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El Capitanはあきらめた

 Macの最新OS,El Capitan。MacOSX10.0から数えて12番目にリリースされた最新のOSですが,うちのMacBookProでもなんとかインストールが可能ということで,機会を窺っていました。

 正直なところ,Yosemiteでちゃんと動いていますし,El Capitanの御利益も少ないマシンですので,別に無理はしないでもいいかとおもっていたのですが,今回は初めて,新しいOSにすることをあきらめました。

 理由は2つあります。1つは「プレビュー」が不安定である事です。PDFの閲覧のみならず,編集にも大活躍の標準ツールですが,ScanSnapのモノクロでスキャンしたPDFにカラーのPDFを差し込むと,レインボーサークルがクルクル回り続けてハングアップです。

 カラーやグレーなら問題はないのですが,モノクロだとどうもうまくいきません。他のバグは許しますが,PDFの編集が出来なくなってしまうことは私にとってはとても問題で,ほとんどこれが理由でEl Capitanをあきらめてしまった感じです。

 2つ目は,USB3.0のExpress/34が動かなくなってしまったことです。これまで,Multibeastから汎用のドライバをインストールして,NEC/ルネサスのチップを搭載したカードを動かしていましたが,El Capitan対応のMultibeast8.0がリリースされたことを機会に,El CapitanにアップグレードしてMultibeastを起動したところ,汎用のUSB3.0ドライバがありません。

 chage Logを見てみると,USB3.0のドライバは削除したよ,と書いてあるだけです。なにか理由があるんでしょうが,ドキュメントには記載がなく,調べてみても今ひとつわかりません。

 汎用ドライバ無しで動くようになったから,と言う話を目にしたので試して見ると,確かにカードを認識し,USB3.0が存在していることがわかります。

 しかし,実際に動かしてみるとだめです。ScanSnapは認識せず,途中でカーネルパニックが起きて再起動がかかる始末。HDDも全然認識しません。

 それ以前の問題として,Multibeast8.0が(8.0.1もですが)異常終了してしまい,ドライバをインストールすることができません。eSATAのドライバを入れようと思ったのですが,ダメでした。

 PDFの編集については,スキャンした書類を廃棄してしまうので,保存ミスや編集ミスがあったり,ファイルが破損したりしてしまうと,笑い事では済まされないのです。実績のあるツールを使い,人為的ミスによってのみトラブルが発生するという状況に保たれていないと困るわけです。

 そうした危険があってもメリットがあれば考えもしますが,速度の向上も僅かですし,見た目にもそんなに変わるものではありませんから,当面これでいいか,という話になったわけです。

 こなれてきて,バグも出尽くした頃に,USB3.0をあきらめてもインストールする価値が出てくるかも知れません。MacBookAirでEl Capitanを触っていますから,ちょっと様子を見ながらと言うことにしましょう。

 というか,もうマシンを買い換えてもいいのかも知れません。まてよ,El Capitanしか走らない最新モデルを買ってしまって,PDFの編集に支障が出たら,マシンもろとも使えないと言うことになってしまいます・・・うーん,困った話です。

安物機械式腕時計を調整

 昨年の冬ですが,amazonで安物の機械式腕時計を買いました。具体的な名前やブランドを書くのも恥ずかしいくらいなのでいちいち書きませんが,記録を見ると6000円ほどで買ったようです。

 ベルトはしっかりとしていますし,それなりに面白いデザインで憎めないのですが,ムーブメントは悪いもので,音も「ガジガジ」といった音がします。

 機械式腕時計を試すのにちょうといいと思って買った時計でしたから,その後にちゃんとしたセイコーの時計を買うための布石になったという点では,その役割を果たしたと思う訳ですが,それでも時々付けてみては,精度の悪さに閉口して使うのをやめるということを繰り返していました。

 そうこうしているうちに,時々止まっていることに気が付きました。やがて完全に動かなくなってしまい,娘のオモチャに払い下げられてしまったのが,先月の話です。

 ベルトだけ他に使うからと撮っておいたのですが,娘が乱暴に扱ったことがよかったのか,はたまた私が手持ち無沙汰に竜頭をグルグル回しまくったことが幸いしたのか,突然動き始めたのです。

 そのうち止まるだろうと思っていたら,何日もそのまま動き続けています。治ったと言いたくはないのですが,ゴミでも噛み込んだものが,外れたということでしょうか。どっちにしても調子が良さそうです。

 数日様子を見ていると,やっぱり精度の悪さは強烈で,3時間で5分ほど遅れます。これでは,昼間の活動時間に限ったとしても,日常生活に支障が出ます。

 どうせ一度壊れたものだし,このままでは使えない訳だからと,調整してみることにしました。

 ケースに傷がついても気にしないということで,なんとかフタを外してみようと観察をしますが,これだと思うとことが見当たりません。そこで,太めのマイナスドライバーを,ケースの縁とベルトの留め具のところにひっかけて,ぐぐっとこじりました。

 幸いなことに,ピンといい音がして,フタが綺麗に外れました。テンプについている調整機構をピンセットでいじり,どちらに回すと進むのかを確かめた上で,少しずつ合わせていきます。

 1週間ほど毎日調整を繰り返して,かなりいいところまで追い込んだところで,裏蓋を閉めますがこれが大変でした。

 とにかく閉まりません。万力で挟み込んでみますが,ガラスが割れそうです。指で押しても歯が立ちません。

 これも数日,悪戦苦闘したのですが,顎が大きく開くペンチで三箇所を同時に挟み込んで,パコッと閉めることが出来ました。二箇所ではどうしても閉まらなかったのです。

 ここで,蓋を閉めるための専用工具を買うという手もありましたが,6000円の一度壊れた時計を,数千円の工具で修理するというのも本末転倒な気がして,頑張って見た次第です。

 幸いにして,傷も付かず,変形もせず,元通りになりました。

 そしてフィールドテストとして,休日に家の中でずっと使ってみます。止まったり狂ったりしたときに,外出先では被害が大きいですから。

 ところが,想像の以上の精度の高さなのです。3日たっても4日経っても,狂いません。アナログの時計ですから,少しずつずれるのが分かるものですが,時刻の再調整が必要なほどずれることが,ほとんどないのです。

 大きい時計で,見やすく,見た目に面白いデザインで,その上精度がとても良くなりました。時計にとって精度は基本機能です。安物ではありますが,なんだかけなげで,とても気に入って使っています。

 セイコーの時計は,10万円近くしましたが,1日で1分くらいの遅れが生じます。これでは出かける前に毎日時刻を合わせないといけませんから,なかなか面倒です。

 調整に出せばいいんでしょうが,自分で調整出来た安物時計が目の前にあることを考えると,なんだか複雑な気分でもあります。

 それでも,自分で分解して調整しようという気はおきませんが,もう少し精度が出ていればいいのになあと思うのです。

 修理から10日以上が経過しましたが,この間時刻の調整を一度もしていません。絶好調です。しばらく使い続けてみようかと思います。

 

 

地デジPCの安定稼働

 地デジPCを新調してしばらく経過しましたが,ようやく安定してきた感じがあります。

 録画そのものは8月1日の夕方から失敗することなく行われていたのですが,細かい調整は毎日のように繰り返していました。

 その内容について,ここに書くつもりはなかったのですが,せっかくですので備忘録として,簡単に書いておくことにします。

(1)Bon_Driverの設定

  PT3の導入を説明した先人達のサイトをみていると,多くはBonDriver_PT3-T.dllを複製,リネームしてBonDriver_PT3-T0.dllとBonDriver_PT3-T1.dllにし,それぞれのBonDriverのチューナー数を1に設定しているようです。

 しかし,BonDriver_PT3-T.dllは,このファイルネームのままであれば,自動的にあいているチューナーを割り当ててくれるので,本当ならBonDriver_PT3-T.dllのチューナーの数を2に設定すれば,問題はないはずです。

 私も,最初はチューナー数を2にして,自動割り当てを行っていました。こうすると,EpgDataCap_BonとTVTestを同時に起動してもちゃんと動作するからなのですが,後述するようにドロップが発生したため,その原因追及の一環として,BonDriverを分けて,それぞれのチューナー数を1にする設定にしました。

 ドロップについては全く改善しなかったのですが,こうすることでどの番組がどのチューナーで録画されるかが固定されるので,計画が立てやすかったり,安心出来るというメリットがあります。まあ気分の問題でしょうが,単なる試聴と違い,録画についてはチューナーの固定の方がよいとは思います。(私の場合TVTestは自動割り当てのままにしてあります)


(2)ドロップの発生

 EpgDataCap_Bonの人柱10.xxを初めて使ったのですが,番組表が統合されたり,設定項目に変化があったりと,最初は慣れずに右往左往しました。

 もうすっかり慣れたのですが,これまでのバージョンでは録画済み一覧でドロップした番組を赤で反転表示する機能はなかったと思います。

 おかげさまでドロップの発生を意識するようになったのですが,TOKYO MXで頻発することが気になり出しました。

 10程度ならいいんですが,300とか400になることもしばしば,連日続くとなにか問題があるんじゃないかと不安になります。

 あれこれと試行錯誤を繰り返すことになるのですが,先のチューナー割り当て数の話もその1つです。

 次に書きますが,瞬間的にCPU付加が増えているのではないかと疑い,自動メンテナンスの時刻を前倒しするとか,タスクの優先度を上げてみるとか,いろいろやりましたが,効果はありません。

 そんな中ログを見ていると,ドロップが発生した時のアンテナレベルが非常に低いことがわかりました。普段は37dBくらいのレベルが,ドロップ発生時には20dBくらいまで急激に下がります。

 ということで,ドロップの発生原因は,CPUやOSにあるのではなく,アンテナレベルが何らかの理由で一時的に下がってしまうことにあるようです。

 もう少しログを取る必要がありますが,ログを取り始めてからドロップが発生しなくなってしまったので,根気よくみていこうと思います。

 ちなみに,こういう急激なアンテナレベルの低下には,同じ周波数帯を使っているタクシーのデジタル無線による妨害があるそうです。たまたま無線を使っているタクシーが通りかかったりしているのかも知れません。

 現実問題として,100未満のドロップなら気が付かない場合もあるし,400のドロップでも一瞬の話ですので,目くじらをたてて対策をしないといけない事態になっているとは思いません。ドロップが長時間続くようになるとさすがにまずいですが,こういうこともあると,割り切って考えた方が楽だと思います。


(2)自動起動

 Windows8からスタートメニューがなくなりましたが,そのことで自動起動させることの出来る「スタートアップ」フォルダの位置がわかりにくくなりました。

 ここに,時計やランチャーなどのショートカットを入れて自動起動するようにしたのですが,残念な事に自動起動しません。Windows8.1から仕様が変わったのかも知れませんが,タスクスケジューラを使って自動起動を設定する方法で問題を回避しましたが,ちょっと気持ち悪いなと思います。


(3)管理者権限での起動

 Windows7からですかね,アプリケーションの起動に管理者権限を明示しなくていけなくなったのは。起動後に「管理者権限で」と怒られるのも面倒くさいので,私は主立ったソフトはすべて管理者権限で起動することにしました。


(4)USB3.0を前面パネルに

 N3150-ITXは,背面4ポートに加えて,前面パネル用に2ポートの合計6ポートが用意されています。私のケースにはUSB2.0の端子しか出ていないのですが,やはりUSB3.0が出て欲しいです。

 幸か不幸か,フロッピー用のポートがカードリーダーで埋まっており,そのカードリーダーが壊れて閉まっているので,ここにUSB3.0の端子を用意することにします。

 作業は簡単で,1000円ほどでUSB3.0が出ているパネルを購入し,これをカードリーダーの代わりに取り付けます。そしてケーブルをマザーに差し込んで終わりです。

 ただ,USB2.0のコネクタと排他になるので,注意が必要です。というか,私は失敗してUSB2.0の前面パネルのコネクタが動かなくなってしまいました。


(5)自動メンテナンス

 Windows8.1では,自動メンテナンスなるものが,夜中に2時だか3時だかに走るそうです。びっくりしたのはスリープ中でも勝手に起き上がってメンテナンスを走らせるらしく,それはやり過ぎだろうと思ったのですが,それくらい「メンテナンス」をユーザー任せにするとWindowsのパフォーマンスが落ちるということなんでしょう。

 自動メンテナンスには,いろいろなメンテナンス項目があるようなのですが,すべてが明らかにされているわけではないようです。だから,もしかすると非常に負荷が大きかったり,メモリを占有してスワップが発生したり,なにかハードウェアリソースを食いつぶしてしまったりと,可能性だけ考えるとなかなか心配です。

 少なくとも,デフラグを勝手に走らせるのは問題で,これはタスクスケジューラから無効にしました。

 私としては,自動メンテナンスそのものを無効にしたいところですが,その方法も良くわからず,発生する弊害も明確ではありません。せめてこの時間を前倒しにしたいのですが,設定を変えようにもグレーアウトしてクリックできません。

 どうも,自動メンテナンスが走っているいる間は設定が変えられないようなのですが,問題はこの自動メンテナンスがずっと終わらないことです。

 気が付いたら自動メンテナンスが走っているし,いつまで経っても終わらないばかりか,中止をクリックしても止まる気配がなく,不安になっていました。

 調べてみると,ほっときゃそのうち止まる,と言うことでしたので,一晩放置したら,翌日の夕方には終わっていました。これだけ時間がかかったのは,どうも初回のメンテナンスだったからのようです。

 以後は19時頃に設定をし,1時間から2時間程度で終わるようになっています。デフラグをしないように設定してこれだけの時間がかかっているのですから,一体なにをやってるんだと不思議なわけですが,まあ実害が出ていないので許しましょう。


(7)シャットダウン抑制条件

 EpgTimerでは,録画終了後の動作として,シャットダウンを行うことができます。経験的に,スリープやスタンバイでは,復帰し損ねる可能性が否定できないので,私はシャットダウンを行い,毎回きちんと起動させています。

 ところが,シャットダウンされては困る場合にもあるわけで,その条件を設定するのが抑制条件です。以前はここにTeraPadを設定してありました。

 文書の編集中はもちろんですが,シャットダウンしたくない時にダミーで起動しておくことを行っていました。しかし,これが有効になりません。抑制条件を指定しても,シャットダウンしてしまいます。

 WindowsVista以降は仕組みが変わったということですが,有効に出来ないという話はお目にかからず,管理者権限でEpgTimerを起動しているので本当ならシャットダウンは抑制されるはずです。

 これはもう,あきらめました。


 ということで,この状態で安定稼働するようになりました。EPG取得の時間がかなり短縮されたこともそうですし,PT3の信頼性の高さからくる安心感も,Windows8.1の軽快さも,Ethernetの高速化もメリットがありますが,以前の地デジPCではCDの高精度なリッピングシステムを構築してあったり,他にもちょっとしたWindows上での作業に対応出来る用意があったのですが,それらの構築はまだです。

 これらは,必要になったときにその都度設定していこうかと思っています。それ以前に,Windows10への以降をどうするかも考えないといけません。時間のあるときに移行させていくべきと思いますが,なかなか落ち着かないものです。


 

プジョーの自転車のメンテ

 さて,私の長年の愛車であるプジョーのクロスバイクをちょっといじってみようと思います。

 そもそもこの自転車,調べてみると2001年の4月に購入しているんですね。今から実に14年も前の話です。そりゃー古いわけだ。この歳に生まれた子供が中二病を患う歳になるというのですから。

 COM70Mという型番もので,当時のプジョー自転車としては特に良いわけでも悪いわけでもない,極普通の自転車だったようです。私もまだ当時は営業していた二子玉川の東急ハンズで,確か39800円で買ったと思います。

 一声1万円が相場だったママチャリに対し,4万円の自転車は私には大変高価なものでしたが,14年経過して改めて見てみると,フレームはまだまだしっかりしていて,十便実用になる感じです。1万円の自転車だとこうはいかないだろうなあ。

 話が逸れますが,原材料の値上がりや,中国での人件費の高騰を受けて,自転車の価格が上がっているそうです。1万円で自転車を買うことはほぼ無理らしく,個人的にはそういう事情も少しはあって,電動アシスト自転車が選ばれるようになってきたんじゃないかなと思っています。

 で,プジョーの自転車が2004年に製造中止になったという話を耳にして,もうプジョーの自転車は手に入らないのかと思っていたのですが,今でもチラチラと新しいものを目にします。

 どういうことなんかと調べてみると,プジョーは1980年代に自転車の製造からは手を引き,ブランドを貸すことで他にライセンス生産させていたんですね。私もCOM70Mもフレームは台湾製です。

 で,日本のライセンシーとの有効期限が2004年に切れるにあたり,ここが作っていたそれまでのプジョーの自転車は製造中止になったというわけです。

 ところが,本家プジョーが自転車生産を再開,これが日本にも入ってきているらしいのですね。価格は随分高くなっているようですし,デザインも現行のものはよりレトロ風味が強くなっているのですが,いずれにせよプジョーが自転車を自ら作るようになったことは,うれしい話です。

 さて,私のCOM70Mですが,ポリカーボネートの泥よけは割れてしまい,後輪に擦れて危険な状態です。シマノ製のドライブトレーンも劣化がひどく,小気味良い変速は出来ません。

 ハンドルなどのサビもひどいですが,アルミ製のリムとフレームはサビもなく,綺麗です。転倒も事故もない自転車なので,フレームが曲がったりしていないのは幸いです。

 ということで,14年ぶりに手を入れた部分を軽く書いておこうと思います。


・泥よけ

 700C用として売られているポリカーボネート製の泥よけを探してみたら,Dixnaというところが出しているクロスフェンダーが良さそうだったので,これを買いました。少々高価で3880円です。もっと安くて良いものもあったのですが,在庫があるものから選ぶとこれになりました。アルミ製でもよかったんですが,金属製は凹みますし,サビも出てきますから,こういうものはポリカーボネートがいいです。

 太さは細い方が好みでしたが,クロスバイクですからタイヤも700x32Cでそんなに細いわけではなく,そもそもサイトにはなにもサイズの記載がないので不安な中で,届いたものを見てみれば元の泥よけと同じサイズでした。

 以前の泥よけは黒にシルバーの縦線が入っているもので,それなりに手が込んでいたものだったのですが,今回のものは本当に黒一色。何の装飾もなく,シンプルそのものです。

 ステーも付属していますが,長めのものが入っており,適当な長さに切って使うタイプです。可能なら古いものを流用しましょう,

 取付ですが,太さ,長さとも同じですので,特に考える事はなさそうです。しかし,以前の泥よけを外す際に,タイヤに干渉して外せないボルトがあり,これは空気を抜いて外すことにしました。しかし,錆びて固着している上に,どうも無理にねじ込んだもののようで,ネジ山が潰れていて,回すとギギギと嫌な音がします。

 そこで登場するのが,最近絶賛しているエーゼットの潤滑油「CKM-001 超極圧・水置換スプレー」です。スプレー式の潤滑油としては5-56などが有名ですが,これはもう桁違いの性能です。スペックもすごいですが,つ買った感じがまた素晴らしく,手がギラギラせず,サラサラで染み込んでフリクションが激減します。

 ほんの1滴で劇的に性能改善,汚れも落ちて,臭いもなく,手についてものも洗剤で綺麗に落ちるので,これが1380円というのはとても素晴らしいです。

 で,これを錆びたネジに一拭き。するとあっという間に染み込んで,嫌な音も出さずにクルクルと回り始めます。錆びたネジを外すにはこうやって油を染み込ませるのが定石ではありますが,これほど劇的にネジが緩むと,私の顔も緩んでしまいます。

 素晴らしい。本当に素晴らしい。

 リアの泥よけはステーも流用可能で,ホントに交換だけの作業だったのですが,フロントはステーの数が違っていて,古いものは2本,新しいものは1本ですので流用は無理。そこで付属してきたステーを使う事にします。

 長さを決めてペンチで切断し,先端にキャップをします。これをナットで固定して完成。実はリアはフレームのネジがなめたものを修復したりと,結構な時間もかかったのですが,フロントは10分くらいで交換完了です。

 ついでに,フロントについていた荷台を外しました。使う事もなく,錆びて汚いものだったので,この際捨ててしまいます。

 よし,綺麗になりました。


・リアディレイラー

 汚れたグリスで動きが渋くなったリアディレイラーですが,これも今はシマノのものがついています。とはいえ,15年近く前のものですから,もうどんなものなのか調べる術もありません。(刻印からRD-TY22というものと判明しました)

 ケーブルも古くなっているので,どうもスムーズさがなく,変速も確実に決まりません。

 そこで,交換を企ててみます。調べてみると,こんなメカメカしたものでも2000円しないんですね。安いなあと思います。

 さっぱり知識がない私ですが,写真と値段から使えそうなものをチョイス。今だから言えますが,よくもこんな選び方で大丈夫だったなあと思うくらい,危うい選択でした。ビギナーズラックですね,これは。

 選んだものは,シマノのRD-M310というもので,マウンテンバイクなどに使われるタイプのうち,最も低いグレードのALTUSシリーズのものだそうです。お値段は1800円ほど。

 この上位にあたるシリーズでも2000円ほどなので,そもそもグレードとはなんだ?という疑問符がグルグル回るわけですが,最低グレードだのママチャリレベルだのといわれても,そこは腐ってもシマノです。

 どうせ長距離をのりませんし,壊れたらまた交換すればいいだけの話です。コンマ1秒を競うタイムトライアルをするわけでもなく,故障が生死に関わるような過酷な状況で走るわけでもなく,まあとにかくやってみようという感じです。

 リアディレイラーの取付には,普通はチェーンを切って通さないといけません。もちろん今ついているものを外すときもそうです。

 調べてみると,テンションギアを外してしまえば,チェーンを切らなくてもいいようです。なるほど。これで古いものを外し,新しいものを取り付けることが出来ます。

 取り付けてみたのですが,なにやら内側に曲がっています。取り付け間違いをしたかなと何度かやり直してみましたが,やはり改善しません。調べてみると,どうも取り付ける部分(リアエンド)が曲がっているらしいです。

 うーん,覚えがないんだけどなあ・・・でも,ちょっとしたことで曲がってしまうこともあるそうで,それを元に戻す工具も売られているくらいですから,まあまっすぐに直せばいいのでしょう。いずれにせよ,曲がったままでよいという記述は見当たりません。

 わざわざ工具を買うほどのことはありませんので,私は小さめのメガネレンチをネジ止めし,ぐいぐい広げて修正しました。

 あとはスムーズに変速が出来るように調整です。ディレイラーは調整が難しいとよく耳にするのですが,なるほどびしっと決めるには根気のいる作業が必要だなと思いますが,あまり気にしないというのも,作業を簡単にする秘訣かも知れないです。

 私の場合いじりすぎると泥沼にはまるので,短時間でぱぱっと済ませることを目標に,欲張りすぎじないところで,まとめる事にしました。


・シフトレバー

 現在のシフトレバーは,俗にサムシフターというもので,1本のレバーを押したり引いたりして操作するものです。これも別に異常があるわけではないのですが,雨風と日光に晒されて劣化が進んでいることもあり,交換を考えました。

 というか,某マンガの影響で,人差し指と親指で変速するトリガタイプを使ってみたいと思ったのが始まりです。同じシマノのSISですから,シフトレバーだけ最新のものに変更すればいいかなと思っていました。

 ですが,リアディレイラーの価格が思った異常に安かったことと,やっぱり同じ世代,できれば同じシリーズのものと組み合わせた方が確実だろうということで,一緒に交換することにしたというわけです。

 今回購入したのは,シマノのSL-M310の7速のものです。インジケータが装備されているので,見た目は少々大きいです。

 レビューを見ていると,アウターケーブルが別売りになっていると聞いていたが,箱入りのものは付属しているのでラッキーだったとか書いてあります。良くわからんが,私の手元に届いたものも箱入りで,アウターケーブルも入っていました。

 まずぐるっぷを外し,ブレーキレバーを外します。そしてシフトレバーを取り付け,ブレーキレバーとグリップを元に戻します。

 ブレーキレバーと干渉するかと心配でしたがそんなことはなく,ちょうどいい場所に固定できました。なかなか使い心地が良さそうです。

 そしてアウターケーブルをちょうど良い長さに切断し,フレームを回してケーブルを取り付けます。竿後にリアディレイラーにケーブルを取り付けて,あとは調整です。

 調整をした結果,なかなか良い感触なのですよ。カチカチとシフトアップをするのも気持ちが良いです。


・スタンド

 これまでのスタンドは,よく見られる一本足のもので,後輪のあたりに取り付けられるものでした。しかしこれ,よく転ぶんですね。私自身はこのスタンドは嫌いですが,かといってママチャリ向けのスタンドを使うのも不格好です。

 なにかないものかと探してみると,今どきはセンタースタンドというものがあるんですね。フレームの中央,ちょうどクランクのあたりに取り付けるものなのですが,
2本足と1本足の2つのタイプがありました。

 2本足なら安定するかもなあと思いつつ,でも完全に後輪が浮いてしまうのも不安という事で,今回は1本足のセンタースタンドを試すことにします。これだと,これまでのスタンドとどう違うのかという疑問もわきますが,まあ何事も試してみないと。

 今回選んだのは,サイクルデザインの026621という品番のものです。しっかりしたアルミ製で,足の長さを簡単に調整出来るものです。

 ただし,この手のセンタースタンドというのは,取り付け不可能なフレームというものがあるらしく,私のものが該当しないか確認が必要でした。

 クランクの後ろに取り付けスペースがあること,そしてここに補強の骨がちゃんと入っていることでした。

 いざ取り付けて見ると,なかなかうまくいきません。場所も問題なしなんですが,なにせ固定がぼると1本だけですので,締め方が緩いとスタンドごと回って緩んでしまうんですね。

 それで強くしめようと思うのですが,このボルトがまた太めのアレンキー(たぶん8mmか9mm)が必要なもので,私は持っていません。

 ラチェットの先端に付けるものは見つかりましたが,今度はラチェットの頭がぶつかってフレームに入りません。

 結局,六角頭のボルトを使って,ねじ込むことにしました。それでも十分なトルクで締め上げることが出来ずに,今でも結構緩いなあという感じです。

 もの自身はそれなりにしっかりしていて,良い感じなんですけども,果たしてこれを使い続けていいかどうかは,ちょっと疑問が残ります。様子見ですね。


・ディスプレイスタンド

 せめて家の敷地内だけでも,後輪を浮かしてしっかり支えるスタンドがあるといいなあと,俗に言うディスプレイスタンドを探してみました。

 ディスプレイスタンドと言いながら,使うのは雨ざらしの屋外ですので,錆びてしまうと困ります。そこでアルミ製のものを探したのですが,これだと折りたたみで持ち運び前提のものばかりなんですね。

 そんな中で私が選んだのは,ドッペルギャンガーのDFS089-ORというオレンジ色のやつです。届いたときに,持ち運び用のポーチに入っていましたから,その段階でまずいなあと思っていたのですが,ちょっと軽すぎて,華奢で,屋外の駐輪用には向いていないですね。

 これは私が悪いので,製品としては良いものだと思います。

 それでも,これを使って今は家での駐輪に使っています。今のところ転倒したり壊れたりという事はありませんが,軽いので不安定なのは仕方がありませんね。

 ということで,今回の自転車整備で気になるとことは,全部片付けました。一番面白かったのはやはり変速機なのですが,15年も経過すれば改良されて,安いものでも良くなっているですね。

 まあ,フロントもディレイラーを付けたいとか,もう少し高速側のギア比を大きくしたいとか,いろいろあるんですけど,それはきっと大げさな話になると思いますので,またの機会にと言うことにします。

 

化学調味料で一発逆転

 我々ファミコン世代にとって化学調味料とは,禁断の毒物でした。多くは親,それも母親にすり込まれたものなわけですが,子供がゲーム脳なら親もまたゲーム脳だったと,つくづく思います。

 手放しに化学調味料を賞賛するのも,また否定するのも誤りで,どんなものでも,食べ過ぎは体に悪いものです。過ぎたるは及ばざるがごとしとは,まあよくも言ったものだと思います。

 その昔,味付けは海水で行われていたそうです。お米を炊くのも,魚を焼くのも,海水を使っていたという話なのですが,さすがに面倒なので海水の主成分である塩を抽出して,これを料理に使うようになったのが現代です。

 厳密に海水には塩化ナトリウム以外にもいろいろなものが溶け込んでいるのですが,海水を再現する調味料としてそれらを調合するという話はなく,やっぱり塩化ナトリウムが基本調味料として,世界の食卓に君臨しているわけです。

 こうすることで,いちいち海水を用意しなくて良くなったのですが,純度の高い塩化ナトリウムにしておくことで量の調整が確実に出来るようにもなりました。これは食品工業において,特に大量の食品を生産する場合に必須となるものです。

 また,塩という切り口だけで見れば,それは塩化ナトリウムであれば作り方はなんでもいいわけですから,海水を煮詰めて作る以外に,塩田に蒔いてもいいし,イオン交換樹脂を使ってもいいのです。

 同じ理由で,いちいち昆布や鰹節からダシを取っていたら,手間も時間もお金もかかって大変なので,これらから抽出し純度を高めた「うまみ」成分を使うようにすれば,料理がとても楽になり,しかも美味しく出来るようになるわけです。

 また,塩と違ってうまみ成分というのは複雑な構造をしていますから,海水を煮詰めて終わりとか,岩塩を掘り出して終わり,というわけにはいきません。

 ですが,昆布や鰹節から取り出すと手間も時間もかかって,うれしくありません。だから,うまみ成分を特定し,これを別の方法を駆使して安価に大量に,安定した品質で作る事が出来れば,大変にありがたいわけです。

 天然のダシからうまみ成分を特定し,高純度なものを作ることのメリットは,量の調整が確実にできる,安く作る事が出来る,僅かな量で硬い効果が得られる,ということになるわけです。

 うまみと塩味を同じレベルで話すことに無理があると思う人もいるでしょうが,その話も2004年までの議論です。2004年には,味を感じる受容体に,うまみ成分で信号を出すものが'発見されました。塩からい,甘い,酸っぱい,苦い,という4つの独立した味覚に,第5の味覚として「うまみ」が組み込まれたのです。

 ということで,私にとって化学調味料は,塩や砂糖と同じです。塩も砂糖も,食べ過ぎると体に悪いでしょう。同じ事です。味の素の大さじ一杯を昆布から摂取しようと思ったら,非現実な量の昆布を食べないといけません。

 自然の力が優れているとすれば,含まれている量が少ないから危険なほど大量に摂取するのが不可能になっているということでしょうか。そう考えると人間は,そのリミッターを解除することを「テクノロジー」と呼んでいるという事になるでしょうね。

 化学調味料は,すでに様々な食品に使われていますから,すでに食べない生活を長期間続けることは,不可能です。また,おいしいと思う食べ物には概ね化学調味料が使われているので,好むと好まざるにかかわらず,化学調味料を使って作った味が,現代のおいしさの基準になっていることも,認めざるを得ないでしょう。

 これで体に悪ければ話は別になるのですが,体に悪いかどうかはその分量で決まる世界であり,ここに気をつけて上手に使えば,料理が美味しくなること間違いなしです。

 事実,化学調味料を否定し,これを使わない家庭料理の,なんとまずいことか。あるいはなんと手間のかかることか。食品添加物には化学調味料以外にもたくさんのものがあり,それこそ体に悪そうなものも多いわけですが,手間がかかることで外食の回数が増えたり,冷凍食品や出来合いの総菜を使う機会が増えてしまうなら,保存料などの食品添加物が山盛り入ったこれらを食べる方が,よほど問題があると私は思っています。

 で,私は以前から,安いという理由で味の素を多用していたのですが,投入する分量が難しく,効果のある分量が非常に狭いことが経験的にわかっていました。ちょっと入れるだけで大幅に効き目が変わってくる,適量の範囲が非常に狭い,とてもピーキーな特性です。

 昆布だとたくさん使わないといけないですから,分量の多少の多い少ないが最終的な料理の味に影響することはほとんどありません。しかしうまみ成分そのものである味の素は,ほんのちょっとで自然界では考えられないくらいの「濃度」に出来るんですね。これが難しいのです。

 プロは,大量に作りますよね。だから化学調味料も大量です。多少の多い少ないでは,味にそれほど影響を与えないわけです。家庭料理はそうはいきません。

 入れすぎた化学調味料はどうなるかというと,うまみを感じる受容体以外の受容体にむりやり入り込み,ここでおかしな味として認知されることになります。化学調味料独特の薬品っぽい味とか,えぐみとか,ああいう不自然さは,入れすぎによるものです。

 話を戻しましょう。

 私も夕食を作る担当者になっていますので,手早くおいしく安価に,しかも毎日作ることを求められています。化学調味料を否定していたら,とても回りません。それなら積極的に使おうと,いろいろ検討してみました。


(1)うまみについて

 うまみと一口にいっても,いろいろあります。人間には「うまいな」と思う物質が複数あるという事なのですが,それぞれ感じ方が違います。

 また,よく知られた事実として,混合した方が単独で使うよりも強く味を感じるというのがあります。お砂糖にちょっと塩をいれると甘さが強くなることを経験している人は多いと思いますが,うまみもしかり。グルタミン酸とイノシン酸を一緒に食べると,単独で食べるよりも強くうまみを感じるのです。


(2)うまみ成分の種類

 うまみ成分には複数あると書きましたが,大雑把にいうと,こんな感じです。

・アミノ酸系・・・グルタミン酸
・核酸系・・・イノシン酸,グアニル酸
・有機酸・・・クエン酸,コハク酸

 核酸も有機物だよとか,そういう中学生レベルのツッコミは却下です。


・グルタミン酸

 グルタミン酸は,昆布だしの主成分です。かの池田菊苗先生により発見され,うまみを司るものとして世界に知られるようになった,記念碑的物質です。

 私がすごいと思うのは,世界共通で誰も否定することのない,塩辛い,甘い,酸っぱい,苦いの4つの味以外に,もう1つ「うまみ」を追加しようと考えたことです。これを明治時代にやってるんですから,なんという自信かと思います。

 そこから100年以上時間を経て,本当にうまみを感じる受容体が発見されて,味覚は5つだったことが証明されるわけですから,もう脱帽です。

 で,池田先生は昆布からグルタミン酸を抽出したのですが,その後小麦のグルテンを加水分解したり,石油から合成とか,紆余曲折を経て,今はグルタミン酸を生成する細菌にサトウキビの絞りかすの糖分をエネルギーとして与え,温度と酸性度を管理して発酵させ,大量に安価に安全に生産しています。

 このグルタミン酸(実際にはグルタミン酸ナトリウムですが)を商品化したのが味の素です。大企業になりましたが,もとはこのグルタミン酸を調味料として生産して販売するために立ち上げられた会社です。

 そして今も,味の素の看板商品は,味の素です。


・イノシン酸

 イノシン酸は核酸系のうまみ成分です。食品添加物としては「アミノ酸等」と書かれるし,同じ核酸系のグアニン酸と区別されないという可愛そうな物質ですが,これは鰹節のダシの主たるうまみ成分です。

 今調べて分かったのですが,致死量LD50が,14.4kg/kgなんですね。これ,60kgの大人だったら,860kg食べると半分が死ぬよと言う意味ですから,やっぱり食べ過ぎは毒なんですね。

 
・グアニル酸

 これも核酸系のうまみ成分です。同じ核酸系のイノシン酸と一緒にくくって「核酸系」とすることも多く,区別されない場合も多いようです。

 ですがグアニル酸は,シイタケのダシ由来の成分です。

 区別しないのか,区別出来ないのかはわかりませんが,どうも製法上一緒に出来てしまう,別々に分けることが出来ないということではないかと思います。
 
 どっちにしても,イノシン酸とグアニル酸は一緒に食べると,うまみがブーストするそうです。ただ,グルタミン酸ほど安く作る事は出来ず,核酸系の調味料はどうしても高価になりがちで,スーパーの店頭でも「高いな」という印象のものにしか入っていません。

・クエン酸

 クエン酸はよく知られているように,ミカンやレモンの酸味の成分です。実のところうまみの受容体には作用しないので,厳密にはうまみ成分ではありません。

 ですが,他のうまみを強める働きがあるため,配合されているケースがあります。


・コハク酸

 これも良く知られた物質ですが,れっきとしたうまみ成分です。貝類に由来するうまみです。

 また,日本酒やワインに含まれていて,あの独特のうまさを作っています。

 面白いのは,コハク酸は効き目が独特で,ちょっと多いと,独特のえぐみとして感じるんだそうです。(あの,貝類独特の味が私は子供の頃から苦手だったのですが,大人になると受容体の数が減って感度が下がるので,好き嫌いがなくなるんだそうです。)

 しかも,他のうまみを増強するか単独の味として認識されるかのしきい値が低く,ちょっとの分量でコハク酸単独の味になってしまうそうです。

 その意味では使い方が難しいうまみ成分という事になります。


(3)手に入る化学調味料

 うまみ成分にもいろいろあって,それぞれに由来や味に差があることがわかったところで,それらがちゃんと区別して手に入れられなければ,意味がありません。

 そこで,市販の化学調味料を調べてみます。

・味の素(味の素KK)

 安価で,個人で買っても困らない程度に小分けされて,しかもどこでも売っている,化学調味料の代名詞がこの味の素です。グルタミン酸が97.5%,核酸系が2.5%という組成ですから,ほぼグルタミン酸と考えてよい調味料です。

 グルタミン酸は昆布だしの成分ですから,味の素=昆布,ともう暗記してしまいましょう。

 これ単体でぺろっとなめてもマズーとなるだけで,ちっとも美味しくないのですが,それもそのはずで,他の調味料と組み合わせることで本気を出す調味料です。特に塩は必須なのですが,塩の使用量の10%以上を入れてしまうと,本当にまずくなります。入れすぎるくらいなら,入れない方が100倍ましです。

 味はシンプルで素材の味を上塗りするような暴力的なものではなく,まろやかと言うよりも鋭角的な味がします。コクはないですが,涼しげなうまみが上品です。

 個人的な経験では,これ単体で美味しくするのは大変で,他のうまみ成分とバディになってくれることを祈りながら,鍋に投入するという儀式が不可欠です。どちらかというと偶然性にかける部分も否定できなくて,それほど美味しく仕上がらなくても,まあ味の素だしなと割り切るだけのゆとりがなくてはいけません。

 シンプルな料理ほど成功率が上がるのも味の素です。エンドウご飯を炊くときにさっと一振りとか,とろろ昆布をお湯に投入し,醤油と味の素で味を調えるとろろ昆布のお吸い物とか,ありがたい調味料だと思います。


・ハイミー(味の素KK)

 ハイミーならスーパーに売っていますよね。お値段は味の素に比べると随分高いのですが,それは組成の違いです。

 グルタミン酸が92%,核酸系が8%となり,味の素から製造コストのかかる核酸系を3倍も増やしています。

 核酸系は前述しましたが,鰹節とシイタケのうまみです。暖かい料理の味をぐっと高める働きが強いのですが,量の増減に対する味の変化が大きいので,これこそ使いすぎに注意です。

 とはいうものの,私は使ったことがありませんので,パス。


・いの一番(MCフードスペシャリティーズ)

 いの一番は,昔はスーパーでも買えたメジャーな化学調味料だったのですが,今は業務用としてしか販売されておらず,1kgという個人なら子供の引き継げる暗いの量でしか買えません。お値段もそれなりにしますし,成分を見てもハイミーと同じですので,互換品かなと思ってしまいますがさにあらず。

 どうも,核酸系のせいぶんに違いがあるとのこと話で,名前の通り鰹だし由来のイノシン酸が強いようです。ゆえに,いの一番=鰹だし,と覚えてしまいましょう。


・ミック(MCフードスペシャリティーズ)

 さあ,このあたりから知名度がぐっと下がり,知る人ぞ知る世界になってきます。

 ミックは業務用化学調味料の傑作と言われ,どんな料理も一発で劇的においしく出来る,魔法の粉です。

 その組成は,グルタミン酸が89.8%,核酸系のリボヌクレオチドニナトリウムが8%,アスパラギン酸が2%,そしてコハク酸が0.2%です。

 いの一番なんかと比べて見ると,アスパラギン酸とコハク酸がミソなわけですが,アスパラギン酸はアミノ酸の宝石箱たる醤油を代表するうまみ成分であり,コハク酸は前述のように貝のダシ由来です。

 いってみれば,これでまずいはずがないというリッチな組成を実現した化学調味料であり,単体をぺろっとなめても,それなりにうまいと思ってしまう完成度です。

 また,組成が複雑であるがゆえに,すでに互いを高め合うように作られていますから,味の素のように運転を天に任せる味付けをするのではなく,狙った味にすぱっと収れんしていくキレの良さがあります。

 また,使用量も味の素よりもずっと少なくて済みます。昆布,鰹,貝,シイタケと何でもありですから,どんな料理にも使える幅広さも特筆すべき点です。

 値段もハイミーやいの一番とそれほど変わらず,業務用しか手に入らないという点さえ目を瞑れば,まさに最強の化学調味料といってよいと思います。

 とはいうものの,いい話ばかりではなく,味の素は素材の味を上塗りしませんが,ミックは「ミックの味」に塗り替えてしまいます。

 確かに美味しくなるし,これを天然のダシで実現するのは素人には無理と,脱帽気味になる問答無用のすごさがあるのですが,味噌汁でも野菜炒めでも煮物でも,ミックを使えば何を食べても同じ方向性の味になってしまい,素材や調理方法の「必然性」に疑問を口に入れた人々に投げかけたあげくに,「うまいんだけども・・・」という釈然としない後味が残ります。

 ですので,絶対量を少なめにすることも大事ですが,ミックを使う料理を一品くらいにとどめておくのが,鉄則ではないかというのが私の結論です。


・ミタス(富士食品工業)

 ミックと双璧をなす,化学調味料の雄です。組成はグルタミン酸が88%,核酸系のリボヌクレオチドニナトリウムが8%,クエン酸が4%です。

 注目すべきは,クエン酸です。うまみではなく,酸味の成分であるクエン酸をあえて配合しているのがミソなのですが,これも前述のように,他のうまみ成分をマイルドにする力があります。なにやら,鶏ガラスープのような味も感じられるんだそうですが,私は使ったことがありません。


(4)メーカーの変遷

 味の素を除き,何だか耳慣れない会社が作っているのが,化学調味料です。あれ,こんな会社知らんぞ,ってなことが,私も調べていてなんどかありましたが,変遷を調べると,妙に納得することもしばしばです。

 ここ10年ほど,大手企業のリストラが進み,主力事業ではないものはどんどん切り売りされてきました。販売停止にならなかっただけましなのかも知れませんが,製品名は知っていても,メーカーは初耳という状況の根源が,この20年ほどの不景気にあるというのも,また興味深いところです。

 なお,味の素については,昔からなにも変わっていないようなのでさくっと省略し,MCフードスペシャリティーズと富士食品工業を紹介します。


・MCフードスペシャリティーズ

 MCフードスペシャリティーズはいの一番とミックのメーカーです。もともと,いの一番とミックは別々の会社の商品でした。

 いの一番は,武田薬品が作ったもので,年配の方はプラッシーというジュースと一緒に,お米屋さんで売られていた事を覚えているかも知れません。

 その後,武田薬品の調味料事業はキリンビールとの合弁である武田キリン食品に移管されます。さらに武田薬品の食品事業からの撤退を理由に,武田キリン食品はキリンビールの完全子会社となって,キリンフードテックと商号が変更されます。

 一方,ミックは協和発酵が作っていたものなのですが,戦前から続く名門企業である協和発酵は,とにかくあちこちに事業を切り売りしており,食品部門が協和発酵フーズとして独立したのち,先のキリンフードテックと経営統合し,キリン協和フーズとなります。

 ここに至って,いの一番とミックが同じ会社の製品になるわけですね。

 この時,キリン協和フーズはキリンビールの持ち株会社であるキリンホールディングスが全株式の65%,協和発酵キリンが35%を保有しています。

 さて,このキリン協和フーズですが,元協和発酵である協和発酵キリンの株式をキリンホールディングスが取得し,キリンホールディングスの完全子会社になります。

 そして,ここに三菱商事が登場。三菱商事がキリン協和フーズの株式81%を取得して子会社化し,商号をMCフードスペシャリティーズと変更し,現在に至るわけです。

 武田薬品と協和発酵の製品が三菱商事の子会社で作られるようになるなど,およそ想像出来なかったと思うのですが,耳慣れないその会社名は,今や三菱商事に由来するものだと覚えておくといいでしょう。


・富士食品工業

 もともとミタスは,旭化成で作られていたものでした。旭化成の話をし始めるとこれまた大変な異なるので省略しますが,旭化成の食品事業が旭フーズとして分離します。

 これが,1985年に専売公社から民営化した日本たばこ産業に買収されて,子会社であるJTフーズと合併します。この段階でミタスはJTフーズの商品となります。

 一方,戦前から続く調味料のメーカーに富士食品工業があったのですが,ここが2008年にJTと資本提携します。おそらく,この段階でミタスが富士食品工業に移管されたのではないかと思います。

 JTの食品事業は,加ト吉に譲渡されたり,缶コーヒーから撤退するんじゃないかととか,なにかと騒がしいわけですが,ミタスもそうした波にのまれているということでしょう。


 こうしてみると,味の素がどれほど名門なのかがよくわかりますね。他の調味料は売られ売られて流されて,なんとか生き残っている感じがしますが,味の素は今も昔も,味の素です。大したものです。

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