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XC-HM86を買いました

  • 2017/05/15 16:14
  • カテゴリー:散財

 4月上旬だったと思うのですが,パイオニアとオンキョーのネットワークオーディオが,e-onkyoに対応したというニュースを見ました。

 対応機種に,パイオニアのXC-HM86という機種があったのですが,ちょっと気になってスペックを調べて見ると,なんだかちょうどいいんです。

 それまでリビングで使っていたネットワークオーディオは,デノンのDRA-N5だったのですが,これはNAS前提の小型機で,CDを全廃したうちの環境にぴったりと導入したのでした。

 ところが,悪くはないんだけども好みにあわないデノンの音がどうもしっくりこなくて,しかもCM1を駆動し切れているとも思えず,そのうえ動作が不安定で,音楽を聴きたいと思った時にさっと聞けないという事が悩みの種でした。

 結局稼働率は下がり,リビングで音楽を聴く習慣そのものがなくなってしまいました。

 音の好みって大きいですね。自然と音楽から遠ざかってしまうのです。

 これではいかんということで,リプレースをずっと考えていたのですが,XC-HM86を見た時に「これだ」と思ったのです。

 CDを全廃したとはいえ,案外CDを聞きたいと思うことは多く,CDがかかる機能は,邪魔から欲しいものに変わっていました。

 パイオニアの音は私は好きなので音の傾向は大丈夫なはずですし,N-30のユーザーとしてはNASの音楽をプレイすることの安定性に不安はないので,これも大丈夫。あとはスピーカーとの相性ですが,これはもうCM1が相手ならある程度の所で妥協しないといけないところです。

 FMチューナーが入っていることもポイントが高く,これでSACDがかかったら文句なしなんですが,さすがにそれは高望みです。

 評価も概ね良いようで,大きなLCDがついていること相まって,即座に購入を検討することになりました。価格も30000円弱にまで下がっています。安い。

 ヨドバシでも32800円に10%のポイントで買えると言うことで,取り寄せでしたが注文をしました。まあ連休前には買えるでしょう。

 しかし,甘かった。

 私が注文をしたあたりで在庫が払底したようです。納期の連絡が届いたのですが,なんと6月初旬とあります。そしてあちこちのお店で在庫が次々になくなり,価格もどんどん上がっていきました。

 うーん,こんなことってあるんですねえ。

 まあ,急ぐものでもないですし,気長に待つかと思っていた所,さすがヨドバシ,連休の直前に発送され,私の手元に届いたのです。

 もっと時間がかかると思っていましたし,今さらキャンセルしてもこの値段で買うことは無理なので期待していなかったのですが,じっくり連休中に使うことが出来ました。よかったよかった。

 さっとインプレッションです。

(1)外観

 DRA-N5に比べて大きいのですが,それでも大出力アンプにネットワーク機能,そしてCDとAM/FMチューナーまで入っているのですから,凝縮感はあります。

 今どきのパイオニア製品らしいシンプルなデザインは私は好きで,LCDも大きくてうまくまとまっていると思います。

 ただ,操作ボタンが本体の上面に並んでいるのは良くないです。ここにモノを重ねられないだけではなく,手で操作するだけの空間を用意しないといけません。

 使わないボタンなら無視すればいいんですが,CDを取り出すのはリモコンでは出来ず,本体のボタンしか方法がありません。これも残念な所です。

 それに,セッティング中に手で掴むと,意図しない動作をすることが度々ありました。こんな所にボタンがあると,触らないように気をつけることがそもそものストレスになります。

 正面右側の大きなツマミはボリューム専用です。これもロータリーエンコーダなんですから,設定時のパラメータ変更に使えてもいいんですが,そういう仕様にはなっていません。もう少し詰めて欲しかったなあと思います。


(2)音質

 びっくりしました。よいですよ,かなり。もともとパイオニアの音を期待していましたが,それをやや一般寄りにしたという感じがする程度で,傾向ははっきり出ています。透明でスピード感がある,しかし丁寧で真面目な音というのは,とても好印象です。

 パワーアンプもかなりよいようで,CM1もなかなか頑張って駆動してくれます。DRA-N5とは比べものになりません。

 XC-HM86の機能の1つに,デジタルフィルタの切り替えがありますが,この違いはとてもはっきり分かります。ヘッドフォンではわかりにくいものだったので,パワーアンプとCM1の組み合わせであれば,このくらいの差はきちんと表現出来るという事でしょう。

 ネットワークオーディオもCDも期待以上の音です。FMチューナーも悪くなく,ちゃんとしたアンテナを繋げば,見事な音が出てきます。


(3)安定性

 うちのNASはQNAPのTS-119P2ですが,N-30同様とても安定しています。バグでコケることもありません。操作レスポンスもN-30に比べて大きく向上しているので,音楽を聴きたいと思う気持ちをスポイルしません。

 時に操作不能になることもありますが,それでもしばらく放置すれば動き出しますし,DRA-N5の時の恐る恐る動かすあの感覚からすれば,もう天国のような使い心地です。


(4)まとめ

 細かいところで不満もありますが,総じて良く出来ていますし,なにより音楽を聴きたいという気持ちにすぐに応えてくれるレスポンスの良さと,出てくる音がとても楽しいことに満足で,これがこの値段で買えるのかと,感心しました。

 DRA-N5もしばらく置いておこうと思いましたが,XC-HM86があまりによいので,もう使うこともないだろうと,さっさと捨ててしまいました。結論を言えば,DRA-N5は失敗だったということになるでしょう。

 SACDはBDプレイヤーから再生することにしていますが,これがまた実につまらない音なので,ここは次のテーマになりそうですが,それ以外についてはとても満足です。

 FMチューナーもなにげに便利で,ちゃんとしたアンテナを繋げば十分な音が出ますし,AM補完放送にも対応しているので,AMラジオを高音質で楽しめたりします。これも面白いですね。

 インターネットラジオも良くなっています。理屈を知らなくても,十分楽しめると思います。

 ところで,CM1はすごくいいスピーカーですが,もともとニアフィールドモニターですから,スピーカーの間が広くなり,部屋が大きくなってしまうと,どうしても無理が出てきます。もうちょっとゆとりが欲しいと言うか,セッティングをラフにしたいとか,リスニングポジションがもっと広くなってくれないかとか,いろいろ不満も出てきます。

 CM1の素晴らしさは知っているわけで,これをここに置くのはもったいないとも思えます。ならば,リビングに相応しいスピーカーに交換するのが最善です。

 そんなことをつらつらと思っていたら,なんとタイムリーなことに,ぴったりなスピーカーが登場したことを知りました。この話は後日。

ヘルシオホットクックは軍用調理器具の民生版か

  • 2017/03/22 14:56
  • カテゴリー:散財

 毎日の夕食作りになれてきたのとは裏腹に,時間がかかってしまう事が増えました。手際は確実に良くなってきていると思うのですが,なぜ開始時刻を早めても終了時刻が遅くなるのか,わからないのです。

 一品増やしたから,というのがもっともらしい理由ですが,その実5分ほど余計にかかっているに過ぎず,やはり主菜に時間がかかっているとしか思えません。

 確かに,以前のように塩を振って焼くだけとか,そういうことは少なくなっているし,その結果料理が偏らなくなってきているという実感はあるのですが,時間がかかってしまってはあまり意味がありません。

 今の私の状況を整理すると,

(1)コンロが不足し煮物が出来ない
(2)ほうれん草や小松菜のお浸しが面倒くさい
(3)揚げ物をローテションに加えたことで付きっ切りの作業が増えた

 という感じです。


 私は本来煮物は好きなのですが,大根を煮てお浸しをして味噌汁を作るともうコンロが埋まります。これらを順番に回していくと,結局30分ほどの時間がこれだけで消費されてしまい,主菜に充てられる時間が限られてしまうのです。

 主菜も,コンロを使わない焼き魚やエアフライヤーを使う料理ならまだいいのですが,フライパンを使う炒め物はコンロでやる他なく,大忙しな割には10分ほども後ろにずれていたりします。

 (2)も似たような理由です。無水鍋を使うと5分もかからずにお浸しが出来るのですが,それでも水にさらして切って盛りつけて冷蔵庫に入れてまでをやると,やっぱり10分は見ないといけません。作業は楽なのですが,放置できないので結構負担です。

 (3)は揚げ物特有の問題で,揚げ油から引き上げるタイミングを見計らうために常にモニターをしなくてはいけませんし,そもそも持ち場を離れたり眼を放すのは危険です。小さいフライヤーなので,揚げ時間10分でも,2倍3倍の時間がかかってしまうのも深刻です。

 とはいえ,うちはまだそんなに大量の揚げ物をするわけではないし,揚げ油の消費サイクルから考えても,フライヤーを大型化するのはまだ早い気がします。

 そこで,抜本的に時間の最適化と,手薄になっているメニューのてこ入れを効果的に行う方法として,新しい調理家電の導入を計画しました。

 調理家電を使えば,コンロが空きます。コンロを使う料理が並列化されスループットが向上します。

 いわば,浮動小数点演算を新しいパイプラインとして並べて,整数演算を邪魔しないようにする作戦です。

 では,その私にとっての浮動小数点演算とはなにか・・・煮物です。時間がかかり,火加減や材料の投入順番,そして混ぜる作業と,案外目を離せない,長時間料理です。圧力鍋は投入順番と混ぜる作業を省略出来る画期的なプロセッサでしたが,それゆえ可能な料理に制限がありました。

 しかも電気を使う調理家電から選択するとなると・・・おお,ありましたよ,シャープの「ヘルシオホットクック」です。

 2015年秋に登場するや否や,無水料理を知らない若い世代はその濃厚なカレーに驚きの声を上げ,ブームの後急速にしぼんだ無水鍋ブームを知る高度成長期を生きた人々にとっては既視感をもって迎えられた,あれです。

 無水鍋にはそれなりのメリットがあるのですが,今ひとつメジャーになれないのはやっぱり扱いが難しいからだと思います。私も無水鍋を使いますが,火加減が強いと焦げたりしますし,水がないので調理時間が短いことはメリットと感じつつも,変化が急峻なので,結局付きっ切りになってしまうのです。

 これをマイコン制御で自動化するというのが,この商品の売りだったわけですが,そもそも無水鍋に疑問を感じていた私は,当初全く関心を持ちませんでした。

 しかし,発売から1年半が経過してなお,その無水カレーのおいしさが評判になり続けていることを無視できず,気になって調べてみると,なにやら今の私の問題点を解決出来そうな予感がします。

 値段も,当初6万円もしていた(電気無水鍋に6万円はない)のに,最近は32000円ちょっとまで下がってきています。この値段なら手が届きます。

 気になったのは,目の付け所は良くても,詰めが甘いシャープという点です。これまでシャープの製品を何度か使ってきましたが,確かに目の付け所は良くてオリジナリティあふれる製品が多かった一方で,その結果は平均以下だったり,基本機能が今ひとつで常用出来ないとか,そういう残念な結果に終わることが多かったのです。

 家電品は毎日使って価値のあるものです。ゆえに毎日の家事の省力化に繋がらない家電品に,家電品を名乗る資格はありません。

 とりあえず取説をダウンロードしてみます。レシピ集も,版権の関係からダウンロード出来ないメーカーが多いなか,シャープはダウンロード可能です。版権がシャープだけにあるということなのでしょうが,良心的だという好感と,レシピを権利として主張するプロの手が入っていないことへの漠然とした不安とが交錯します。

 ・・・なになに,100レシピ!すごい!材料を突っ込んでスイッチを押し,しばらくして煮込み料理が完成,ってなものが,100種類も出来るのか!

 しかし,つぶさに見ていくと,袋入りのラーメンまでレシピとして1つカウントされてます。特においしいとか,特に独自の味になるとか,そういう話もなくただただラーメンです。しかも15分ですって。

 小さい部品を外して洗う手間を乗り越えて,しかも5倍も時間をかけて,手に入るものはインスタントラーメンです。

 あかん,これはこの商品の設計思想,間違ってる。

 この段階で大変な地雷なわけですが,それでも無水カレーは魅力的です。他も探してみましょう。

 ・・・なになに,トマトリゾットが4から6分!うそだ,絶対ウソだ。でも,そう書いてあるんだから,仕方がありません。八宝菜も15分!八宝菜と言えばご馳走ですよ。材料を入れ,スイッチを押せば,15分後に八宝菜なんて,もう中華料理屋は潰れてしまいますよ。

 試さねば。

 先日の土曜日の午前中に,我が家には深紅の「ヘルシオホットクック」が鎮座していました。1.6Lの小型のものです。

 なんか,石ノ森章太郎原作の特撮モノの,主人公(赤ですし)のヘルメットみたいな形状です。

 ということで,この3連休は,家族の協力も得ながら,ヘルシオホットクック評価大会となりました。とはいえ我々も人間ですので,ご飯は最大でも一日3食です。朝はパンですので,昼と夜だけしか機会はありません。


(1)ほうれん草のお浸し・・・○

 ほうれん草を洗って,水を切らずにそのまま入れて,手動モードで運転します。ほうれん草の無水調理は,火の通りにムラがあり,硬さの調整も極めて難しいので私はある時点から苦手になってしまったのですが,ヘルシオホットクックでは問題なく出来ました。

 たかがお浸しで大げさなマシンを使い,洗い物も増えてしまうのに抵抗がないとは言えませんが,それでも放置で完成するのはとても助かります。これは成功ですね。


(2)ブリ大根・・・×

 今が旬で,どうやって食べても美味しいブリ。とてもよいブリが手に入ったので,これでブリ大根を作ってみます。

 私はすでに圧力鍋で美味しいブリ大根を作ることになれているので,これを越えなければいけません。

 このブリ大根はみりんで煮込むんですね。私は料理酒で煮込みますので,このあたりに考え方の違いが見て取れます。

 出来上がったブリ大根は見た目はとても美味しそうなのですが,みりんに砂糖ですのでとにかく甘くて,どうにもなりません。

 また,味の複雑さも足りず,ブリ大根のあの味を表面的に作っただけの残念な料理になっています。かといって火の通りがベストかというとそんなこともなく,ふっくらしているわけでも,じっくりしみ通っているわけでもないので,時間ばかりかかってこの程度なら,このマシンで作るメリットはありません。二度としないと思います。


(3)茶碗蒸し・・・○

 茶碗蒸しはたくさんの種類の材料を少量ずつ集める必要があり,なかなか手間もお金もかかる上に,蒸すのがまた面倒で時間がかかる料理です。その分美味しいのですが,主菜になり得ない一品に主菜以上の手間をかけるのは現実的に難しいため,私は作らずにきました。

 しかし,娘が市販の茶碗蒸しを食べる機会があった時に,こんなに美味しいものがあるのかと驚愕したのを見て,考えを改めました。同時に買った桜の花びらの蒸し茶碗を使って,茶碗蒸しです。

 時間は茶碗をセットしてから25分程度で完成で,その間なにも見ている必要はありません。茶碗蒸しは火加減も案外難しく,すが入らないように作るのは結構大変だと聞いたことがあるのですが,そこが自動化されているのは素晴らしいです。

 完成した茶碗蒸しは絶品です。ダシをきちんととったからというのもありますが,これは市販品を越えたでしょう。娘も大喜びでした。

 それと,些細なことですが,泡が立たないような卵の混ぜ方を,欄外にちょっと書いてあったのが大変良かったと思います。知ってる人にとってはなんでもないことなのですが,私にはとてもうれしい情報でした。


(4)八宝菜・・・○

 自動で調理できる無水料理の1つで,「調理時間15分」と書かれたこの料理が本当にこの時間で出来るのかどうか,この目で見たいというのがヘルシオホットクックを買った動機の1つでした。

 レシピブックには,八宝菜が15分で出来るとは書いていないのですが,この自動メニューの番号で作る他の料理は15分です。

 出来具合を管理しながら時間を調整する自動メニューなら15分では終わらないでしょうが,それでも1時間になったりすることはないでしょう。

 材料を入れて,蓋をして,自動メニューを設定します。

 さすがに15分では完成しそうにないのですが,それでも25分ほどで完成のサインが出ました。ワクワクしてフタを開けてみます。

 無水料理らしく,白菜がクタクタになっていて,ほどよい水気にとろみがついて,美味しそうです。

 鶏ガラスープだけではなくウェイバーを入れたこともあり,味も良くなり,コクが増しています。豚肉の香ばしさは薄いですし,にんじんにももう少し火が通るといいなあと思いますが,これは十分美味しいです。

 確かに,私が作った方が時間はかかりませんし,豚肉の香ばしさは出てきますが,冷静に考えると材料を入れてボタンを押すだけで出来ているんですよね。その間,私は他のことが出来たわけです。

 時間は少々かかるが味は悪くない,しかもほっとけばいいというのは,ルンバと同じ考え方かも知れません。

 30分ほどで完成するなら,帰宅後の夕食に使えるメニューです。これはレギュラー昇格ですね。


(5)ロールキャベツ・・・○

 私はロールキャベツが好きな癖に,自分では作りません。1玉丸々買ってこないといけないキャベツに抵抗があったり,手間がかかり過ぎるとか,いろいろ理由があるのですが,もっぱらこれは嫁さんの担当です。

 その嫁さんが,ヘルシオホットクックでロールキャベツに挑戦してくれました。さすがにキャベツの下ゆでは別の鍋でやるのですが,そこから先は煮込み料理としてヘルシオホットクックの出番です。

 出来上がったものは,確かに美味しいのですが,やっぱりおかんのロールキャベツです。薄味というか,コクがないというか,物足りないです。

 ただ,これも繰り返しになりますが,仕込んでしまえばもうほっとけば完成するわけで,この便利さは確かに強いと思います。


(6)クリームシチュー・・・○

 大体45分ほどで完成するメニューなのですが,市販のシチューの素などをつかわず,ちゃんと小麦粉とバターから作る真面目なシチューにもかかわらず,こんな手間と時間で出来るのですから,大したものです。

 ホワイトソースを小麦粉とバターで作ると,うまくしないとダマになったり,焦げたりします。

 ですが,このレシピでは実にうまく小麦粉が馴染んでいて,とても美味しく滑らかなシチューになっていました。

 私はいつも,シチューやカレーはたくさん作って翌日にも食べるのですが,それは手間がかかるから1日で食べる量だともったいないと思うからで,ヘルシオホットクックのように一度で食べきれるだけの量を簡単に作る事が出来るというのは,シチューやカレーが身近になったということでもあり,ちょっと違った位置付けになってくれそうです。


(7)トマトリゾット・・・×

 お米から作るトマトリゾットが4から6分?ほんまかいな?

 そもそもトマトリゾットなんか,私は作った事がありません。普通にご飯を炊いても40分はかかるのに,なんでこんな短い時間でお米が食べられるように調理できるのか謎は深まるばかりです。

 材料を入れて,蓋をして,手動メニューから時間を6分に設定します。

 そしてスタートします・・・LCDには数字が出てこず,なにやらoが転がっていく表示になっています。

 6分経過しましたが,出来上がりません。

 そういえば,なぜ「調理時間」とあるメニューと,「設定時間」とあるメニューがあるのだろうとふと気が付いて,調べて見ました。調理時間というのは自動メニューで,これは調理開始から完成までの時間でいいんですが,設定時間というのは手動モードにおける,沸騰から弱火で煮込む時間の設定ということで,実は調理時間ではありません。

 沸騰には概ね15分から20分ほどかかりますので,トータルで30分弱かかるメニューという事になります。そういわれれば妥当な時間です。

 また,分量がとても難しいです。4人で1合というのはちょっと少ないですが,2合にしたらしたで,他の調味料の配分がよくわかりません。単純に倍にすればいいかと言えばそういうものでもないようなので,このあたりは試行錯誤が必要なのではないかと思いますが,2合で作った今回の出来は今ひとつでした。

 全体的な傾向通り,コクがなく,平坦な味です。また,設定時間では十分にお米に火が通っておらず,コツコツとしたご飯でした。

 さらに3分ほど加熱を延長し,ようやく食べられるようになったところからさらに10分ほどすると,美味しくなってきました。お米が食べられるようになるまでの加熱時間に,魔法はないという事です。

 滅多に作らないものが出来るといううれしさはあるのですが,美味しいかと言えばそうでもないなあというのが本音で,これをもう一度やるかと言われれば,ちょっと微妙なところです。


 とまあ,こんな感じです。

 使ってみて思ったことは,この調理家電は,無水鍋であることや,火加減をマイコン制御してくれることに加えて,自動で混ぜてくれることがポイントであるということです。

 ほら,給食センターや自衛隊の調理などで,大人数の料理を一気に仕上げる調理マシンがあるじゃないですか,あれって,自動でかき混ぜる仕組みが付いてますよね。あれは,量が半端ないので機械に頼らないと混ぜられないという事情もありますが,弱火で自動的に混ぜる仕組みがあることで,焦げずに,まんべんなく火を通すことが出来るのです。

 あれを人力でやると,付きっ切りになるし,大変です。

 ヘルシオホットクックというのは,この混ぜる仕組みを自動化して搭載した結果,いわばプロ用,いわば軍用の調理器具が,家庭のキッチンに入ってきたものと考えると,これはもう革命としか表現出来ません。

 例えばニコンF3。例えばマキタの電気ドリル。例えばKTCのラチェットハンドル。例えばノイマンのU87。

 ヘルシオホットクックとは,プロの道具を小型にし,しかも複雑な操作をマイコンでアシストして,素人でも使えるようにした,奇跡の民生品なのです。

 ただ,やっぱその辺はシャープらしく,詰めが甘いです。繰り返しになりますが100種類のメニューにインスタントラーメンが入っていたりするあたり,この商品を買う人達がどんな料理を期待しているのかを想像出来ずに,数を揃えることに目的が変わってしまっているのがわかります。

 また,調味料がシンプルであったり,強火で炒める行程が再現出来ないゆえの,香ばしさや歯ごたえが出てこず,どの料理もヘルシオホットクックで作ったという共通項が支配的で,味の傾向や食べ応えでどれもあまり代わり映えしないという「つまらなさ」が顕著です。

 出来上がった料理に対する喜びや驚きが今ひとつですし,味も平坦で悪く言えば料理の下手なおかんの料理です。今や家庭料理も「手軽で便利」だけではダメで,相応の水準を超えなければ支持されないと思います。

 例えばパナのオーブンレンジにあった,ピザソースです。トマトの水煮から作るトマトソースですが,簡単に手に入る材料だけで作る事が出来る上,電子レンジ機能を使うだけのものなのに,味は大変良く,市販のピザソースをある意味で越えたとも思います。

 ゴパンのレシピにあるピザの生地も良く出来ているので,これと先程のピザソースを使って,オーブンレンジで焼き上げたピザは,時間も手間もそれなりにかかりますが,とても美味しく,調理家電の底力を見せてくれるものになっていると思います。

 ヘルシオホットクックには,こういううれしさや驚きがありません。これだけのポテンシャルのある調理家電なのに,味はそこそこだけど時短が売りなので,という言い訳ではもったいなく,無水料理のように積極的にこのマシンでないと食べられない料理を自動メニューに加えておいて欲しかったと思います。

 ですが,無水料理こそヘルシオホットクックの真骨頂です。他のレシピは放置で完成というメリットだけに割り切って,ホットクックならではの美味しい料理は,無水料理でないとダメだと,考え方を切り替えてみると,いいかも知れません。

 煮込み料理は時間のかかるものです。時間を短縮するのが圧力鍋なら,その時間を放置可能な時間にするのが,このヘルシオホットクックです。仕込みから食べられるまでの時間が短くならない以上は,夕食の限られた時間で使うには難しいモノがありますが,概ね45分以内で仕上がるものなら,これで作って見ると,食事に幅が出てきて楽しくなるに違いありません。

 手動モードをもっと使いこなすことが次のテーマになりそうです。



トランジスタチェッカーを買ってみる

 先日出たばかりのトラ技を見ていると,ちょっと気になるコラムに目がとまりました。マルチファンクションテスタ,というやつで,LCR-T4 MTesterという名称のようです。

 各種半導体や抵抗,コンデンサ,インダクタを自動判定し,結果を少し大きめのグラフィックLCDに表示します。

 記事によるともともとドイツの有志によって開発されたもので,それを中国の企業が製品化し,世界中に安価にばらまいているという感じです。まあ最近よくあるやつですね。

 以前も目にした記憶があるのですが,あまり興味をそそられなかったので買うことはせずにいました。しかしトラ技の記事に出るくらいですので,まあ1つ買ってみてもいいかなと,amazonを調べて見ることにしたのです。

 記事の通り,国内在庫品は1800円くらいから,中国からの発送だと880円です。どちらも妥当な金額だと思います。とりあえず買っておこうということで,国内在庫品を買うことにしました。

 翌日には手に入れて開封した私は,まずアクリル板で綺麗に加工されたケースが着いていることにちょっとびっくりしました。880円のものは基板だけだと聞いていて,国内在庫品がケース付きであることは,意識していなかったのです。

 これならどう考えても国内在庫品がいいですよね。

 まず基板だけで動作させ,問題ないことを確認してからアクリル板の保護紙を剥がして組み立てます。説明書が全くないのですが,試行錯誤でさくっと完成です。

 ケースがあるのとないのとでは,やっぱり使い勝手が雲泥の差です。普段から手元に置いて使うためには,はやりケースが必須です。

 お。ゼロプレッシャーソケットが使いやすそうです。高級なROMライタの象徴である,TEXTOOLの緑色のソケットはいつ見てもいいですね・・・え,TFXTOOLと書いてある・・・パチモノですか!

 さて,まだ試せていないことが多いのですが,ファーストインプレッションから。

 試したのは,半導体チェッカーの機能です。手元にあるいろいろな半導体を差し込んで判定させてみます。

 バイポーラトランジスタはPNPとNPNの区別,ピン配置,ベース電流とベース-エミッタ電圧,そしてhFEが表示されます。基本的な機能ですね。

 ダーリントントランジスタでは非常に大きなhFEが測定出来ました。一方でパワートランジスタのhFEが数十という小さな値で表示された点については,これで正常であるという知識が必要です。

 FETはJ-FETとMOS-FETを,それぞれP-chとN-chで判別してくれます。

 次にサイリスタ。サイリスタも判別するというので期待したのですが,分かったのはピン配置だけです。他の定格については全く分かりません。

 UJTは構造からダイオード2つと判定されてしまいました。PUTも同様です。トライアックは判別不可能と出てきました。

 ということで,やったのはこのくらいなのですが,結局私が愛用している半導体チェッカ「DCA55」とあまりかわりません。今回のものの方が値段が安く,1画面にすべての情報が出てくるのでボタンを押してスクロールする必要がないこと,抵抗やコンデンサ,インダクタを測定出来ること,ソケットがゼロプレッシャーソケットなので手間がかからないことなど,良く出来ている点も多いのですが,逆に言えばそれだけの違いしかなく,得られる情報についてはそんなに違いはありません。

 LCRの測定に役に立つと思われる校正が出来るそうなので,これを試してからLCRメーターとしての機能を評価したいと思うのですが,すでにちゃんとしたLCRメーターを持っているので,これがありがたいシーンというのはあまりないように思います。

 やっぱり・・・DCA55とDE-5000を持っていたら,これはいらないだろうなあと,最初に興味を持たなかったことは正しい感覚だったとつくづく思いました。

 繰り返しますが,これを選んで使うのはボタン1つですべての情報が得られること,ゼロプレッシャーソケットがあることが便利だと思われるときくらいです。面実装や特殊形状のトランジスタはDCA55のようなICクリップのほうが便利ですし,電池の電圧が12Vと高いことで,測定範囲は精度にも違いがあるかも知れません。

 ということで,あまり出番がないだろうなぁ,という感じです。うーん。

 道具としての充足感もあまりなく,起動画面の変な漢字のロゴもなんだか萎えます。順方向電圧をUFと書いてあるのもがっかりで,せめてここは意味を考えてVFとして欲しかったです・・・

 ところで,DCA55にも共通する話なのですが,パワートランジスタでhFEが30程度にとどまるのは,正常です。

 子供の頃の私もそうだったのですが,hFEというのはとてもわかりやすいパラメータで,ベース電流をhFE倍したものがコレクタ電流になるという教科書的説明から,まるで比例定数のように誤解してしまうのですね。

 ゆえに個体差はあっても,変動しないものと考えてしまいます。

 しかし実際のhFEはベース電流によって大きく変動します。その変動率は大きいトランジスタもあれば,小さいものもあるのですが,小さいものが優秀であるという一般論は正しく,一方で大電流を扱うパワートランジスタでは,それなりのベース電流を流さないと,規格表にあるようなhFEにはなりません。

 正しいかどうかは別にしてですが,トランジスタというのは,ベース電流を流すとコレクタ電流が流れる部品であり,ベース電流とコレクタ電流は必ずしも比例関係になく,hFEなんてのもその条件下でたまたま計算された結果に過ぎないと,それくらいに考えておくといいいかもしれません。

 ですから,よくペアを組むときにhFEのマッチングを取りますが,これはhFEが揃っていることが重要ななのではなく,hFEが揃っていると他の特性もある程度揃っていると期待出来そうだから,と味方を反対に側にする必要があるということです。

 何が言いたいかと言えば,トランジスタの良否判定はそのトランジスタに適切なベース電流を流して行わないとダメだという話で,DCA55にしても今回のLCR-T4にしても,そこを固定してしまっていることが残念だということです。

 ということで,NECの中電力パワートランジスタの定番,2SC1096のhFEが30と出ても,それは不良ではありません。逆に小信号用トランジスタである2SC1815なんかは正確に出てくるでしょう。

 DCA55も6000円超えになっているんですね,ちょっとこれだと高いなあと思います。中学生くらいが,手元のジャンク品を活用したり,部品の知識を増やすのに有益な測定器ですから,2000円で買えるこのテスターは十分価値があるものとは思います。

 また,半導体も劣化し壊れます。20年以上前のラジオなどを修理する場合,結構な割合で半導体の不良が出てくることを実感するのですが,正式な良否判定は回路図を追いかけて,動作状態を正確に把握してから行うべきではあるものの,基本的な機能が損なわれて劣化している場合がほとんどですから,この手のチェッカーでさっと判定出来ると,作業が早く進みます。

 実際,私もオーディオアナライザのVP-7722Aの修理にDCA55は活躍しましたし,ダイソンのDC45の修理にも役立ってくれました。ないと困る存在になりつつあると思います。

 測定対象やその結果から見て,DCA55もLCR-T4も,半導体の判定アルゴリズムには大差がないようです。もしこの手の測定器をお持ちでないなら,この機会に手元に置いておくと便利かも知れません。


D2Hのメモリカードはこれで決着

  • 2017/03/01 09:37
  • カテゴリー:散財


 さて,先日D2HでSanDiskの8GBのCFが使えない話を書きました。書き込み速度の遅さが問題で買ったものでしたが,結局足を引っ張っているのはCF-SDアダプタではないとわかり,ならば高速なSDカードを買えばいんんじゃないかという話になったところまでが,前回のお話です。

 で,手配していた高速のSDカードが届きましたので,早速あれこれ試して見ます。速度的に問題なしと判断したのは,Transcendの32GBのUHS-Iで,90MB/sをうたうものでした。

 もともとDP2Merrill用に購入したもので,数年前に買ったものですから同じ物を買っても同じ性能である保証はありませんし,そもそも32GBという容量は大きすぎますので,同じシリーズの16GBのものを買いました。安かったです。

 届いたので,まずSDカード単体の速度を測ってみます。

Sequential
Uncached Write    32.49 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write    33.90 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read    8.09 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read    70.22 MB/sec [256K blocks]
Random   
Uncached Write    0.90 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write1    8.68 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read    4.54 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read    52.25 MB/sec [256K blocks]

 なるほど,32GBのものに比べて4k blockでの速度が読み書きで上がっています。これは期待出来そうです。

 これをCF-SDアダプタに入れてみます。

Sequential   
Uncached Write    15.82 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write    19.77 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read    6.53 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read    24.56 MB/sec [256K blocks]
Random
Uncached Write    0.92 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write    7.57 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read    2.65 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read    15.41 MB/sec [256K blocks]

 これを見る限り,すでにCF-SDアダプタの変換性能を目一杯使っているとみて良いように思います。256k blockのRandom書き込みが今ひとつですが,これはまあSDカードのせいですから,仕方がありません。

 また,これを8GBのCFと比べて見ると,遜色ないとは言いませんが,肉薄するスコアが出ていると思います。特に15MB/sを1つの目安と考えるD2H本体との組み合わせを考慮すると,両者で体感できるほどの差はないのではないかと思います。

 では,D2Hで使ってみましょう。初回のフォーマットでエラーが出たので焦りましたが,カードを挿し直して再度フォーマットすれば問題なしです。

 フォーマットも高速ですし,書き込み速度も十分出ていて,これなら大丈夫です。心なしか,MicroDriveよりも快適になっていると感じます。よしよし,これでいい。

 ついでに,同じ物をもう1枚買ったので,ICレコーダであるDR-100Mk2にも入れて見ました。実はDR-100Mk2は,以前TDKの16GBを入れたところ,電源ONから録音可能になるまでの待ち時間が長すぎて,使うのをやめたという経緯があります。随分昔に買った8GBのSDカードなら録音可能なる時間が短いので,もっぱらこればかり使っていました。

 でも8GBではちょっと心許ないんですね。それで今回の16GBには期待したのです。

 結果は上々。8GBと同じくらいの時間で,録音可能になりました。これでDR-100Mk2も16GBに出来ました。

 こうなってくると,遅くて誰からも嫌われてしまったTDKの16GBが不憫です。でも,遅いというのは深刻で,このまま予備役についてもらうしかないかなと思います。

 最後に,気になっていたMicroDriveの速度もせっかくだから測ってみました。

Sequential       
Uncached Write    4.10 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write    3.66 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read    5.92 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read    8.27 MB/sec [256K blocks]
Random       
Uncached Write    0.28 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write    3.92 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read    0.26 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read    4.21 MB/sec [256K blocks]

 はっきりいって,どれも遅いです。全然ダメだと切って捨てるのは簡単なのですが,ならばなぜTDK16GBをCF-SD変換で使うとあんなに遅いのだろうかという不思議になります。

 比べて見ると,どうもランダム書き込みの性能がきいているのではないかと思いました。特に256k block時の書き込み速度がTDKは0.35MB/sと遅すぎました。これが10倍速いと,そりゃかなり違ってくると思います。



 

AF-S Micro Nikkor60mm/F2.8Gを買ってレンズラインナップ完成

  • 2017/02/28 10:00
  • カテゴリー:散財

 久々にレンズを買いました。といっても,以前からずっと導入計画に入っていた,AF-S Micro Nikkor60mm/F2.8Gです。

 3年ほど前は6万円を切る値段が当たり前だったのですが,最近は7万円前後で売られることが多くなりました。元々の値段を考えると1万円高くなるというのは,結構厳しいものがあります。

 ニコンに限らずどこでもそうですが,ジワジワと下がった価格は,新型が出ると旧型の登場時よりも高い値段になりがちです。原材料費が上がり,古いレンズでさえも値上がりする傾向があるここ数年では,むしろ当たり前の事だと思うのですが,キットレンズから最初に買い足すレンズとして,このMicro Nikkorが存在していることを考えると,出来れば6万円という魅力的な価格を維持してもらいたかったなあという気がします。

 なんでも,カメラ関連の市場が急速にしぼんでいるそうです。ワールドワイドで,レンズ交換式のデジカメ(一眼レフやミラーレス)の出荷台数は2012年がピークで2100万台ですが,2013年には1680万台,2014年には1350万台,2015年には1300万台,そして2016年には1160万台となっています。2017年は1120万台という見通しがCIPAから出ていますが,この数字を改めて調べてみて,大変なことが起きているんだなあと驚きました。

 2012年と言えばつい最近のことで,たしかに一眼レフがとても元気だったことを記憶しているわけですが,そこから5年で,なんと1000万台も市場が小さくなったというんですよ。こんな短期間で,これだけの数売れなくなってしまうなんて,なんと恐ろしいことだと思います。

 一方で平均単価は上がっているそうで,確かに2012年にD800が登場した時,その安さにみんな驚いて,たちまち品薄になったことを覚えているわけですが,技術革新による価格の低下とは別の力学によって,D800クラスのカメラがいきなり26万円ちょっとで販売されるようなことは,もうないんじゃないかと思います。

 数が出ないんですから,高くなるのは当たり前ですわね。

 交換レンズも価格は上がるわけで,モデルチェンジをすれば数万円上がるのは当たり前,古いレンズも前述のように価格が上がっています。そうすると買おうという人が減り,また値段が上がるということを繰り返していくわけです。

 そもそも,高級なカメラなんてのはそんなに数がバンバン出るようなものではありませんので,これくらいがちょうどいいという意見もあるでしょうが,同じ物が,買った時期で値上がりしてしまうと言うのは,欲しい人に取っては面白くない話です。

 私も,AF-S24-70/F2.8GとAF-S70-200/F2.8Gを買った時に,思い切ったことをしたと思ったのですが,それでも当時はあれで底値でしたし,今はもっと高いですから,後悔してはいません。むしろ,当時買う予定だったAF-S Micro Nikkor60mm/F2.8Gを買っていないことを後悔しているくらいです。

 さて,そのAF-S Micro Nikkor 60mmF2.8Gですが,最も安い「ナノクリスタルコート」採用のレンズであり,高コントラストで高解像度の今どきのレンズでありながら,ボケも綺麗で何でも良く写るレンズとして知られています。

 60mmという焦点距離は,APS-Cのカメラでは90mm相当となり,マクロレンズとしては使いやすいものになります。エントリーモデルの「2本目レンズ」として用意されたというのはあながちウソではないと思うのですが,その性能は折り紙付きで,ロングセラーの定番商品になっています。

 私の場合,タムロンのmodel72Bという,90mmのマクロを随分昔に買ったのですが,実のところあまり出番がなかったのです。原稿のSP90mmマクロと同じ光学系なので,そんなに写りは悪くないと思うのですが,そんなに接写をするわけでもなく,一般撮影なら85mmや105mmの単焦点の方が明るいですし,ズームでも事足ります。

 よって,SP90mmの個性を好ましいと思わなかったということになるのでしょうが,デジタル時代になっても同じ傾向であり,防湿庫の肥やしになっています。

 レンズの個性も流行がありますから,72Bが常用されることはもうないだろうなあと思っていますが,そうなると今どきのマクロレンズが欲しくなるわけです。

 接写が重要と言うよりも,寄れる中望遠という位置付けで考えると,結局このAF-S Micro Nikkor60mm/F2.8Gしかなくなってしまうんでしょうね。

 さて,軽く撮影してみました。

 まず,全体の傾向ですが,色はニコン純正に共通するトーンで,適度の濃さがあって,特に暖色系が好ましいです。30万円近い高級なレンズと同じ傾向のレンズですので,価格差を考えると,これを手にとって感激する人が多いのも頷けます。

 もっとも,純正レンズはカメラ側で補正がかかりますので,このレンズそのものの個性がどのくらい出ているかは,ちょっとわかりません。でも,そういうカメラ側での補正も含めて,純正ならではと考えてもよいと思います。

 AFは十分に高速です。マクロレンズというのはフォーカスで鏡筒の長さが伸びてしまうので,撮影に夢中になっていると前玉が被写体に接触することがあるんですが,このレンズは全長が変化しませんので,安心して撮影に集中出来ます。これは案外大きいですよ。

 本来の接写ですが,タムロンのSP90mm/F2.8(72B)に比べると解像度が高く,数世代の進化を見せつけてくれます。マクロ撮影の醍醐味を堪能出来ると思います。60mmという焦点距離がどうかなと思いましたが,私は全く問題なし。扱いやすいと思いました。

 私の好きなAi-MicroNikkor55mm/F3.5と比べて見ますと,解像感はトントン,でもAi-MicroNikkor55mm/F3.5の方がコントラストが高く,カリカリの描写です。Ai-MicroNikkor55mm/F3.5は色のりがいまいちで,寒々とした写真になることが多いですから,その意味でこのレンズは,今どきなんだなあと思います。

 で,一般撮影に使えるかどうかを見てみました。繰り返しますが,色の傾向や色のりは今どきの純正レンズを踏襲しますので,ぱっと見たところで非常に豊かな写真になってくれます。

 ですが,やっぱりなんとなく眠いんです。拡大すると,明らかに解像感が少なく,コントラストも低いです。ポートレートにはこのくらいがちょうどいいのかもしれませんが,普段シグマの35mm/F1.4Artを使っていると,目がこれに慣れてしまうんでしょうね。

 ただ,AF-S24-70/F2.8Gと比べて見ると,それほどの差があるようには思えませんでした。一般撮影に使えないということではなく,もはやこれは画角も含めた好みの問題といえるかも知れません。

 もう1つ,標準域のレンズとしては,周辺光量の落ち方が目立ちます。APS-Cサイズなら問題はないのでしょうが,フルサイズで一般撮影では,ちょっとしんどいかもなあと思います。これも,カメラ側での補正が入れば問題なくなるので,割り切っても構わないかも知れません。

 結局の所,私の場合一般撮影用には好みに合わず,やっぱりシグマの35mm/F1.4が常用レンズになりました。というか,そもそも同じ土俵で好き嫌いを語っていいとはいえないくらい,別領域のレンズだよなあと,書いていて思いました。

 時にこういう風に新しいレンズを買うと,手放しに新しいものを絶賛することと同じくらい,それまで使っていたものの良さを再発見することがありますね。シグマの35mmは,本当に良いものに出会えたと思っています。解放でも十分カリカリのレンズが,2段絞ってもまだF2.8ですからね。この性能のゆとりが,撮影者のストレスをどれくらい軽くするか。CarlZeissのレンズが好まれる理由も結局ここにあるんじゃないかと思います。

 必ずしも高価なレンズである必要はなく,大事な事は撮影者の心の鍵に勘合することです。そういうレンズに出会うことが出来た私は,とてもラッキーだったと思います。

 蛇足ですが,同じシグマでもDP2Merrillには,あまり手が伸びないんです。画質はすごいんだけど,その画質の傾向が,よりシグマっぽいと言うか,シグマの方向に行きすぎているというか・・・Lightroomで好き勝手にいじれないこともあって,あれでは手の付けようがないという感じがいつもしてしまい,画面に出てきた画像を前に手が止まってしまうのです。

 

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