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ルンバが壊れた~復活編

  • 2017/03/06 11:58
  • カテゴリー:make:


 前回は,ルンバの元気がないのに気が付いて,基板の故障を疑って調べてみたが,原因は結局ダストビンのファンモーターが壊れていたという話でした。(長々書いたのに要するにこれだけのことを書いたに過ぎないとは呆れてしまいます)

 で,そのモーターをどうするかが,今回のお話です。

 まず最初に,壊れたモーターがどんなものかを調べないと先に進めません。

 外したモーターの横に書かれた刻印を見ると,

STANDARD MOTOR
RC500-KW/16260/DV
SMBD043122 RoHS

 と書かれています。

 大きさを測ってみると,直径が32mm,高さが20mm,シャフトの長さが16mmでした。

 google先生に聞いてみると,RC-500という名称で,おそらくこれだろうと思う仕様が出てきました。RC-500FNという名称で販売されています。

    Operating Voltage: 3V to 12V DC
    Motor Diameter: 32mm
    Motor thickness: 19mm
    Output shaft diameter: shaft diameter 2mm, length 12mm
    RPM: 3500 r/min (Approx not tested)
    Motor test: 6V, the no-load current 20ma, locked rotor current 600ma
    Superior running quietness and stability
    Motor weight: ~42grams (approx)

 ところが,モーターというのは外形は同じでも全然違う性能のものが作れてしまうものなので,互換性は基本的にはありません。

 例えば,最大手のマブチモーターだと,RF500という形状がそっくりのモーターでも,標準品として12560と14415という2つのタイプが出てきます。

 前者は巻線の太さが1.2mmで,各スロットの巻数が560回です。後者は太さが1.4mmで巻数が440回です。簡単に言うと,巻線が太くなると電流が増えますし,回数が減ると回転数が上がります。

 なので,前者は12Vで使うモーターですし,後者は5Vでも十分な出力が得られるようなモーターになっています。もし後者のモーターを12Vで回すと,出力が出過ぎますし,電流も増えまくり,そして定格を越えて燃えてしまうかも知れません。

 逆だと出力が全然とれず,機能を果たさないかも知れません。

 ちなみに,某部品店で見つけた「ソーラーモーター」なるものには,11918と書いてありました。あれ,1.1mmで918回巻?高電圧高トルク仕様ですよね。太陽電池では回らないように思うのですが・・・

 もしこの命名ルールを元のモーターにも適用できるとするなら,16120ということですので1.6mmの銅線をわずか260回巻いただけということなり,低電圧動作を目指したものという事になってきます。うーん,実態に合わない。

 あー面倒くさい。命名ルールなんて,もうどうでもいいや。

 こんなことで悩んでいても先に進まないので,これに近いものを探します。

 思いついた部品屋さんを調べて見ても見当たらず,やっぱ店頭に出向くしかないかなあと思っていた所,amazonでもDCモーターが買えることが判明しました。

 しらみつぶしに見ていくと,使えそうなものがゴロゴロしているじゃありませんか。しかもプライムで当日に受け取り可能です。なんとまあ・・・

 シャフトの長さや定格の違いから,いくつか買ったのですが,さすがに送料込みのお値段だけに,1つ800円ほどします。合計で4000円近くになってしまったので,得なんだか損なんだかよく分からなくなってきました。

 届いたモーターを改めて見てみると,シャフトの長さの違いはあれ,同じ物に見えます。どう考えても中国製のなのにマブチモーターって書いてあるのも,同じです。

 価格も数百円違いますし,書かれていたスペックにも差があるので,互換性があるとは思えませんが,実際に回してみると電流はほとんど同じ,トルクや回転数も触った感じでは違いが分からないレベルです。本当にこれ,全部別物なんかい?


 とりあえず,ファンが取り付けられないといけませんから,シャフトの長いものを選びました。この中で一番静かに回るものを選んでみました。

 大きさもぴったり,シャフトの長さも問題なく,電流も範囲内です。スペックを信じるなら回転数も大丈夫でしょう。取付は問題なしでスムーズに終わったように思えたのですが,最終確認をするとどうも風が弱いです。

 おかしいなと思って電源を逆に繋いでみると,風が強くなります。どうも逆回転しているようです。オリジナルのモーターと比べて見ると,同じ極性で電圧をかけても,回転方向が逆になっているようです。

 そこで面倒ですが,ダストビンのモーター取り付け部にある向きを決めるイボを折り取り,180度反転させて取り付けました。これで普通に配線すれば極性は逆になってくれます。

 で,ルンバで動かしていたのですが,これも問題なし。元のように元気よく回ってくれました。モーターの精度が低いせいもあって,音と振動が結構あります。でもまあ仕方がありません。

 ところで,ファンの周囲に,トゲトゲが付いています。このトゲトゲ,部分的に上削り取られていて,最初不思議だったのですが,おそらくこれはバランス取りをした結果だと思います。

 3000回転以上で回転しているモーターで。もしバランス取りをしていないと,ワーストケースではかなりの音を出したり,ガタガタと振動したりするでしょう。そこでモーターにファンを組み付けてからこの周囲のトゲトゲを削り,バランス取りをしているんだと思います。

 そういう意味では,本来ならモーターを交換したならバランスも取り直すべきなのですが,特に何もしなくても,気になるような振動や音はないので,このままでいいことにしました。

 というわけで,とりあえず故障は修理出来ました。

 残った作業は,最終的な組み立てなのですが,手元にはルンバ780ともとの770の2つの部品があります。

 780は上位機種で,タッチボタンであることと,2.4GHzの無線によるお部屋ナビに対応が下位機種の770との差です。780は初めて見ましたが,写真以上に高級感のある外観をしているんですね。ロゴも770はシルク印刷,780はエンボスにホットスタンプですし,塗装もメタリックにクリアコートです。

 これだけの差なら元の770を組み立てて終わりにするんですが,気になるのはファームウェアのバージョンです。ルンバは頻繁にファームのアップデートが行われているんですが,この時期のルンバはユーザーの手元では行えず,メーカーのみが許されます。

 しかもアップデートは基本的に正規品を買った人への有償メンテの1つとして位置づけられているので,誰でも手軽にと言うものではありません。その上,アップデートには専用の治具が内蔵されたファームウェアを流し込むような仕組みになっているので,ファームウェアをネットでダウンロードし,PCから流し込むというような方法ではありません。

 その割には,同じ場所でグルグル回るのが対策されたりとか,結構アルゴリズムにも手が入ったりするので,油断なりません。機能アップなら有償はありですが,基本機能の対策を有償にするというのは,ちょっと私の感覚から外れています。

 とまあ愚痴ったところで仕方がありません。ちょっとでも新しいものがいいと思うのですが,いかんせん掃除機ですから,仮に780が新しいとわかっても,他の人が使って汚くなったものを使うというのはちょっと気持ちが悪いですし,しかもルンバはあちこちを動き回るので,飼い猫と同じ稼働は別にしても,770を使い続けることにもこだわりたいです。

 そこで,基板だけ780にしました。770の基板には「3.5」,780の基板には[3.61」となにやら意味ありげな手書きの数字が書かれています。まあ,こういうのは大きい方が良いのです。

 ただし,電池の端子はなぜか腐食していたので,770の基板から移植します。腐食の様子からみて,どうやら電池の液漏れがあったようですね。非純正品の電池を使い,過放電で噴き出した電解液でしょう。基板が壊れていないのが幸いですが,電界液は基板にも広がっているので,いつパターンが切れるかわかりません。

 出来上がった基板を770のシャシーに取り付けて配線を取り回し,一応完成しました。780はタッチパネルになっているので,ボタンの部分のカバーは780から流用です。また,ハンドルだけは銀色の780から移植します。

 これで見た目は770,中身は780です。余った部品は,補修用に取っておきましょう。どうせハンドルもまた折れてしまうでしょうし。

 各部の掃除をしながら駆動系を組みつけていきます。いずれ電池の交換をしょうと,サードパーティー品の電池を買ってあったのでこれを装着し動作チェックです。

 問題なさそうなので時刻を設定,実際に掃除をさせてみて,様子を見ます。よし,問題なし。電池が新しい分だけ,元気に動いています。

 壁の検出も問題なく,白い壁を前にして速度落とす仕組みもOKです。それから,汚れのひどいところを重点的に掃除する機構も動いているようなのですが,770では前後に動いて汚れたところを掃除したのに,780では汚れたところをグルグル回るようになっていました。

 前後に動く方が洗練されているように思うので,もしかしたら770の方が新しかったのかもなあと思いましたが,まあもういいです。

 ついでにいうと,ホットカーペットのコントローラに乗り上げてしまったり,小さいテーブルの脚の内側にはまり込んで出られなくなってしまったりと,そういう鈍くささは相変わらずです。

 肝心のゴミを集める能力については,ファンが回っていないときに比べると確かに増えています。細かいゴミも集めているので,修理そのものは出来ています。ただ,以前のように,ダストビンがゴミでパンパンになっている,といううれしい悲鳴状態にはほど遠く,我々がゴミの出ない人間になったわけではありませんから,やっぱりゴミを集める能力は低いまままのでしょう。

 電池も交換しましたし,あとはブラシです。ぱっと見るとそんなに悪くはなっていないように思うのですが,交換すると見違えるようにゴミを集めるようになったというレビューも多いので,交換することにします。

 純正品って,公式サイトでしか買えないんですね。公式サイトだと時間がかかるので,出来ればamazonかヨドバシで買いたいのですが・・・仕方なくパチモンを注文中です。

 現段階で,結局8000円ほどの費用がかかってしまったので全然得にはならなかったのですが,とりあえず使い続けることができたてよかったというのと,修理をして復活させることそのものに,なぜか意地になっているところもあるので,私としてはこれでよかったと思います。

 5歳の娘も「修理」という言葉を覚えて,自分の身の周りの壊れたものを修理しようと試みるので,面白いものだなあと思います。

 サードパーティー品の電池はすぐにダメになるそうです。私もそんなに期待してはいません。あと2年か3年持てば,もうそれでいいかなあと思っています。

 実のところ,ゴミをあまり吸い込まなかった状態でも家の中の様子はそんなに変わらなかったのです。もともと汚かったからなのかどうか知りませんが,ルンバの効果が実感出来るかどうかはっきりしない中で,使い続けるモチベーションというのは,やはりルンバがすでに「そこにあって当たり前」の存在になっているからだと思います。

 ロボットが近い将来,もっと賢くなり,もっといろいろな仕事を任せ,我々の生活にもっとしっかり食い込んでくるようになると,こういう人と機械との関係というは,どんな風に変わっていくのでしょう。

 そして,相応に歳を取っているはずの私は,どんな関係を築くことになるのでしょう。

ルンバが壊れた~調査編

  • 2017/03/02 12:45
  • カテゴリー:make:

 ルンバ770が2013年5月に我が家にやってきて,もうすぐ4年になります。消耗品の交換は何度かやりましたし,ハンドルは折れてしまったので部品を交換しましたが,が,月水金の自動運転と土曜日の別の部屋の掃除というスケジュールを規則的にこなし,すっかり日々の生活に溶け込んだ感があります。

 でたらめに動いているように見えますし,相変わらずおかしなものを巻き込んで止まっていたり,ホットカーペットのコントローラ部に乗り上げて立ち往生していたりと,なかなか充電ステーションに帰ることが出来ずにウロウロしていたりと,相変わらず鈍くさいわけですが,それでもダストビンにゴミが入っているのを見ると,頑張ってるんだなあと,褒めてあげたくなります。

 ゴミ捨ての前日の夜にルンバのゴミを取るわけですが,ダストビンのゴミが多いときには「おお,元気だなあ」とうれしくなりますし,逆に少ないと「どうしたのかなあ,なにかあったのかなあ」と,まるで飼い猫がご飯を残した時のように,心配になったりします。

 ルンバに名前を付けるような感情移入はありませんが,4年も一緒にいると,やっぱり一緒に生活する家族のような感覚が芽生えるものだと思いました。

 で,そんなルンバですが,3ヶ月ほど前から食が細くなりがちで,ダストビンにゴミがあまり入ってきません。ひどいときは1週間でほとんど入っていないこともあります。

 フィルターにゴミが付いているので,吸い込んでいないわけではなく,まあ何かに乗り上げて掃除が出来なかったんだろう,そのうちまたたくさん吸い込むようになるさ,くらいに考えて,放置していました。
 
 しかし,いつまで経っても回復しません。これはいよいよ,おかしいです。

 そこで,ダストビンを点検してみました。モーターが回っているかどうかは,なにせルンバが動き回るのでよくわかりません。そこでダストビンを外して,端子に電源器を繋いで回してみます。

 ブーンと音を立てて回転するので,これは問題なし。しかし,せっかくですので分解してホコリを取り除き,気休めですがモーターに模型用のオイル(KATOのユニクリーンオイル)を少しだけさしておきました。

 その後毎回,ゴミの量を気にしていたのですが,回復しないどころかますます減っています。そしていよいよフィルターにもゴミが付かなくなってしまいました。

 これは本当におかしいです。

 そこで,正確に現状を確認することにします。

 まず,動作中にダストビンのファンが回っているかどうかを確認しないといけません。そこで,ルンバを私の上着でくるんで両手で持ち上げ,左右の車輪を押し下げて,ルンバを接地していると勘違いさせます。

 ここでスタートボタンを押して,裏側を覗き込みます。うーん,やっぱりファンが回っていません。

 この世代のルンバは,ブラシでかき込んだゴミを,ダストビンのファンで作った負圧で吸い込む仕組みになっています。ファンが吸い込まなければゴミをかき混ぜて終わりです。

 モーターは先日回転を確かめていますから,これはもうモーター制御部分の問題でしょう。面倒な事になりましたが,私は一応プロの電気設計者。これくらいの修理が出来なくては存在理由も問われます。

 まず現状の把握です。ダストビンを外して端子の電圧を測定します。ダストビンが外れているので動作しませんが,端子には13.5Vが出ています。なるほど。

 次に,ダストビンの端子にミノムシクリップ付きのコードを繋ぎ,反対側をルンバ側の端子に繋ぎます。これでダストビンを外しても動作状態にできます。

 電圧を測定すると,動作開始で13.5Vから0Vに落ちます。これでは動くはずがありません。やっぱりドライバの不良ですかね。

 とまあ,ここまで推測して,分解です。操作部をあけると,中から2枚の基板が出てきます。上の基板は操作系,下の基板はメイン基板で充電やらモーター駆動,そして肝心要の掃除アルゴリズムを担当しています。

 モーター側の配線から逆に追いかけて,回路を見ていきます。どうも単純なNPNトランジスタによるスイッチだけのようです。S8050という電力用のトランジスタですが,仮に1Aの電流をON/OFFするのに,hFEが100なら10mAもベース電流を流さねばなりませんから,マイコン直結はないでしょう。するともう1段トランジスタがいました。

 どっちかが壊れているんだろうと目処を付け,外してチェッカーで調べて見ましたが問題なし。念のため交換しましたが,改善せず。

 さらに調べると,そもそもベースに信号が来ていません。

 もっと奥に入り込んで調べる必要がありますが,突如LM339というコンパレータに信号が入り込んでしまいました。こうなるともう,簡単には解析できません。

 そこで,本体が掃除を始めたらHighになる信号を見つけて,ここでダストビンのモーターを制御する回路を新規に作ってみようかと考えたのですが,故障箇所をそのままにすることになりますし,そこが悪さをして火でも噴いたら,無人運転をする機械だけに,シャレになりません。

 この計画は断念です。

 ここから先は簡単にはいかないだろうと,もうあきらめて,基板の入手を考えました。しかし,あいにくというか,当然というか,基板だけ手に入るなんてことはありません。

 基板とセンサとシャシーで修理部品になっているようで,これはamazonに出ていました。しかし売り切れ。

 ならばとヤフオクですが,これもいいものが見つかりません。丸ごと中古品を1万円とか2万円とか,そういう価格で買ってしまうのも手でしょうが,それならあまり面白くないですよね。それに,やっぱり飼い猫のような気分ですから,簡単に捨てていいという割り切った気持ちにもなりません。

 結局,基板とセンサとシャシーだけのジャンク品を買いました。ルンバ780ですので上位機種ですが,まあいいでしょう。

 届いてから,駆動部を移植し動作確認です。問題なく動作します。

 ダストビンは,最初回転しなかったのですが,もう一度やると元気に回転をします。これも壊れてないようです。よかったよかった。

 で,気になったので,古いルンバにもダストビンを取り付けてみました。アレ,回転している・・・

 また新しいルンバにダストビンを戻します。アレ,今度は回転しない・・・

 どうも,ダストビンのファンが回転しない問題は,本体に原因があったわけではなく,ダストビンそのものに問題があったようです。あちゃー。

 焦ってダストビンを安定化電源器に繋いで回してみると,止まったり回ったりです。回転が安定せず,しまいには2Aの電流が流れて,煙がモクモクでる始末。

 うーん,モーターの故障が原因だったようです。

 さすがにモーターを分解して修理するのも,一度煙が出ていますから気が引けます。かといって同じモーターが手に入ることも考えにくく,ダストビン丸ごとの交換になるかもなあと・・・これなら1万円でルンバ丸ごとを買えば良かったと,後悔しました。

 確かに,電子部品よりは機構もののモーターの方が壊れやすいです。トランジスタは結構簡単に壊れるという経験則と,得意分野にしか目が行かないという転落的発想から,モーターを真面目に調べなかったことが仇になりましたが,とにかく原因が分かったことは一歩前進です。

 ルンバが偉いなあと思ったのは,こうしてモーターが故障した場合,電源をカットして事故を防ぐ仕組みが厳格だという事です。モーターが繋がっていない場合は最初から動作せず,モーターが繋がっていても過大な電流が流れるようなら電源を切り離してしまうことで,電圧が出てこないようになっていたのです。

 モーターが起動しにくくなって,電流が流れてしまうと電源を切ってしまうので,そこから先はモーターが回りません。だから運良く起動に成功するとモーター回り続けてくれるので,ゴミも集まるし,フィルターも汚れます。

 徐々にゴミが集まらなくなったいったのは,こういう事だったのですね。モーターが少しずつ劣化していったのに,事故に至らずに済んだのはルンバの良く出来た設計のおかげだと思います。さすがです。


 ということで,うちには壊れていない本体が2つ,1つは駆動系が全然ないルンバが転がっています。1つはバラバラになっていて,まるでカニを食べた後のような悲惨さです。

 さて,ここから考えられるのは2つ。

 同じモーターをなんとしても手に入れる,似たようなモーターでしのぐ,あきらめるです。幸い,取り付け場所には空間の余裕があるので,少々大きさが違っていても大丈夫です。

 電流が大きいと保護回路のせいで止まってしまうでしょうから,電流も大事です。でも直結のファンを回すだけですので,回転数やトルクは,そんなに厳密に考えなくてもよいでしょう。

 長くなったので,続きは後日に。

 果たしてルンバは直るのか?

ベクトルネットワークアナライザってなんと大げさな名前だことよ

  • 2016/11/09 09:21
  • カテゴリー:make:

 夏頃の話ですが,RFワールドという雑誌で,ある方が自分で作られたベクトル・ネットワーク・アナライザ(略してVNA,以後VNAと書きます)が取り上げられていました。有償で頒布するという話もあり,私も1つお願いしました。

 10月下旬に届いていたのですが,ようやくFMチューナーの一件が片付きそうになったので,動作確認を行いました。

 実のところ,私もVNAってよく分かっていません。苦手な高周波に使う非常に便利な測定器で,高級な輸入者が買えるほど高価なので個人で持つわけにはいかず,でもあるととても楽が出来るという夢のマシンだと聞きました。

 それが4万円ほどで手に入るのですから,これは面白いですよね。私はスペアナも持っておらず,周波数軸で測定を行う手段を持っていませんから,VNAとして使いこなすことが出来なくても,トラッキングジェネレータ付きスペアナとして使えれば,それでもう十分です。

 ZiVNAuと名付けられたそのVNAは,帯域が500MHzまでとかなり狭く,VNAがあると天国と思われるGHzオーダーの世界では活躍できないので,人によっては全く使い物にならないと考えるかも知れません。

 ですが,高周波を嗜むことのないアマチュアとしては,500MHz以上の世界をそもそも扱う事がありませんし,500MHz以下でもVNAがあれば十分楽しいという話もあり,買ってみようと考えたのです。

 まあ,単純なスペアナでも4万円では買えません。PCベースで500MHzまでとはいえ,そこはそれ,VNAです。使いこなせば面白い事が出来そうです。

 まずは,オススメのケースを加工して,基板を収納します。私は金属加工が下手くそで(木工はもっと下手くそですが),型紙を使って穴開けをしても穴がずれてしまうような鈍くささです。

 あげく,リアパネルの裏表を間違えて途方に暮れました。図面の見方も分かってないんですねえ・・・

 とりあえずカッティングシートを貼ってごまかして,あちこちから10mmの金属スペーサーをかき集めてケースに組み込み,動作確認をしました。幸いなことに動作確認は異常なし。よかったです。

 さて,このVNAで何を測定してみようかなと思ったのですが,1年ほど前に作ったFMブースターの性能を測定してみようと思っています。

 別にVNAである必要はなく,トラッキングジェネレータ付きのスペアナで十分なのですが,とにかく使って見る事が大事で,自分で作ったものをちゃんと測定して評価することは,非常に有用なことだと思います。

 ラジオのIFTの選定や評価,BPFの調整などにも使えるでしょうし,水晶発振子の優劣の判定にも使えそうです。

 これまで,RF関連には手を出さずに来ましたし,それほど興味のある分野でもなかったのですが,VNAを手に入れて,ネットワークアナライザとはなにかを知るにつけ,ちょっとずつ興味がわいてきました。シンプルな原理ですが,非常に合理的で面白い測定器だと思う一方で,トルクレンチでコネクタを取り付けないと再現性が出ないとか,ケーブルの取り回しで結果が変わるとか,RFらしい注意書きも出てくるなど,取り扱いの難しさも感じました。

 安いとは言え,それでも高い買い物です。うまく使って,これがないと先に進めなかったと思うような,そんな使い方が出来るようになりたいと思います。
 

ロシアより愛をこめて

  • 2016/10/31 10:12
  • カテゴリー:make:

 さて,先日のKT-1100Dの再調整の件で,半導体を少しばかり確保そしておこうと思いました。LA3350は,たまたま秋葉原の店頭で買えたから良かったものの,手に入らないともうおしまいだった部品なわけで,代用可能なものでない限り,困る前に手配しておくと幸せになれるというのが,長く生きてきた結果学んだものの1つです。

 まず手配しようとおもったのは,このころのケンウッドのチューナーの要である,アナログ乗算器です。

 MC1495という定番のICで,古くからあるメジャーなものですから,高価であっても入手は簡単だと思っていました。1つ違いのMC1496なんか,新日本無線がセカンドソースを作ってくれているくらいですし。

 調べて見ると,入手などとんでもない状態であることがわかりました。

 どうやら生産中止。世界中のどの部品屋さんでも在庫はなく,もともと高価で特殊な用途に使われた高性能部品だっただけに,似たようなICはいくらでもあるのですが,このICに限ってはほとんど見かけません。

 また,電子楽器に使われたICでもあり,ヴィンテージ電子楽器という特殊な市場で取引される部品の1つとくれば,もう価格なんてあってないようなものです。私は絶望しました。

 しかし,面白いものですね。MC1495でgoogle先生に聞いてみると,ロシア製ならあるよと教えてくれるじゃありませんか。

 ロシア,あるいは東欧圏においてもICが生産されていたことに疑問はないと思いますが,アメリカや西ヨーロッパのデッドコピーが生産されていたことは,当時の鉄のカーテンのせいもあり,あまり知られていません。

 旧東ドイツ製のZ80とか,結構マニア向けのものが珍重されているという話も聞いたことがあります。

 MC1495相当品である,ロシア製のICの名前はKR525PS1Aとのことです。

 10個で1400円ほど。なんとamazonで注文可能。470円ほどの送料,わずか1週間でロシアから届くそうです。ほんまかいな?

 まあ全部で2000円ほどですし,騙されたと思って買ってみましょう。いやはや,旧共産圏の半導体は初めて買いますね。大丈夫なのか・・・

 果たして,10日ほどで届きました。すごいですね,本当にロシアから自宅まで届きました。見たこともない相手の姿をなんとなく想像して,なんだかあったかい気持ちになりますね。

 電子メールではなく,封書で海外の友人と文通なんていうと,毎回こういう気持ちになるんだろうなと思いました。

 とはいえ,先日書いたようにKT-1100Dがまともに動いていない状態だったので,このICに交換することもしていませんし,他に動作の確認をする方法もありません。型名と数量があっていること,ピンの状態から少なくとも外し品ではないこと,でも変なマーキングがあったりなかったりでとても不安なこと,そんな複雑な想いが交錯しながら,私の机の上に置かれています。

 プレミアが付いていない状態でも,MC1495というICは数千円しました。怪しげな互換品とはいえ,これが本当に動くならば,とてもお買い得だったという事になるでしょう。いずれ確かめてみたいと思います。

KT-1100Dの再調整で泥沼

  • 2016/10/27 11:46
  • カテゴリー:make:

 先日,オーディオアナライザVP-7722Aに,自作したIHF-BPFを装備し,FMチューナーをちゃんと測定出来る環境を整えたわけですが,懸案だったKT-1100Dの再測定を行いました。

 行いましたが,もうとにかくひどい有様で,ここに書く気もおきません。セパレーションは30dBを割り込んで,そこらへんのラジオ並みです。歪み率も良くないので,意を決して再調整することにしました。

 これが不幸の始まりです。

 再調整は,実にスムーズにいきました。RFの調整はいつもの通り難しくなく,簡単にできました。歪みを減らすDCC回路の調整も,IHF-BPFのおかげで不要な高調波がカットされ,とても楽に調整出来るようになりました。

 セパレーションは70dBに達し,歪率もステレオで0.02%@1kHz以下になりました。よしよし,これなら万全だと安心をしたのも束の間で,セパレーションの値がどんどん悪くなって行きました。

 そこでまた調整をしますが,またずれる。これを何時間か繰り返してもなかなか落ち着く気配がありません。適当な所で妥協してフタを閉じると,そこから急激に悪化し,30dB程度になってしまいました。

 温度変化によって,セパレーションがどんどんずれていくんですね。これは以前もそうでした。前回は結局あきらめて,常用温度域で50dB程度のなるような調整をして,手を打ったのです。

 今回もそうしようと思ったのですが,ちょうど暑い日と寒い日が交互に来るときがあり,数日通電してせぱれーしょんの変化を追いかけたのですが,気温によって大きく変動することがわかりました。

 機内の温度がそれなりに高くなっても,やっぱり気温の変化は影響を受けるのです。これでは夏と冬とで性能差が大きくなりすぎて,使い物になりません。

 こんなに温度変化が大きいのは,どこかが壊れているからだろうと故障箇所を調べることにしましたが,やっぱりよくわかりません。

 そもそも,70dB以上のセパレーションをたたき出す回路ですので,本質的な部分で回路が動作していないということはないわけで,きっと交換した部品の温度特性が悪いか,半導体の劣化だと思いました。

 指で触って大きく変動する部品を探してみると,なんだかんだでLA3350というFMステレオデコーダのICを触った時が一番変動が大きいです。

 KT-1100Dのステレオデコーダは,一般的なものとはかなり違っていて,コンポジット信号から副信号だけを抜き出したものと,38kHzのサブキャリアをアナログ乗算器に突っ込んで,L-Rの信号を復調します。ここにお金がかかってます。

 主信号のL+RとL-Rを加算してLを,L-Rを反転してL+Rに加算してR信号を得るというのがKT-1100Dです。

 別にそんなことをしなくてもと思う訳ですが,一般的なスイッチング方式というのは38kHzのサブキャリアを正弦波ではなく矩形波で乗算したものと考える事が出来るわけですが,その結果どうしても綺麗に分離できない部分が出たり,歪みが増えたりするそうなんです。

 そこで,正弦波で分離が出来るように,わざわざ高価なアナログ乗算器を使っているのですが,問題はアナログで信号処理を行う難しさとどう闘うかということです。

 38kHzのサブキャリアは,一般的なステレオデコーダICを部分的に利用して,19kHzのパイロット信号からPLLを使って生成します。LA3350を指で触ってセパレーションが悪化するというのは,どうもこの38kHzの位相が狂ってしまうからじゃないかと考えてのです。

 VCOのフリーラン周波数がずれると,どうも位相のズレが大きくなるようで,PLLがロックすればフリーラン周波数など関係ないと思っていた私は,己の不勉強を恥じました。

 で,そのフリーラン周波数は,指で触ると大きく変動することが分かっています。ここが温度特性を持っているのは間違いなさそうですが,もはやLA3350の内部の話です。故障や劣化が起きているのであれば,交換しか手はありません。

 しかし,LA3350は今はなき三洋の半導体ですし,40年も前の部品です。アマチュアに広く使われていた定番でもないので,入手は絶望的だと思われました。

 しかし,若松通商にあるとわかり,2週間ほど前の土曜日にさっと秋葉原まで買いに出かけました。本当にこのLA3350だけを買いに行った感じで慌ただしかったのですが,帰宅後交換しても現象は変わらずです。

 困りました。

 他の故障があるなら仕方がないのですが,実は気になっていたのが,温度特性の大きなカーボン抵抗ばかりが使われていることでした。ここをずっと温度特性の良い金属被膜にすると,抵抗の数が多いだけにかなり改善されるんじゃないかと思ったのです。

 100個近い抵抗をコツコツを数日かけて交換したのですが,すべてを交換してから通電すると,ステレオにならないばかりか,モノラルでさえも左右でレベル差が倍ほどあります。

 これはつまり,部品を交換し間違えたということです。悪いことにカーボン抵抗のカラーコードは4本,金属被膜は5本ですから,読み間違いをしがちです。大きい鞄ですから裏表をひっくり返すのも大変で,差し込む場所も間違いやすいです。そういうことが重なって,どうも抵抗を付け間違えたようなのです。

 私は回路図を持っていませんし,ケンウッド独自のステレオデコーダーの動作原理も正確に分かっておらず,しかも高価で今や貴重品扱いのMC1495のピン配置や動作など全然わかっていませんので,波形を追いかけてもどの抵抗がおかしいかわかりません。

 試行錯誤を繰り返し,1日1箇所位ずつミスを見つけたのですが,セパレーションが全然良くなりません。真面目にMC1495を勉強し,似たような機種の回路図を眺めて動作を頭に入れて,波形を見ながら調べましたが,それももう限界です。

 もう1台KT-1100Dを手に入れる事も考えましたが,価格が高騰していて手が出ません。

 万策尽きたと嫁さんに愚痴ったのですが,ふと素晴らしいアイデアを思いつきました。
 
 外した抵抗の数を数え,基板上に同じ値の抵抗が同じ数だけあるかどうかを確かめるのです。一致していれば,少なくとも違う値を付けてしまうというミスの可能性は小さくなります。

 この方法で1つ間違いを見つけ,ようやく交換前の状態まで戻せました。この間3日。のべ6時間ほどかけて,自分の尻ぬぐいです。

 なんで1本交換するごとに動作確認をしなかったのか,1本が面倒なら3本でも5本でもブロックでも,なんで逐一動作確認をしなかったのか,そもそも値を間違えるとか,場所を間違えるなんてのは,ハンダゴテを買ってもらったばかりの電子工作初心者の子供がキットを完成させられない原因トップ3に入る基礎的な話じゃないかと,自分を責めてももう遅いです。

 時間がないと言う理由で一気に交換してしまったのが最大の問題であり,結局けちった時間の数倍の時間をかけることになってしまいました。こういうことで,さんざん痛い目に遭ってきたのに,まったく学習しないものです・・・

 かくして,温度変化を確認したところ,少しは改善したようなのですが,相変わらず変動があります。

 あと温度変化に影響がありそうなのは,アナログ乗算器から電流出力を引っ張り出す際の,カレントミラー3段です。高級機であるD3300Tなどは,ここにペアトランジスタを使ってあるのですが,中級機であるKT-1100Dくらいだと,ここには汎用の2SA733や2SC945をバラで使ってあります。熱結合もされていません。

 ですので,ここはhFEでペアを取り直し,接着して銅箔で巻いて熱結合してみようと思います。でもまあ,出来る事はこのくらいなんですよね。LA3350を指で触ってセパレーションが悪くない問題は,このくらいでは解決しないと思います。



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