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私の夢,300dpi

  • 2014/11/05 16:39
  • カテゴリー:散財

 Kindleの2014年モデルの最上位機種,Kindle Voyageを買いました。幸いないことに発売日である11月4日に届きました。

 購入したのは最も安価なモデルである,WiFiモデルでキャンペーン表示ありのものです。それでも価格は21480円です。

 ここのところの円安と消費税アップという2つの要因で,この手のガジェットの値頃感が変わって来つつあるなあと思う昨今ですが,海外で$199のこのモデルが,日本でこの値段というのであれば,私は非常に良心的だと思います。

 なんだかんだで毎年Kindleを買っている私ですが,今回のKindle Voyageはまさに躊躇なく購入に至ったモデルです。十分な性能を持つKindle Paperwhiteの価格の2倍もする高額な電子書籍端末で,見送りという人がちらほらといる中で,私が迷わず購入した理由は,300dpiが私の夢だったから,です。

 いや,すでにLCDの解像度が300dpiを越えていることは承知しています。ですが,高コントラスト,紙と同じ反射型のデバイスである電子ペーパーで300dpiというのは,1つの目標だったと思うのです。

 電子ペーパーが世に出たとき,それは名前の通り紙を置き換えるものという期待が込められていました。色にしてもコントラストにしても,反射型であることも含め,そのスペックは紙,当時でも新聞紙程度の性能は持っていたのです。

 しかし,唯一紙にかなわず,そして当面紙を越えられないであろうと思われたのが,解像度でした。

 人間の目の分解能は,300dpi程度の解像度の印刷物で飽和するそうで,それ以上解像度を上げてもあまり意味がないと言われています。そもそも,180dpiという解像度が10ポイントで漢字を省略せずにきちんと表現出来るギリギリの解像度として選択されたものでしたが,この300dpiという数字は人間の視覚から選ばれた数字なのです。

 当時の電子ペーパーは300dpiは言うに及ばず,180dpiにさえも手が届かないものでした。こうなると,いかに紙に近いディスプレイと言われてても,印刷物には到底及ばないわけで,最初からユーザーに「我慢と妥協」を強いるものになったいたのです。

 さらに悪いことに,この解像度は電子ペーパーそのものの物理的な制約と言うよりは,電子ペーパーをドットマトリクスで駆動するための仕組みに起因していました。簡単に言うと,この仕組みはLCDのものと同じなのです。当時のLCDの最高解像度がようやく300dpiを越えるかどうかというレベルでしたから,これが電子ペーパーにおりてくるのは絶望的でした。

 あれから10年,ようやく私は300dpiの電子ペーパーを持つ電子書籍端末を手にしました。実に感慨深いです。そう,この電子書籍端末は,やっと紙に印刷された「印刷物」に並んだのです。これは本当に,私の夢でした。

 この間,電子ペーパーは解像度だけではなく,表示品質を高め,さらにコントラストも向上させ,十分に紙の代わりになりうるだけのポテンシャルを手に入れています。これらと相まって,おそらくKindle Voyageは私の期待に応えてくれるはずと,予約開始と同時に注文をしたというわけです。

 6インチのディスプレイで300dpiということですの,ピクセル数は1440x1080ドットです。数字だけを見るとHD解像度にも達していませんが,6インチなら文庫本は十分収まります。つまり文庫本を300dpiでスキャンすれば,そのままドットバイドットで表示出来てしまうだけの能力を持っています。コミックもそうですね。

 ハードカバーの文芸書も,余白を切り落とせばほぼ収まります。これが300dpiで表現出来るのですから,Kindle Voyageは持ち歩きが現実的に可能な本の大半を,印刷物と同じと見なしていいだけの表示品質で扱えるようになったといえます。

 高品質なベクトルフォントをこの電子ペーパーに表示することは,つまりレーザープリンターで印刷物を作ることと同じです。スキャナーで取り込んだ本をこの電子ペーパーで表示することは,つまりコピーを取ることと同じです。

 ようやくここまできました。

 で,早速使ってみました。先に書きますが,素晴らしいです。高価な端末なので持ち歩くのは当面ひかえようかと思いましたが,その表示品質の高さに私は虜になり,もう2013年モデルのKindle Paperwhiteを使う気にならなくなってしまいました。

(1)表示品質

 300dpiのCatraは,やはり伊達ではありません。216dpiのPaperwhiteと比べて見るまでもなく,文字の潰れがほとんどなく,線がくっきりと出て本当に印刷物のようです。

 Paperwhiteでは画数の多い漢字は潰れてしまい,一部濃淡で表現している部分もあるのですが,この濃淡が全体のコントラストを下げる要因になっています。これがVoyageでは濃淡で潰れた線をごまかすことなく,きちんと線として表現出来るので,無理に濃淡に頼ることがありません。従って,全体のコントラストの低下もありません。

 普通に使ってもその違いはよく分かりますが,ルーペで拡大するとさらによくわかります。もう紙を見ているような錯覚に陥るほどの表示です。


 そして,色調も良く整えられ,ムラもほとんどなくなったフロントライトも,表示品質の向上に大きく貢献しています。Paperwhiteも2012年モデルと2013年モデルで色が違っていたりしましたが,Voyageのフロントライトはこれまでのもののなかで,最高のものだと思います。色は限りなく純白に近く,輝度ムラもありません。

 電子パーパーにおけるフロントライトは,暗いところで明るくする補助光ではなく,白をさらに白くする,コントラスト向上のためのものです。ですから,明るいところでは明るく,暗いところでは暗く点灯するように設定します。

 ですが,この輝度の調整がなかなか難しく,周囲の明るさと紙の反射率から我々の目に入ってきた時の明るさにあわせ込むのがなかなか面倒です。しかも周囲の明るさが変わると極端に見え方も変わって来ますから,こまめな調整も必要です。

 フロントライトの基本性能の向上と共に,私がよいと思ったのはフロントライトの輝度調整が自動になったことです。この手の自動調整というのは案外使い物にならないもので,結局手動調整に頼ることになるのが常ですが,今回は違います。

 周囲の明るさが変化しても,紙に近い見やすさを維持出来ており,寝室でも屋外でも自動で調整してくれることがとても便利です。

 もう1つ,表示品質に貢献しているのが,段差のないフラットな画面です。フレームと画面の間の段差がなくなり,1枚のノングレアのガラス板になりました。

 ディスプレイも奥に引っ込んでおらず,表面の硝子の真下にある感じです。これが,まるで店頭展示用のモックに紙を貼り付けたものと見間違うほどのリアリティを生んでいます。特に少し斜めから見たときの表示品質の高さには感激します。

 このこのことによる没入感は想像以上のものがあり,Kindle Voyageをテーブルにおいて離れて眺めてみると,それはもう印刷物といっても見分けがつきません。

 本当に素晴らしいです。


(2)全体の質感

 軽くなりましたし,やや小さくなりました。薄くなった事もあって,手で持つのが随分楽になりました。Paperwhiteに比べると剛性感がなくなって,倍の価格の商品として少々がっかりしますが,決して悪くはありません。

 悲しいのは背面の上部にある,つやつやのプラスチック部品です。おそらくWiFiや3Gのアンテナが収まっているのだと思いますが,指紋も目立つし,傷も付くのでわざわざつやありにしない方がよいなと思いました。

 私の場合,この部品に成形時のヒケがあり,つやがあることで余計に目立ってしまいます。これは残念です。

(3)データの作り方

 ダウンロードコンテンツはよいとして,私の場合自炊したコンテンツを読む事も多いので,そのデータの作り方が非常に重要です。

 Kindle Paperwhiteのころから,私は「かんたんPDFダイエット」を使っています。かつては頻繁にアップデートがあったのですが,ここしばらくは更新されず,昨年10月のバージョンか最新のままです。

 正直なところ,アップデートによってついた機能が邪魔だったり,画像の品質が落ちたりと,更新を素直に受け入れることが出来なかったのですが,この1年はそういうこともなく平和でした。

 ですが,設定に最新の端末が追加されない状況はちょっとだけ問題で,仕方がないので自分でKindle Voyage用の設定を組み込みました。といっても,解像度に1440x1080を加えただけです。

 ただ,この1440x1080という解像度は,amazonの公式資料にはなく,いくつかの記事に出ていた推測の値に過ぎません。実は1439ピクセルだったり1081ピクセルだったりするかも知れず,そういう場合はドットバイドットでは表示されないことになるので,表示品質が大きく低下する可能性があります。

 あれこれ悩んでいても仕方がないので,とにかくこの設定で処理をしてものをKindle Voyageで表示させてみました。結果は上々で,おそらくですが,きちんとドットバイドットで表示されています。階調の表示の適切で,まさに紙に印刷したかのような美しさです。

 ただし,データの量は2倍近くになりました。解像度が300dpiになったことで約1.4倍,これがピクセル数で縦と横にかかってきますので約1.96倍。計算通りです。

 データの量が2倍になったと言うことは,同じストレージに半分しか入らないという事になりますので,ここはとても残念です。

 せっかく高価な最高級の電子書籍端末として登場したのですから,データの増加分にあわせてストレージも倍にして欲しかったと思います。今どき8GB位のストレージを積むのに,そんなにお金もかからないと思います。唯一の不満です。


(4)操作について

 電源ボタンの位置が下端から背面右側に大きく移動しました。別にこんな部分に動かす必要性はないと思うのですが,利便性ではなくなにか別の理由,設計上の制約などで動いたんじゃないかと思います。慣れればなんということはないですが,あまり便利とは思いません。

 従来通り,画面のスワイプで操作もできますが,Kindle Voyageの特徴の1つとして,専用の送り/戻しのエリアが出来た事があります。

 送りと戻しのエリアが画面の左と右それぞれに用意されています。左利きでも右利きでも不便にならないようにという配慮は,かつてのKindle同様で好ましいです。

 面白いのは,このエリアを押してやると,バイブレータがぶるっと振動して,フィードバックがあることです。

 それも,回転型の振動モーターなどではなく,スマートフォンによく使われるようになった,リニアアクチュエータです。なかなか良い反応で,邪魔になりません。本をめくるときに振動とは,今ひとつピンと来ないものがありますが,もともとここにはクリック感のあるボタンを使いたかったのでしょうね。

 それが証拠に,画面をスワイプしてページをめくったときには,振動はおきません。

 個人的には,こんな振動はあってもなくてもよいと思うのですが,もし振動をさせるのであれば画面のスワイプでも振動して欲しかったなと思います。振動がボタンのクリックの代わりに限定されるというのは,ちょっと理解が難しいのではないでしょうか。

 ところでこの送り/戻しエリアの操作感ですが,悪くはありません。単なるタッチセンサかと思っていたので,触れれば反応すると思っていたのですが,さすがにそれではスイッチの代わりにならないと思ったのか,あるいは使いにくくなると思ったのか,結構正確な場所をぐぐっと押し込まないと,反応しません。

 こういう押圧を検知する仕組みは,それなりに普及してきたとはいえ,広く一般的に使われていて,ユーザーの習熟度が高まっているとは言えません。結局使いこなせず,画面のスワイプで済ませてしまう人が多いのではないかと思います。


(5)キャンペーンについて

 今回初めてキャンペーン表示ありのモデルを買いました。amazonのポリシーとしては,この手の広告を本文に入れたりして,本来の役割である読書を妨げるようなことはしないというのがあり,私はそれを信じたのです。

 確かに偽りなしで,読書中にキャンペーンの広告に患わされることは全くありません。これで何千円か安くなるなら全然構わないのですが,1つだけ気になる事があります。

 それは,電源投入時の操作です。パスワードによるロックを設定すると,電源投入時にパスワードの入力が必要ですが,この後さらに広告を飛ばすためにスワイプが必要になるのです。

 キャンペーンなしのモデルなら,パスワードの解除だけですぐに本文が表示されますが,ここに1つ操作が入ってくるわけで,これは気分的に結構重たいものがあります。

 まあ,今の段階では,その広告にも有用なものがあったりするので(1000円以下のkindle本の半額を割り引くクーポンの案内とか),必ずしも悪いものではないと思うのですが,これがamazonではなく他の業者の,下品な広告になってくると,追加料金を支払ってでも見ないようにする方法が欲しくなるかもしれません。


 ということで,Kindle Voyageですが,確かに価格は高いと思いますし,この値段でタブレットを買えばもっといろいろ出来ると言うもわかります。ただ,紙に印刷した本にこれほど肉薄した機器を,我々はかつて手にしたことがないわけで,全く新しい体験を期待するなら,この金額は実に意味のあるものになると私は思います。

AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED 買いました

  • 2014/10/30 12:14
  • カテゴリー:散財

 昨年から続けていた500円玉貯金forレンズがいっぱいになったことを受け,新しいレンズを買うことにしました。

 この貯金を始めたことは,評判のいいAF-S micro Nikkor60mmF2.8を買おうと思っていたのですが,PENTAX Q7と08レンズという超広角でキレのある写真の面白さに気が付いて,D800でも広角の整備をしようと思ったのです。

 とはいえ,この分野全くノーマークでしたが,あるカメラ屋さんのツイートで,安くて軽くて良く写るという広角ズームが紹介されており,これだと思ったので早速購入することにしたわけです。

 それが,今回購入した。AF-S Nikkor 18-35/F3.5-4.5です。

 400gを切る軽さに短さ,広角端が18mmというのも私には十分で,少々暗いとはいえ,その写りに悪い評判がありません。しかも値段が安く,最近は66000円台まで下がっています。ニコン純正の最新設計の広角ズームがこの値段で買えるなんて,うれしいじゃありませんか。

 評判からハズレ無しと判断した私は,大手量販店の通販で購入。ポイントまで考えると,ぱっと探して見つかった範囲で最安でした。

 届いてみると,確かに軽いです。D800に取り付けてみましたが,収まりの良さは文句なしです。

 ファインダーをのぞいてみると,確かに広角の世界です。しかし,特別な感慨はありません。昔,20mmの単焦点を買った時には「うむー」とうなってしまいましたが,そういう換装が出ないくらい,このくらいの広角レンズはもう当たり前の時代なんでしょうね。

 撮影を開始しますが,やはり暗いのは致し方ないというのが第一印象です。そりゃそうです。それまでつかっていたのが,35mm/F1.4なんですから。

 室内での撮影はかなり厳しいですが,ちょっと明るいところで撮影すれば,いやはや,良く写りますよ。

 18mmで被写体にぐぐっと近寄ってみれば,開放でもちゃんと色も乗っているし,解像しています。レンズの暗さからくる,湿っぽいイメージは完全に払拭されました。

 ただ,周辺光量の低下がかなり派手に出てきます。絞れば格段に改善しますが,私は個人的に周辺光量の低下が嫌いではないですから,18mmでこのくらいの落ち方だったら,絞りでコントロールして積極的に使ってみようかと思うくらいです。

 誰も試さないと思うのであえて書きますが,内蔵ストロボでは完全にけられて使い物になりません。

 軽くて小さいレンズで,手にすぽっとおさまるので,手ぶれにも強く,なかなかよいレンズです。この描写力でこの値段で純正なら,レンズメーカーはきっと苦労するだろうという発売当時のレビューがありましたが,まさにその通りだと思います。

 もちろん,この明るさですから室内は厳しく,観光目的の旅行にはぴったりかも知れません。欲を言えば,広角側を16mmくらいまで広げてくれると全然違う世界がもう1つ手に入ったになということくらいでしょうか。

 常用しているシグマの35mm/F1.4は本当に素晴らしく,F1.4という明るさで,しかも開放から使えるくらいの高画質です。このレンズとの比較は全く意味がありませんが,後で後悔したくなければ35mm/F1.4,手軽さとチャンスを生かすことを狙うなら,この18-35mmかなと思います。なんといっても20mm以下の世界は,おもしろいですし。

 最近のデジタル一眼レフは高感度化が進んでおり,シャッター速度を稼ぐという目的で明るいレンズを使う必要性は,かなり減っていると思います。というより,その必要性が一番強かったことを考えると,明るいレンズというのは特殊な領域のものになってくるんじゃないかとさえ思います。

 F4前後のズームレンズは,明るさから見ると物足りないかも知れませんが,大きさと価格,そして設計に無理をしない点において,実はとても良いレンズを作る事の出来るエリアです。

 以前は価格優先でしたが,最近は本当にいい設計のレンズばかりになりました。高感度化とあわせて考えると,もうこのクラスのレンズを積極的に選んでもよいんじゃないかと思います。

 ということで,明るいレンズに漠然とした憧れをしていましたし,24-70/F2.8も35mm/F1.4でも,その憧れにふさわしい結果に満足していましたが,そこは明るいレンズの個性ときちんと考えて,F4クラスのレンズもちゃんと評価したいと思います。

 私は,70-200の望遠ズームを持っていません。ここに奮発してF2.8というのもあったでしょうが,F4をまず狙っていこうと,思います。

CLIPHITを買いました。が,

  • 2014/09/30 17:02
  • カテゴリー:散財

 コルグが先日発売した,「CLIPHIT」。いや,これは革命ですよ。

 センサを仕込んだクリップが3つ接続可能,これでどんなものでも,クリップで挟んでしまえば,あっという間に打楽器に早変わり。

 ペダルも最大2つまで取り付けられ,バスドラム,スネアドラム,ハイハットにシンバルという,最低限度のドラムセットをこれで再現出来るようになります。

 これまでの電子打楽器ってのは,ちゃんとした電子ドラムだとスタンドを組み立てて取り付けるので結局かさばりますし,そうでないものはドラムの代わりにならないので,結局ただのオモシロ打楽器に成り下がります。

 それが,このCLIPHITは,ちゃんとドラムセットになるように考えてつくってあります。

 ミソは,クリップ式のセンサーです。これを何かに挟んで,その何かを叩けば,CLIPHITがあらかじめアサインされた音をドンと出してくれるのです。ほとんどのものに取り付け可能で,変な話,指にクリップをはさんで手を叩けば,それでもう音が出ます。

 ということで,長年にわたり,ドラムを叩いてみたいと思っていた私は,飛びついたのです。

 これまで20年来,キーボーディストとはいえ,リズムキープは重要ですし,ドラムセット言う打楽器を実際に叩いてみないと,本来なら叩けないはずのフレーズを打ち込んでしまうというミスは防げないと考えて,何度かドラムを買うことを考えたのです。

 近所迷惑になると困りますから,電子ドラム限定にしていたのですが,それでも音はパンパンと出ますし,なんといっても自分が座る椅子の面積以上に,スタンド類が必要になってしまうことを考えると,何度も考え,何度もやめるということを繰り返してきたのです。

 そこへCLIPHITです。もう買うしかないでしょ。

 しかし,実に甘かったと痛感します。


(1)微妙に足りない

 クリップは3つ,ペダルは1つの合計4つの音が出ます。冷静に考えるとこれ,1つ足りないんですよ。バスドラムはペダルにアサインされていますので,残り3つのセンサーを割り当てるのですが,スネア,ハイハット,シンバルとアサインすると,タムがアサイン出来ません。

 これではフィルインが単調なものになり,つまりません。

 かといってタムをアサインしても,シンバルがなくなりますし,タムだって1つじゃ結局足りません。

 それに,シンバルだってクラッシュシンバルだけではなく,ライドシンバルも欲しいです。リムショットはどうするのか,など,どうも基本的なドラム演奏に使えるようなものではなさそうです。

 ペダルはもう1つ増やせますが,これは基本的にハイハットのオープンとクローズを切り替えるものです。いや,これは大事な機能なんですよ。でも,これよりもタムの数を増やすのが先でしょう。


(2)モノラルだった

 本体のスピーカーはバスレフ式で,アンプのパワーもあるので,びっくりするほどしっかり音が出ます。思わずわらってしまうのですが,ヘッドフォンで聴いてみるとなにか物足りません。

 そう,モノラルだったのです。なにも,それぞれの楽器をステレオでサンプリングしてくれとまではいいません。でも,音源はモノラルであっても,せめてパンニングくらいは,設定して欲しかった思います。

 バスドラムもスネアもシンバルもハイハットも,全部ど真ん中か出ていると言うのは,ドラムを叩く人にとって強烈な違和感があるんじゃないかと思います。

 どの楽器の音も,叩く人のやる気を焚き付けるような,なかなか良い音がするだけに,残念です。


(3)結局場所を取る

 これは当たり前のことなのですが,結局ドラムとして演奏するのであれば,それぞれの楽器の位置にあるものを叩くわけですから,場所は普通のドラムと同じだけ必要になりますわね。

 その場所が確保出来ないからCLIPHITなのに,CLIPHITには場所がいる,なんてのは,今頃気付くようなところではないですよねw


(4)もう配線がイライラ

 クリップが3つあることで想像がついていましたが,絡まってダンゴになっています。まず絡まったコードをほどくところから始めねばならず,「おれ,なにやってんだ」と我に返ってしまうと,もうドラムどころの話ではありません。


(5)結局

 本体を叩くと,スネアドラムの代わりになります。実はこれだけでも結構楽しめます。あまり欲張らず,1万円のオモチャとおもって,割り切れば,宴会芸には好評かもしれません。

ケルヒャーWV75plusで安全確実に窓掃除

  • 2014/09/22 16:41
  • カテゴリー:散財

 現在の家に住み始めて1年半になりますが,これまでタダの一度も窓ガラスを掃除したことがありません。

 普段は雨戸をしているので,そもそも汚れないように気を遣っていたのですが,そうはいっても中と外を仕切るガラスなのですから,汚れて当たり前。それでも掃除をしなかったのには理由があって,それは危険だったから,です。

 うちは3階建てなのですが,窓ガラスの外側を掃除するには身を乗り出して手を伸ばし,拭き取るしかありません。

 洗剤や水をボトボト落とす事も周りに迷惑になりますし,身を乗り出してバランスを崩して落ちてしまえば,痛いどころでは済まないかも知れません。

 しかも,掃除中は窓を開けたままにしないといけないですから,夏の暑いとき,冬の寒いときは出来ません。天気が悪いときも出来ません。

 窓ガラスの掃除は,「今年の汚れ今年のうちに」というキャッチコピーのせいもあり,どうも年末行事という気分がしますが,私に言わせればなにもクソ忙しくクソ寒い12月末に屋外の作業をすることはないはずで,要するにサボったツケです。

 そろそろ窓ガラスの掃除をしたいなあと思いつつ,寒くなる前に片付ける方法はないものかと,ずっと考えていたのです。

 そして考えついたのが,ケルヒャーの窓ガラス用バキュームクリーナーです。

 窓ガラスにびっしりつく結露退治に活躍する真冬には,毎年のように「素晴らしい」というレビューが出てくるこのバキュームクリーナーですが,本来窓ガラス掃除用のものですので,今回の用途にはぴったりではないかと考えたのです。

 というわけで,あまりよく考えずに,ケルヒャーのWV75plusを買いました。7000円くらいなんですね,この機種。ちょっとお安くなっている感じです。

 購入後,商品が配達されて感じたのですが,ケルヒャーといういかにもドイツ語というメーカー名からイメージされる重厚なものではなく,軽くてチャチで,確かにこれは数千円だわ,と言う感じでした。なにより残念なのは,付属品があれこれ多いのに,組み立てた状態では箱に入らないことでしょう。

 結局私は,箱を捨てました。

 さて,いつものようにレビューです。

(1)大きさ・重さ・動作

 大きさは一昔前によく見た,自動車用に売られていたハンディクリーナーみたいな感じです。手に持った感じは悪くないし,重くもないので長時間の使用にも負担は軽いでしょう。

 細長い本体の先端に,ブレードを取り付けます。ワイパーのようなゴムのへらが水をかき集め,それを吸い込む仕組みです。

 吸い取った水と空気は,内部で分離されて,水だけタンクに溜まるようになっています。

 だから,本体を逆さまにするとタンクから水が戻り,これが空気の通り道に入り込んでしまいます。当然故障に繋がると思いますし,取説にも「するな」と書いてあるくらいですので,これは避けたいところです。

 一応,IPX4ということで,ちょっとくらいの水は大丈夫だと思いますが,風呂場などで使うのは注意した方がよいかも知れません。


(2)付属品

 大小2種類のブレードはがっちり作られていて,いかにもドイツっぽいのですが,充電器は今どきトランス式のACアダプタですし,オマケくらいの扱いのはずのスプレーのボトルの組み立てが,やたら面倒だったりします。

 どうもこの製品,スプレーと洗浄液が主役のような感じです。

 そのスプレーですが,なんでわざわざついてるのかと思っていたのですが,その頭に幅の広いクリーニングクロスを取り付けられるようになっているあたりから,これはどうも,このスプレーがミソなんだと思うようになりました。

 吸水性の高いものではない,本当に洗浄液を塗り広げるのに適した素材のこのクリーニングクロスが,スプレーと一体化していることで,とても素早く,安全に窓掃除が出来るようになるんですね。


(3)使ってみて

 2つの使い方を試して見ました。1つは窓掃除,1つは風呂の壁の水滴を取る,です。

 まずは窓掃除です。洗浄剤をボトルに入れ,水をいっぱいに入れて溶かします。シュッシュッと窓に吹きかけてから,スプレーの頭のクロスで塗り広げます。ここで汚れが浮き上がるんだそうです。

 慌てなくてもよいのですが,一応乾く前に本体の電源を入れ,ブレードを窓の上部に当てて,一定の速度,一定の力で下に引っ張り,洗浄液を吸い込みます。これを何度か繰り返すと,ほら,窓ガラスがあっという間に綺麗になります。

 室内側はそれほど汚れていないと思いましたがとんでもない。吸い込んだ汚水は真っ黒ですし,クロスも黒く汚れています。何より掃除が済んだ窓ガラスは驚くほど綺麗で,向こうが良く見えます。

 屋外側も試すのですが,窓から身を乗り出して作業をする必要があり,慎重に始めます。しかし,大きく身を乗り出すこともなく,手の届く範囲で洗浄液を吹き付け,広げ,吸い込む事ができ,楽に,安全に作業を終えることが出来ました。

 1つは,水が垂れない,下に落ちないという安心感です。迷惑にもならないし,自分の腕に伝ってくることもありません。

 もう1つは,力をいれて擦ることはない,しかも1回すーっと拭き取ればそれでOKという簡便さです。時間もかからず,腕が疲れてしまうこともありません。多少の吹きムラが残り,筋状に汚れが残るのですが,これをゼロにするのはさすがに至難の業,もともと外にあるものなんですから,ここにこだわってもどうせすぐ汚れます。

 それより,窓ガラス全体の透明度が格段に向上したことを素直に喜ぶ,そういう大らかな気持ちも大切でしょう。

 あっという間に家中の窓ガラスの中と外を掃除できたのですが,これで洗浄液は半分くらい使った感じです。時間も労力もいらず,安全に,しかも綺麗になるということで,大変素晴らしいと思います。

 思うに,この商品の肝は,この洗浄剤です。汚れを浮き立たせる洗浄力はもちろんですが,すぐに乾いてしまわないこと,泡だらけにならないこと,拭き取るときにムラになって筋状の汚れが残らないようになっていることが,この洗浄剤の特殊なポイントです。

 しかも,水拭きやから拭きをしませんし,使用中はどうしても鼻と口から吸い込みますので,有害な物質は使えません。さわやかなシトラスの臭いがあるおかげで,作業そのものが苦にならないことも大事です。

 付属品は1袋で,これでボトル1本分です。私は別売りの4袋1000円のものも一緒に買いましたが,私の場合,窓すべてを掃除するのに125円かかるわけですね。普通の窓用洗剤でもこれくらいの値段はしますので,まあよいのではないかと思います。

 次に,風呂での使用です。

 うちの風呂はツルツルの壁になっていますが,これは水滴を拭き取りやすくして,カビの発生を抑えたいと思ったからです。しかし,その水滴を取る作業というのが結構な重労働です。雑巾で拭くのはさすがに大変と,水切り用のブレードを使っていますが,それでも切った水が自分にかかると,冬は寒いし厄介です。

 そこでこのWV75plusを使ってみようと考えたわけです。

 結果は上々です。とても楽です。壁の水滴がみるみる吸い込まれていきます。作業をしている私は濡れることもなく,また何度も繰り返すことなく綺麗に水を拭うことができます。

 風呂全体で120cc程の水が吸い取れたのですが,これがそのまま風呂場に飛び散るのかと思うと,そりゃ作業者が濡れるのも無理はないなと思いました。

 毎日使うものではないなと思って買ったのですが,結局毎日使うものになってしまいました。


(4)不便なところ

 いい話ばかりではありません。というか,ホントにこれドイツのメーカーのものか?と思うような配慮のなさに辟易します。

 まず,重心が高いので,本体もスプレーも,よく倒れます。これ,高いところで作業をすることが予想される窓掃除においては,致命的なんじゃないでしょうか。

 ブレードを本体の先端に取り付けると,もうそれだけでグラグラとして倒れそうです。少し触ると,簡単に倒れて転がります。

 スプレーもそうですね。先端のクロスが重いので,倒れそうです。

 しかも,スプレーも本体もそうですが,先端がT字ですから,ちょっとしたことで手が引っかかったりするのです。そうなると確実に倒れてしまいます。

 この安定の悪さが,とにかく気に入りません。もっと底面を広げるなり,重量物を下側に持って来るなりしないと,危ないと思います。

 それと,逆さまにして使うとタンクの水が逆流してしまうというのも問題です。原理的に仕方がないのですが,その逆襲した水がどこに行くかといえば,ファンに行くんですね。下側にある空気の吐き出し口から水がバババーと出てきた時には,もう壊れたと思い絶望しました。

 これ,下の方の水を吸うときには,どうしたって本体の下側が地面にぶつかるわけですから,横にしないと吸えません。逆さまは極端としても,水平くらいは制約無しで使えるようにならんかなあと思います。

 それと,タンクの水抜きのためのゴムのフタです。これがよく外れるのです。気が付いたらフタがあいています。ひどいときにはフタそのものが外れて,なくなっていました。

 こうなると,タンクの水抜き穴から汚水がドバドバ出てきてしまいます。私はこれであたりを汚してしまいました。

 そして,外れたフタを探し回ること20分。どこで外れたのかさっぱりわからず,あちこち探し回ってようやく見つけました。

 なんで外れてしまったのかなと考えてみると,このゴムのフタが,サッシの手前にある様々な出っ張り部分に引っかかり,外れてしまうようなのです。それはロックだったり,隣の窓ガラスのサッシだったり,レールの部分についている部品だったりと,いろいろあるんですが,これらが作業中にフタに引っかかると,ぽろっと外れてしまうんですね。

 洗浄液がついてしまうとヌルヌルするのでより簡単に外れるようになりますし,どういうわけだか引っかかりやすい構造になっている(タブが飛び出していたり)上に,曲面のタンクに沿うような形でくっついているゴム製のフタゆえに,ぴったりくっついているわけではないありませんから,引っかかればほぼ確実に外れます。外れた結果が大惨事であるだけに,もう少しなんとかならんのか,と思う点です。

 あとは充電関係でしょうか。連続使用時間が約20分で,充電に3時間かかります。ただ,充電はACアダプタを差し込まねばならず,これがまた不安定で倒れそうです。しかも充電完了後にはACアダプタを抜く事がおすすめされています。

 しかも充電回数が300回しかありません。うちのように毎日使うと,1年くらいでダメになる計算です。うーん,それは余りにもひどくないかい?

 最後に,付属品がいろいろついているのは結構なのですが,これを収納することが全く考慮されていません。折りたためるわけでもない,取り外せるようになっているわけでもない,本体に引っかけたりしてコンパクトに一体化できるわけでもない,とにかくT字になったものがかさばって,しかも不安定で倒れやすいので,まあ面倒なのです。


(5)まとめ

 まず,基本機能として,水滴を吸い込む力は申し分ないです。リチウム電池1本ですのでそんなにパワーはないのですが,どうしてどうして,ちゃんと水を吸い込みます。

 ブレードも良く出来ていますし,裏表使えるので長期間性能を維持できるでしょう。心強いです。大小2つのブレードは面積を取るかこまわりを取るかで選べるのが意外に良くて,少々高くても2つセットのplusを買った方がおすすめです。

 そしてなんといっても,洗浄剤です。我々日本人は,ついつい電気で動く本体への対価と考えてしまいがちですが,この商品は窓掃除を手早く,綺麗に行う「キット」であり,本体はその道具の1つに過ぎないことを,改めて感じさせられました。

 そしてその主役は,やはり最適化された洗浄剤です。そんなにべらぼうに高価なものではありませんし,これはぜひ専用品を使って,その効果を体感して欲しいと思います。

 キットして考えた場合に,7000円はちょっと高いかもしれません。しかし,安全,楽ちん,綺麗とくれば,決して高くはありません。風呂でも毎日使えますから,うちの場合は十分元は取れそうです。

テスターを新調しました

  • 2014/07/28 13:49
  • カテゴリー:散財

 テスターを新調しました。

 今回買ったのは,フルークの101というやつです。

 フルークって,この仕事をしていると,なんやかんやで一流品ですから,ものよりも持っている人のこだわりのようなものに興味がいきます。

 テスターは価格も安いものもありますし,一般の人にも手軽に買える測定器です。その割に測定出来る事が多くて,初めてハンダゴテを握る子供からこの道30年のプロまで,使って意味のある測定器です。

 ですが,その中でフルークは今ひとつアマチュアへの露出が少なく,また価格も高いので今ひとつな感じがありますが,経験とが上がるごとにフルークを知り,やがて欲しいと思うようになるわけです。

 とはいえ,所詮はテスターですし,高額なものは別にして,3万円くらいまでのものなら,基本性能や精度を見ても他社のものと比べてそんなに変わるものもなく,私などはむしろブランド志向でフルークを選ぶくらいなら,ちゃんと吟味したサンワが一番いいと思っています。

 そういえば,高校生の時に師匠と仰いだバイト先の店長さんに,テスター買ったと話をしたら,すかさず「どこの?」と聞いてきたので,サンワですと答えたら,ニコニコしながら「サンワならええね」と返してくれたことを思い出しました。

 いくら安くて高性能とはいえ,秋月オリジナルのポケットテスターで測定を平気な顔をして行っている人には,いくら仕事が出来ても首をかしげたくなるわけですし,その結果を求めている相手を安心させたり,信用してもらったりという,エンジニアとしての最低限の心遣いが出来ない人というのは,申し訳ないけど一緒に仕事をしたくないものです。

 先日,偶然計測器ランドのWEBサイトを見ていたら,フルークの廉価版が登場とあります。なになに,と見てみると,一番安い101というモデルで6000円弱じゃありませんか。

 106と107という上位機種もありましたが,それでも1万円までで,なかなか安いです。調べてみると低価格路線に打って出た戦略モデルなんだそうですけども,私の目には,一目でフルークと分かるあのデザインがポケットに入る超小型であることに,もうクラクラしました。

 ちょうどamazonのタイムセールをやっていたのでちょっとお安く買えたこともあり,101を注文しました。アンチフルークといっても良かった私が,まさかフルークを買うことになるとは・・・

 実は101と106,そして107の三機種は微妙に難しい差があるシリーズです。101が一番安く,106から107と値段が上がるのは分かるとして,106は101よりも上位なのに周波数もダイオードテストもデューティも測定出来ないとか,実は106は101よりも大きいとか,価格が上がるごとに機能が追加されるわけではないので,油断は禁物です。

 とりあえず107を買っておけば全部入りなので憂い無しというところなのですが,バックライトも必要なければ,本体よりも大きなストラップも必要ありません。なにより超小型のフルークというところにしびれた私は,電流が測定出来るからと大きくなってしまうことをどうしても許せなかったのです。

 かくして手元に届いた101ですが,軽くインプレッションを。

(1)大きさ

 手にすっぽりおさまるサイズのフルークはおそらく初めてであろうと思いますが,投影面積もさることながら,厚みも手頃で邪魔になりません。中央部がほんの少しだけくびれているのですが,ここが手にも馴染むので,使いやすいです。

 あらためて大きさを確認しましたが,やはり106や107ではやや大きいと思います。この101のサイズは絶妙なところなんでしょうね。


(2)使い勝手

 まず端子がパネル面ではなく,下側にありますので,リードが下から出てきます。これは結構面倒かなと思っていたのですが,全然大丈夫です。

 ロータリースイッチはさすがフルーク,とても良い感触です。ただ,OFFから1つ動かしたところがAC電圧なので,DC電圧を測定するときに「あれ」と思うことがありました。

 これはフルークのテスターに共通する仕様なのですが,電気工事士が使うことを想定して1つ目にAC電圧を置いているのかも知れません。国産を含め,多くのテスターがDC電圧を1つ目に置いていることを考えると,意地というかこだわりというか,そういうものを感じますが,私はあまり合理的だとは思いません。

 ディスプレイは大きすぎず小さすぎず,また表示内容も良く整理されており,視認性に優れています。ただし,あまり良質なLCDではないようで,見る角度がちょっと悪いと,急にコントラストが下がって見にくくなってしまいます。

 私がテスターで気にするポイントは2つあり,1つはディスプレイの更新周期と,導通を知らせるブザーが鳴るまでのタイムラグです。

 前者は,古いテスターは1秒に1回だったりするのですが,これくらい遅いともう変化を読み取ることは出来ないので,使い方は限られます。せめて1秒に2回くらいは欲しいところですが,この101は1秒間に3回です。

 あまり頻繁に更新されるとかえって測定が難しくなりますから,このくらいが一番適当じゃないかと思います。

 後者についてですが,これは十分速くて,問題なしです。実測で30ms程度とのことですが,使い勝手を悪くするレベルではないと思います。

 中には0.5秒くらいのタイムラグがあるテスターもあり,これはもう論外です。例えば50ピンのコネクタの接続チェックを行う時に,すべての端子を調べるのにかかる時間はタイムラグだけでトータル25秒も余計に待たされるわけですよ。テンポが大事な測定に,これはもう致命的です。

。ただ,導通の判定をいい加減にやっているから反応速度が速いテスターというのもあるはずで,これはこれで使う意味がありません。電気抵抗を測定するなり,流れる電流を調べるなり,電圧をみるなりで,きちんとした判定は不可欠です。

 101がこうした基準で導通を判定しているかどうかは,結局分からずなのですが,あまりいい加減な事はやっていないはずと,信じて使う事にします。


(3)分解能と精度

 6000カウントのテスターは今どきのエントリーモデルです。かつては4000カウントとか2000カウントのテスターもありましたが,それらを一通り使って見た経験から言うと,6000カウントは欲しいところですが,一方で6000カウントあれば十分という気もします。

 というのは,例えば4000カウントと6000カウントを比べて見ると,5Vを測定するとき,6000カウントだと5.000Vと表示されるのに,4000カウントだと5.00Vとなってしまうからです。

 どっちも1%とか2%の誤差を持つわけだし,最終的に大差ないように見えますが,デジタルテスターの場合,いわゆる測定誤差に加えて,一番下の桁が2から3くらいずれることを認めています。分解能が小さく,表示桁数が大きいとここが有利なのです。

 だから,仮にどちらのテスターも1%の誤差を持つもので,0.05Vの測定誤差を含んでいるとしても,そこから2カウントの誤差を考慮すると,4000カウントだと4.93V~5.07Vまでの中に真の値が,6000カウントだと4.948V~5.052Vの中に真の値があることになるわけで,その範囲がまさに桁違いなんですね。

 私などは古いタイプの人間ですので,アナログのメーターは読みやすくて好きです。最小目盛りの間の,どの当たりに針が来ているかをどんぶり勘定で判断し,それをサクサクと記録するだけです。最小目盛りを信用出来るようにするには,そのヒトケタ下を読まないといけないのですが,そんなもの,そもそも正確に読めるはずがありません。

 下の目盛りをちょっと越えているのか,真ん中よりもちょっと低いのか,真ん中をちょっと越えているのか,それとも上の目盛りにもうちょっとで届くのかという4つの程度を見て,それぞれ0.2,0.4,0.6,0.8とおけば,もうそれで十分ですから。

 話を戻しましょう。精度については101も106も107も同じで,DC電圧では0.5%+3カウントです。これはこの価格のテスターとしてはまずまずよい精度です。実用上も問題はありません。

 正しい方法ではありませんが,安定化電源にいくつかのテスターを並列に繋いで電圧を見てみましたが,HPの34401Aと比べても,小さい電圧から高い電圧までほぼ全域において0.01くらいの差しかありませんでした。

 ちなみに秋月のP-10は長く使い込んでいるせいもあって,値はもうボロボロでした。レンジによってはもちろん,測定電圧によって全然値がずれるので,もうリニアリティが破綻しているんだと思います。6000カウントのP-16ですが,これは思った以上によいもので,101とほぼ同じ値を示していて,リニアリティも問題ありませんし,更新周期も速くて,この値段なら実によいテスターと言えるでしょうが,残念なのはオートパワーオフの時間が短く,頻繁に電源が切れてしまうことです。解除の方法もあるのですが,私のP-16はこれが有効になりません。

 あと,うちで最古のデジタルテスターであるサンワのRD-500ですが,これもリニアリティが悪く,値があまり信用出来ません。もう30年近く前のものですし,今どき2000カウントで更新周期は0.5秒ですので,もう全然使い道がないのですが,実は導通ブザーの反応が速くて,とても重宝します。


(4)その他

 CAT3・600V対応とか,付属のテストリードが単品で買うと4000円を超えるよいものがついているとか,電池の交換をするのに裏蓋を全部外すのではなく,ロック付きのちゃんとした電池ブタがついているとか,安いとは言え,こういうところで手を抜かないところはさすがにフルークです。

 電流の測定が出来ないことを問題にする人は106か107を買えば良いと思いますが,振り返ってみると電流を測定する機会ってそんなにありません。その割には測定に危険が伴うものですから,「ないよりはあったほうがいい」という程度で電流測定機能を求めるのは,ちょっともったいないかなと思います。

 もちろん,電流の測定はとても大事な事です。ですから,そこはいい加減なものではなく,安全で精度の良い,しっかりしたテスターを1つ選んで,これに電流測定機能を求めるべきと思います。

 この101や106,107には,電流クランプが用意されています。5000円という値段でクランプメーターになるのですから,これはよいですね。私も先日クランプメーターを買わなかったら,きっとこれも一緒に買っていただろうと思います。

 価格が安いので交流電流しか測定出来ませんが,危険な電流測定がクランプで出来るのであれば,最初から電流測定機能などなくてもよいんじゃないかと思います。


(5)まとめ

 101,106,107の3つのうちどれを買うかですが,おすすめはやっぱり101です。小さい安いし精度は上位機種と変わりません。なくて困るのは電流測定機能くらいですが,電流の測定はそんなにするものではないし,電圧と抵抗をこの信頼性と安全性で測定出来るなら,この価格はとてもありがたいと思います。

 確かに,秋月をはじめとする安価で高性能なテスターはいくらでも見つかりますが,精度も怪しいし,そもそも本当に安全なのかという疑問があります。高いと入っても1万円までの測定器なら,思い切って良いものを買って欲しいなと,私は思います。

 さて,101が思った以上によいテスターだったので,P-10には引退してもらうことにしましょう。10年以上にわたってお世話になりましたが,もう電池も何度も液漏れして,精度もガタガタ。満身創痍で可愛そうなくらいですが・・・あ,乾電池のチェッカーがあるのはこのP-10だけでした。バッテリーチェッカーとして,もうちょっと頑張って頂くことにしましょうか。

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