて,普通使うことはありませんから。

 結局,少々高価だったのですが購入。806Ωはすでに生産されていないようですし,誤差が1%という点も,巻線抵抗らしい温度特性の良さも,その変動が直ちに真空管の暴走に繋がる重要部品だけに,安心を買うと思えば多少の出費はやむを得ません。

 数日後に届いたので組み込みを行おうと中を確認したのですが,さすがに初期の作品だけあって,信じられないような配線の引き回しが行われています。よくもまあ,これでノイズやハムを拾わないもんです。

 まず,メタルクラッドの取り付け場所を決めてビスの穴を開けます。次にオリジナルから変更された配線や部品を元に戻します。一通り元に戻したところで,各部の電圧測定です。

 だんだん思い出すのですが,回路図にある電圧と手元の実機で,特に初段が大きくずれるのです。このずれは1.5倍くらい違っているので,誤差とかそういうレベルではありません。

 回路を何度も確認しましたが間違いはありません。理論値を計算すると,実機の測定値とほぼ一致します。これはどうも回路図の間違いか,記載の電圧値の誤記のようです。

 とりあえず記載の電圧が正しいと考えて,電源回路の抵抗の値を調整してみます。少しいじるといい感じの電圧に調整が出来たので,これで確定とします。

 そうそう,ヒーター電圧が少々高いようなので,適正な値になるように巻線を選びなおし,配線もやり直しておきます。

 そして測定。

 出力は約14W。もう少し欲しいところですが,まあこんなものでしょう。ダンピングファクターは約7.4。これも真空管アンプとしてはなかなかの数字です。

 周波数特性は1W時に,上が140kHz(-3dB),下は10Hz以下です。下は10Hzでも-3dBにはなりませんでした。おかしなうねりもゲインのバラツキもなさそうなので,なかなか広帯域なアンプになっているようです。やっぱ出力トランスである旧タンゴのFX40-5の素性の良さでしょうか。

 簡易測定なので,この程度のデータしか取っていません。

 相変わらずものすごい発熱と,目覚めの悪さには閉口するのですが,低rp,そして6.3V-2.4Aという強烈なヒーターがたたき出す熱電子によって生まれる図太い音は,このアンプの最大の特徴ではないかと思います。

 幸いハムもノイズもほとんど聞こえず,いい感じに仕上がりました。早速CM1につないで音を出してみます。

 うーん,確かに太い。ベースがぼわんぼわんいわず,かちっとなります。おかしなクセもなく,結構ストレートに音が前に出てきます。大変よい感じなのですが,R-chのプレートがやはり少し赤くなっています。5998はこんなものだ,という先人達の意見を信じ,少々赤くなってもこのまま使うことにします。というのもカソード抵抗を大きくしてしまうと,その結果音がやせるんですね。

 そんなわけで,5998プッシュプル,復活です。ただ,さすがに熱が強烈。ヒーター電力だけでも59982本と6SN74本で合計45W以上,5998へのアイドル電流でカソード抵抗が消費する電力が12.5W,5998自信が消費する電力が約50W。電源を入れてあるだけで合計100W以上の電力が消費され,その大半(というかすべて)が熱になっているのですから,なんと恐ろしいことでしょう・・・

 汗をだらだら流しながら,いろんなCDを聴いてみました。30分もするとかなり伸びやかになってきて,とても聴きやすくなります。しかし,さすがに暑さの限界。2時間ほどでもうやめました。

 寒くなって,暖房器具の代わりに活躍してもらえる時が来るのを,今から楽しみにしたいと思います。

楽器仕込みのRIAAイコライザアンプを試す

  • 2007/07/10 15:21
  • カテゴリー:make:

 とあるところで耳にしたのですが,アナログレコードを聴くために必須となるRIAAイコライザアンプで,K&Rという会社のキットが良い評判のようです。

 このK&Rという会社,オーディオというより,ギターなどのエフェクタのキットで有名なんだそうです。

 あっちの世界(エフェクタの世界)はなかなか道険しい物があるようで,同じJRCのNJM4558でも表面がツルツルのパッケージとザラザラのパッケージでは音が違うとまことしやかに信じられており,その筋ではツルツルパッケージが高値で取引されているとかいないとか。

 音の善し悪しといっても,ピュアオーディオと違って,原音に忠実であることを一応の基準におくわけではなく,積極的に波形をいじる「エフェクタ」での話ですので,そこはもう測定もクソもなく,徹底的に感性の世界であるとしか言えません。

 手作りエフェクタは今でも根強い人気を誇っているようで,30年ほど前から革新的な技術が登場するわけでもなく,ほとんど確立された回路を磨き上げて今日まで続いているということですし,それに音楽を聴くという「受け身」の立場というより,音楽を作るという,より研ぎ澄まされた耳と感性を持つ人がその善し悪しを論ずる世界でもあるので,私個人はずっと好感を持っています。

 そんな世界に独自のこだわりと良心的な価格で評判になっているK&Rさんが,RIAAイコライザアンプを作っているそうです。価格はキットで6800円。うーん,中途半端な値段です。

 汎用OP-AMPを使ったイコライザアンプならキットで6800円はやや高い,かといって部品1つ1つに高級品を使ったディスクリートのものなら安すぎます。どう位置づけたらよいやら難しいところですが,ホームページには回路の特徴だけではなく,きちんと詳細な測定データを掲示してあり,その自信の程がうかがえます。

 RIAA偏差などは極めて優秀ですし,ダイナミックレンジやひずみ率も文句の付けようがありません。

 NE5532とOP07というおなじみのOP-AMPを使ったものではありますが,低域のカーブをNF型で,高域のカーブをCR型で作るというハイブリッド型。確かにCR型を使って仕上げるには回路上のの工夫や実装が難しいですし,NF型は低域と高域の帰還率が違うために特性の差が大きく,高域の歪みっぽさが抜けません。この両方のいいとこ取りをするというのは非常に理にかなっています。

 これにDCサーボをかけて完全DCアンプとしてあります。スペックも周波数特性が10~100kHz,RIAA偏差が±0.15dB(20~20kHz),SN比が84dB,歪率が0.0028% (1KHz 5mVrms)と,大変に現代的で立派なものです。

 私もこれまでに,とりあえず補正できますよ程度のものから,現在使っているディスクリートのものまでいくつかイコライザアンプを作ってきましたが,数値的にこれだけ優れた物を作ってきたことはなく,一度試してみようと思いました。価格も6800円ですからね,自分で部品を集めて基板を作ると,こんな値段では作れません。

 早速注文すると定形外郵便で数日後に届きました。代金は同封の振り込み用紙で行えばよいと言うことで,後払いなんですね。個人に近い形でやってらっしゃるはずなのに,前払いではないなんてきっと大変だろうなと思ったりします。

 部品を見てみると,実はかなり厳選されていることに驚きました。抵抗がすべて金皮であることはまあよいとして,温度特性がきちんと管理されているんですね。オーディオ雑誌などで多くの製作記事を見ますが,温度特性をきちんと管理している記事はほとんど目にしません。

 特にRIAAイコライザのカーブを決定する抵抗の精度と温度特性は0.1%・±15ppm/℃となっていて,個人レベルでは入手さえも難しいのではないかと思われる物を使っています。

 コンデンサもフィルムコンデンサを中心に組み立てられており,カーブ決定用のコンデンサは1%誤差のものです。これだって入手は簡単ではありません。

 電源に入る電解コンデンサも音響用のものを使っています。私などこんな高級な電解コンデンサだったら信号電流を流して使いますよ。もったいない。

 基板もFP-4に金メッキ,片面ですが分厚く機械的にもしっかりしています。パターンも綺麗で申し分ありません。

 これが6800円か・・・できるもんだなあと感心しました。

 例えば,これがよくあるピュアオーディオのキットだったら,やれ抵抗はDALEのなんだとか,やれコンデンサはスプラーグのなんちゃらだとか,配線材はベルデンのなにやらシリーズだとか,そういう「ブランド」が先行してお値段29800円とかになるんでしょうが,このイコライザアンプは部品のブランドよりその素質を重視し,お金をかけるところとかけないところをきちんと分けて,極めて合理的に作ってあります。これは設計者の良心でしょう。大いに共感します。

 キットですが,部品点数も少ないのでサクサクと1時間ほどで完成してしまいます。小学生の時に初めて作ったキットのように,純粋に楽しいと思う作業を済ませたところで,ケースや電源回路用の部品を秋葉原で調達します。

 ケースはタカチのUC12でこれまで使っているイコライザアンプと同じ物です。電源回路はDC±9V~±15Vで20mA以上というスペックが必要ですが,面倒なので12Vの三端子レギュレータで済ませます。三端子レギュレータを嫌う人もいますが,ではその人がどんな電源回路を作っているかというと,ディスクリートでシリーズレギュレータを作ってあるだけだったりして,世の中どうなってるのかと思います。シャントレギュレータあたりを作ってあったりすると説得力もあるというものなんですが・・・

 トランスは手持ちの物を使いますが,実はちょっとケースが小さすぎて収まらなかったため,今使っているイコライザアンプに入れたクリスキットのRコアトランスを外して使います。外されたイコライザアンプには,今回使う予定だったものを入れておきます。

 電源回路は慣れたもので,特に回路図を書かなくてもさっさと作れてしまうほど簡単な物です。電圧は固定ですので調整も必要ありません。ただし,GNDだけはしっかり取っておきます。

 全体のレイアウトを検討しますが,今回はかなり窮屈なケースに押し込みますので,トランスや交流電源からの誘導によるハムがとても心配です。基板との距離を出来るだけ離すことはもちろんですし,小信号のラインは可能な限り短く,また誘導を避けるように引き回します。Rコアのトランスを使えたことも漏洩磁束対策としてはいい方向に向かうと思います。

 決まったら引き続きケースの穴あけを行いますが,これが楽しいやらしんどいやら面倒やらで,結局半日つぶれてしまいます。ACインレット用の角穴がいつも面倒なのですが,これだけでもシャシーパンチがないものかと,いつもいつも思います。

 今回は塗装はしません(もともとヘアラインにアルマイト処理ですので塗装などしても無駄です)から,このまま組み立てに入ります。

 ちょっとした配線ミスなどがあったりしましたが,組み立てと配線を終えて,確認作業です。電源電圧は問題なし,出力オフセット電圧の測定と調整も終わって,いきなりですが音を出してみましょう。

 まず無音です。びっくりしたのはノイズの少なさ。壊れているのかと思いました。また心配していたハムもほとんど出てきません。助かりました。

 ここまで来たらレコードを実際に再生してみたくなるのが,これ人情というもの。DL103を昇圧トランスにつなぎ,さらにイコライザアンプをつなぎます。

 音を出して一発目の印象は,何とも現代的な,きらびやかな音だろうということでした。シンバルやハイハットのシャリシャリが心地よく,きちんと定位します。ボーカルはすーっと頭のてっぺんから抜けて行く伸びやかさがありますし,1つ1つの楽器が見えるように鮮明です。

 CD的といえばよいでしょうか,ほんとにクリアな音がします。

 いや,気のせいかも知れない,そう思ってこれまでのイコライザアンプ(シェルターのmodel216のデッドコピーです,すみません)に戻してみましたが,こちらはやはり以前の音です。頭の上にフタをされたような抑圧感がある一方で,ボーカルはぴくりともせず中央で艶を放っています。まさに肉声といってよいその存在感は,私がこれまでアナログレコードに求めてきたものです。

 金属音は一気に奥に引っ込み,シンバルもハイハットも妙に耳障りになってしまいます。全体的に華がなくなり,小さなライブハウスを彷彿とさせる音は,善し悪しではなくもはや個性だろうと思います。

 もう一度今回のイコライザアンプに戻します。やはりクリアですね。ボーカルの艶はなくなりますが,その代わり伸びが加わります。スケールの大きさも出てきますので,ジャズよりクラシックなどの方が向いているのかも知れません。

 同様に,MCであるDL103とMMであるV15typeVxMRとで比べて見ましたが,今回のものはその差が出にくい感じです。MMとMCの個性の差を埋めるというか,どちらもとてもクリアに聴かせるので,私がMMに求めている中音域のエネルギー感は薄くなります。

 以前のイコライザアンプはMCカートリッジの繊細さを殺してしまう代わりに中音域のパワーをたくましく前に出してくれるので,V15typeVxMRでジャズやロックを聴くとその躍動感に心ふるえるものがありました。

 情報量は今回のイコライザアンプが圧勝です。特性も大変素晴らしく,文句の付けようがありませんが,前回のイコライザアンプのような個性がなく,それが良い場合と悪い場合に作用することは覚悟しておく必要があるかも知れません。

 ロックやジャスの鑑賞には以前のものを,保存版の録音やクラシックには今回のものを使うという使い分けになりそうです。

 実は,DL103というカートリッジの良さがこれまでよく分からなかったのです。日本の標準機であることは知っていますし,今なお根強いファンがいることも分かっていますが,どう考えても丸針で設計の古いカートリッジが現代に通用するはずはないと思いこんでいたのです。

 しかし,今回のイコライザアンプと組み合わせてみて,本当の力というのはこれなんだなと思うようになりました。何も引かず何も足さない,これがこのイコライザアンプの個性であり,それがDL103の方向性と一致するわけですから,これほどストレートに情報を拾い上げてくれる組み合わせもないでしょう。結果はその通りになっています。

 全部で1万円かかっていませんし,時間も手間もかかっていませんが,これは非常にいいものを手に入れることが出来ました。ますますもってアナログレコードが楽しくなってきます。

 うちはとりあえず,DL103とV15typeVxMRでいいです。それ以外は気分で使うことにします。

 いつも思うのですが,アナログのオーディオの世界は,一仕事終えると「ここまできたなあ」と感慨深くなることが多いです。お金をかけて一流品を揃えればことを,わざわざ遠回りして苦労しているだけの話で見る人が見れば馬鹿馬鹿しいことこの上ないのですが,それでもまだまだ中学生の時にその音に感激した叔父のシステムの足下にも及ばない現状に,またため息をつくのです。

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