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なにもしないのに腐っていく電池を許せるか

 ふとしたことから知ったのですが,私の使っているMacBookProとMacBookは,電池を抜いてACアダプタのみで使用するときは,CPUの処理能力が半分程度低下しているようです。

 以前から知られている事だったようですが,こないだ出た新しいMacBookやMacBookProでもこの仕様は引き継がれているようで,少しだけ話題になっているような感じです。

 恥ずかしながら私,この事実を知りませんでした。噂レベルの話だろうと思っていたら,なんとAppleのサポートページにもはっきりと「低下します」と書かれているんですね。

 理由は,ACアダプタのみでは電源の供給能力が不足し,突然落ちるからだそうで,それでクロックを落として消費電力を押さえているということです。裏を返すと,2.5GHzの最大パワーを得るにはACアダプタだけでは電源が足りず,不足分を電池から補っているということです。

 ACアダプタの容量不足を極めて後ろ向きな方法で回避したこの話,設計者に後ろめたさがあることを信じ,消費電力の下がった最新の機種では性能低下も少なくしてあるはずだと期待した私は,実際にベンチマークを取ってみたのです。

 すると,ACアダプタだけで動作させると,測ったように綺麗に半分になったスコアが出てきました。てことは,Core2Duoの1.25GHz相当ですか・・・

 私は今まで,電池を抜いて使っていましたが,なんかあんまり速くないなあ,iBookG4の1GHzのPowerPCG4と体感的にあんまり変わらないなあ,と思って使っていたのですが,それは実に正しいということになりました。なんたるバカさ加減!

 うーん,私も仕事柄こうした問題にぶち当たることはしばしばありますが,いくら何でもACアダプタが小さいせいでカタログスペックを満たさないことを胸張って言うだけの厚顔さは持ち合わせていませんし,常識的にACアダプタを大きなものに変更して対処すると思います。

 私に言わせれば,消費電力などというのは単純な足し算で,小学生でもできる計算です。確かに「普通の使い方で何時間駆動できるか」という平均電力を考察するのは数学的にも経験的にも難しいものがありますが,今回の問題は最大電力ですから,やはりワーストケースの足し算です。

 また,本体を駆動しつつ,余った電力は電池の充電に使うというのは当たり前の仕様であり,そういう点からもACアダプタは少々大きめのものを使っても不都合はありません。小さい方が今回のようなおかしな制約をお客さんに強要するので問題です。

 値段が上がる?確かにそうですね。ACアダプタは容量が大きくなると価格も高くなります。ただ,容量と価格が比例するわけでもなく,段階的に上がる性格のものですし,もっというと容量の大小よりも数が出ている品種であることが大きく影響します。

 しかし,MacBookProのACアダプタは85Wです。これで足りない事があるなんていうのは,どういうことかなあと思ってしまいます。今年の初め頃には,同じ85Wのアダプタが小型化しているので,以前の大きさなら100WクラスのACアダプタを用意できるのではないかと思ったりするのですが,そうなると随分値段も上がるんでしょうか。

 てことで,電池を入れて使ってみると,これまでのもっさり感がウソのよう。こちらの思考にしっかり付いてきてくれる軽快さにちょっとした感動があります。特にデジカメの画像の編集には圧倒的な差が出てきます。

 あーーーー,これまでのイライラはなんだったんだ!

 そもそもどうして電池を外すのよ,そんな奴おまえくらいやろ,と言われると思うので,一応専門家としての耳より情報を(言い訳と共に)お伝えしましょう。

 ノートPCの電池は一般的に1万円から2万円と高価です。そして電池で駆動することをしなくても,1年から2年もすると電池が劣化していることを皆さんも経験していると思いますが,これは浅い充放電を繰り返しているせいです。

 最近のノートPCは昔と違って,充電と放電の管理が賢くなっていますから,以前よりも劣化が進みにくくなっていますし,VAIOのように劣化を防ぐモードが別に用意されていたりしていますが,リチウムイオン2次電池というのは,電気エネルギーと化学エネルギーを相互に変換する一種のエネルギー変換システムですので,化学反応をさせないことが一番よいことに代わりはありません。

 よく考えて欲しいのは,そもそも電池をノートPCが必要としている理由はなんだ,ということです。そうですね,外に持ち出すから,あるいは電源のないところでも使いたいからです。

 では,持ち出さない人,電源のあるところで使う人は,電池の価値を享受できる人と言えるでしょうか。否,断じて否。

 まして,15インチや17インチのLCDを搭載した大きく重たい高速なノートPCを,電池で動かさなければならないような場所で使うことが「普通」なのかどうか。

 ただ机の上に置いて使っているノートPCの2万円相当分が,勝手に腐って消えてなくなるのです。

 もちろん,電池を散々使っている人は別ですよ。消耗品として2万円の投資が可能でしょう。でも,電池を使わない人も,ただ本体に取り付けているだけで電池が劣化していくというのは,やっぱもったいないです。

 UPSとして使える?なるほど,突然の停電でもマシンは落ちません。これはメリットの1つでしょう。しかし,UPSって2万円くらいで買えますよ。停電してから電源が切れて困るのは事実ですが,復旧するまで停電前と同じ作業がこなせないといけない,まるで医療現場や軍用マシンのような状況が,我々にあり得るのかどうかです。

 しかし,時には電源が確保出来ない場所で使いたい場合もあります。停電で作業が止まると困ることもあります。そういう特別なときこそ電池で動くノートPCの出番ですが,そういうときに限って,電池が劣化して使えなくなっていたりするのです。ろくに使いもせず,劣化した電池を2万円出して買い直しますか?

 実に許し難い。

 そこで私は考えました。電池を外して,充電と放電が起こらないようにしておけば,2万円という高価な部品を劣化させず,意味のあるときだけその価値を償却できる,と。

 そもそも,冷蔵庫は何のためにあるか。室温では劣化してしまう食べ物を,できるだけ長く保存しておくためです。不必要なときには使わず,必要なときに使えるように「需給バランス」を調整するわけです。なぜ,2万円もする高価な部品にそれが許されないのか?

 ここまで辛抱して読んで下さった皆さんは,もうすっかり私の理論の虜でしょう。

 では,その「夢」をかなえる秘策を,安心を添えてお教えしましょう。


(1)電池は外して保存せよ

 2次電池に限らず,およそ電池というのは化学反応によって電気エネルギーを得ています。電子の流れが電流ですから,電流を引っ張り出せばそれだけ化学反応が進みます。化学反応によって劣化した電池の中の部材は当然復活しませんから,電流を取り出さないことが一番良いのです。


(2)冷暗所にて保存せよ

 電池は化学反応によって充電と放電を行います。理科の実験を思い出して下さい。明るい場所より暗い場所の方が,熱いよりも冷たい方が,反応は緩やかでしたね。今回は反応をさせたくないのですから,冷暗所です。もっというと,明るさや温度,湿度などの環境条件が一定している場所がよいです。


(3)50%程度の充電で保存せよ

 電池に充電が行われるということはどういう事かといえば,それはエネルギーを電池に突っ込むという事です。エネルギーを突っ込まれた電池は当然,高エネルギーの状態になります。高エネルギーになっているということは,それだけ内部の部材を変化させやすい状態になっているということです。できるだけ低いエネルギーで保存する,これが原則です。


(4)使ってなくても電池は減る

 何度も繰り返しますが,電池は化学反応で電気エネルギーを取り出します。化学反応が完全に止められればよいのですが,世の中完全はありません。勝手に化学反応が進んで,電池が少しずつ減ります。これを自己放電といいます。
 また,リチウムイオン2次電池については,充放電の管理にマイコンを内蔵しています。こいつがわずかずつとはいえ電流を消費しています。

 
(5)過放電は厳禁

 ところで,もし放電が進んで,これ以上反応できない程になったらどうなるでしょうか。そう,中の部材が元も戻らなくなるほど変化してしまうのです。そうすると,もう充電はできません。
 こういう,放電しすぎの状態を過放電と言います。乾電池でも液漏れをするのは,過放電のせいです。
 さあ,もうおわかりですね。自己放電のせいで保存していても勝手に電池は放電します。もしこの状態で放置して過放電になったら,もうおしまいです。
 だから,保存時に50%程充電しておくこと,自己放電が少なくなるように冷暗所で保存することが必要なのです。
 また,半年に一度くらいは電池の残り容量を確かめて下さい。


(6)劣化は使えば必ず進む

 充放電のサイクル寿命が300回とか500回とか言われていますが,実際そんな回数を使ったことがある人は少ないんではないでしょうか。そもそも寿命は,充電できる容量が半分になったときを「寿命が尽きた」と定義してあります。3時間持つマシンが1.5時間しか持たなくなって初めて「寿命」と言われるのですが,それで困るかどうかは人それぞれです。
 また,この回数というのは,充電と放電のサイクルの回数です。しかし,劣化は回数ではなく化学反応によって起こります。回数なんてのは目安にもならない目安だということです。


(7)極端な環境に置くな

 何度も何度も言いますが,電池は化学反応です。なかの部材や薬品の組成が変わってしまうと反応しなくなります。例えば冷凍する,暑い部屋に置いておくなどはもってのほかで,湿気が多いところ(水分が入り込むと反応して膨らんだり発熱したりします)や他の薬品(例えば防虫剤やシンナーなど)が空気中に漂っていそうな場所も厳禁です。


(8)分解するな

 当たり前の事ですが,分解は絶対ダメです。なんといっても危険です。指の1つや2つ飛んでいっても知りませんよ。
 元素の周期表を見て下さい。H->He->Liと,リチウムは世の中で3番目に軽い物質で,金属では最も軽いものです。これを化学反応に使う電池がリチウムイオン2次電池なわけですから,重量密度(単位重量当たりの容量)が理論的に最強になることは中学生でも分かる理屈です。
 そういう,超高エネルギーな物体を,ペンチで挟んで分解するなど,まるで爆弾を踏んづけるようなものです。恐ろしくてたまりませんね。
 そんな危険なものが家庭に入り込んでいることを,我々は実はもっと憂慮すべきなのかも知れないです。


(9)セルの交換をするな

 そんな恐ろしいリチウムイオン2次電池は,きめ細やかな充放電管理と,万が一の場合の2重3重の安全機構を併用して,初めて実用化されました。いわば原子炉みたいなもんです。
 その仕組みは,一緒に組み合わされるセルに最適化されています。だからもし,セルを全然違うものに交換してしまったら,安全な充放電をしないばかりか,万が一の安全機構も働かず,爆発することもあり得ます。あんな高エネルギーなものが爆発するんですから,自分だけでは済まないかも知れませんよ。
 え,形が同じなら似たようなもんだろう?いやいや,なんて恐ろしいことを。
 形はあくまで形。中身の組成が違うと,特性がごろっと変わります。
 以前よりも容量の大きいセルへの交換なら安全だろう?いえいえ,むしろ危険です。理由は次に。


(10)電池の容量が増えているのはなぜだ

 数年前に比べ,セル当たりの容量は随分大きくなりました。でも,この容量ってなんだって,感じたことはありませんか。
 容量というのは,Ah(アンペア・アワー)という単位で書かれます。1Ahなら,1Aの電流を1時間流し続けることができますよ,という事なのですが,実はまだこれでは定義として不足しています。
 電池は,これ以上電圧が下がると破壊する,という下限の電圧が決まっています。先程の過放電というのは,この下限を下回った電圧で放電が起こる場合をいいます。
 電池は(しつこいですが)化学反応ですので,急に電圧が出てこなくなったりしません。内部抵抗が増加して,徐々に電圧が下がります。
 で,容量の定義です。1Ahなら,満充電から1Aの電流を引っ張り,下限の電圧に達するのが1時間後です,という意味になります。
 では,容量を増やすにはどうすればいいか。確かに中に蓄えるエネルギーを増やすことも大事なのですが,同じエネルギーでも下限電圧を引き下げれば,それだけ容量が増えますね。
 こうして,最近の電池は,下限電圧を以前のものに比べて低くしてあります。以前のものなら過放電になってしまうような電圧まで,使う事が出来るようになっているのです。
 しかし,いいことばかりではありません。多くの場合,そういう特性の電池を作ると,電圧の下がるカーブが急になる傾向があります。
 以前の電池が3.2Vを下限とし,最新の電池が2.9Vを下限としたとします。最新の電池は2.9Vまで使えば以前のものより高容量なのですが,かつての下限である3.2Vには早く到達するというわけです。
 さあ,これでもう分かったと思いますが,3.2Vを下限としていた充放電管理システムに,2.9V下限の電池を組み合わせたら,電池を使い切ることができないばかりか,使い切っていない電池を使い切ったと認識して充電をします。やばいですね。
 充電は通常,初期の定電流充電と,後半の定電圧充電の2段階で行われます。もし定電圧充電が必要な領域で低電流充電のが行われるようなことがあると,極めて危険です。


(11)丁寧に扱え

 これだけ高いエネルギーを小さな容積に押し込んでいるリチウムイオン2次電池ですから,ショートなんかおこると大変なことになります。万が一にも爆発しないように対策を取ってありますが,それでも爆発や発火が起こった事件はまだ記憶に新しいところです。
 一概には言えませんが,電池の内部の構造は結構複雑で精度が高く,衝撃が加わったりなにか力がかかったりして変形すると,そこがショートに繋がることがあります。踏んづけるはもちろんのこと,落とす,叩くなどももってのほかです。
 また,傷が付いたりすると,液が漏れたり水分が入り込んだりして,火を噴いたり破裂したりします。特にラミネート構造のリチウムポリマー電池などは,セルで扱うことがないようにしたいところです。


 てなわけで,私はこういうことを実践して,3年近くiBookG4の電池を新品同様の性能で維持しましたし,購入して6年半以上経過したVAIO U1の電池もまだまだばっちり使えています。

 D2Hの電池もほとんど新品同様ですし,電池の劣化が進むことが許せない,メリットのない2万円もの投資に辛抱ならない諸兄に,電池を外して使う事をオススメしたいところです。

 ところが,一番最初に書いたように,MacBookとMacBookProは,電池がないと処理能力が半分になります。

 半分の処理能力でも困ってないなら,消費電力も発熱も下がるので電池を外しておいてもよいのですが,最大パワーを得るために2年に一度2万円の投資を許せるということであれば,電池を付けっぱなしにするというのはありなのかも知れません。

 私?結局,予備の電池を買いましたよ。8000円ちょっとで純正品が買えたので,これで最大パワーを堪能します・・・

ぁゃιぃアンテナ

 先日の土曜日,届いたばかりのFMアンテナを取り付ける作業を行っていました。首都圏は梅雨も明け,強烈な暑さがこたえます。

 結局アンテナは,いろいろ調べた結果2素子の位相給電型アンテナで最も安価なものを選びました。DXアンテナ製のFMB-2CNというモデルです。価格は送料まで入れて2700円ほど。安い!

 わりとコンパクトな箱に入ってきたアンテナを組み立て,目の前に広がった150cm四方のそれをしげしげと見下ろしつつ,どこに取り付けるのか,どうやって取り付けるのか,ケーブルはどうやって引き込むのか,そもそもこのアンテナは効き目があるのか・・・など,どこから手を付けたものかと,しばし考えあぐねてしまいました。

 とりあえず,短めのケーブルを付けて室内でグルグルまわしてみます。さすが指向性のあるアンテナですね,回す方向で全然受信状態が変わります。ただ,最も受信できるようにしても,先日のフィーダーアンテナに毛が生えた程度にしかなりません。

 この段階で屋外に出すことは決まったようなものなのですが,その場合どうやって取り付けるかを真面目に考えないといけません。私の住んでいるアパートは1階ですし,ベランダなどと言うものはありませんから,洗濯物を干すための竿を引っかける腕にでも取り付けるしかないでしょう。

 とりあえずですね,先日解約したスカパーのアンテナを取り外しましょう。このアンテナも竿を引っかける腕に取り付けてあります。フェンスを隔てた向かい側のマンション建築現場を見ると,同じように炎天下,無理な姿勢で汗だくになりながら作業をする人がいます。妙な連帯感が生まれます。汗をだらだらかきながら,パラボラアンテナが数年ぶりに大地に降ろされます。

 途端に殺風景になった腕の先っぽにFMアンテナを引っかけ,水平を保ちつつグルグル回してみます。受信感度はそれなりに確保出来るようなのですが,マルチパスを改善することは結局出来ませんでした。モノラル放送の時はいいのですが,ステレオになるとノイズも多いし,ピーという音も出ています。なにより随分と歪んでいます。これでは何の効果もありません。

 あまりの暑さに意識が朦朧としつつ,ふと見上げると向かいの工事現場の兄ちゃんたちもお昼ご飯のようです。むむ,そういうことなら私も昼ご飯にします。

 ・・・しかし,結局2素子の位相給電型アンテナくらいでは全然ダメなのではないかと,そんな疑いが頭をグルグル回っています。値段はまあ安かったのでよいとしても,NHK-FMの受信状態は改善されず,根本解決は「住む場所を変える」となってしまいます。これはそうそう簡単に行動できるものではありません。

 大体,不動産屋でですよ,「NHK-FMがばっちり入るところ」なんていう条件を出して「それならここはどうでしょう」と出てくることはあり得ないでしょうし,だからといって物件を下見に行って,FMチューナーとアンテナを抱えて音質のチェックを行うなんて,怪しいやつだとその段階で入居を断られることでしょう。

 さてご飯も終わり,地面からの照り返しにくらくらしながら,作業を再開しようと考えたその時です。転がしてあるヘッドフォンから,なにやら良い音が漏れてきます。アンテナは室内に立てかけてあり,指向性は空を向いています。

 ヘッドフォンをしてよく聞いてみると,歪みもなく,受信感度も十分な強さ,ノイズはやや多いですが,歪みの少なさがなにより快適です。そう,「NHK-FMは水平偏波」「位相給電型アンテナは指向性を持つ」という固定観念から,アンテナを水平にすることしか考えつかなかったのでした。

 ここで私の次元は,2次元の平面から一気に3次元の空間へを飛躍を遂げます。なにやら視界が開けるのを感じました。

 そしていろいろ試してみたところ,アンテナを垂直にし,北西の方向に向けると劇的に改善することがわかりました。よし,この状態で固定すれば実用に供するでしょう。

 取り付けは,スカパー用のCSアンテナの固定金具を一部流用します。手元にあった長さ20cm,直径20mmくらいのステンレスのパイプをマストにし,CSアンテナの固定金具と物干し竿の腕との間に挟み込みます。

 FMアンテナを垂直偏波用に組み替え,これを先程のマストに固定すると,ばっちり固定できました。位置の調整をしますが,私の場合は外の壁と平行に固定すると最も良い状態です。

 もとのテレビアンテナ共用と比較してみます。F-757はアンテナ入力が2系統あるのですが,ようやくその恩恵にあずかったというわけですね。

 結果は雲泥の差です。テレビアンテナ共用では,S/Nは低いのですが歪みがひどく,聞くに堪えません。今回のアンテナでは,S/Nは今ひとつですし,ピーという音もわずかになってはいますが,なにより歪みがほとんど気にならないレベルにまで改善され,ようやく「音楽を楽しもう」と思えるレベルになったと思います。

 しかし,効果があるのはNHK-FMのみで,TOKYO-FMやJ-WAVEでは,今回のアンテナを使うとほとんど受信が出来なくなります。感度も下がり,まともに受信が出来ません。テレビアンテナ共用では以前から歪みもなく,すっきりと良い状態で受信できていましたから,NHK-FMの時だけ切り替えるようにしないといけません。

 さて,暫定的な配線でここまで。恒久的にはスカパー用の同軸ケーブルをそのまま使うことにしましょう。エアコンのダクトを通して室内に引っ張り込まれたケーブルですが,FMチューナーには1mほど長さが足りません。そこで別のケーブルを継ぎ足すことにするのですが,ここで反射が起こったりして,特性上は良くないのです。

 ですが背に腹は代えられません。以前作ったアンテナブースターを分解し(秋月電子のキットですが,受信レベルは上がっても,音ノイズも減らず聴感上何の変化もないので今やゴミに成り下がっています),基板を取り出し,入力と出力のコネクタを5cm程の同軸ケーブルで繋いでしまいます。この延長コネクタボックスを仲介し,1m程の同軸ケーブルを継ぎ足します。試してみたところ,受信レベルも音質も,直結と差はありません。

 これでいつもの番組(特に日曜日の18:00から放送の「現代の音楽」は毎回毎回強烈です)を聴いていたのですが,まあ満足です,と言って良いレベルになったと思います。これでエアチェックを行って,ライブラリ化すべきかと言われれば満点を付けるわけにいかないのですが,現状で出来ることの最善を尽くしたという気もしますから,これで一段落としましょう。

 ただ1つ心配なことがあります。

 トンボのようなおかしな形をした大きな変なアンテナが壁に張り付いていて,その先端は別のマンションを指していることです。

 はっきりいって,どっからみても怪しいです。これでFMなんか普通は受信できないはずですから,FMを聞いているのです,と言い訳しても信用してもらえないかもしれません。それゆえ通報されるとなにかとややこしいことになることは目に見えているだけに,いったいどうしたものかなあと,頭の痛い日々は続きそうです。

サヨウナラiBookG4

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 MacBookProが手元にやってきて,特別不満もなく使っている毎日ですが,傍らには現役を引退させられたかわいそうなiBokG4が鎮座しています。

 3年半も苦楽を共にしてきた(まさに苦楽です)相棒で,処理能力的にも生活マシンとしてはまだまだ十分と思われるマシンだけに,このまま放置するのはもったいないなと考えて,早めに結論を出そうと考えていました。

 私はiBookG4を持ち歩いていませんし,落としたこともなく,タバコも吸いません。キーボードはすぐに英語キーボードに交換して日本語キーボードは未使用新品ですし,汚れや傷を防ぐフィルムを貼りまくっていたので,程度はかなりよいはずです。もちろん故障歴も修理歴もありません。

・誰かにあげる

 欲しい人があればあげてもよいなと思っていました。友人には昨年MacBookを買わせましたし,実家の母親はMacに向かって「Windowsはうごかんのか」と失礼なことを言います。そもそも実家には常時接続環境すらないというのに。

 そういや弟が生活マシンでノート型を欲しがってたなあと思い出しましたが,Macだし,無理に使ってもらうのも本望ではありませんし,やめました。

 家族や親しい人以外に無料であげるにはちょっともったいない気もするので,無償提供はこの段階でもう可能性は消えました。

・違うOSを入れて活用する

 Windowsマシンでは定番のLinuxを入れて活用,というても考えましたが,そもそもMacOSXはそんなに重いOSではありませんから,無理にLinuxを入れることに理由は見いだせません。

 かといってサーバーにするという話だって,そんなにサーバーばかりあっても仕方がありませんしね。

 でも考えたのはiTunesを使ったミュージックサーバーです。ロスレスでリッピング。出力はUSB接続のオーディオインターフェースでSPDIFで出すという作戦です。大きな画面にキーボードを搭載し,一発検索可能なiTunesオーディオ機器というコンセプトです。

 しかし,現在AAC128kbpsで60GBある私のライブラリでロスレスでリッピングすると
ざっと300GB。となると外付けになります。起動に時間もかかります。どこに置くのか,どうやって使うのか,という話と,リッピングをやり直す手間を考えて,この案はやめました。

・売る

 実は私は,自分のパソコンを売るという経験はあまりしていません。お店にいた頃は担当者として買い取りを何度もやってましたが,自分が売ったマシンはほとんどないので,iBookG4を売ってしまうと言う発想は当初なかったのです。

 でも一応値段を調べて見るか,と調べて見ると,まずヤフオクで4万円以上の価格で確実に落札されています。動きません,割れています,ジャンクです,液晶が割れてますでも信じられないような高値です。

 ただ,私はヤフオクで1万円以上のものを売るのは責任上怖くて出来ません。1万円を越えたら「ノークレーム・ノーリターン」ってわけにもいかんでしょう。

 手離れの良さでは,やはり中古業者に売却です。

 日本の中古業者の代表,ソフマップでは上限23000円。それでも15000円くらいかなと思っていた私は,結構よい値段になるんだなと,考えを改めました。

 それで,さっと調べて見たところ,北海道にある「Do夢」というお店(実はセンチュリーの直営店です)の買い取りが高価であることがわかりました。それに元々センチュリーですから,ちょっとしたパーツ類も買い取れてしまう実力があります。(というのは,パーツの買い取りをするには,相性問題を含めたパーツと本体のことを熟知している必要があるからです。例えばPowerMac7600用のG4カードを買い取るなんて,普通のお店ではリスクが大きくて出来ないでしょう。)

 私もこういうややこしいものの買い取りを積極的にやっていた人だったので,信用することにしました。

 査定額を調べると,私のモデルでは上限37000円。この段階でもかなり高価です。これにAirMacExpressと1GBメモリを内蔵して,どこまで加算されるかです。

 それで早速査定の依頼をしました。すぐにメールで返事があり,一式で43000円とのこと。調べて見るとAirMacExpressが2000円,1GBメモリが4000円の査定です。この金額も上限ですので,どんどん減額されることは覚悟せねばなりません。ただし,北海道までの送料はありがたいことに着払いです。

 ホームページを見ていると,G4カードやらFastPageのDIMMやら買い取ってくれるらしく,一緒に送って良いかと訪ねると構わないとの返事。ところがそれらのパーツはこないだ実家に送ってしまったんですね。なので断念しました。

 さっそくメンテです。まず外側に貼り付けた透明のカッティングシートを剥がします。糊が残ってしまったのでこれを剥がすのにえらい苦労しましたが,おかげで傷も日焼けもなく,ちょっと磨くと顔が映るくらいにピカピカです。これはすごい。まるでアヒルが白鳥になったかのように,光り輝いています。

 続いてトラックパッドのフィルムも剥がします。これも綺麗ですね。そして交換した120GBのHDDをついていた30GBに戻します。分解したついでにあちこち掃除します。

 元の通り組み立て,キーボードを日本語のものにもどします。液晶のフィルムも剥がして,これで見た目はほぼ新品同様です。

 AppleHardwareTestで異常のないことを確認し,リカバリを行って作業終了。売るのが惜しいくらいの程度の良さです。

 一部,ちょっと割れ筋のあったところもあったのですが,目立ちませんし補修もしてあるので,私はこれは気にならないレベルと思います。ま,減額されたら仕方がありません。

 付属品一式を確認し,元箱にしまい込みます。iBookG4を買ったときに入れていた512MBのDDR-SODIMMは置いておいても仕方がないので同梱するとし,ついでに128MBのSDR-SODIMMを2枚入れてみました。

 こないだの土曜日に発送,あけて月曜日には正式な買い取り査定が行われ,満額とのこと。加えて512MBのDIMMは2000円で査定され,合計は45000円となりました。なんだかんだで難癖を付け減額するのが買い取りの常套手段ですから,ちょっと驚きました。程度の良さには自信があったので満額になる可能性も高いと思ってはいましたが,それでもちょっとした傷を見つけて減額される覚悟はしていました。

 ただ残念なのは,128MBのDIMMは2枚ともゼロ円です。これが256MBだったら,しかも128Mbitチップ品だったら,そこそこの値段もついたんですけどねえ。

 ただ,この手のDIMMは私にはまだ使い道があるので,査定金額は了解した,でも出来ればゼロ円査定のものは査定金額から返却送料を差し引いて送り返して欲しいと相談すると,45000円振り込みしました,DIMMはメール便で返しますと返事です。

 私の勝手で着払いの荷物に紛れ込ませたいわばゴミを,また返せという虫のいい話ですからね,送料だけでなく手間も考えると,申し訳ないことをしたと思います。

 ということで,この気前の良さ,仕事の速さには予想を遙かに超えた気持ちの良さがありました。

 さて45000円という金額ですが,これを考慮するとMacBookProは20万円以下で手に入ったことになりますし,iBookG4をAirMacまで入れると14万円ほどで買っているので,10万円以下で買ったことになります。仮に9万円として3年使ったら,年間3万円,月々2500円でレンタルしたような感じでしょうね。

 なかなかリーズナブルだと私は思ったわけですが,それにしても45000円で買い取ったiBookG4,いったいいくらで売られるのでしょう。確かにまだまだ使える性能だとは思いますが,高価で売れるほどの特別な魅力があるとも思えません。

 私がうれしかったのは,自分のマシンを高く買ってくれたということです。このことは,金銭的な意味以上に,私の使い方が丁寧であったということを示しています。幸いトラブルも皆無だった当たり品だったせいもあるでしょうが,とにかく次のユーザーさんには気持ちよく使ってもらえる自信はあります。

 生活用品の一部となったパソコンに極端な愛着を持つことは減ったように思いますが,それでもあの真っ白で清楚なiBookG4には今でも心が惹かれます。だからこそ45000円というそれなりの価値があるマシンであったとも言えるわけで,使わないで価値が下がっていくくらいなら,今のうちに売却したのは正解だったと思っています。

 問題は結局インストール先のなくなったLeopardです。これは友人にあげましょう。

D-70完全復活への道

 先々週の土曜日から,D-70のオーバーホールをやっていました。

 考えてみるとD-70が登場したのが1991年,今年でもう17年にもなるんですね。この間のシンセサイザーの進歩って意外なほど少ないなあと思ったりするのですが,それでも17年です。毎週必ず持ち歩いていたシンセサイザーですので,もうガタガタです。

 しかし基本的に物持ちのいい私のことです。鍵盤をへし折ってしまったりタバコを落として焦がしてしまったり,ピッチベンダーのレバーを折ってしまうというような,定番の破損は全くありません。20年前に買ったD-20だって実家で健在です。

 ところが,D-70にはとても悔しい経年変化があります。

 キーの下側に付いているウェイトが剥がれてしまうのです。

 そう,単純に金属のおもりが外れてしまうだけなら良いのですが,D-70の場合はもっと致命的です。エポキシ系の接着剤で貼り付けてあるのですが,この接着剤が経年変化で溶け出して,まるで飴のようにウェイトと一緒に垂れてくるんです。

 この接着剤が非常にくせ者で,固まったり乾いたりしないので,いつの間にやらキーボードの下にたまっていたり,内部に広がったりしているのです。

 目に見える白鍵は言うに及ばず,隠れている黒鍵も同じように溶け出しているようで,ネバネバと粘度を持つこの接着剤のなれの果てが内部で他の部分とくっついて,私のD-70もいくつかの鍵盤が上がってきません。

 ほっとけばほっとくほど被害が広がり,白鍵のウェイトが4つまで剥がれ落ちた時,私は決意しました。何とかせねば・・・

 D-70はキーが外れやすいので,何度か自分で修理した事があります。分解そのものは慣れた物なのですが,76鍵ですのでそれなりに場所がなければ作業が進みません。

 まず裏返して,メイン基板とオーディオ基板,カードスロット基板を外します。その後キーボードユニットを外します。

ファイル 184-1.jpg

 キーボードユニットを固定しているネジは上部のフレームに4箇所,左右のプラスチックの部分に2箇所と,あの重さと衝撃を支えるにはどう考えても役不足だと思うのですが,冷静に考えるとキーボードは底板に多くの太いネジでしっかり固定されます。ということは,底板を取り付けずにねじったりすると,簡単に壊れてしまう構造なんですね。注意しなければ。

 せっかくなので基板の写真を撮っておきます。これはメイン基板です。

ファイル 184-2.jpg

 横幅がちょうどラックマウントケースにぴったりなので,このまま音源モジュールに出来るのではないかと思ったくらいなのですが,それなりの回路規模なようです。

 真ん中の四角いのがメインCPUで,インテルの80C196KBです。その右側に縦長にマウントされている3つのQFPがどうもSuperLA音源チップのようです。その下側にはエフェクト用のチップとDRAMがあります。さらに右側には波形を取り込んだROMがあります。全部がとは言えませんが,おそらく4MビットのROMですので,これが6つで24Mビット。ざっと3Mバイトの波形メモリです。

 CPUの上側にはおそらくMIDIインターフェースに関係すると思われるICがあります。その左側にはメインCPU用のメモリです。8ビットバスのROMを2つ使い16ビットバスに合わせています。

 変更のあったEPROMが2つとマスクROMが2つありますが,その下側に256kビットのSRAMが用意され,各種の不揮発データが格納されています。下側にあるコイン電池がバッテリバックアップを行っています。CR2032です。

 その左側にはメモリカードのインターフェース,下側にはおそらくキーボードインターフェースを司るICがあります。

 そうそう,基板の右上に白いケースに入った大きな部品がありますが,実はこれ,LCDのバックライト用のインバータです。D-70のLCDは東芝製のモジュールなのですが,バックライトが搭載されたものです。この時期の,このくらいの大きさのLCDに使われていたバックライトがELです。

 昨今の有機ELとは全く違うもので,こちらは無機ELです。輝度が低く,寿命も短いのですが,薄くて手軽だったこともあり,よく使われました。

 D-70は使用中に「チー」という音が耳障りなシンセサイザーなのですが,その音はこのインバータから出ています。困ったものです。

 こうしてみると,音源チップは多くが富士通製,マスクROMはシャープと東芝が供給しています。海外製の主要半導体はCPUと,アナログボードにあるDAコンバータくらいのものでしょうか。

 さて,修理作業です。まず最初に方針を立てるのですが,76個すべての鍵盤の接着剤を剥がして接着し直すのが一番いいのはわかるのですが,さすがにそれは大変です。しかし,いつ接着座卯が溶け出すかわかりません。

 そこで,鍵盤にシリコーン樹脂のコーキング剤を充填することにしました。ちょうどお風呂用のものが余っていたので,これでいきましょう。接着剤が溶けてしまっても,最悪外に出てくることは避けられるでしょう。

 そうと決まれば分解開始です。キーボードユニットからキーを取り外します。ユニットを裏返し,両面テープで接着された固定用のプラスチックを外して,キーを手前に少し引っ張れば「パチン」と外れてくれます。ステンレス製の板バネをなくさないように注意します。

 白鍵だけではなく黒鍵も同様に外れます。こうして76個すべてを取り外すのですが,予想以上に被害が大きいことに愕然とします。

ファイル 184-3.jpg

 これはある黒鍵の裏側なのですが,中からウェイトが出てきてしまっています。もちろん接着剤も外に溶け出していて,垂れています。おかげで鍵盤が上がってこず,しかも衝撃吸収用のフェルトもダメにしていました。基板にもついています。

 こうやって外れてしまっているものは完全に取り外して接着し直します。その上でコーキング剤を充填して乾くのを待ちます。

 何日か経過して確認すると,なかなか良い感じです。

 早速キーボードユニットを組み立てていきます。

ファイル 184-4.jpg

 あらかじめ接着剤が染みこんだフェルトを交換し,清掃を終えたフレームに,まず黒鍵を取り付けて,その後白鍵を取り付けていきます。これを延々繰り返し,76鍵全部取り付けたら,先程外した固定用のプラスチックを両面テープで貼り付けて完成です。

 これで修理完了と喜んで組み立てていきましたが,キーボードユニットを左右のプラスチックにネジ止めするときに,ネジロック剤を使ったところ,プラスチックが溶けて折れてしまいました。

 ポリパテと瞬間接着剤で修理・補強して再度組み立て。しかし,一部に音が出ないキーがあります。

 うーん,困った・・・そんなことを言っていても始まりませんので検討開始です。8個飛びに音のでないキーがありますので,これをヒントに調べていくと,キースイッチのフレキシブル基板のパターンが切れてしまっていました。接着剤が垂れてたまっていた部分が切れていたので,非常に深刻です。

ファイル 184-5.jpg

 わかりにくいですが,家にあるねずみ色のゴムがキースイッチです。カップの内部には,前後に2つの導電ゴムがあり,しかも奥側ゴムが手前側のゴムより下に飛び出ています。

 このカップを上から押すと,その押す速度の違いが奥と手前の接点がそれぞれ導通する時間差となります。こうして鍵盤の叩く強さを検出するのです。

 その下にあるのが,おそらく2素子内蔵のダイオードで,エポキシ樹脂で固めてあります。なぜこのダイオード必要なのか,面倒なので考えていませんが,配線本数を減らしていることには間違いないと思います。

 今回切れたパターンを修復するために,エポキシ樹脂を削ってダイオードの足を露出させ,細い線を直接ハンダ付けしました。裏側のコネクタにハンダ付けして,一応修理は出来ました。試してみると,一応すべてのキーで音は出ます。

 今度こそと組み上げてみますが,今度は1つだけ音が出ない部分があります。キーを取り外して直接ゴムキーを押せば音が出るので,どうもキーの組み付けがまずかったようです。

 なんどかそうした調整を繰り返し,とりあえず完成。やや不安があるのは仕方がありませんが,鍵盤が壊れたシンセサイザーはもう捨てるしかないので,直ってよかったです。

 そして最後に,バッテリバックアップの電池を交換して終了です。

 何年かぶりにD-70を演奏してみましたが,今にして思うとかなり個性的なシンセサイザーです。相変わらず細かい泡のようなJP-STRINGSは秀逸ですし,いかにもLA音源というベルやチャイムの音も健在。

 U-20の上位機種として生まれながらも,マーケティング上の問題からDシリーズの頂点となった異端児D-70は,特に歴史刻まれることなく忘れ去られた機種の1つではありますが,私にとってはやはり思い出深いシンセサイザーで,何が何でも修理しなければと言う重いも強くありました。

 シンセサイザーを維持するのは,自分でメンテが出来るか,もしくはメンテできる人を確保できるか,そのいずれかの能力を持つ人しか基本的には許されません。少なくとも自分が持っているシンセサイザーについては,きちんと修理が出来るようになっておこうと,そんな風に思います。

 ちなみに,これをきっかけに他の音源モジュールのバックアップ用バッテリも交換しておきました。

 VintageKeysPlusは,BR2320というちょっと変わった電池が使われていましたが,無理矢理CR2032を取り付けました。D4はタブ付きのバッテリが直接ハンダ付けされていたので,これを取り外してソケットを取り付け,CR2032をはめ込みました。

 A-880とMatrix1000はCR2032に交換するだけです。これでもう5年は安心です。

 残念なのは,エフェクタのSE-50の電池が切れていて,メモリが吹っ飛んでいたことでしょうか。まあ,ノイズまみれのエフェクタですので,余り出番はありませんから,これはこれでいいとしましょうか・・・

 あとは実家のシンセサイザーをどうするか,ですね。もう電池が切れているだろうなあ。

EF50はかっこいい

ファイル 177-1.jpg

 年に数個ですが,やっぱり真鍮製の鉄道模型キットを作るのは楽しくてやめられません。

 もっとも,興味のない模型を作るのは苦痛なので,それなりに思い入れのあるキットが出てくれないといけないのですが,幸いなことに半年に一度くらいの割合で「おおっ」と思うようなものがリリースされてくれるので,ありがたいです。

 今回は,ワールド工芸のEF50です。

 リニューアル品ということで,駆動系も一新されており,実に楽しみなキットです。EF50はワールド工芸にとっても,割と早くからキット化されており,出る度に完成度が上がっているので,余程思い入れがあるのでしょう。

 しかし,EF50なんて,大正から昭和の初期に活躍した最古参の電気機関車です。今実物を見ることも不可能なわけで,そんなものをリアルタイムで追いかけていたファンがそれほどいるようには思えません。

 私だって,当然実物を見たことは一度もありません。

 しかし,格好いいんですね。全長22mの大型ボディ,大きな動輪に,大きなデッキ,特徴のある鎧戸に魚腹型の台枠,そしてなにげに流麗なデザインで,いかにも英国生まれという機関車です。

 兄弟機のED17は,私にとってNゲージ復活第一号の機関車になっただけに,その兄貴分であるEF50は是非手に入れたかったところです。

 ところが完成モデルはどこも作っておらず,唯一のキットも発売から結構な時間が経過しており,入手不可能で悔しい思いをしました。埋め合わせにEF53のキットを買ったのが私にとっての最初の真鍮キットであったことも,ちょっと懐かしい記憶です。

 EF50という機関車は,輸入当時は8000型と呼ばれていた,日本で最初のF級電気機関車です。高速旅客用の大型機で,2C-C2という軸配置はこの機関車が手本となり,旧型電気機関車と分類されるEF58までずっと使われ続けることになります。

 日英同盟とか,外交関係が大きな理由となって輸入された機関車だったわけですが,イギリスとしては電気機関車が得意で売り込んだわけではなく,当のメーカーも大型の電気機関車を作った経験はなかったそうです。(余談ですが当時の電気機関車先進国は言うまでもなくアメリカでした)

 そのせいもあって部品の信頼性も低く,蒸気機関車を連結して走る必要があったり,高速度遮断機がなくて乗務員から敬遠されたりと,後に実力を付けた日本のメーカーの部品で改良が一通り行われるまで,今ひとつ主力になりきれなかったようです。

 しかし,安定してからの人気は高く,昭和5年頃の「富士」の先頭を飾ったりと,東海道の主として君臨したという輝かしい歴史もあります。

 なんでも,この機関車は,製造したメーカーのカタログの表紙を飾るなど,それなりに気合いの入った1台だったようですし,イギリスの鉄道博物館には美しい模様を描いたイギリス風の塗装が施された同型機が展示されているらしいです。イギリスの当時の車両は塗装も美しく,焦げ茶色のEF50とはまた違ったあでやかさがあるそうです。

 さて,年末に手に入ったEF50,まとまった時間が取れるまで放置していたのですが,ようやく先々週に取りかかることが出来ました。久々だったこともあり,サクサク作れたわけではないのですが,それでも大きな失敗もせずになんとなく形になっていくのは,実に楽しい作業です。

ファイル 177-2.jpg

 作ってみて,随分複雑になってきたなあという印象です。走行系の完成度も高く,プロポーションもよいのですが,部品点数も増えていますし,折り曲げも複雑で,ハンダ付け後にもう一度やり直すことも何度かありました。とはいえ,さすがに真鍮のキットだけに,やり直しが利くというのがうれしいところです。

 しかし,塗装は今ひとつの出来です。今回は,ぶどう色1号がマッハの塗料で,黒もマッハにしてみることにしたのですが,ちょっと厚ぼったい感じになってしまいました。

 それに,ホコリも付着していますし,シールプライマーを塗ったところに付いた傷のようなものもそのままになっています。昔の私ならシンナープールに直行だったと思うのですが,なんかそういう緻密さは年齢と共に失われていく物だと寂しくなりました。

 そんなわけで,完成したEF50ですが,うーん,出来は今ひとつ。でもやっぱり格好いいです。これが牽引して様になる客車を私は持っていないので残念ですが,ディスプレイするとその流麗さにうれしくなります。

 最初に作ったEF53と並べてみることにしたのですが,EF53がまた適当に作ってあり,ボディが車体から浮いてしまっているので,きちんと作り直すことにしました。

 走行系を分解してきちんとビス留めが出来るように仕上げると,これもなかなか格好がいい。さすが戦前のお召し指定機EF53です。この時は塗装するにも忍耐があって,結構綺麗に仕上がっているんですね。

 戦前の花形機関車がこうして列んでいるというのは,当時ならあったのかも知れません。しかし,茶色ではなく本当にぶどう色だった当時の電気機関車を見ることは写真でも難しく,模型ならではという感じがします。

 さて,次は東急池上線の1000系ですね・・・塗装済みキットなので簡単にできると思うのですが・・・

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