エントリー

カテゴリー「マニアックなおはなし」の検索結果は以下のとおりです。

スカイツリーとハイレゾ音源

 この連休は,実家から母が6ヶ月になる娘の顔を見に来たり,たまった家事を片付けるなどで慌ただしかったのですが,趣味関係でちょっと気になることがあったので,2つほど片付けました。


(1)NHK-FMの受信状況の改善

 スカイツリー?ああ,もともと業平橋だったところでしょ?くらいの,蚊帳の外っぷりに甘んじていた私ですが,なんと,NHK-FMとJ-WAVEが,東京タワーからスカイツリーに送信アンテナを移したんだそうです。

 いやー,抜け落ちていました。全然知りませんでした。

 4月23日からということですので,すでに送信場所が変わっています。

 これがなんで大ニュースかと言えば,今までの送信所では状況が悪すぎて,FM本来の音質を楽しめなかったのです。

 その元凶は,マルチパス。送信アンテナから出たアンテナは,FMチューナーのアンテナにまっすぐ届く電波以外に,あちこちに反射して少し遅れて届くものもあります。

 この時間差が問題で,歪み,ギュルギュルという音が混じるなどの,どうしようもないくらいの受信障害を引き起こします。

 東京タワーからの電波は,周囲の高層ビル群に反射しまくって届くため,はっきりいって都内で満足にNHK-FMを受信出来る人は少ないのではないかと思います。

 東京スカイツリーになっても,高層ビル群が消えてなくなるわけではありませんが,なんといっても高さが違います。アンテナの地上高が東京タワーが204m,対するスカイツリーは550mと,かなりの高さです。

 かなりの指向性を持つビームアンテナを用いてもマルチパスから逃れることが出来なかったNHK-FMの受信は,今回の変更でかなり改善されるというレポートがあちこちにあります。私も早速状況を確認しました。

 結果ですが,アンテナの向きを再調整しないといけませんでしたが,まず歪みは激減しました。受信レベルが1つ下がってしまい,これに伴ってS/Nも悪くなっているように感じるのですが,歪みがこれだけ下がるというのは大幅な改善です。

 NHK-FMは,本来持っている音質は良いにもかかわらず,受信状況の悪さのせいでその音質を楽しめずあまりに残念だったのですが,これだけ改善されれば問題なしでしょう。

 この秋の東京Jazzの生放送が楽しみです。


(2)ハイレゾ音源

 先日,Steely DanのGauchoのSACDに感激した私は,最高傑作とされるAjaもSACDで手に入れたいと思いました。でもこれ,高いんですね。4500円もします。しかもSHM-SACD仕様ということで,ハイブリッドではありません。みんな文句をブーブーいいつつも,結局買って「素晴らしい」というので,滑稽なものです。

 先日届いたので聴いたのですが,楽曲も音質も素晴らしく,少々高価であっても良い買い物だったと思います。素晴らしい音楽との出会いは,まさにいくつになっても起こりうるもので,その深さと複雑さに,めまいがするほどです。

 それでGauchoですが,これはDVD-Audio版が安価で売られていることを知りました。しかも,自分のオーディオ機器がこんなにいい音がするのかと見直すと言うほど,いい音なんだそうです。

 そこで私も,DVD-Audio版を購入し,24/96で取り込んでN-30でならしてみました。SACD版も良かったのですが,こちらはこちらで,素晴らしいです。SACDと違い,汎用フォーマットですから,今後はこちらがメインになりそうです。

 ただ,最初からハイレゾ音源を前提にして録音されたものと違いますので,ハイレゾ音源の最大のメリットである小音量・高次倍音の再生能力について,目立った違いはないように思います。

 しかし,奥行きや低音の出方など,さすが24/96と思われる音が出てきていますので,もう普通のCDには戻れません。

 24/96の素晴らしさは,実際に聴いてみないとわかりません。24ビットのダイナミックレンジは,音が消えゆく瞬間を見事に再現し,96kHzのサンプリング周波数は,豊富な非整数次倍音を含む打楽器や金属音を,まさに抜けるような音で聴かせてくれます。

 16bit/44.1kHzも決して悪くはありません。しかし,24bit/96kHzの前では,すでに歴史上のフォーマットに過ぎないと,言ってよいでしょう。

 今市販されているヘッドフォンは,安いものでもその違いを再現できる力はあると思います。ヘッドフォンアンプや音楽プレイヤーには不安もありますが,まず最初に24/96の再生能力を持たない限りは,どうにもなりません。

 ストレージの価格が下がり,プロセッサの演算能力が上がっている昨今,それを音質向上に向ける動きが,もっと本格化することを願ってやみません。

N-30とNW-Z1060とDLNA

 待ちに待った連休がやってきました。ようやく生まれて半年になる子供と一緒に過ごせることがなにより楽しみであり,例年のように帰省をしようとか工作をしようとか,そういう大きな計画は立てていません。

 ここしばらくの間,音楽と高音質が持つ力を再認識し,特に多くの情報量を持つハイレゾ音源を楽しむ事を意識していたのですが,オーディオ周りでいくつかトピックスがありましたので書いておきます。


(1)N-30のアップデート

 パイオニアのN-30とN-50のファームウェアのアップデートが初めて行われました。発売当初からいろいろダメ出しされていたので,どのくらい改善されたのか楽しみだったのですが,アナウンスされたのは2つで,192kのFLACで音切れがあるのを改善したのと,MusicServerの動作を安定化したということです。ギャップレス再生とか,cueシートやALACへの対応とか,そういうめでたい機能追加はないようです。

 私の場合,高速起動モードでスタンバイに入れた後だとPogoplugを見つけてくれないというかなり辛い不具合に苦しめられていますので,これが改善すればいいなあとアップデートを行う事にしました。

 結果ですが,ほとんど変化無し。私に関係する問題はなにも解決しません。見えないところで何かが改善しているのだと思いますが,私にはそれがあまり関係のあるものではなかったようです。残念。

 
(2)N-30のコントロールアプリ

 N-30のコントロールアプリは,iOS版とandroid版の2つが用意されていますが,悪いことに私のIDEOSでは動作しません。

 嫁さんのiPad2に入れたN-30のコントロールアプリをうらやましいと思って見ていたのですが,先日購入したNW-Z1060ではどうだろう,と調べてみると,ありがたいことに対応していました。早速試してみます。

 すでに知られているように,大画面にタッチパネルを持ったスマートフォンの機能を全く使っておらず,あくまで標準装備のリモコンに本体の小さいディスプレイが手元に来ただけというものではあるのですが,それでもこれが結構便利なのです。

 赤外線リモコンは遮られていると届きませんし,反応の遅いN-30は画面が見えないと,赤外線が届いていないのか,それとも反応が遅いだけなのか分からず,結局立ち上がって本体の前まで歩いて行って,操作することが多いのです。

 ですから,本体の操作系が手元に来ると言うだけでも,私にはかなりのメリットがあります。

 NW-Z1060は快適なandroidマシンですので,かなり便利になりました。おしいのは,電源のON/OFF機能が使えないと言う問題です。この機能は高速起動モードを設定しているときだけ有効になる(その代わり待機時の消費電力は大きい)もので大変に便利な機能なのですが,私の場合高速起動モードを設定すると,PogoplugをDLNAサーバーとして見つけてくれないという問題があるので,これはあきらめるしかありません。


(3)NW-Z1060の音楽をN-30に飛ばす


 NW-Z1060には,音楽や動画をDLNAで飛ばす機能があります。

 DLNA Throwという機能なのですが,DLNA1.5では,コンテンツを送信するDMSというサーバーと,コンテンツをただ再生するだけのDMR,そしてその再生状態を制御するDMCの3つの役割を別々の機器が行うことが許されています。

 ここで重要なのは,再生状態の制御を行うのが,再生機器ではないということです。どの曲を再生するかなどの制御は,N-30でもいいし,NASでもいいし,別の機器でもよいわけです。

 Walkmanが搭載しているのは,WalkmanがDMSとDMCになる機能です。あとはDMRさえあれば,WalkmanはDLNAで音を出すことが出来るのです。

 N-30はDMRになることが出来る機器ですので,仕様上はNW-Z1060のDLNA ThrowはN-30を相手に機能するはずです。

 しかし,上手く動作してくれませんでした。

 ミュージックプレイヤーから音楽を飛ばす操作をすると,飛ばす相手としてN-30を見つけてくれます。N-30を選択すると,NW-Z1060の画面には「お待ち下さい」と出て,長時間待たされます。

 しばらくしてN-30側のディスプレイにエラーが表示され,リモコンのOKボタンを押すと,N-30の画面にはDMRというモードが表示され,NW-Z1060から飛ばした音楽のタイトルや時間,プログレスバーが表示されています。

 一方のNW-Z1060の画面には,またしばらくしてエラーの表示です。

 こうして,結局音楽は再生されることはありませんでした。

 飛ばした音楽は128kbpsのAACですし,DMR側で扱えないフォーマットではありません。Pogoplugのような正式にDLNAの認証を受けた機器を介していないので,本来ならこれで動いてくれないと困るのですが,残念です。

 仕組みが大きく異なるとは言え,同じ事がAppleのAirPlayではとても簡単にできます。ややこしいDMSやらDMCやらDMRなどという言葉を覚えることもなく,出力先を切り替えるだけの操作です。

 いや,DLNAがむしろややこしすぎて,またいい加減なだけのはなしでしょうか。私の中で,またしてもDLNAの評価を落とす結果になりました。

3.5inch 2TDの詳細

 2009年頃だと思うのですが,実家にあった5.25インチの12MBの変なフロッピーディスクの事をここで書いたとき,ついでに3.5インチの2TDについて触れました。

 私自身が2TDのフロッピーと接点がなかったので,トラックやセクタなどの規格を,「たぶんこうだろうなあ」と仮定して計算していました。

 しかし,これってJISで決まっているんですね。JIS-X6227です。

 閲覧だけは簡単にできますのでちょっと確認したところ,私が書いた推測は全くあっておらず,間違いだらけであることがわかりました。

 こんな事誰も気にしないと思いますが,誤りは訂正するというのが我が人生。自己満足の延長で,ここで正しい規格を書かせて頂こうと思います。

 3.5インチの2TDは,3倍密度3倍トラックで9.3MByteを実現したものですが,私は単純にIBMフォーマットの2HDのセクタ数とトラック数を単純に3倍しただけでした。よって,1トラックあたりの容量は256byte*78セクタで19968byte,これにトラック数(77*3)をかけると約4.4Mbyte,両面で約8.8MByteと計算しました。

 しかし,正しくは,セクタ数は1トラック当たり39セクタ,トラック数は256本です。なお,1セクタ当たりの容量は512Byteで,IBMフォーマットの2倍です。

 これだと,1トラックあたりの容量は,512Byte*39セクタで19968Byteです。お,ここは一致してますね。3倍密度というのは偽りなしです。

 これにトラック数256本をかけますと,片面約4.9MByte,両面で約9.75MByteです。もともと,この2TDという規格の公称値は,10MByteのフロッピーということでしたので,一応これで計算はあってるわけですね。

 なお,トラック密度は16.9本/mmですので,インチに直すと約430TPIです。この数字は2HDのトラック密度の約3.18倍ですから,さすが,サーボトラックを用いた高密度フロッピーだなあと思います。

 そのサーボですが,セクタの頭の部分にサーボトラックを置く切れ目が用意してあります。ここに264本のサーボトラックを置きます。

 回転数は360rpmと2HDと同じです。密度が3倍になったわけですから,単純に考えて転送レートは3倍になるはずです。

 うーん,もう少し突っ込んだ規格が欲しいところです。

 ところで,3.5inchのフロッピーには21MByteという規格もありました。JIS-X6228です。しかしこれはすでに廃止されており,閲覧することができません。過去の技術をたどるという意味でも,廃止された規格でも閲覧だけは出来るようにしておいてくれると,面白いんですけどね。

 さっとタイトルを読むと,どうもディスクの内周と外周で記録密度を変えるものだったようですよ。昔,230MByteのMOでZCLVという方法がありましたが,あれに近い方法ということでしょうかね。(違うかも)

N-30の真骨頂,ハイレゾ音源を体験する

 ネットワークプレイヤーN-30の,さらにその後です。

 今回は,とうとうハイレゾ音源へのチャレンジです。

(1)ハイレゾ音源の入手

 CDが16bit/44.1kHzという器の大きさしか持たない以上,それ以上の情報量を持つ,いわゆる「ハイレゾ音源」をパッケージソフトとして手に入れるのはなかなか難しいおが実情です。

 いや,ちょっと語弊がありますね。SACDはハイレゾ音源をパッケージする,実質的に唯一のオーディオ専用メディアです。

 ただ,SACDは物理的にデータを読み出すドライブがほとんど入手出来ないこと,DSDという独自のデータ形式になっていること,そしてそれら技術的な問題が解決しても,DRMがかかっているために,リッピングを行うことは限りなく不可能に近いです。

 私は,24bit/96kHzといったハイレゾ音源は,もはや配信でしか入手出来ないものと思い込んでいたのですが,旧世代のジジイである私としては,やはり実体のある「メディア」を手元に置いておきたいと思うもので,ちょっと躊躇していたのです。

 で,つらつらと考えていたのですが,DVDはすでに,リッピングされるようになって久しく,ということはDVD-Audioはすでにリッピングできるようになっているのではないのか,と閃いたのです。

 閃いたとは大げさで,ようやくそこに気が付いたということですが,調べてみると,やはり可能になっているようです。合法なのか非合法なのか,すっきりしないところがあるわけですが,堂々とそのやり方を商業ベースのWEBサイトに紹介が出ているあたり,すでに死んだメディアゆえお咎め無し,誰も損をしないから,というのが,どうやら実情のようです。

 ほぼ完璧な著作権保護を達成したSACDが生き残り,自由度の高いDVD-Audioが死に絶えたというのはちょっと興味深い結果ですが,DVD-Audioが現在入手が絶望的な状態なんだから,もうどうでもいい話です。

 で,さらにつらつらと考えていると,私自身はDVD-Audioなど全く鼻にもかけなかったのですが,嫁さんがなんか持っていたよなあと,思い出しました。

 そう,嫁さんはBeach Boysのマニアであり,数年前に発売になった,DVD-Audio版のPet Soundsを,買っていたのです。

 いやはや,なんとも恐ろしいですね。嫁さんは当時も今も,DVD-Audioを再生する機器を持っていません。コレクターズアイテムとして買うという無茶は,狂信的マニアにしか真似の出来ない芸当です。

 我が家で唯一であったこのDVD-Audioは,これまでは醜いアヒルの子でした。高音質なSACD,そして多数派のCDたちから蔑まれ,すでに存在しないことにすらなっていた,不遇な時間を過ごしてきました。

 しかし,とうとう,純白の白鳥として,翼を広げて,大空に飛び立ち,その美しさを我々に見せつけるときが,やってきたのです。なんと感動的なことよ。

 てことで,とっととリッピングをしてみます。いろいろなフォーマットで記録されていますが,ここでは最高音質である24bit/96kHzでリッピングです。6chのMLPで記録されたデータを,6chのflacと2chステレオのflacで保存します。

 そしてこれをPogoplugにコピーし,ネットワーク経由でN-30で再生します。ちゃんと24bit/96kHzで認識し,正しく再生されました。

 うーん,もともとのPet Soundsを聞き込んだわけではないので,正直ハイレゾ音源であることの価値は,よくわかりません。

 それに,もともとのデータが6chですから,ステレオといってもこれをダウンミックスしているわけで,その正しさも正直よくわかりません。一応,DVDオーディオは6chから2chへのダウンミックスを行う場合の,各チャネルの係数を記録することが出来るので,それに従ってダウンミックスすれば正しいステレオデータが得られることになってはいます。しかし,本当にその係数を使っているのか,使っていても正しい演算が行われているのかどうか,気持ち悪いことに変わりはありません。

 もっと気持ち悪いのは,title1とtitle2として,全く同じデータが2つ記録されていることです。違いは何だろうとバイナリで比較して見ましたが全く同じもの。

 パッケージには,6chと2ch,そしてmonoの3つを楽しむことが出来,しかもmonoはBrian Wilson御大が直々に監修しておるということで,本来別のデータになってしかるべきなのかなあと思う訳です。まあ,データは同じでもmonoか2chかでデータを共用する仕組みがないとか,係数が異なっているとか,そういう事情があるのかも知れません。

 どうもスッキリしませんが,まあいいでしょう。

 このころの音楽はアナログテープレコーダで制作されていて,その情報量はCDのフォーマットでは収まりきらないというのはもはや常識です。よってPet Soundsもハイレゾ音源の価値はあるはず,なのです。

 ですが,最初からハイレゾ音源で作られた音楽とは素性が違います。確かに聞き比べればその違いははっきりわかるのですが,これでなければならない,という程のアドバンテージは,正直ないように思います。まあ,N-30が安物だからかも知れませんが・・・

 ただ,このDVD-Audio版のPet Sounds,ボーナストラックが充実しています。これを聴けるだけでも実は価値のあることだと,マニアは思っているようです。

 
(2)配信で買ってみる

 私はSACDを買うときでも,余程のものでない限り録音の時点でSACDを前提にしてあるものしか手を出さない人ですが,24bit/96kHzのようなハイレゾ音源も同じであると考えた時に,もはや配信でしかまともなものは買えないと判断,試しに入手してみることにしました。

 OTOTOY,e-ONKYOなど,ハイレゾ音源を扱うサイトも充実してきましたが,ここではジャズやクラシックに力が入っているe-ONKYOを試してみます。

 幸いにして,ケニー・バロン(p),ロン・カーター(ba),レニー・ホワイト(ds)というまさにプレミアムなトリオによる,「Softly, As In A Morning Sunrise」が昨年夏に配信スタートとなっています。24bit/96kHzでDRMなしですから,ちょうどよいです。

 お値段は3000円。実体もなく印刷物もない「データ」に,同額以上のものを支払うことにやや躊躇するのは,やはり旧世代ゆえでしょうか。

 ということで,FLACで購入手続き,そしてWAVに展開し,データを早速N-30で再生してみます。

 おお,これはいいですね。SACDでもそうだったのですが,ハイレゾ音源で最もわかりやすいのは,ハイハットです。ハイハットの音が「しゃっ」と短く切れるのがCDなら,「しゃっー」と小さくなりながら長く伸びるのが24bit/96kHzです。ハイハットのような金属製の打楽器は高域まで非整数次倍音がたっぷり入っています。

 ホールでの演奏で聞こえる反射音とか,打楽器の音が消えゆく時のように,小音量の再現性の素晴らしさは,さすがに24bitだということでしょう。

 あと,バスドラムやスネアなどドラムの生々しさがすごいです。バスドラムの空気の振動,スネアドラムの機構からやむなく発せられる動作音のようなものまで,見事に取り込まれています。24bit/96kHz万歳です。

 このデータを,AppleがMasiter for iTunes用のツールとして配布されている,afconverで16bit/44.1kHzに変換してCDに焼いて見ましたが,もう全然だめです。一聴して違いが歴然,広がりがなくなり,狭いところで窮屈に演奏している印象があります。小さい音はつぶれてきこえなくなり,減衰音は途中で途切れて聞こえます。総じて,レースのカーテンを隔てて聴いているようなもどかしさです。

 もっとも,afconvertのダウンコンバートのアルゴリズムが悪いせいかもしれませんのでなんとも言えませんが,このツールと使って256kbpsのAACを生成することが推奨されていることを考えると,そんなにおかしいものでもないでしょう。

 これだけの差があると,今後は積極的に24bit/96kHzのソースを手に入れようとするでしょう。個人的な印象では,SACDよりも上だと思いました。

 これは大満足です。愛聴盤(盤じゃないですが)に決定です。


(3)調子に乗って

 SACDすらすでに死に体と言われる昨今,せっかくプレイヤーを持ってるのだからと,久しぶりにSACDの新譜をチェックしてみました。

 残念ながら新譜に惹かれるものはなかったのですが,オルガニストである吉田恵さんの「バッハ:オルガン作品集 VOL.1」がよさそうな感じで,買うことにしました。ちょっと小フーガ ト短調が聴きたくなって探したところ,もっとも新しい録音がこれだということがわかったのですが,どうもSACDというのは,演奏家という切り口ではなく,誰がマスタリングしたか,どのホールで録音されたかが重要とされる向きがあり,SACDも随分尖ってるなあと思います。

 日曜日に届いたのですが,音質も飛び抜けてすごいというわけではなく,加えて演奏もどうもすっきりしない感じで,リヒターのような堅い演奏が好きな私としては,ちょっと甘口で心許ないという感じです。まあ,初心が偉そうなことを言うのはやめておきます。

 で,カラヤンの1962年の録音で,ベートーベンの交響曲全集も買いました。海外からの輸入だと7000円弱ですから,これはお買い得ですね。私はクラシックはさっぱりですけど,ベートーベンのシンフォニーとピアノくらいは教養として聴いておかねばならないと思っていたところでしたので,ちょうどよかったです。

 アメリカの業者から購入したので,2週間ほどかかるでしょう。中学生以来のクラシックファンである嫁さんも楽しみにしていましたし,私も楽しみです。
 

 てことで,音楽というのは,聴きたいときにそばにあることも,とても大事な事です。配信という仕組みはその究極形態だとは思いますが,ネットワークの帯域に制限のある現状では,手元にディスクなりデータが存在することが,とても大きな意味を持ちます。

 それに,配信の仕組みは,欲しい音楽を手に入れるための検索,ブラウズに限界があります。リアルCDショップやamazonの便利さに比べて,まだまだ貧弱です。音楽を聴きたいだけなのに,音楽を探し当てることで十分疲れてしまうのは,ちょっと残念な気がします。

Zoom H1で音が歪む

 先日,SACDを24bit/96kHzのリニアPCMで録音しておけばN-30でSACDも(完全ではないにせよ)再生が出来るようになるんじゃないかと書きました。

 少し予備実験をしょうと,私が持っている唯一の24bit/96kHzのレコーダである,ZoomのH1を引っ張り出し,ライン接続でPD-D9に繋いでみました。

 すると,なんとえらい歪むではないですか。

 入力レベルが大きいのだなあと思って入力レベルを絞ってみるのですが,歪みもそのまま小さくなる感じです。PEAKランプも点灯しませんので,どうも入力オーバーではないということになります。

 繋いでいるヘッドフォンが悪いのかと別のヘッドフォンにしましたが駄目です。ソースが元々歪んでいるのかと確かめましたが,そんなことは当然ありません。

 さあ,困った。なんで歪むのか。

 気になってZoomのサイトのH1のFAQを見てみました。

 「INPUT LEVELを“1”まで下げても、音が歪んでしまいます。」というドンピシャな質問があり,その回答を見てみますと,

----
 また、H1ではINPUT LEVELが“16”のときに、アナログゲインの最小値が得られる設計となっています。INPUT LEVEL“15”以下は、デジタル的に音量を下げる処理を行っているため、アナログ歪みの発生を回避できない場合があります。
----

 なんと。

 そんなこと,説明書には書いてなかったです・・・最近の説明書は,コスト削減のためか,大事な事を書いていないことが多いのです。説明書に書いてあることが一番詳しい,説明書に書いていないことはない,という状況が亡くなったのは,いつの頃からでしょうか。

 一方で,WEBサイトのスペックを見ていると,これに関連した情報も記載があります。

----
●ゲイン: 0~+39dB(デジタルアッテネートによる最小ゲイン:-28dB)
●入力インピーダンス 2KΩ(入力レベル: 0~-39dBm)
----

 なんと。

 この2つをすり合わせると,INPUT LEVELが16の時に,ゲインが0dBになるようです。私はこれまで,INPUT LEVELを15にしてライン録音を行っていましたから,この段階ではデジタル的に音量を小さくしていたことになります。

 うーん,入力オーバーを防ぐためにアッテネートをするのに,アッテネートがデジタルで行われてしまうと言うのは,いかながなものでしょう。アナログでの入力オーバーが起こってしまえば,手の打ちようがないわけです。

 外部にアッテネータを付ければよいだけのことですが,一言でいいから,このあたりの話を説明書に書いておいて欲しいなあと思います。

 さて,以下の話は専門家にとっては眠たいだけの話ですが,PD-D9を繋いで歪む原因が,本当にこれであるかどうかを計算で確かめてみましょう。

 まず,H1の入力電圧範囲を計算してみます。ゲインが0dBから+39dBですので,歪まない範囲で最も小さいゲインは0dB,すなわち1倍です。このゲインの時に,歪まない範囲で最も大きな音を入れられることになるわけです。

 で,入力インピーダンスが2kΩ,この時の入力レベルの範囲が0から-39dBmということですので,H1で許される最大のライン入力レベルは,0dBmとなります。

 単位であるdBmというのは,1mWを0dBとおいた場合の値のことです。例えば,インピーダンスが600Ωの時に0dBmというのは,600Ωで1mWの電力のことを意味しています。そして600Ωに1mWを供給する交流電圧は,P = E^2 / Rですので,E = √PR,よって0.775Vrmsです。

 H1の場合,このインピーダンスが2kΩということですので,0dBmの電圧は,1.41Vrmsですね。この電圧を超えたら,歪むわけです。

 一方の,PD-D9のスペックを確認してみます。すると,200mVrms(1kHz,-20dB)とあります。通常,デジタルオーディオ機器の最大出力はフルスケールで,これを0dBとおきますから,-20dBで200mVrmsのPD-D9は,0dBフルスケールで2Vrmsの電圧を出力します。これが最大値です。

 比較してみると,PD-D9が最大出力を出せば,H1にとって入力オーバーになることがわかります。H1の最大入力である1.41Vrmsは,PD-D9においては-3dBとなりますから,それ以上のレベルの音が飛んでくると歪んで当然なのですね。

 とりあえず,二連ボリュームを間に挟んで少しレベルを下げてみました。なるほど,歪みはなくなっています。左右で3dBだけちゃんと減衰するアッテネータを作るのはまた今度として,とりあえず結果が出たのでよしとしましょう。

ページ移動

ユーティリティ

2020年05月

- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ユーザー

新着画像

新着エントリー

過去ログ

Feed