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新しい電子レンジはグレードダウン

  • 2018/01/30 13:55
  • カテゴリー:散財

 インフルエンザが猛威をふるっています。

 不詳私も,この流行に乗り遅れまいと,一発大きなインフルエンザに罹患しました。先日東京に雪が積もった翌日の朝,出社してから突然鼻水が出てきたかと思ったら,その日の夕方には37.5℃の熱が出ていました。

 こんなことはよくあることだと油断をしていたところ,翌朝には39.5℃になり,まっすぐ歩けない状態になりました。ここまで高熱がでるなら間違いなくインフルエンザだろうとお医者さんにかかると,やっぱりそう。この時39.7℃まで上がっていました。

 イナビルなる馴染みのない薬を出され,朦朧とした意識の中でなんとか吸い込み,解熱剤で熱を下げつつ,寝ているのか起きているのかよくわからん夢うつつの数日間を過ごし,熱がようやく下がったのが3日目でした。

 同時に腰を痛めたりお腹を壊したり強烈な頭痛に苦しめられたりと,どれか1つでもヒーヒーいっている不調が一気にやってきてしまい,心も体もボロボロだった私に,自分も1日早くインフルエンザに罹患していた嫁さんが言うのです。

「そういえば電子レンジが動かないのよ」

 もうね,そんなことどうでもええという感じです。

 しかし,寝ているしかない私と違い,元気な子供はもちろん,嫁さんの生活も電子レンジがないと前に進みません。とりあえず電子レンジがない状態でもこなせるメニューを工夫してもらうことにしました。

 いや,この電子レンジは少し前からおかしかったのです。

 パナソニックのNE-S262というオーブンレンジなのですが。1年くらい前から時々エラーが出るようになり,暖まり方にもムラが出るようになりました。

 極めつけが今年の正月の出来事で,パンが焼けなくなりました。何度か試すと焼けるようになったのですが,心配になって中を見てみると,なんと上部のヒーターの端子がスパークでボロボロに砕けており,ブラブラしておりました。

 スパークはかなり大きかったようで,天板に張り付けたスポンジも黒焦げでした。状況からの推測ですが,どうも庫内の蒸気が入り込み,これが結露を作り,端子部を腐食させたのではないかと思います。

 さらに朽ちて外れた端子が周辺の金属部にも触れてショートしたり水を含んだスポンジを焦がしたりと,大事故にならなかったのが不思議なくらいでした。

 この時は腐食した端子を磨き,朽ちたコネクタを交換して修理をしたのですが,こういう危険な設計をするメーカーの製品は今後は避けようと思った次第です。

 今回の故障は電子レンジで,トーストは問題なく焼けますが,暖まりません。スタートを押しても庫内の照明は点灯せず,ブーンといううなり音も低いままです。取り消しを押しても取り消す事が出来ず,仕方がないのでコンセントを抜くことになります。

 これまでなんどか調子が悪かったこともあり,もう限界だろうと新しいものを買うことにしました。

 意識レベルが低下している中での緊急購入ですので,あまり比較検討は出来ません。決めた事は,26リットルの容量,ターンテーブルのない自動化された電子レンジであること,パナソニックを除くこと,トーストが早く焼けること,スチームによる調理はどうでもいいこと,です。

 NE-S262はビストロではありませんが,過熱水蒸気が利用出来る,中級機でした。ヘルシオが流行っていたころでもあり,私もちょっと期待したのですが,自動メニューでないと使い道がなく,水タンクの掃除に手間がかかり,水タンクと配管の衛生状態にも不安があって,しかもスチームが出るまでに時間がかかるという問題があり,全くメリットを感じませんでした。
 
 自動メニューもそんなに美味しいものではないですし,肉も魚も火が通らず,予定通りの時間に食事を始める事すら出来ない有様で,我が家ではすっかり信用をなくしていました。

 一方で,4分ほどで焼き上がるトーストはこの手のオーブンレンジとしては破格の速さでしたし,2本の上面ヒーターのおかげで,手作りピザは美味しく焼けて,うちの定番メニューの1つになっています。オーブンは別にして,グリルについては継承したい機能です。

 とまあ,こういう観点で調べて見ると,東芝のER-RD7という機種が良さそうです。基本スペックはこれまでの機種とほぼ同じですが,同じ26リットルなのに全体に小さくなっており,その上背面を壁にくっつけることも許されています。これはいい。

 過熱水蒸気がないので水タンクもありませんが,トレイの周りに水を溜めて乾燥防止に湯気を使うことは出来るようです。これをスチームなどと言っていますが,まあこれははったりですね。

 でも,準備も片付けも面倒だった水タンクなしで湯気を使えると言うも手軽でいい2かもしれません。

 値段は約3万円。以前機種が4万円弱でした(特価で24000円くらいで出ていた事もあるそうですけど・・・)からグレードダウンになりますが,使わない機能が綺麗に取れてこの値段になっていますから,むしろ好都合でしょう。

 グレードダウンはトーストが6分弱ほどかかるようになったことが1つ,もう1つは上面ヒーターが1本になってしまったことでしょうか。

 前者は,毎日パンを焼く嫁さんを見ていると,焼き上がりでピーピー鳴らされているのに数分放置しているのが常態化していて,早く焼き上がることが生かされていないどころか,むしろデメリットになってさえいます。

 後者は一応レシピブックには「出来る」とありますので,それを信じて購入です。

 ということで,中の下ランクの電子レンジ,ER-RD7のレビューです。


・大きさとデザインの印象

 大きさは確かに一回り小さく,窮屈だったうちの電子レンジスペースに余裕が生まれました。背面をくっつけることが出来るので,手前の張り出しもなくなり,すっきりまとまりました。

 ただ,同じ26リットルとはいっても,縦横斜めの寸法は随分違っていて,特に奥行きが小さいような印象です。以前の機種はトーストを4枚まで焼くことが出来ましたが,ER-RD7では2枚までしか焼けません。

 また,30cmのピザは入らないようです。少し小さめに作る必要があると思います。

 デザインは,高さが低いので今どきな印象を与えますが,白はいかにもな家電の白で,塗装はつやつやでちょっとがっかりですし,エッジも80年代風に立っているので,なんだか電子レンジだけ昔の製品を買ったような気分になりました。


・操作系

 下位機種ですので文句は言えませんが,ロータリーエンコーダを使わず,ボタンをたくさん並べて押す場所と押す回数で機能を決めていく煩わしいものです。

 とはいえ,以前の機種のジョグダイヤルも決して便利とは言えず,時間の設定は便利だったのですが,様々な選択をダイヤルでやらねばならないので,調理方法を一発で設定出来るボタン式があながちダメだとも言い切れません。

 私のように,使う機能がすでに絞り込まれている人は,それらが独立したボタンであればかえって便利なわけで,実際「お酒」ボタンがついたのはとてもありがたいです。


・性能

 赤外線センサが搭載されているので,ある程度あてになる自動加熱が可能なのですが,センサの性能そのものは以前の機種の方が上だったようです。しかし,実査に使ってみると全く問題なしで,ご飯もお酒もきちんとあたたまります。


・音

 静かです。以前の機種は温め中から強烈なファンの音がしていましたが,ER-RD7は加熱中は静かで,加熱が終わったらファンが強く回るようになります。


。から焼き

 塗装や油などが焦げて臭いがするので,初回は利用の前にから焼きをするのがこの手の家電の常識なのですが,よく考えると以前の機種ではやった記憶がありません。取説を見ると以前の機種は必要なかったそうです。

 ER-RD7では必要です。から焼き中は結構な臭いがします。


・お手入れ

 ターンテーブルもありませんし,庫内の拭き掃除は以前と同じくらいで大変ではありません。パンくずも水滴も手前のトレイに入り込み,そのトレイは簡単に外せますので,これも問題なし。なんでも,一世代前の機種はトレイがなく,ゴミは奥の方から掻き出さねばならなかったそうです。


・残念なこと

 あたため機能は,ボタンを押すごとに600W,500Wと出力が変わっていくのですが,温度を設定して暖めるとか,1000Wの最大パワーで暖めるという機能は最後の方に収まっているので,ボタンを何度も押さないと到達出来ません。

 特にせっかくの温度センサを使う設定温度であたため,という機能がこんな使いにくい場所にあるのは,積極的に使わないように仕向ける力が働いていて,この機能にあまり自信がないんだろうなあと思いました。

 あと,マニュアルです。

 コスト削減でレシピがモノクロなのは仕方がないとしても,PDF版もモノクロというのはいけません。


・まとめ

 値段相応です。基本機能はちゃんと作られているし,使い勝手も悪くなく,このクラスの電子レンジが売れ筋であるというのも頷ける話です。

 45000円を超えると,容量も30リットルになり,オーブンの温度も300℃が使えるようになってきます。こうなるともう別物なのでやっぱり予算次第かなあと思いますが,果たしてそんな機能をどれくらい使うのかを考えてみると,電子レンジという調理家電にお菓子作り機能を求めるのは筋違いなんじゃないかと思っています。

 その点で言えば,3万円以内で基本機能+基本機能が便利になる機能,を取捨選択して搭載したこのクラスの電子レンジは,なかなか良い買い物であったと思います。

 さて,何年持ちますか・・・そろそろ洗濯機もやばそうですし,なにかと大変です。

 

中華製SU-800にご用心

 D850には,内蔵フラッシュがありません。もともとフラッシュ内臓に否定的だった私の考えが変わったのは,フラッシュを内蔵したD800を使っている中でのことです。

 内蔵フラッシュはガイドナンバーも小さく,レンズに極めて近い位置に固定されていて照射の自由度もなく,結局使い道がない割に,ペンタカバーが弱くなり,可動部も壊れやすい,必要な部品が大きくカメラ本体が大型になったりデザイン的に妥協が必要だったりと,メリットは皆無であるというのが,反対だった頃の私に考えでした。

 D800で考えが変わったのは,内蔵フラッシュをリモートフラッシュのコマンダーに使うという使い道があることでした。

 ニコンのスピードライトは精度も使い勝手も良く,スピードライトを使った撮影で失敗しない事が売りになっています。このことだけでニコンを選ぶ理由に挙げる人もいるくらいです。

 CLSと呼ばれるこのシステムは,スピードライトを複数並べる多灯撮影でも,難しい露出や発光量の調整は自動で行われますし,それぞれのスピードライトはワイヤレスで制御されますので,ポンと好きなところに置くだけでです。

 CLSでは最大3台のスピードライトを配置でき,それぞれの発行量も調整出来るようになっています。これによって,眼に光を入れる,あごの下の影を消す,髪をキラキラ輝かせるなどの高度なテクニックが簡単にできるようになります。

 しかしこのCLS,当然ですがCLSに対応したスピードライトを複数持っていないといけません。それなりに高級機でないと対応しませんし,発光量がある程度大きくないと配置の自由度が生かせません。そうすると当然高価になるわけで,部品の劣化から消耗品と言う人もいるくらいのスピードライトに1つ5万円以上の投資が必要になるのです。

 これが敷居の高さになると私は思うのですが,CLSは何も多灯撮影が重要なのではなく,好きなところにスピードライトを置くことができる,つまりカメラとスピードライトがバラバラに配置できることにもメリットがあります。横から当てたい,背後から発光させたい,といった要求は,スピードライトがカメラから外れてこそ実現出来ます。

 もちろん多灯撮影が真骨頂ではありますが,内蔵フラッシュが使い物にならないのでSB-700を買ってみたところ,内蔵フラッシュがコマンダーになることから,いきなりワイヤレスでリモートフラッシュも可能になってしまう,というとてもうれしいことが起きるので,CLSの入り口としてとても良い機会になるのです。

 そう,内蔵フラッシュは,ワイアレスストロボのコマンダーなのです。

 D850では内蔵フラッシュがなくなりましたので,コマンダーになることも出来なくなりました。これはとても残念な事で,D800からの移行で唯一私が継承できなかった撮影方法でした。

 かつてのSB-400くらいの,それこそ内蔵されていたものがそのまま外に出たくらいの小型スピードライトにコマンダー機能とIRフィルタを搭載したものが18000円くらいで出れば私はそれをD850と同時に購入したことでしょう。

 ところがある時,最近激安の中国製が幅を利かせているフラッシュをamazonで見ていると,SU-800というニコンの「コマンダー」の互換品さえも出ていることがわかりました。純正が3万円なのに互換品は9000円。激安とはいえないまでも,手が出せる値段であることは間違いありません。

 これを買い足せばD800相当になる,と意気込んでこのSU-800互換品を先週買いました。その顛末です。


 届いたSU-800はいかにも中国製という作りの悪さで,まずがっかりします。電池のフタは成型不良で微妙に変形していますし,電源スイッチもガタガタと動き,クリック感も乏しいものです。

 カメラから外れないようにするロック機構も動きが悪くてうんざりですし,これはすでに地雷の予感がします。

 極めつけが「装着できない」のです。ホットシューに差し込むのですが,ピンの先端が太く,しかも飛び出し量が大きいので,これがぶつかりホットシューに入っていきません。

 押し込もうとするとピンがホットシューにぶつかり,大きな傷を付けてしまいます。私のD850も傷物になってしまいました・・・

 それでも先の細いもので押し込んでホットシューに差し込んで機能確認をします。一応SB-700をスレーブとして発光させることは出来ているようです。AF補助光は全く光りませんが,それでも露出は失敗していない様子です。

 あ,そうそう,このSU-800互換品にはAF補助光が搭載されています。補助光とはいえ,なんと赤色のレーザーで縦横のパターンを投影するもので,なかなか面白いのでは,一方で被写体が顔だったりすると眼に入って危ないなと思います。

 どっちにしても,ピンが短くないと差し込めませんので,改造することにします。やることは簡単で,ピンに1mm程の長さのスリーブかなにかをはめ込んでかさ上げし,飛び出し量を制限するのです。

 早速分解してみます。電池ケースにある4つのビスを外して,電池バネを押し込みながら上ケースを引っ張るとパカッと外れます。大きなコンデンサが載った基板を固定するビスを2つ外すと,基板が外せるようになるので,裏側にあるコネクタを3つ外してやります。

 するとピンを固定した基板が奥の方に出てきますので,4つのビスを外してやればピンが取り外せます。私の場合,ここにピンとほぼ同じ内径のバネを差し込んで,かさ上げをしました。

 元のように組み立てて作業完了。

 さて,これをF100やD2Hに取り付けますが,発光しないばかりか本体がスピードライトを認識していません。ちょっとピンを引っ込めすぎたようです。

 ということで再度分解して,バネを短く切ることになるのですが問題は膨大なエネルギーがチャージされてコンデンサをどうするか,です。触ると確実に感電しますし,下手をするとやけどや怪我をするかも知れません。なにより怖いです。

 コンデンサの電圧を測定すると,余裕で500Vを越えています。これはあかんやろ。

 こういう時は,抵抗を使って放電させるのです。

 ぱっと目に付いた抵抗を拾い上げてコンデンサに涼しい顔でくっつけたところ,腹に響くような低音と,バスケットボールくらいの赤い閃光が私の目の前に飛び出しました。思わず「おおーっ」と叫んでしまったほどです。

 なにやら焦げ臭いし,まあよくも爆発事故にならなかったもんだと思いましたが,その抵抗を見ると黒く焦げています。カラーコードをみると・・・え,330Ω?

 このエネルギーの放電には,330Ωは小さすぎです。大きな電流が流れ,1/8W程度の小型抵抗が燃えてしまったのでしょう。あるいは放電したのかも知れません。

 あれほどの閃光でしたから壊れてしまったかも知れません。とりあえずバネの長さを短く調整し,組み立て直します。この時コンデンサの電圧は20V程度に下がっていました・・・

 D2HでもF100でも認識はするようになりましたが,実際の発光はしてくれません。D850でも同様です。まだピンが短いのでしょう。

 また分解して調整です。いい加減面倒ですが,なによりコンデンサが怖いです。もう抵抗で放電させるのも怖いし,とにかく触らないように作業することにします。

 何度か試みて発光するようになりました。SB-700を用意し,スレーブで動くかどうかをテストします。テスト発光では問題ないことは確認済みです。

 D850で撮影・・・しかし画像は真っ暗です。何度か試すと光っていない時もあります。これはおかしい。

 ピンの長さを元に戻して試してみますが,やはり状況は変わらずです。改造前には動いていたのですから,これは私が壊してしまったということでしょう。

 まあ,あれだけのスパークでしたから,壊れているかもしれないなと思ったので,案の定ということでしょうか。これを修理するのは大変ですし怖いので,もったいないですが廃棄することにします。あーもったいない。

 さて,コマンダーが準備出来ることをあてこんで,実はもう1つスピードライトを新たに買い増してありました。ニッシンのDi600です。

 選んだ理由はニッシンのストロボを使ってみたかったという事と,ヨドバシで最も安いCLS対応フラッシュだったということ,小型でありながらSB-700を越える発光量を持っていたことが,Di600を買った理由です。

 どうもニッシンは販売店を限定しており,現行送品のほとんどは直販です。しかもあまり安くなく,どうも純正でカバー出来ない部分で展開するという作戦を考えているようです。Di600はヨドバシでも買える数少ない商品の1つですが,それでも19000円に10%ポイントというなかなかのお値段です。

 しかもDi600は,D850には対応していません。D5もD500もそうです。なんだかニッシンという会社ののんびり具合が目に浮かびます。

 Di600はCLSのスレーブにも対応していますが,グループAのチャネル1に固定されます。そのせいもあってかLCDもなく,シンプルな操作はむしろ好ましいです。ただし,CLSのマスター機能はありません。

 で,このDi600とSB-700の2つをSU-800互換品でコントロールしようと思ったのですが,あてが外れてしまいました。SU-800の純正品を買いなおすかどうか・・・

 冷静に考えて見ると,SB-700をマスターにし,Di600をスレーブにすれば多灯撮影ができます。SB-700は本体から外せませんが,概ね正面から当てるので,これでも大丈夫です。

 試してみると,あっさり多灯撮影できました。SB-700とDi600って,微妙に光の色が違うんですね。これは盲点だったかも。

 それにしても,SU-800なんて,そもそもいらなかったんじゃないのか・・・


 ということで,結局絵に描いたような「安物買いの銭失い」をまたやらかしてしまったのですが,どうもamazonで買ったものにはハズレが多い印象です。amazonにはなんでもありますが,amazonの手が入っていないので,いいものも悪いものもそのまま出てきます。まあジャンク屋さんみたいなもんでしょう。

 個人的にはそういう「知っていれば得をする」ジャンク屋の世界は面白いし楽しいし好きではあるのですが,ジャンクも純正品も一緒に並んでいるのですから,それがジャンクである事を明記しておいてもらう必要はあると思います。

 それがお店の仕事なわけですが,amazonはそういう情報が少ないので,どうもひっかかるように思います。難しいですね。極端に安いものには注意するということにしないと,いけないように思います。

 ということで,SB-700とDi600の色温度の違いは今度のテーマとして,多灯撮影をもう少し真面目にやってみようと思います。

 カメラは自動化が進み,誰でもほとんど失敗のない写真が撮れるようになりました。しかしライティングはさすがに自動化できず,またそれを目指すという話も聞きません。

 写真というのは光と影を写し取るものですので,カメラやレンズの話だけでは全然足りず,究極的には光を読む事が必要だと思います。まだまだ勉強が必要ですね。

 

2017年の散財を振り返る

  • 2018/01/12 13:23
  • カテゴリー:散財

 2017年も,ひどく散財をしました。価値ある散財あれば,もう忘れてしまいたい散財もあり,もういい加減にしないとなあと反省することしきりです。

 というわけで,毎年恒例ですが,2017年の散財を振り返ります。


・D850

 まず,なんといってもこれです。発表と同時に予約,発売と同時に購入しました。まだ蒸し暑い時期だったことを思い出しますが,同時に下取りに出すレンズや機材の整理をした記憶も甦ります。

 購入はスムーズでしたが,なにせ40万円もするものですから,資金作りが大変です。お金になると思ったものが難癖を付けられたり,壊れていると指摘されたものが本当に壊れていたりと,まあ散々だったわけですが,マップカメラさんがいい値段を本当に付けてくれたことと,FA77mmF1.8を売ったことが,特に思い出されます。

 専用のバッテリグリップであるMB-D18も純正品を購入しその値段の高さに舌を巻きましたし,9コマ/秒にするための電池も買って,大変な出費でした。

 充電器だけはとD2H用のものを改造して使っていましたが,先日中国製の互換品をようやく入手,満充電にならないのでどうしたものかと思っています。

 D800の時には意図通りの絵が出てくるまでに時間がかかりましたが,D850は本当に使いやすいカメラです。いつでも思い通りの絵が出てきます。

 1つ1つのスペックでは1位になれないカメラですが,ほとんどのスペックが2位か3位という強烈なカメラです。あらゆるシーンにきちんと対応出来る,まさに一眼レフの集大成たるカメラと言えると思います。

 まだ品薄が続いていると聞きますが,初期不良などのトラブルの話も全く出てこず,ファームウェアのバージョンアップさえも行われていない完成度の高さには,とても安心感があります。

 40万円は非常に高価なカメラです。しかし,40万円でこれが手に入ることは,少なくとも今は奇跡だと言えるでしょう。欲しい人は迷わず買うべき,そういうカメラです。


・広角ズームとマイクロニッコール

 広角ズームとして,トキナーのAT-X 16-28 F2.8 PROを買いました。F2.8の広角ズームの純正はさすがに買えず,キャッシュバックとユーザーの評価に心を動かされてこれを買いました。

 最初は不良で交換,その後メーカーでピントの調整をしてもらって,今は万全です。

 どうにかするさ,と思っていた逆光の弱さは想像を超えるものがあり,どうにもならない状況が多すぎて少々手を焼きますが,色も画質もさすがにF2.8のズームで,私は満足しています。

 惜しいのは,購入後急激に値段が下がったことでしょうか。私がヨドバシで購入したのが約79000円,しかし1ヶ月後には78000円まで下がりましたし,他の店では66000円を出すところも出てきました。あのフジヤカメラでさえも初売りでそのくらいの値段を出していました。キャッシュバックを考えると56000円ですからね,激安です。

 マイクロニッコールAF-S Micro Nikkor60mm/F2.8Gも2017年に購入したレンズでした。安いのに切れ味抜群で,D800の最廉価おすすめレンズです。これで一応私のレンズラインナップは完成ということでしたが,あまり出番はありません。

 なんというか,色がちょっと違うなあと思う事が多いです。それでついつい手が伸びないのです。

 しかし,D850のオプションでES-2というフォルダーがこのレンズに対応するので,フィルムのスキャンに役立ってくれそうです。CoolScanVを大事に使ってきましたが,D850で撮影した方がおそらく高画質でしょう。

 とまあ期待していたら,ES-2が発売延期。理由は漏れ伝わってくるところでは,新しく出る予定のマイクロニッコールへの対応のためということらしく,どうもAF-S Micro Nikkor60mm/F2.8Gの後継という話です・・・手ぶれ補正,電磁絞り・・・


・Kindle Oasis

 毎日使う電子書籍端末を買い換えました。Kindle Voyageもいいモデルでしたが,Kindle Oasisの快適さに慣れてしまうと,もう戻れません。

 画面の大きさと防水,そして価格で注目されたKindle Oasisですが,機敏な動作も機能もフラッグシップモデルに相応しく,細かいところまで配慮がなされているところに,心地よさがあります。

 このサイズになると,すでに文庫は実物よりも大きく表示されますし,新書でもほぼ実物通り,文芸書でも印刷エリアを切り出してしまえばほぼ原寸で読む事ができます。

 画面サイズを他の機種と比較しても「大きくなってる」くらいの違いしか見えてきませんが,実物と同じ大きさで読めるのかどうか,という点で改めて画面サイズを考えて見ると,Kindle oasisに不連続な変化があり,それが大きなメリットになっていることに気が付きます。

 ただ,持ちにくいのは確かで,未だにどうもしっくり来ません。画面が大きいのはよいとしても,縦がもう少し長い画面だと持つのも楽だったように思います。


・Nintendo Switch

 スプラトゥーンをやりたいと思った時にはWiiUは買えなくなっており,Switchが出てから買うかと思っていたら今度はSwitchがなかなか買えないという,まさにスプラトゥーン難民だったのですが,昨年秋には少し状況が改善し,amazonで買うことが出来ました。

 聞けばSwitchが売れに売れ,任天堂はうれしい悲鳴を上げているそうですが,本当に欲しいと思っている人の「買えない」という話が,別に欲しくない人をも煽るような状況になっていることを否定できないと思います。

 改めて考えて見ると,私もそうでした。スプラトゥーン2は面白いゲームですし,やり始めるとなかなかやめられませんが,対戦を基本としている以上,一人で遊ぶことはあまり念頭に置かれていません。

 かといってネットワーク対戦を今からやり始めても上級者が集うコミュニティで浮いてしまうのは目に見えていて,始めるにはそれなりの覚悟が必要になるでしょう。時間もお金も気持ちも,です。

 今の私にそこまでのリソースを投入出来るゆとりはなく,結局スプラトゥーン2はほとんど遊ばずに終わっています。

 他のゲームもそうですが,やり始めれば面白いものの,何をさておいてもゲームと言うほどの優先度ではなく,娘もゲームをするのが嫌いらしいですから,我が家ではゲーム機に電源が入ることは非常に希になってしまいました。

 実は,ニンテンドークラシックミニのスーパーファミコンも手に入れているのですが,届いた数日の間に少し遊んで以来,箱にしまってあります。リビングのテレビを占有するほど,家族でワイワイ遊べるわけではありませんし,私一人で遊ぶいった贅沢な時間もやっぱりありません。

 この傾向はスマートホンや携帯ゲーム機でも同じで,およそ我が家ではゲームマシンの地位が低いです。個人的にはいいことだなあと思う年寄りになってしまったのですが,ゲームは一人でも出来るが,家族と過ごすには家族がいないといけないわけで,家族で過ごせる時間が得られるときには,わざわざゲームをすることはないなと,思った買い物でした。


 TS-231P

 TS-231P2という新機種が出るために,旧機種であるTS-231Pが安売りされているのを見つけ,買い換えたQNAPのNASです。NAS本体よりも内蔵するHDDの方が高く付くのが現実ですが,おかげさまでうちは6TBのWD REDを2つ入れて,RAID1を組んで運用しています。

 これまで使っていたTS-119P2はシングルベイでしたがいいNASで,OSのアップデートが終了する宣言されていたことと,やっぱりシングルベイではHDDの交換がとても大変という問題ゆえ,いい機会だからと買い換えた経緯は,以前書いた通りです。

 あれからしばらく使っていますが,トラブルは全くなし。あらゆる速度が向上して,実に快適です。ファイルのコピーも100MByte/sec出るので,あっという間にNASへの読み書きが終了します。これだけ速いと,NASがとても身近な存在になってくれます。

 で,古いTS-119P2ですが,捨てるに惜しいので友人に声をかけたところ,もらってくれることになったので,タダで差し上げました。友人はSEをやっている人なのですが,NASを単なるネットワークドライブと思っていたところ,実はなんでも出来てしまうことに驚いてしまったそうです。


・XC-HM86

 音がしっくりこないし,ネットワークプレイヤーとしても安定性に欠くDENONのDRA-N5を,せっかくだからとCDもかかるものに買い換えたいと思っていたところ,とても安く売っていたXC-HM86を見つけて購入,これがまあ大変良かったというお話をここにも書きました。

 音も良く,欲しい機能がすべて入っており,ネットワークプレイヤーとしても安定して動作することに気をよくしていましたが,CDのトレイが出てこないという故障のため修理に出したところ,傷だらけにされて戻ってきてしまいました。

 さすがにこれは気持ち悪いとクレームを入れたところ,新しいものに交換してもらうことが出来ました。相変わらず気に入って使っています。

 ただ,そもそも音楽を聴く機会が急激に減っており,あまり出番がないのもまた事実です。


・Q350

 音響機器に関して一番良かった買い物は,このKEFのQ350だと思います。それまで使っていたCM1も素晴らしいスピーカーでしたが,いかんせんモニターという事もあり,特に定位感が十分に得られるエリアが狭いことが気になっていました。

 音楽を聴くときの姿勢として「正座して集中し,見えないはずのプレイヤーを心の眼で見る」という心がけを徹底すればこれほどいいスピーカーもないのですが,さすがにそれでは疲れてしまいますし,ちょっと気をぬくと楽器もプレイヤーもどこかに行ってしまうので,もう少し寛容なスピーカーが欲しかったのです。

 そこで出会ったのがKEFでした。KEFは定位感の得られるエリアが広く,部屋のどこに座ってもそれなりの定位を得られることを目指しているんですが,このQ350はモニターと違った聴き疲れしない音作りが成されている優しいスピーカーでもあり,今の我々にはぴったりかなと思ったのでした。

 発売直後に入手,それ以後,もうこれ無しでは話が前に進まないというくらい,気に入っています。音楽を聴く事は減ったのですが,それでも時々に音を出すとその音質につい聴き入ってしまいます。

 年始にウィーンフィルのニューイヤーコンサートが放送されていましたが,これをこのスピーカーで聴いていました。放送終了がこれほど残念に感じるものとは想像していませんでした。


・ヘルシオホットクック

 一部で絶賛された調理家電です。すでにモデルチェンジがあり随分改良されていますし,大型化したモデルも併売されているので随分古いモデルになっていますが,それでもなかなかの出番があります。

 まず,小松菜やほうれん草のお浸しです。洗って突っ込んでスイッチを入れれば10分後に出来上がっているのですから,全く手間がかかりません。これで一品用意出来るというのはとてもありがたく,その上茹でムラや茹ですぎがなく,安定した味になるので大助かりです。

 とはいえ,昨今の野菜の値上がりもあって,毎日使えないのが残念ですが。

 ホワイトソースのシチューも定番化しています。シチューの素などを買う必要もなく,鶏もも肉と根菜類があれば,手持ちの材料でさっさとシチューが完成します。しかも美味しいとくれば,もうローテションの一角を担うメニューです。

 八宝菜も楽です。ちょっと塩辛いですが,味を調整すれば立派な主菜の完成です。

 意外なところではケーキがあります。林檎のケーキは簡単ですがとても美味しく,少なくともスーパーに売っているような市販品を買う必要はなくなりました。

 それとこのクリスマスに試みたのですが,スポンジケーキを作ったのです。これをつかってデコレーションをし,クリスマスケーキを自作したわけです。

 残念ながらスポンジが硬く,今ひとつ美味しく出来なかったのですが,これはヘルシオのせいではなく,材料の混ぜ具合で調整する部分なので,完全に私の経験不足です。ただ,レシピに書かれていた生クリームの作り方がなかなかよろしくて,家族みんなで美味しく頂きました。

 一方で評価の高い無水カレーはほとんど作っていません。美味しいのですがトマトがたくさんいるので,どうしてもコストがかかりすぎてしまうのです。

 例えばカレーやシチューは圧力鍋でも出来ます。しかしヘルシオで作ればまた違った味になり,もはや違う料理であるといっていいくらいの差があります。同じ材料でこれだけ差になるなら,気分で変えてみてもいいわけで,こういうのを幅の広がりというのかなあと思っています。

 思うに,調理家電は決められたレシピを自動的に作る事に長けているものの,汎用性が低いことが問題であり,しかしその「決められたレシピ」が十分に美味しく,また定番化できるような普通のメニューであるなら,それ専用機として導入することも不可能ではないと言えるでしょう。

 価格や場所の問題もありますが,それでもこのヘルシオは買って良かったと思います。


・モノクロレーザープリンタ

 モノクロレーザープリンタを導入し,うちの印刷環境は耐水性と文字くっきりのモノクロレーザーと,互換インクで安価なカラー印刷を行えるインクジェット,A3ノビまで出力出来る写真用プリンタと,3つのプリンタを揃えることでほぼすべてかなりの範囲をカバー出来るようになりました。(強いて言うなら複写伝票の印刷は出来ませんがそんなもんはいりません)

 モノクロレーザーはさすがに文字の印刷品質が素晴らしく,両面印刷も自動ですし,印刷速度も速いのでもっと活躍するかと思ったのですが,そもそも印刷してドキュメントを見ることも減ってきているので,あまり出番がありません。

 今年は年賀状の宛名の印刷に使いましたが,インクジェット紙を使うと熱で激しくカールしてしまうのですね。これは盲点でした。

 ところでこのモデルはWiFiが付いています。電源さえ確保出来れば設置場所を問わないですし,コンピュータと直結する必要もないので,ぱっとノートPCを持っていってその場で印刷とか,そうした手軽さがあります。

 隣に設置しているのが古いインクジェットで,これがUSB専用なのですが,いちいち繋がないといけないのは案外面倒です。写真用のPRO100は有線LANで繋がったままですし,電源を入れればどこからでも印刷出来る便利さを再認識しました。


 というわけで,2017年も散々お金を使いました。子供がまだ小さく,自動車も持っていないとはいえ,これはさずがにまずいです。まず,買ったのに使っていないとか,失敗したとか,そういう歩留まりの低さをなんとかしないとまずいです。

 一方でD850やヘルシオのように,買って良かったと思うもの多くあり,絶対的な金額の大小だけで物事を決めてしまうのもまずいなと思ったりしました。

 さみしい話ですが,収入が増えることはこの先考えられず,出費が指数関数的に増えていくだろうと思う今後は,こうした買い物の仕方を見直す必要があるでしょう。同時に,これまでの間散財を許されてきた自分の状況に感謝したいと,つくづく思った年始でした。

 

3Dプリンタ元年

 今年最初の艦長日誌は,私らしく散財のお話です。

 今年はヨドバシの福袋も外れてしまい,買い物しようと街まで出かけることもなく家にこもっていたのですが,世の中少しずつ計器とやらが上向きになっているらしく,初売り,お年玉,というキーワードを何度も目にしました。

 正月明けのある朝,いつもなら開かずに捨ててしまうとある通販ショップからのダイレクトメールを,その時は偶然開いて見ていたら,3Dプリンタが税込み,送料無料で24800円で出ていました。

 3Dプリンタ・・・言葉がやや一人歩きをしたかなと思われるmakersブームの片棒を担いだ,そう,アレです。

 原材料を供給してデータを送り込めば,実体を作る事が出来るという,まさにSFに出てきそうな夢のマシンなわけですが,「これで工場はいらなくなる」だとか「ものをやりとりするのではなくデータのやりとりをする時代が来た」という話に始まり,あげく「大量生産大量消費の資本主義はこれで終焉を迎えた」などと仰々しいことを言い出す人もいたりして,なにやらすごいものらしいと言う印象だけを心の隅っこに残して,人々の記憶から消えていったアレです。

 消えたというのは全くのウソで,業務用とでは必須のマシンとなっていますし,個人用途についても低価格化が加速,昨年には3万円で買えるようになりました。

 3万円を割ってくると個人でも無理なく買うことが出来るようになってくるわけで,あとはその価値を高め,知らしめることが必要になってきます。今はまさにその大事な時期です。

 かつて,コンピュータの周辺機器としてのプリンタは,本体,ディスプレイ,ディスクドライブに次ぐ,末席の周辺機器でした。大きく重く,うるさく高価な割には,紙に印刷する時にしか使わないので出番も少ないという特殊な周辺機器だったわけですが,プリンタメーカーの高画質化と低価格化という技術的な進歩に加え,初期は日本語が綺麗に印刷出来る力の獲得によって「日本語ワードプロセッサ」の出力機器として,後に高解像度なフルカラー印刷能力を手に入れて「写真の印刷」という,いずれもそれまでは専門の業者に頼むしかなかった仕事を,ご家庭で出来るようにするという「用途」の提案の結果,コンスーマ製品として家電量販店で大量に販売されるようになりました。

 要するに,安いだけではあきません,性能がいいだけでもあきません,それで出来る事にそこらへんのおっさんが「ええな」と思わないと,個人への普及は望めないということです。

 3Dプリンタについては,この「ええな」がなかなか見えてこないのです。

 オーケー,好きな形がプラスチックで作れることはわかったよ,じゃ,そのデータはどうすんのさ?

 ちょっと考えれば分かりそうな,この大きく高い壁を見上げて,私も何度も先に進めず,引き返していました。私が初めて3Dプリンタを見たのは,2009年に東工大で行われたMakeTokyoMeeting04でしたから,10年近くも引き返し続けていたのです。

 いや,自分でデータを作れなくてもいいんです,有償無償を問わず,データが手に入ればそれでいいのです。しかし,そうしたデータはあまり増える事なく,3Dプリンタを手に入れても,ホコリをかぶってしまう事は,明白でした。

 データを自分で作れるようになったらいいじゃないかという事もあるでしょうが,思うにメカ設計というのはセンスと慣れがものを言う世界だと思っていまして,私のように絵心もなく,空間の把握が苦手で,学生の頃には随分このあたりの科目で煮え湯を飲まされた記憶しかない人間には,とてもとても厳しいものだと思っていたのです。

 この歳で,今さら苦手意識の強い全く新しい分野に踏み込むほど,今の私は暇ではありません。お金を出せば手に入るこの時代,苦労してデータを作る勉強を一から始めるには,相応の勇気が必要です。

 しかし,翌日には,その24800円の3Dプリンタの巨大な箱が,私の家に運び込まれていました。

 やってしまいました。

 新年早々,ややこしいマシンを買ってしまいました。

 購入したのは,XYZ Printingのda Vinch miniMakerという最廉価のモデルで,普段でも3万円弱で買うことが出来るものです。カラフルな筐体に親しみやすさを感じつつ,そこはメカメカした3Dプリンタの姿そのものです。

 私は3Dプリンタのこともなにも知りませんし,分かりません。使った事もありません。データの作り方も分かりませんし,手に入れる方法もよく分かりません。とにかく買ってみた,と言う状態ですから,Windows95ブームの時にとりあえずパソコンを買ったおっさんと何も変わりません。

 それはともかく,定評あるXYZ Printingの3Dプリンタが手に入ったのです。全く何も分からない状態で高額なオモチャを手に入れた子供のように,久々にワクワクが止まりません。

 初日はセットアップと,どこかでダウンロードしたデータを試しに打ち出してみました。説明書を見てもよく分かりませんし,言葉も今ひとつピンと来ません。それでもえっちらおっちら3時間ほどかけて,セットアップとキリンのオモチャを打ち出してみました。

 6歳の娘は大喜びです。私も大喜びです。

 その夜,何か実用的なものを打ち出してみたいなといろいろ考えていたのですが,WEBを見ていると,SR43というボタン電池を,MR-9という製造されていない水銀電池を使うカメラに使う事の出来るような,アダプタを3Dプリンタで作っている例を見つけました。

 うちには,オリンパスPEN EEDというカメラがあり,これがMR-9です。よし,このアダプタを打ち出して見る事にしましょう。

 データはSTLというファイル形式でダウンロード出来ました。STLとは3Dデータのファイル形式としては最も広く目にするものらしく,多くのCADがこれを吐き出すことが出来,多くの3Dプリンタがこれを受け付けるんだそうです。

 daVinch miniMakerも当然対応しているので,さっさと印刷してみます。

 いろいろ試行錯誤があったのですが,数個の打ち出しが済みました。バリもあるし,あなが繋がっている部分もあるのですが,PLAという素材で作られたアダプタは意外に強度もあり,いい感じで使えそうです。

 これを見て思いました。H-Bという水銀電池のアダプタはどっかに落ちてないものかと。

 私にとって思い入れの強いAsahi PENTAXのSPにはこのH-Bが使われるのですが,H-Bが製造中止になるときにペンタックスが安価で販売していたアダプタを手に入れそびれてしまった私は,ポリパテで自作したアダプタでお茶を濁していました。

 しかし,経年変化で割れてしまい,今は使えずじまいです。

 3Dプリンタを手に入れた今こそ,データの頒布による実体の配布という近未来を実体験するチャンスです。

 ・・・で,データを探してみたのですが,案外見つからないものです。

 結局データを手に入れる事が出来ません。

 ないものはつくる。

 改めてMR-9アダプタを見ていると,非常に単純な図形の組み合わせで構成されていることがわかります。これなら自分で作れるんじゃないのかと,ちょっと思ったのです。

 とはいえ,私はCADから学ばねばなりません。CADはおろか,基本的なメカ設計の仕方がわかりません。

 3Dプリンタの全容を掴もうと参考程度に購入した,ブルーバックスの3Dプリンタの本を見ていると,数ページだけデータの作り方が書かれているのに気が付きました。Fusion360という高機能なCADを使い,円柱や直方体を組み合わせて図形を作って行きます。

 たった3つの図形を組み合わせるだけで,こんなに複雑な構造を作る事が出来るのか,と何の知識もない私は単純に感動したわけですが,これを見ていると,H-Bアダプタなんてのも非常に簡単にデータが作れるんじゃないかと思えてきます。

 早速Fusion360をインストール,クライドベースのCADに少々面食らいましたが,積み木なんかと同じように組み合わせを考えていじっていると,なかなか面白いじゃありませんか。

 習うより慣れろ。かの宮永好道先生もおっしゃっていた名言を思い出し,H-Bアダプタを見る事にします。

 まず仕様です。ドーナツのような方をしたアダプタで,外側はH-Bの外形と同じ,内側はSR41やLR41をはめ込むことが出来る穴を開けておきます。

 電圧の調整はSP専用と割り切れば全く必要がありません。外形寸法の辻褄さえ合わせれば大丈夫です。

 手描きで図面を書き,これを元にFusion360でデータを作って行きます。1号機は簡単で,H-Bの縁とLR41の縁を直線で繋いだだけの台形のアダプタです。この形状のアダプタは実際に市販されていますので問題はありません。

 円柱を置き,中心部を小さい円柱でくりぬきます。そして面取りをして完成,全く初めての私でも,30分ほどで作業終了です。

 これはこれでいいとして,もう少し手の込んだものをつくってみたくなりました。直径の違う円柱を2つ積み上げて,防止のような形を作ります。中央部にLR41がはまり込む穴をあけてから,角を丸めます。そうすると,さらにH-Bに近い外形になってきました。

 これを作るのにまた30分ほど。とりあえず両方打ち出してみます。小さいものですから,どちらも短時間で問題なく印刷出来ました。

 ちょっと窮屈ではありますが,LR41もSR41もはめ込むことが出来ましたし,ちょっとバリを削り取ってやれば,SPにきちんと収まります。露出計も完璧に動きます。

 20180109151902.jpg

 すばらしい。まさに新しい世界の夜明けです。

 この間,わずか2時間ばかり。数時間前にはデータを作る事など全く想像してなかった私が,もっといえば数日前には自分でプラスチック部品を作るなど考えつかなかった私が,今こうしてH-Bアダプタを手に入れています。

 自分で図面を描き,それがそのまま出てくる世界。

 頭の中にある形が,誰にでも見えるものとして出てくる世界。

 この感激には,既視感があります。

 それまでプロに頼むしかなかったものが自分で出来るようになった時の感動です。思い出せば,それまで印刷屋さんにお願いしないといけなかった明朝体の印刷が出来るようになったとき,それまで限られた人か作る事の出来なかったCDを自分でCD-Rに焼いてみたとき,それまで写真屋さんにお願いしないといけなかった写真のプリントが美しく印刷出来るようになったとき,雑誌の記事として目にしたプリント基板が,光基板でそのまま自分で作れた時,こうした感動があったことを思いだしました。

 そして,その感動を。久しく味わっていませんでした。というより,もうこういう感動をすることは,ないと思っていたのです。

 全く新しい事を始めた時の,それが知識だけではなく経験として地と肉となり,全く新しい世界が見えてくると言う経験は,いつ味わってもいいものです。

 こんな簡単なものではありますが,データを公開します。ご自由にお使い下さい。ただし,自己責任でお願いします。

20180109151935.zip


 さて,これに気をよくした私は,翌日別のテーマに取り組みました。

 ニコンの名機,F100のリチウム電池ホルダーの作成です。

 F100は単三4本で動作するのですが,単三4本は重いですし,寿命も短く,温度変化に弱いです。そこで内部抵抗の低いリチウム電池CR2を2つ使う電池ホルダーが純正で用意されていました。

 しかし私がF100を手に入れた時にはすでにディスコン。入手出来ない私は,当時入手可能だった単三4本のホルダーを改造して使っていたのです。

 しかし,あまりに不細工で,危険な香りがします。ホルダー全部を3Dプリンタで作るのは無理でしょうが,CR2をうまくはめ込むアダプタのようなものは,作れそうです。

 必要な部品は,CR2を単三電池と同じ長さにするダミー電池です。これを2つ。もう1つは単三電池と同じ長さのダミー電池です。これは本来2本必要なのですが,大きいものの打ち出しは時間もかかり失敗しやすいので,F100本体の接点があたるものだけに用意することとし,もう1本分はリード線を直接ハンダ付けします。

 ダミー電池はプラスとマイナスが導通する必要があるので,銅箔テープを両端に回して張り付けます。この時,銅箔テープと絶縁用のカプトンテープの厚みを考える必要があるので,この部分は平面で削り取っておきます。

 ささっと図面を描き,印刷をします。今回は高さもあるし,内部を充填したので時間がかかります。途中で倒れてしまい失敗した物が1本でましたが,後は無事出力が終わりました。

20180109152022.jpg

 写真は出力中の様子です。これ,見ているだけで飽きないんですよ。そして次の写真が出力終了後のものです。単三電池ですが,見事に平面で切られています。これ,削って作るのはちょっと大変ですよ。

20180109152052.jpg

 バリを取ったりテープを貼って加工して,ホルダー側も少し削りましたが,すべてきちんと収まりました。

 そしてF100に装着して動作の確認を済ませました。めでたしめでたし。

 数日前まで,その辺にあるものを加工したり工夫したりして使うことしか手がなかった私ですが,これからは必要なものを作り出すことが手段として加わりました。

 もちろん,素材や成型方法に起因する,熱や強度への耐性や精度の問題は無視できませんが,使えそうなものを探し,それを切って貼ってすることしか出来なかったこれまでとは,もう根本的に違います。

 そのために図面の用意が求められますが,幸い高機能なCADが実質無料で利用出来る世の中になり,後は自分の腕を磨くだけという恵まれた状況でこの世界に足を踏み入れたことはとても幸福なことだと思います。

 データの作成にはもちろん困難がありますし,印刷には印刷の難しさがあります。なかなかうまくいかず,今回のような簡単なものでも,試行錯誤が必要でした。しかし,それまで世の中に存在しなかったものが目の前に現れるというのは感動があり,その存在によって得られる成果も一段高いものがあります。

 とはいえ,3Dプリンタは大きな設置場所も必要ですし,安定動作の難しさ,メンテナンスの面倒臭さもあって,値段云々よりも,個人での利用がまだまだ難しいです。まずは3Dプリンタがコンビニ設置されるようにならないと,身近な存在にはならないでしょう。

 私も,これだけにどっぷりはまり込むつもりはありませんが,欲しい部品を手に入れる銃弾の1つとして,自分に必要なレベルでの鍛錬はしておきたいと思います。

 初めて目にして8年半。いたく感動した3Dプリンタを,とうとう手に入れました。そして3Dプリンタで自分で描いた図面の部品を打ち出し,実際にそれが役に立つことを経験出来ました。

 一年のスタートに,私も新しいスタートです。


 

AT-X 16-28 F2.8 PRO FX を買った

  • 2017/11/27 14:52
  • カテゴリー:散財

 F2.8通しのズームレンズは,広角,標準,望遠の3つで「大三元」と呼ばれていて,通常考えられる撮影シーンをほぼ完全にカバーします。

 カバーするのは焦点距離ですが,もちろんそれだけでは成立せず,F2.8という明るさと単焦点をしのぐ画質がなければ成り立ちません。

 そのために大きさ,重さ,そして価格が犠牲になるわけですが,これも考えて見ると,一昔前なら単焦点レンズをいくつも揃えてカバーしていた撮影域がわずか3本で大丈夫になったわけで,トータルで考えると大きさも価格も,一概に大きくなったとは言えないものがあります。

 ただ,以前なら28mmF2.8を選ぶなら35mmF2.8は当分いらない,という人も多かったはずで,少ない予算を自分の好みやスタイルに合わせて配分していくことは難しくなったと思います。

 とまあ,大三元についていろいろ思う訳ですが,トータルで安いとはいえ純正で20万円は随分高価ですし,トータルで軽いとは言え1kgもあるレンズは,やはり購入に一大決心が必要です。

 以前のように,高価で大きなレンズは特殊なレンズだけならば,それでなければ撮影出来ないものがあるわけですので,高い大きいはあまり関係がありません。しかし,単焦点でも大丈夫な撮影をわざわざ20万円のズームで撮影するという事は,単焦点を揃えるよりもメリットがある撮影スタイルを確立しているか,写真に入れ込んでいることを示しているか,のどちらかでしょう。

 どちらにしても,そうした理由で20万円のレンズをわざわざ買うのですから,いい加減なレンズを売るわけにもいかず,そこはメーカーの威信をかけた,まさに「顔」となるようなレンズであることが強く求められるのです。

 当然画質などの性能にはその時々の最高のものが期待されますし,バラツキや不良,耐久性などの品質についても厳しいものが求められます。

 理屈では分かっているのですが,実際に大三元を手に入れて使ってみると,これらを本当に実感するのです。

 今や,大三元の画質は,かつての単焦点をしのぎます。ですので単焦点のレンズは,小型であるとか,クセがあるとか,F2.8よりもずっと明るいとか,安いとか,そうした個性で選ばれるようになっていますが,こんなの25年前にはちょっと考えられなかったことです。

 D800という新鋭機を手に入れた当時の私は,レンズの性能がD800の足を引っ張っている事実を突きつけられていました。安いレンズの収差を味わうことで成り立っていた私のカメラ趣味は,この悩みを凡庸に解決する道を選んだことにより,最新機種と高価なレンズで高画質を狙うという,ごく自然な方向に向くことになります。

 標準域はAF-S24-70,望遠域はAF-S70-200VR2で普段は困らないようになったのですが,やはり広角が欲しくなります。キヤノンユーザーがマウントアダプタを買ってまで使うという神レンズAF-S14-24を当然狙いたいところではあるのですが,いかんせん20万円を超える買い物を,そうそう簡単にできるはずもありません。

 また,広角域はそんなに出番もなく,かけた費用を回収することも出来ないでしょう。

 そこで私は,AF-S18-35mm f/3.5-4.5G EDを買ったのでした。7万円ほどで上位機種をしのぐ画質を誇る,小型軽量の高画質レンズです。

 2014年の10月末に手に入れて,最初はいろいろ遊んでいましたし,その後はD2Hに付けっぱなしにしていたのですが,D800やD850で使うことはほとんどなくなっていました。

 もったいないと思ってしばらく付けていたのですが,出てきた写真がどうもしっくりこず,結局やめてしまったのです。

 解像度もコントラストも優れているレンズのはずなのですが,どうもありきたりのズームレンズの眠たい画像ばかりで,目の覚めるような写真がなかなか出てこないのです。

 我慢できずにシグマの35mm/F1.4に付け替えると,やはりその画質の差にニンマリしてしまうことになり,もうAF-S18-35に戻すことはなくなってしまいました。

 思うに,18mmという広角端がちょっと物足りないのと,やはり開放が暗いということがあったんじゃないでしょうか。

 収差を改善しようとして2段も絞ると,もうF8まで暗くなってしまい,背景もぼけず,シャッター速度も落ちてキレがなくなり,あげく感度が下がってノイズも増えるし色も悪くなるしと,写真の負のスパイラルにはまり込んでいるようです。

 明るい屋外では問題がないかもしれませんが,室内で撮影することが多い私の使い方では,どうもこのレンズは進化を発揮出来ていないようです。

 なので,最後の課題として広角ズームが残っている状態なのですが,AF-S18-35は基本性能が高く,外に持ち出すレンズとして重宝しますし,純正のレンズを手放すにはちょっと惜しいと思っています。

 もちろん,AF-S14-24を買うならすべての問題は解決しますが,やはり20万円を越えるレンズですし,前玉に傷を付けたときの精神的ダメージが大きすぎるように思いますから,これも手を出しにくいです。

 純正のF4ズームからAF-S16-35を選ぶという手もあるのですが,AF-S18-35よりも劣るという話を耳にすると,手を出す気が起きません。

 そうなるとレンズメーカーのF2.8ズームということになるのですが,これはこれで当たり外れもありますし,リセールバリューも低くて,よく考えないといけません。気に入らないと理由で処分することが現実的には出来ないのですから。

 そんなことをここ1年くらい考えたいたところ,発売が古くて全く無視していたトキナーのAT-X16-28を改めて確認する機会がありました。

 16mmと手頃の広角端を持つF2.8通しズームで,前玉が飛び出しているデメキンレンズです。

 登場は2010年と古く,当時はその画質絶賛されたレンズですが,一方で量産性を大きく改善する製造技術により,純正の半額というお値段を実現したレンズでもあります。

 今なら1/3で手に入るこのレンズは,F2.8通しらしい大きく重いレンズで,解像度もコントラストも大変よく,色のりもコク出てくる事で知られています。特に青空の青色が濃く抜けるように出てくることは魅力の1つで,トキナーブルーと呼ばれています。

 ただ,逆光に弱いことは当時から厳しくされています。まあ,でもそれはなんとかなるでしょう。個性として割り切ればいいです。

 そうしているうち,キャッシュバックで1万円も戻ってくることが告知されました。このレンズがなんと実質6万円で買えるのです。これはいい機会かも知れません。

 最安値は7万円ちょっとで,ヨドバシは79020円で10%のポイントですから,実質71200円ほど。差額は1000円ちょっとなので,これくらいならヨドバシで買う方が安心出来ます。(そしてこの選択が正しかったことを私は後に知ることになります)

 ちょうどヨドバシの配達が通常の速さに戻ったこともあり,23日の夜に注文しました。24日の午前中に届くというので待っていましたが出荷の遅れがあり,届いたのは24日の夜でした。

 届いて見てみると,さすがにF2.8の広角ズームです。ずっしりと重く,レンズらしい質感です。デザインは私の好みではないのですが,そんなに悪いものではありません。お金がそれなりにかかっていることがわかります。

 早速試し撮りです。16mmという画角でも周辺光量の低下は少なく,中央部の解像度は極めて良好です。色収差はそれなりに出る条件がありますが,絞れば気にならないレベルです。

 逆光はいわれている通りで,ゴーストもフレアも派手に出ますし,コントラストの低下も見られます。しかし,それも回避方法がないわけではなく,うまく逃げる方法を考えた方が賢いと思います。

 いいなこれ,やっぱりF2.8だなあと思って前玉を覗き込むと,フードの内側にひっかき傷のようなものが見えました。

 あれ,これはなんだと,少し湿らせた綿棒で拭くと,一応とれます。しかし,その周囲を注してみると,レンズに1.5mmほどのキズを発見してしまいました。

 さらに,レンズを固定してあるカニ目にも分解痕のようなものがあります。

 一応レンズを拭き掃除しておこうと,シルボン紙にアルコールを少しだけつけて拭いたところ,油のような汚れもポツポツと出てきます。

 うーん,これはおかしい。

 写りに影響はないとはいえ,これは新品です。外観は綺麗でもレンズにキズはちょっと悔しいです。もしこのレンズを売却する場合,このキズが理由で大きく減額されるでしょう。売らない場合でも,気分的にマイナスです。

 あれこれ考えましたが,こんな時のヨドバシです。

 翌朝電話をしてみたところ,即座に交換するという返事。しかも代品を最短で送るので,届いたときに交換をしてくれればいいと,とても助かる対応を頂きました。

 先に送ってくれとか,初期不良と認定されないとダメとか,メーカーに直接電話しろとか,そういう面倒なことにならず,ヨドバシで買って良かったと思いました。

 果たして翌日の朝に届いた交換品はもう完璧で,チリ一つなく,写りもさらに良いベストコンディションでした。キズはもちろんですが,レンズが入っていた袋も,ピシッと折り目の付いた綺麗な袋で,交換前のものがくしゃくしゃの透明なものであったことを考えると,やはり今回の交換品の方が正解だったんじゃないかと思います。交換してよかったです。

 さて,そこからは試写です。というか,楽しくて随分な枚数を撮影しました。

 繰り返しになりますが,軽くレビューです。

 まず外観ですが,デザインコンセプトは安いズームと同じの癖に,重量も大きさも質感も高く,その辺のアンバランスさに違和感がありますが,そこは質感が勝つわけで,良く手に馴染みます。

 思ったほど大きくも重くもなく,私はこれなら十分取り回せますが,そうはいっても飛び出した前玉が心配なので,それなりに気を遣います。フィルターが付かないことは割り切らざるをえませんが,どうも落ち着かないものです。

 AFとMFの切り替えは,フォーカスリングを前後することで行います。今ひとつ操作性が悪く,切り替えに力がいるので,AFで合わせたフォーカスがMFに切り替えるときにズレてしまうこともしばしばです。

 AFの速度はそんなに速くはありませんが,そんなにレンズを動かすものでもないので,合焦までの時間が遅いと思ったことはありません。音も小さいので,この点で不満を言う人は以内でしょう。

 撮影ですが,さすがにF2.8です。ファインダー越しに見える16mmの景色は胸のすくよな気分です。中央部の解像度もコントラストも十分高く,色も良く乗っています。周辺部の光量低下も思ったほどではありませんが,解像度はやや落ちるので,F5.6くらいで使うのが一番美味しいでしょう。

 気になるのは色収差が大きいことで,周辺部では盛大に色ズレが出ます。これもF5.6まで絞れば消えてしまいますので,うまく使いこなしを覚えていけば大丈夫でしょう。

 それとやはり逆光です。

 トキナーブルーを堪能するには空に向ける必要がありますが,太陽が画面から消えてもゴーストやフレアがずっと残っています。コントラストの低下も出てくるので,超広角なのに光が入ってくるとダメというのは,なかなか厳しいかも知れません。

 望遠なんかだと少し自分が動けばゴーストも消えるものなのですが,広角では少しくらい動いてもなにも変わりません。なかなか難しいですね。

 しかし,室内では怖いものなし。F2.8という明るさと,16mmという画角は狭い部屋でも綺麗に被写体をとらえることが出来ます。まつげ一本一本をきちんと解像し,色もしっかり乗っているので,これは買って良かったなあと,つくづく思った次第です。

 気をつけたいのは,レンズキャップです。フードを完全に覆うレンズキャップで,フードの内側を挟み込むように固定するのですが,もし被せ損ねると前玉を直撃します。

 ですから,少しでも被害が小さくなるよう,28mmのテレ端にすることを忘れないようにすることと,キャップを被せるときはきちんとフードが内側に来ていることを確認しないといけないです。

 というわけで,大きさと重さは想定内,質感も十分で,解像度などの性能も申し分なし。中編の性能低下は2段絞れば余裕で改善し,なんといっても色の出方が素晴らしいです。純正にはない色ですから,これは楽しいです。

 これが実質6万円ちょっとですから,なんと大盤振る舞いかと思います。発売後7年もすれば新製品が出てくることでしょう。そうなるとこの値段では買えなくなるわけで,私はいいタイミングで買ったのかも知れません。

 惜しいのはやはり逆光への弱さで,これは無視できるレベルではありません。明らかにカバー出来る撮影範囲を制限されるものだと思います。

 それと当たり外れへの不安です。私の場合交換品が満足なものでしたが,不安を抱えて使うのもつまらないことですから,良く品定めをする必要はあるかも知れません。

 もう1つは16mmというワイド端です。14mmまでとはいいませんが,せめて15mmくらいまでいってくれれば思しかったのにと思います。16mmがダメだといいませんし,18mmに比べれば圧倒的に面白いのですが,もう一歩ワイドになればなあ,と思う事がしょっちゅうあるので,ここは残念な所かも知れません。

 今回はとてもよい買い物をしました。いくら純正のリセールバリューが高いとはいえ,22万円のレンズが22万円そのままで売れるはずもなく,7万円でこれだけ素晴らしいレンズが手に入るなら,売ることを考えず使い潰したって全然構わないでしょう。

 D850に相応しいレンズかといわれれば素直にNoといわざるをえないと思いますが,試写でこれだけ面白がってバシャバシャ撮影したレンズというのも久しぶりです。今までのAF-S18-35と違って,本当に面白いレンズです。

 これで,私の撮影カバー域は一応の完成を見ました。広角ズームにあえてトキナーを選んだというのも私らしいなあと思いますが。純正とは一味違うその画質が,撮影を単調なものからワクワクするものにしてくれることでしょう。

 

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