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ノンフライヤーで揚げ物をする

 まだ寒い頃から話題になり,発売開始の4月にはいきなり品薄状態,予約をしても納期が未定という状況だった,フィリップスの「ノンフライヤー」ですが,この週末に私の手もとに届きました。5月末に予約をしたので,ちょうど1ヶ月くらいですね。

 HD9220という無味乾燥な型名ですが,3万円という調理家電にしては高価なこの商品がこれほど注目を集め,売れているかは,やはり日本人が揚げ物好きで,一方でそれらが体に良くないものだという印象をいかにすり込まれているかを投影しているんだと思います。

 え,おまえはなんで買ったのか?ですか。

 そりゃ,揚げ物が好きだからですよ。ただ,私の場合は別にヘルシーとか片腹痛いわプププという人などで,油でギトギトの唐揚げでも全然構いません。

 ただ,それはあくまで私の食べ物の好みであって,そうした揚げ物を自分でするのはとても大変です。まず油です。毎日揚げ物を食べるなら別ですが,2週間に一度くらい食べるのに,サラダ油を大量に使い,しかも使い捨てることになるなんて,もったいないです。

 濾過して保存という手もありますが,熱を加えた油は一部分子構造が変わりますし,参加すれば毒にもなります。滅多に食べない揚げ物だからこそ,油は毎回新品にしないと危険です。

 次に揚げ物用の鍋の確保です。他と共用できないので専用の鍋を確保しないと行けませんが,それはすなわち鍋の墓場です。揚げ物以外の料理にはもう二度と使えなくなります。

 そして調理です。辺り一面に飛び散る油だけではなく,油が蒸気になって家中に広まり,天井やら壁にこびりつきます。換気扇の掃除も死ぬほど大変です。

 その上,火事の危険もあります。水は100度以上になりませんが,油は200℃でも300℃でも,温度が上がります。しかも蒸気になった油は引火性です。揚げ物の時には,付きっ切りで見ていなければなりません。

 それで食べられる揚げ物はというと,せいぜいとんかつ1枚,コロッケ2つくらいのものでしょう。いやいや,これは全然割が合いません。

 オーブンレンジにある揚げ物を行うモードも使って見ましたが,時間はかかるわ煙は出るわ,電気代は凄いわ,しかし火は通ってないわ,で散々でした。

 結論として,揚げ物はプロに任せよう,ということになったのでした。

 揚げ物をやっているスーパーの総菜売り場では,毎日大きなフライヤーに大量の油を使って,どんどん揚げ物をやります。油は定期的に交換されるし,規模が大きいので温度の変動も小さく,素人の揚げ物が味でかなうはずがありません。

 食べたいだけ買うことが出来て,後始末も必要なく,わざわざ自分でする理由など,ないですよね。

 なら,なぜ「ノンフラヤー」を買ったのか。

 それは,売っていない揚げ物を作るために必要だったからです。

 1つは,フライドポテトです。

 いや,マクドにいけばあるやん,というのは待って欲しいんです。私はマクドに行く習慣がないし,あの雰囲気が今ひとつ苦手です。ポテトだけを買いにいくのは拷問のようなものです。しかも結構高いですよ。

 それに櫛形のポテトフライを食べたいときはどうします?私は櫛形や乱切りのフライドポテトが好きなのです。

 もう1つは,春巻です。

 春巻なんぞ売ってるがなと,というのも待って下さい。確かに売ってますが,私の春巻きは,母親の手作り春巻きです。

 具沢山で太さが3cmほどあります。具材はよくある甘い物ではなくて,それだけでも十分ご飯が進む,香ばしいものです。

 私は子供の頃からこれが好物で,母もよく作ってくれました。こればかりは他で食べることはできず,いずれそのレシピを学ばねばならんなと思っていたのです。

 最大の障害は,油で揚げることです。春巻なんですから当たり前なのですが,やはり揚げ物を家でやることに対する抵抗感は強く,これまで涙を呑んでいました。

 そこへですよ,揚げ物が手軽に出来る「ノンフライヤー」の登場です。これは,まさに一子相伝秘伝のレシピを受け継ぎ,あの春巻きに再び相まみえる,神が与え賜うた千載一遇のチャンスです。

 ということで,鶏の唐揚げなどはどうでもよくて,この2つについての解として,注目していたわけなのです。

 果たして,手にした「ノンフライヤー」はどうだったのか。

 まず,でかいです。炊飯器くらいかなと思っていたらとんでもない。クビのないペンギンくらいありまっせ,これは。

 真っ黒でつやつやの色も,下ぶくれな形も,安っぽいし,見た目も醜悪です。これが3万円で飛ぶように売れているとは,アベノミクスの本物ですよ。

 消費電力は1460W。うちで一番大きな電力のマシンになりました。構造は簡単で,蚊取り線香のようなヒーターが上にあり,さらにその上にファンがあります。

 熱風を循環させ,その熱で調理します。コンベクションという方式で,これは昔からありますね。

 そういう意味では,別にハイテクでもアイデア商品でもなんでもないんですが,この手の調理家電は,結局レシピブックがどれくらい充実しているかが決め手です。

 構造が簡単な「ノンフライヤー」には,これが大ヒットとみるやそっくりなものからパチモンまで,様々な類似品が登場しています。それでも本家(かどうかは知りませんが)のフィリップスを選んだのは,レシピブックの充実度がこの商品の値打ちを決めると思ったからに他なりません。

 しかし,ついてきたレシピブックはぺらぺらで,10品目ほどあるだけです。これならパチモンでもよかったかなと,ちょっと反省した次第です。

 気を取り直して,とにかくフライドポテトを食べてみましょう。

 お隣から頂いた,とても美味しそうな小粒のじゃがいもを櫛形に切り,15分水にさらします。軽く水分を切ってからバスケットにいれ,本体にセットします。余熱が必要と書いてあったので先に3分余熱,バスケットをセットしてから16分にタイマーをセットし,完成を待ちます。

 まず音が大きいです。何事かと思います。そして熱いです。周囲ももわーっと暑いのですが,背面の排気口からは,熱風が出てきます。でもまあ,これだけです。別に他のことをしていても危険なことはありませんし,タイマーが0になれば自動で止まります。

 16分後,初めての作例が姿を現します。

 うーん,しわしわです。外の水分が飛び,かたくなっています。中はほくほくとしてフライドポテトなんですが,これは私の知るあのフライドポテトではありません。水分も油分もないので,塩もからみません。

 まずいわけではありませんが,美味しいわけでもありません。

 翌日,リベンジです。

 同じようにじゃがいもを水にさらしますが,最後にサラダ油を少し入れ,からめます。これをバスケットにセットし,今度は余熱なしで16分です。

 素材に含まれる油で調理するのが「ノンフライヤー」ですから,油の少ないじゃがいもは,外から補給してやると,美味しく出来るはずです。

 うん?,なんか焦げ臭くなってきましたよ。

 あれ,なんか部屋が白くなってきた。

 おおお,「ノンフライヤー」から煙がもくもくでてますよ!

 あわてて家中の窓をあけ,子供と嫁さんを別の部屋に避難させました。

 しばらくすると煙は収まりました。どうも,油が多かったようで,垂れた油が高熱で煙になったようです。しかし,鶏の唐揚げでも春巻でもとんかつでも,油が垂れれば煙がでるわけですから,これはちょっとまずいかも知れません。

 そして完成。出来上がったポテトは。間違いなくフライドポテトでした。

 味は,なつかしい,母親の手作りポテトの味でした。私は,食べ慣れた普通に美味しいフライドポテトとは明らかに違う,すっかり忘れていた母親の味を期せずして思い出すことになり,つい無口になって食べてしまいました。

 ただ,これが冷凍食品だと,7分ほどで出来上がるんですね。水にさらす時間もいれると実に30分かかるのですから,ちょっと酒の肴に,と言うわけにはいきません。これは冷凍食品を使うのが賢いでしょう。30分かけるフライドポテトは,私が過去を懐かしむ時だけ食べることにしましょう。

 ところで,白い煙の対策は,キッチンシートを敷けば良いらしいです。そこで偶然家にあったクッキングシートを使って,またもフライドポテトを作ってみました。結果は,確かに白い煙は出ないし,クッキングシートが燃えたり焦げたりすることはなかったのですが,売りの1つである熱風の循環を妨げるので,特に下側に火が通りにくくなっている感じです。

 それでも中心部はほくほくですし,決して食べられないものではないのですが,もう少しからっと揚がって欲しいですし,表面の上と下で焼き加減が違うというのも,ちょっと気に入りません。途中で裏返せばいいのですが,面倒だし,やけどの危険もありますから,やろうとは思いません。

 ということでクッキングシートをどうやって使うかは,ちょっと考えどころですね。


 それはそれとして,唐揚げも揚げ出し豆腐もかなり美味しいそうですし,ホットケーキミックスを使ったドーナッツも美味しいらしいです。(そういえば揚げドーナツも母親の手作りでした・・・懐かしいなあ)

 レシピブックには,白身魚のフライがあります。私はこの,白身魚のフライがとにかく好きで,これが自分で調理できるというのは,なかなか面白いです。まあ,南洋の大きな白身の魚(メルルーサとかね)はスーパーでは売っていませんので,鱈などのフライにするのがもったいないものしか,自家製ではできないでしょう。

 いずれにせよ,油の扱いにうんざりして揚げ物を禁止していた我が家でも,揚げたてのフライが食べられるようになりました。春巻もこれから母親に教えてもらって,食べられるようにします。
 
 こうして,週末の料理の幅が広がっていくのは,楽しいことです。

802.11acのAirMac Extreme

  • 2013/06/14 17:37
  • カテゴリー:散財

 先日開催されたWWDCで,数々の発表がありました。その後数日はこの話題がトップニュースとして扱われていたので,特別興味のない方でも,耳にされた話もあったと思います。

 私はiOSのユーザーではないので,自分に直接利害関係のある話題とはいえず,どうしても距離感が出ますが,OSXについては自分の生活を支えるOSですので,やはり心配です。

 Finderのタブとタグによるファイル管理方法の変更は,便利になるよと言う話の奥に,Macintoshが長年不変の思想として遵守してきたオーバーラップウィンドウとフォルダというシステムが,抜本的に見直されたことを意味します。

 それは,この2つを軸に持たないiOSが,進化の過程で生み出した新しい概念に,旧来のシステムが上書きされるという現実です。

 ここで,OSXとiOSは別々に進化(あるいは保守)してもよかったはずですが,良し悪しは別にして生みの親であるAppleはこの1つを統合することにしました。生み出す利益の大きさ,社会的影響の大きさ,(事実かどうかは別にして)エース級の人材が投入されているiOSに,OSXが近づくことは自然であり不可避であると思いますが,これは同時にパーソナルコンピュータという装置の進化は,一端ここで終わるということと読み替えできます。

 僅か数百バイトのメモリにスイッチとLEDで始まった個人用コンピュータは,BASIC言語,CUIを持つOS,そしてマウスとGUIに進化したところで,極論すればそれ専用の技術開発は終了したのだと,いえるでしょう。

 それが,コンピュータと人間との付き合い方なのですから,私は否定も肯定もしません。ですが,無常観は強く感じてしまいます。

 見失ってはいけない事はただ1つで,それが人間の創造性をアシストし,人間の活動を疎外しないものなのかどうか,です。そのためにMacがオーバーラップウィンドウを失っても,むしろ歓迎されるべきであるということを,我々は忘れてはなりません。

 閑話休題。

 そのWWDCで発表になったプロダクツの中で,私がひときわ待ちわびたものがありました。新しいAirMac Extremeです。

 我が家は今年の春に新築した一戸建てですが,ネットワーク環境の見直しも念頭に置いて進めてきました。各部屋にCAT6のEthernetが出ているのはその最低限の施策ですが,実際に生活を始めると無線LAN環境の見直しも急務になってきました。

 かつて,無線LANはそれほど重要な位置付けではなく,狭く平面的な家で,10Mbpsも出ていればストレスのないものばかりがつながっていたに過ぎません。電子レンジで切断されることが問題になり,5GHzへの移行こそしましたが,速度的には問題を感じませんでした。

 むしろ,AirPlayが使える事を重視し,伝統的にAirMac Expressを使って来たのですが,この廉価版アクセスポイントの問題点は,Ethernetが100BASE-TXであること,アンテナの本数が少なくMIMOでの接続が実質的に難しく速度が出ないこと,2.4GHzと5GHzは排他であることでした。

 最新のAirMac Expressはデュアルバンドですが,相変わらずEthernetが100Mbpsです。仮に,802.11nが300Mbpsでリンクして,実行速度が150Mbpsとしても,なんと有線LANがボトルネックになって,実質さらにその半分程度の速度しか出ないことになってしまうのです。なんのための802.11nですか!

 まあ,実際に300Mbpsでリンクすることはまれで,200Mbpsくらいでリンクすることもそんなにありません。これだと有線LANがボトルネックになることもありませんから,気分の問題と言われればその通りの,些細な問題であることは否定しません。

 なら,なぜ上位機種であるExtremeがあるのか。

 バンド当たり3本のアンテナを持つMIMOで最大450Mbpsとなれば,さすがにGbitEthernetは有利でしょう。高速の有線/無線LANを支えるシステムは,それ自身が高速で動作せねばなりませんから,足腰の強さがレスポンスにと言う形で顕在化するとも思います。

 ということで,春の段階でAirMac Extremeを買うことを考えたのですが,やめました。次世代規格である802.11acの足音が聞こえてきたからです。

 802.11acは最大6.9Gbpsを実現する802.11nの正統後継者です。

余談ですが801.11は世代が進むとサフィックスのアルファベットがa, b, c, dと順次送られていきますが,1文字を使い切ったら次は2文字になって送られていきます。

 ですから,802.11bの次が802.11g,その次が802.11nで,最新が802.11acとなっても,サフィックスに意味はありません。

 8x8のMIMO,最大160MHzの広帯域化,256QAMによる変調方式の多値化と,802.11nとの親和性を考慮しつつ現在考え得る技術を盛り込んだ骨太な規格です。

 しかも,802.11nでは見送られたビームフォーミングの必須化など,電波の飛び方そのものにも手が入り,先の高速化により有利に動こうとします。

 残念ながら802.11acはまだ正式なものとはなっていませんが,ほとんど最終版としてドラフトが出ています。各社これに従って製品化し,販売されるようになったのがここ数ヶ月の話です。

 製品化と言っても,結局802.11acに対応したLSIが出てこないと話にならないわけですから,昨年の秋頃にLSIの発表があったことから考えて,そろそろ製品が出てくることは予想されたことでした。

 802.11acは高速化のために様々な技術を駆使していますし,お金のかかる方法も使っています。ですので,速度と引き替えにどこまで対応するかは,ある程度自由です。安いモデルと高いモデルは,速度で差別化が行われるということですね。

 年明けくらいから,AirMac Extremeが802.11acになるという噂はあったため,当時現行だったAirMac Extremeは買わずに,AirMac Expressと安い2.4GHzのアクセスポイントでここまでしのいできた私としては,802.11acのAirMac Extremeが出るのを待ちわびていたのです。

 そしてとうとう発表,即日発売になりました。

 デザインは平べったいものから,AppleTVが成長したような縦長のデザインになりました。こんな製品,他に見たことがありません。初めて見た人は,なんだこれはと首をかしげることでしょう。個人的には,前の方が良かったかなあと思います。

 会社の帰りにビックカメラに寄り道しますが,あいにく在庫切れ。だったら店頭に空箱を置いておくなよ,と思ったのですが,他のお店に聞いてもらったら1つだけ在庫ありとのことで,押さえてもらいました。

 旧機種が15000円,最新機種が2万円なので随分値上がりしたように思いますが,まあそこは初物ですし,802.11acですからね,こういうインフラ関係は,そうそう買い直すわけにも行かず,長く使えるものを選ばないと大変です。

 実物は結構大きく,重いものでした。

 帰宅して箱を置いておくと,娘が両手で掴んでトコトコ歩いて遊んでいます。

 箱が面白いんだなあと思って,開封してあげたのですが,彼女は箱ではなく,電源ケーブルに興味を持ったらしく,クルクルと綺麗に巻かれた電源ケーブルを振り回して遊び,箱には目もくれません。

 本体を取り出し,保護フィルムを剥がします。本体を覆う白いフィルム以外に,底面に貼ってある黒い丸いフィルムは,リングのマークまで転写されていて,なかなか良い感じです。

 早速娘はその黒いフィルムをいろいろなものに貼っては剥がし,貼っては剥がしを繰り返して遊んでいます。相変わらず箱には興味はないようです・・・

 今回は,現在使っている802.11nのAirMac Expressをリプレースすることが目的です。IPアドレスの設定やアクセス制限の設定など,なかなか面倒で手間のかかる作業があるのでうんざりという感じだったのですが,意を決して移行作業を開始です。

 しかし,すぐに私は拍子抜けすることになります。

 なんと,AirMacユーティリティを立ち上げると,自動で新しいAirMac Extremeを見つけ,しかも設定のアシスタントには他のAirMacベースステーションからの移行という選択肢が用意されていたのです。

 1回目はなぜか途中で止まったのですが,2回目はまさにあっという間に作業が自動で終わり,その後AirMac Expressは電源を落とされました。代わりに動き始めたAirMac Extremeは,ほぼ完全に設定を移行して稼働しており,iPadを使っている嫁さんは移行作業があったことすら気が付かないでしょう。

 そういえば,Macは新しい機種に買い換える際,現在のマシンから環境を新しいマシンに移行させるアシスタントがありました。実際に使ったのはiBookG4からMacBookProへの移行の時だったのですが,拍子抜けするほど簡単で,またその後も問題らしい問題も出ずに,安心したことを思い出します。

 AirMacはそんなにたくさんの設定項目があるわけではありませんが,試行錯誤を繰り返してなんとなく動いている場合もあるでしょう。そういう場合,こうやって機械的に移行作業が出来るなら,確かにそれはありがたいと思います。

 このあたりの配慮は,Appleらしいです。

 ということで,まさかシリーズも世代も違っているAirMacベースステーションからの移行がこんなに簡単にできるとは思っておらず,この点だけでもApple製の無線LAN機器を使い続ける理由になるなあと思いました。

 さて,動き始めましたが,使い心地です。

 まず,見た目に結構目立つので,置き場所は気を遣うと思います。高さがあることと,真っ白なので,これに違和感のない部屋というのはちょっと特殊でしょう。また,Appleらしいシンプルなデザインではあるのですが,どうも私には今ひとつ格好良く見えず,1周してなんかおかしなことになったなあと,思っています。

 そうそう,ファンが常時回るようになりました。ファンは静かなので,音は耳を近づけないと分からないくらいです。底と接地面のわずかな隙間から排気されますので,特に設置に気を遣うことはないと思います。

 それと,大きさは結構大きいと思います。すでにばらした記事がWEBに上がっていますが,3.5インチのHDDが内蔵できる大きさですので,それなりに大きいことが想像出来ると思います。

 性能については申し分無しです。5GHzは以前よりも随分高速でリンクするようになっています。2階に設置したAirMac Expressと,3階で使っているMacBookAirは,300Mbpsで安定してリンクしています。アンテナの位置とビームフォーミングが効いているようです。

 実効速度も上がっています。NASにTimeMachineのバックアップを取る時間も短くなりました。ファイルのコピーも高速になったと思いますし,やはりGbitEthernetの力もあると思います。

 アクセスポイントとして使う場合には,4つあるEthernetのコネクタはハブとして機能します。うちはハブとしても使うように複数の機器をここに繋いでいますが,パフォーマンスの問題は全くありません。

 ところで,今回の導入は,5GHzと2.4GHzの2つを1台でまとめてしまうことにありました。これがまたとても簡単なのです。

 ワイアレスの詳細設定を見ると,5GHz専用のSSIDを設定出来るようになっています。ここに5GHz専用のSSIDを入れれば,移行されたSSIDは2.4GHz専用になってくれます。以前のAirMacユーティリティでは,Optionキーを押しながらとか,いろいろ作法があったようですが,少なくとも現在の最新バージョンではOptionキーは使わずとも,2.4GHzと5GHzを別のSSIDで管理できます。

 ですから,MacBookAirとiPad2は5GHzで,ScanSnapやNintendo3DSは2.4GHzできちんとつながりました。

 ということで,ここまでで目的は達成出来ました。高速で安定した通信が出来るようになったこと,当分の間使い続けることが出来るだろうということで,まずは満足な結果です。

 今後は,例えばUSBでHDDを繋いで共有するとか,プリンタを繋ぐとかあると思いますが,前者は既にNASが稼働していますし,後者はプリンタを置く場所がなく,邪魔になるだけですので,あまり考える事はないでしょう。

 これで当分,無線LANは心配ありません。


 
 
 

新しいScanSnapはこんなにすごかったのか

  • 2013/06/10 17:37
  • カテゴリー:散財

 雑誌を含めてたくさんの本に囲まれて生きてきた私が,いよいよ場所がなくなって捨てる以外に選択肢がなくなっていたころ,思い切って購入したScanSnap。

 手間をかけても本は捨てられないと始めた本の電子化ですが,ScanSnapが良く出来ていたので,想像していたほどの手間もかからず,すっかり週末のルーチンワークとなりました。

 ScanSnap S500を手に入れたのが2007年3月ですから,もう6年も前のことになるんですね。ほぼ毎週使って,実に30万枚を超える枚数をスキャンしたS500も,さすがに満身創痍です。ピックアップローラーは見た目に小さくなったとわかるほど,すり減ってしまいました。

 なにせ,重送やゴミの付着は大きな時間のロスにつながるだけに,この6年間の間に独自のチューニングを施しています。光学系にゴミが入り込まないようにスポンジで隙間をふさぐ,ゴムのへらのようなものも,厚みや角度を調整して,出来るだけ重送が発生しないようにしました。

 分解掃除ももう慣れたもので,光学系まで分解して元に戻すことも20分もあれば出来るようになりました。ある時光学系の調整に失敗して,画像が無茶苦茶になったことがありましたが,そうした危機を乗り越えて,S500は30万枚をこなしてくれたのです。

 買い換えをしたいところですが,安いものではありません。ただ,効率に直結する「投資」ですので,あんまり古い機会で頑張るのもどうかなあと思って,もう6年も過ぎてしまったというわけです。

 昨年秋に出た新機種,ScanSnap iX500は,その名が示すとおりScanSnapの最新世代フラッグシップモデルです。すでに6年前から圧倒的なシェアと信頼性でドキュメントスキャナの定番となっていたScanSnapですが,現れては消えるライバル達を蹴散らしつつ,王者としてフルモデルチェンジを果たしたiX500は,登場から半年以上を経過し,その評価は揺るぎません。

 ScanSnapも,すでに基本機能はもう伸びしろはないだろうと思っていたら,愚直にスキャン速度の向上を果たしています。WiFiを搭載したとか,スマートフォン連携があるとか,そういうのはそれほど重要ではないと考えた私にも,A4サイズで25枚/秒という速度は,あまりに魅力的でした。

 S500はいつ壊れてもおかしくない状態です。安くなったときに買っておかなければと思っていたのですが,先日偶然特価を見つけて,iX500を買うことにしました。約37000円でしたので,それほど安いというわけではないでしょうが,4万円を切ればいつでも買って良い商品だと思います。

 ということで,iX500が私の手もとにやってきました。ただ「はやい」というだけの感想は聞き飽きたと思いますので,S500のリプレースをするMacユーザーという限定されたケースで,レビューを書いてみます。

(1)大きさ,形

 大きさはS500とそんなにかわりません。直線基調なので小さく見えるのですが,設置面積はほぼ同じで,外形はむしろ少しだけ大きくなっているそうです。

 重さについてもそんなに変わりません。これは,あまり軽いと紙を差し込んだときに,ひっくり返ってしまうからでしょうね。

 ACアダプタは小さくなりました。ACアダプタの進化もありますが,電圧が下がって消費電力も下がったことが理由の1つでしょう。

 デザインですが,トレイを開くと,ピアノブラックに青色LEDのパネルが出てきます。個人的には,本はとにかく手が汚れるものですので,ピアノブラックは気に入りません。ScanSnapはもっとストイックなデザインであって欲しいと思います。

 また,これも個人的な話ですが,青色LEDが嫌いなので,ここは上品な緑色にするか,アンバーだといいなあと思いました。パイロットランプの代わりに機種名が青く浮かび上がる工夫は面白いですが,そこまでしなくてもいいのになと思います。


(2)ソフトウェア

 最新のSnanSnap Managerをインストールします。昔は,TWAINなどで動作せず専用アプリでしか使えないScanSnapに批判もあったのですが,ScanSnap Managerが優秀で,そのうえサードパーティが提供するスキャン用のアプリが不甲斐ないせいで,次第にそんな批判も影を潜めるようになりました。

 付属のDVD-ROMはV6.0でしたが,インストール後V6.1にアップデートします。V6.1では,iX500内蔵のWiFiを使って,PCにデータを転送出来るようになりました。電源だけはアダプタが必要ですが,PCとの接続が無線になるので,取り回しは楽になるでしょう。

 私の場合,プリセットを5つほど作っていました。V6.1でもそれらは自動的に引き継がれています。内容を一応確認しましたが,きちんと引き継がれているようですので,インストール後に特に調整をする必要はなく,いきなり本番でスキャンすることができました。

 そして,V6.0からの機能だと思うのですが,自動的にページを回転する機能が付きました。別に自動でなくても,偶数と奇数で指定できればそれでいいのですが,これを使えば,例えは文庫や新書などを,横にしてスキャンして,速度を大きく向上させることができます。

 図版があると回転に失敗しますが,日本語の縦書きならほぼ大丈夫です。しかし,回転方向を解析して求めているので,処理に時間がかかります。スキャンはすべて終わっているのに,マシンが解析途中だったりするので,iX500の高速性をこんなことくらいで食いつぶすのは,ちょっともったいないです。

 ところで,V6.1でS500が動くかどうかを試しましたが,無事に動きました。ScanSnap Managerは伝統的に,古い機種でを動かすことが出来るのですが,正式に対応しているわけではありませんし,ライセンスの関係もあるので,ちょっと微妙な所です。

 ですが,S500でもグレースケールに対応出来たり,OCRが出来たりと,最新のソフトにすることで得られるメリットは大きいです。旧機種のユーザーにも有償でいいから,提供して欲しいなあと思います。


(3)使い心地

 まず速度です。私の場合,スーパーファインしか使いませんが,S500に比べると,もう徒歩か自動車かくらいの違いです。S500はA4で6枚/分,iX500になるとこれが25枚/分になるのですから,もう比べるまでもありません。

 S500で,スキャンに失敗すると,高速で紙が排出されますが,あの速度でずっとスキャンされるような感じです。しかも,次の紙を読み込むときのタイムラグもほとんどなく,どんどんスキャナに吸い込まれていきます。

 速度も大事ですが,なんと言っても重送の発生がほとんどないことが素晴らしいです。重送の検出に超音波センサを持ってもっているのは,前の機種であるS1500からですが,検出するよりも重送を起こさないようにする方がアプローチとしては正しいわけで,そうしたドキュメントスキャナの本分を忘れない改良は,素晴らしいと思います。

 これまでゴムのへらだった重送を防ぐ機構は,iX500ではローラーに変わりました。この効果は絶大です。

 ホコリの付着による縦スジも出にくいようですし,重送が起こらない,ミスフィードも発生しないことで,25枚/分という高速性が死なずに済んでいます。

 また,S500では紙の幅を誤認識することがあります。それを見つけて再スキャンするために,すべてのページを見直す必要があったのですが,iX500ではそれもありません。とにかく,1枚あたりの時間も短くなっているし,スキャンの前後にかかる時間も大幅に短縮できています。

 土曜日だけで8冊ほどの本を処理しましたが,あっという間にスキャンが終わり,S500で処理するつもりで確保していた時間は,大幅に余ってしまいました。お金で時間を買った気分です。


(4)画像の品質

 S500はCCDに冷陰極管でした。今にしてみれば非常にレガシーなデバイスの組み合わせですが,iX500ではCISに3色のLEDという,今どきのデバイスになりました。

 画質,色の違いがどのくらいあるのかが不安だったのですが,結論から言うと,S500とそんなに変わりません。変わらないようにチューニングをしてあるのでしょうね。

 もともと,ScanSnapは色再現性が高いわけではありません。その代わり読みやすさを重視するのですが,そうした方向性はiX500でも一貫しています。

 また,S500の縮小光学系にはすでに調整ズレも出ているのですが,iX500は新品ですし,光学系も密着です。モノクロモードで取り込んだ文字のキレは抜群です。

 もう1つ,光源ですが,冷陰極管は蛍光灯ですので寿命があります。赤,青,緑のそれぞれの蛍光塗料の寿命が違うせいで,経年変化で色が変わります。もちろん暗くなりますが,面倒な事に音頭でも変わります。

 ですので,冷陰極管をつかったS500には,機構的な寿命よりも,光源の寿命の方が私は心配だったのです。スキャンしていなくて,冷やしてしまうと色も明るさも変わるので,しばらくつけっぱなしになっていますし,消費電力にも寿命にも良くないことだと気になっていました。

 これがLEDになると,消費電力も下がるでしょうし,無駄な点灯もなく,暖まるまでスキャンが出来ないという時間の無駄も防げて,いいことずくめです。

 今回は紙を密着させる必要があるので,読み取りのユニットが上下左右に動くようになっています。これもスキャン品質を向上させるのに有効に働いていることと思います。


(5)WiFi

 V6.1では,スマートフォンだけではなく,PCともWiFiで接続が出来るようになりました。これでUSBケーブルで接続する必要がなくなったわけです。

 設定も簡単,WiFiのON/OFFは物理的なスライドスイッチで行いますから,WiFiが邪魔になるようなことはありません。

 ただ,私は使っていません。1つは2.4GHzしか対応しないこと。2.4GHzは電子レンジで切断がおきますし,近隣から電波が漏れ出てきているので,空きチャネルが少ないです。

 もう1つは,万が一切断やエラーが起きたときに,何が起こるかがはっきりしないことです。動作が止まってくれればよいのですが,画像にちょっとゴミが混じるとか,ページが読み飛ばされるなどがあれば,これは困ります。

 どんな場合でもそうですが,やはり信頼性が高いのは,有線接続です。

 PCのそばに設置していますので,無理にWiFiで繋ぐ必要はありません。確かにケーブルが1つ減るのは魅力的ですが,もう少し信頼性について考えからにしたいと思います。


(6)まとめ

 iX500ではMac版とWindows版が分かれていません。AcrobatXはWindows専用ですし,ABBYのOCRソフトはMac専用ですから,それぞれ無駄なお金を支払っていることになります。もちろん,ボリュームディスカウントがあると思うので,別々にしたからと言って値段が下がるわけではないでしょうから,難しいところです。

 ですが,S500のころはWindows専用のスキャナに,とりあえずMacで動くようにしておきましたという感じだったMac対応は,iX500ではWindowsとMacで,ほとんど差はありません。

 iX500は実売で4万円ほどですが,S500やS510といった旧機種のユーザーは今すぐにも買い換えて損はしませんし,下位機種にしようかと迷っている人には,ちょっと無理してでもiX500を買うべきだと断言しておきたいと思います。

 使用頻度は,とりわけドキュメントスキャナの場合には,その高速性や作業性の高さで,後から上がってくるものです。面倒,時間がかかる,画像の品質が低いなどで下がったモチベーションは,使用頻度の低下という形で顕在化します。

 逆に,手間も時間もかからず,簡単に本棚に隙間が出来ることを体験すれば,あれもこれもと,どんどんスキャンをしたくなるものです。

 スキャンの結果が良いものであれば,紙を処分しても失うものはありません。滅多に見ないけど捨てるには惜しい,あるいは今まさに読んでいるが,次読むかどうかはわからない,と言った本は,どんどん電子化してしまいましょう。本の電子化は,すればするほど,そのメリットが見えてくるものです。

 こんなだったら,もっと早くに買い換えておくべきでした。

ようやくGRがデジタルに

  • 2013/05/29 13:57
  • カテゴリー:散財

 4月末に予約をしていたGRですが,お店がしっかりしていたこともあって,発売日に無事に入手することが出来ました。

 GRは非常に前評判が高く,品薄になることは予想されたのですが,それでも国内だけで数千台が初回に用意されると聞いていたので,高価なカメラですし,そんなに入手困難になるとは思っていなかったのです。

 ところが,連休が明けた頃にはすでに大手の量販店で発売日の引き渡しが出来ない事がアナウンスされていましたし,どうも予約が想像以上に多いという雰囲気になっていました。

 そんな中で,私が予約したお店からは,発売日である5月24日分で割り当てできると連絡がありました。このお店からは,例えば予約特典である赤リングが,本体付属から別途送付になったとか,そういう情報もこまめに入り,とても安心して待っていることが出来ました。

 確かに,待てば値段も下がるし,ファームのバグ対策や設計変更などで,商品の品質も上がっていることでしょう。初物に飛びつくのが損だというのは,納得出来る話ではあります。

 しかし,この品薄状態ならそんなに簡単に値段が下がることはないでしょうし,すでに上がっているサンプル画像を見ている限り,設計そのものに起因する問題は(少なくとも致命的なものは)なさそうです。

 ということでここ数日,その軽快なレスポンスを楽しんでいます。

 そんなに触っているというわけではありませんが,レビューです。


(1)外観,質感

 大きさは銀塩時代のGRと同じということですので,入手前にある程度イメージできていたつもりだったのですが,改めて手に取ってみると,どうしてだか「大きいなあ」という第一印象を持ちました。

 確かに縦横厚みと,銀塩GRと同じサイズには違いないのですが,銀塩GRではレンズ収納時はツライチだったレンズ部分の飛び出しがあるぶん,見た目に大きいという気分になるんだろうと思います。

 銀塩GRのソフトケースに入れて使うのも面白いかなと思っていましたが,このレンズ部の厚みが邪魔になり,断念しました。

 仕方がないので,純正のソフトケースGC-5を手に入れて使う事にしたのですが,これがまた随分と大きい,分厚いなあと感じるのです。カメラはそんなに大きいわけではないのに,ケースに入れるとすごく大きくなるのは納得出来ないなと思いましたが,それもこれもレンズ部の出っ張りが原因なんでしょうね。

 改めて銀塩GRを手に取ってみましたが,やっぱり小さいです。GRDigitalに慣れた人の印象はまた違っていると思いますが,銀塩GRを見慣れた人でも,今回のGRは大きいと感じるのではないでしょうか。

 操作系は,当たり前の事ですが銀塩GRとは全然違っていて,銀塩GRではダイアルでモードと絞り値を設定出来たのに,GRではモードの切り替えだけです。絞り値は手前のコマンドダイアルを併用して設定する事になります。

 この手のマニアックなカメラは,設定項目がやたらと多くて,いつも苦労させられるのですが,GRはよくまとまっていて,設定項目の過不足は感じません。設定を確認すると「あれ,もうおしまい?」と思うくらい少ないと思うのですが,なんでこれが設定出来ないのだ,と思うことは僅かで,無理をしていないなと思います。

 メニューはヌルヌルと動き,レスポンスも良いので苦になりません。とはいえ,特にOKとキャンセルという,すべての項目で共通に使われるキーが項目によって違うキーにアサインされているので,OKを押す前に一瞬の確認が必要になるなど,決して洗練されているとはいえません。

 想像以上に便利だったのはMYセッティングです。SnapShooterを掲げるGRですから,シームレスにスナップに適した状態になることを期待しましたが,残念ながら私の望むものにはなってくれず,スナップ向きの設定をMYセッティングに入れて解決しました。

 Avモードで絞りはF5,6,MFにして被写界深度が無限大に届くような距離に固定します。これでモードダイアルからパンフォーカスになります。

 私の場合,一気にシャッターボタンを押してAFを無効にする機能は,どうもボタンの押し加減がわからずブレが多くなるのでOFFにしました。

 それと,親指の位置にAFに関係するボタンがあります。AFロックとC-AFをレバーで切り替えるアイデアは秀逸で,小さなカメラに一眼レフ相当の操作系を盛り込むには,なかなか素晴らしいです。このレバーのデザインも気に入っていて,背面にある鍵穴のようなレバーは,とても格好がいいと思います。


(2)撮影

 シャッターボタンが銀塩GRと同じサイズ,同じ形で,ストロークや硬さもほとんど同じですので,銀塩GRでの動作を無意識に予想した私の脳みそは,キビキビとした動作をしているGRを目の当たりにし,良い意味での違和感を感じてしまいました。

 秒間4コマの連写速度を支える全体の連携の滑らかさは,高級一眼レフほどではないにせよ,十分な心地よさを与えてくれます。

 高速な連写速度を実現するには,ただただ速度を上げれば良いという話ではなく,それぞれの部分の動きが綺麗に無駄なく連携して動く事も不可欠で,撮影者はそうしたものをキビキビ感として受け取ります。

 D800の時にも書きましたが,連写をする必要が全くないからといって,連写速度というスペックを軽く見ると,撮影感覚というところで差になるものです。GRは,銀塩GRにはない,キビキビ感をもっていると思います。

 このキビキビ感を支配する大きな要素として,AFの速度があります。銀塩GRのAFはお世辞にも速い,賢い,というものではなかったです。全然合わずにあきらめることもしばしばですし,全然違うところにフォーカスが合っている写真が連発することもあって,私は信用していませんでした。

 今回のGRはさすがにそういう鈍くさいことはありません。高速で,賢く,ストレスはありません。しかも結果はLCDにちゃんと出てきますから,銀塩GRのように後でがっかりということはありません。

 とはいえ,暗いところでは結構AFは迷うんですね。それに,顔認識AFはAUTOモードでしか使えないようで,PやAモードでは駄目です。これもちょっとがっかりなのですが,基本的にはAUTOモードでもPモードとほとんど変わらない動作をしてくれますので,普段はAUTOモードで使う事になりそうです。ただ,AUTOモードが画像を勝手にいじるようなら,使えませんが・・・


(3)画質

 GRの面白さは,光学性能を上げて,出来るだけ画像処理に頼らないようにするという大方針があることでしょう。小型化,低コスト化には,光学性能を割り切って,画像処理で補うことが有効ですし,コンパクトデジカメではそれがもはや当たり前です。

 誤解を恐れずに言えば,デジタルの恩恵を受けない非合理的なレガシーな手法なわけです。ですが,センサーに入った段階で,すでに情報を失ったり,歪んだりすれば,それから作り出される画像は,所詮推測で作られた画像に過ぎません。

 推測でも全然大丈夫な場合がほとんどでしょうが,ちゃんと情報を持っていれば推測などしなくてもよいわけです。ただ,そのために支払うコストが割に合わないので,みんなやらないだけです。

 GRは,一声10万円のカメラです。こういう割に合わないことも出来たりするから,この高性能レンズが搭載可能になります。レンズにお金をかけ,画像処理の負担を減らすことは,高級なデジカメには望ましい選択肢でしょう。

 果たして,その画像は,実に素晴らしいものでした。

 絞り開放でも十分ですが,周辺光量とコントラストは,1段絞ればぐぐっと向上し,解像度も素晴らしく,まさに切れ味抜群です。歪曲収差もほとんどないし,周辺光量も落ちません。周辺のもやっとしたボケもなく,隅々まで透明感のある画像を出力してくれます。

 その上,色の再現性が素晴らしいです。ちゃんと色が乗っていて,バランスもとてもよく,特に人の肌を自然に綺麗に移してくれます。

 APS-Cのセンサは,さすがにゆとりがありますね。APS-Cで1600万画素のCMOSセンサは今最も美味しい旬のセンサで,性能とコストのバランスに秀でており,ノイズも少なく,圧倒的な情報量を吐き出してくれます。なにせ,画像処理エンジンの関与が他のコンデジに比べて小さいですから,人工的に作られた画,という感じがしません。素材性を重視した一眼レフに近い感覚で,とても好印象です。

 28mm相当のレンズはマクロモードで10cmまで寄ることが出来ます。広角レンズは寄れるようになっているとぐっと面白さが増すものですが,GRはその点でも合格です。

 高感度特性は,抜群に良いという感じはないにせよ,ISO400くらいまでは全く差がありませんし,ISO800までは十分な高画質を得ることが出来ます。ISO1600くらいまでは,RAW現像の時点で工夫をすれば全く常用域ですが,ISO3200になると苦しいかなという感じです。

 個人的な印象では,案外高感度特性は良くないなと思います。ISO3200くらいまでは実用域にあって欲しかったのですが,ノイズも多いし色もくすみ,コントラストも大きく下がります。これでは使えないという感じです。

 ホワイトバランスについては,昔は太陽光に固定していたのですが,D800以降はオートにしました。オートでもそんなに外さなくなったのが一番の理由ですが,GRもそんなに外さないようなので,オートにしています。

 RAWならホワイトバランスを手動で調整出来ますが,最近のデジカメでは当たり前になった動画撮影では,太陽光に固定すると室内でおかしな色になります。だからオートに出来るならその方が望ましいと思います。

 発色については,私がリコーのデジカメを使ったことがないのでなんともいえませんが,ペンタックスの発色と大きくずれていないように思います。ペンタックスは過度な補正をせず,素材性をそれなりに残した処理を行い,色も自然な感じになっていますが,GRもこれに準じているので,安心です。

 実は,DP1Sが気に入らないのが,ちょっと嘘っぽい発色なのです。FOVEONの素晴らしさは分かっていますが,データに含まれる色情報が原理的に少ない(言い換えると分離が難しい)ので,どうもくすんだ色になりがちです。これを無理に画像処理で補うので,私にとってのFOVEONは解像度は素晴らしくとも,色はさっぱり,と思っています。最新のDP1Mなんかがどうなっているのかは,とても興味があります。

 GRは,ローパスレスであることもあって,解像度も抜群,色も自然と,全く不満がありません。すばらしいと思います。


(4)気になるところ

 充電器が別になっていないので,充電中は本体が使えません。USBから充電出来る事はメリットのように思いますが,USBと本体との接続ケーブルは専用のもので,汎用のUSBケーブルではありませんから,どこでも充電出来るようにしたいなら,ケーブルを持ち歩くことになります。でも煩わしいですよね。

 そこで,私は充電器と予備の電池を買いました。6500円ほどかかりましたが,なんとDPxMerrilの電池と充電器がそのまま使えるんですね。これだと半額くらいになるので,失敗したなあと思います。

 あと,ソフトケースくらいは付属しておいて欲しかったです。出来れば銀塩GRと同じテイストのものが入っていると,思わずにやっとしてしまったんじゃないかと思います。

 
(5)まとめ

 私が銀塩の初代GRを買った動機は,小さいコンパクトカメラなのに,絞り優先AEがあることでした。高画質をうたっていて,かつ小さく軽いというものポイントでしたが,実際に使ってみた感じでは,残念ながら一眼レフの足下にも及ばず,ちっとも楽しく撮影出来ませんし,撮影結果についても,あまり感心することはありませんでした。

 ですから,後年GRが高い評価を受け,伝説の名機になっていることに驚きましたし,違和感もありました。熱烈なファンがいることも知っていましたが,コンタックスTやミノルタTC-1ならいざ知らず,GRの良さが私には分からずじまいでした。

 ですが,デジタルカメラにようやく進化したこのGRを手にして,そのすべてに満足しています。ここまで来たか,という感慨もありますし,これを持ち歩けば最高ではないかも知れないが,私の期待に十分応えてくれるという安心感が心強いです。

 ようやく,満足な結果が出る,どこでも使えるカメラを手に入れました。長く使っていこうと思います。

我が家でルンバが踊っている

  • 2013/05/28 17:04
  • カテゴリー:散財

 掃除機が自動で動き,人間に変わって掃除をしてくれるなんて,科学技術に夢を託していた時代の,見通しの甘い願望に過ぎず,そんな未来はいずれやってくるとしても,自分が生きているうちに訪れるとは,おそらく多くの人が信じていません。

 仮に,私が外宇宙からきた超知的生命体と秘密の契約をして,完璧な自立型お掃除ロボットの開発に成功しても,それはきっと受け入れられる事はないでしょう。私が思うに,技術の進化は,大衆の想像の範囲でなければ,認められないものなのです。

 ロボット掃除機のルンバは,アメリカ生まれです。例えばこれが,ホンダ製,パナソニック製,ソニー製だといえば,多くの日本人は「結構いけるかもな」と感じたでしょうが,アメリカ製の製品に馴染みがなく,まして有名メーカー製でもないルンバを信じることが出来ないのは,至極当たり前のことです。

 しかし,本当にそれが良いものであれば,時間はかかっても,クチコミで評判は広がっていきます。ロボット掃除機というこれまでに市場がなく,何にも比較されない新しいものは,使った人の意見しか頼るべきものがありません。

 かくして,ルンバは10年かかって,ようやく人々の「次に欲しい家電品」リストに加わることになりました。

 気が付くと,ルンバの値段も随分下がっています。日本上陸の頃は10万円もしました。10万円もすれば,失敗出来ないです。もしまともな掃除をしてくれなかったら,10万円が完全に無駄になります。

 それが,今では3万円台で買うことが出来るものもあります。これなら,多少の失敗があってもなんとか目を瞑ることができるでしょう。3万円なら多少ゴミが落ちていても許されますが,10万円なら許されないものです。

 前置きが長くなりましたが,ルンバを買いました。700シリーズの中級機である,770です。最近円安が進んでいるので最も安かった年末頃に比べると随分高くなったと思いますが,これ以上待っても値下がりは期待出来そうにないと,買うことにしました。

 1つに,新居のフローリングが濃い色で,僅かなホコリでも目立ってしまうことがありました。それで気になって掃除機をかけるのですが,これまで30分もあればすべての部屋を掃除機出来たのに,新居では部屋数が増えたこともあり,1時間ほどかかるようになりました。

 土曜日と日曜日に掃除機をかけるのは私の仕事。貴重な土日でのべ2時間も掃除にかかってしまうのは,確かにもったいないなと思っていました。しかも平日の帰宅後に掃除機をかけることはできず,結局ホコリが渦巻く住んでいるという気分が抜けきれません。

 嫁さんも似たような気分でいたようなのですが,素直に「ルンバ買って~」といえばいいものを,やれ「ルンバは働く女性の三種の神器」だの「共働き夫婦には必須」だのと,あくまで私に買わせようとします。

 まあ,私が掃除の担当ですので,私が楽をするのに私が費用の負担をするのは至極当然なことですから,やや引っかかるものがありつつも注文,先週の金曜日の夜に届きました。

 ルンバは,部屋の大きさや間取り,どんなものが部屋に置かれているかによって,その効果に差があると思います。ですのでいつものようにレビューを書いても余り参考にはなりませんが,あくまで私の個人的感想として,書こうと思います。

(1)大きさ,重さ

 写真ではわかりにくいのですが,ルンバは結構大きいです。時々猫が乗っている動画を見ますが,まさにあんなかんじの大きさです。部屋にあると,かなり存在感があり,はっきりいえば邪魔にもなります。

 重さについてはもっとわかりにくいと思うのですが,よっこいしょと声をかけるほどの重さです。ニッケル水素電池とモーターが重いのでしょうね,ずっしりとした重さです。


(2)音

 かなり大きいです。普通の掃除機と違って高速回転する部分がありませんから,音はラジコン戦車のような音ですが,かなり耳障りです。確かに動いているルンバを見るのは楽しいのですが,音がうるさいので基本的には外出時に掃除をさせるものだと,改めて思います。


(3)掃除にかかる時間

 部屋の大きさやレイアウトによって違うと思いますが,概ね1時間から1時間30分ほどで掃除を終わります。そりゃ,人間が掃除をした方が早いし綺麗になると思いますが,ルンバは人間の数倍の時間をかけて,ゆっくりゆっくり掃除をするものです。

 短時間で掃除から解放されたい従来の掃除機が,吸引率の向上を第一に改良されてきたことを考えると,吸引力ではなく時間をかけるというアプローチで掃除を行うルンバは,とても画期的であると言わざるを得ません。

 嫌な掃除を時間をかけて行うには,掃除を人間がやらない,留守のうちに行うというこの2つが前提になるわけですから,ルンバは理にかなっています。とはいえ,掃除を人間がやらないという条件を克服するのがとても大変なわけで,これにチャレンジしたメーカーは,私は偉いと思います。


(4)動作と仕上がり

 動きをずっと見ていましたが,ぶつかったら向きを変えて進むという基本的なアルゴリズムです。ただし,向きを変えるときに,ほんの少しずらして反転することで,それまでの経路とは少しだけずれた経路で進むようです。

 その結果,前回なら椅子の脚にぶつかったものが,今回はギリギリつうかと言うことが起こり,結果として部屋中を掃除してくれるわけです。

 ルンバにとって,ぶつかったことを知る衝突センサは,高さ方向を認識しません。ルンバよりも高いものは,それがゴミ箱だろうが壁だろうが,ルンバが乗り越えられない以上はすべて壁です。また,椅子の4本の足にゴチゴチぶつかり,しかも間隔が狭くて足の間をすり抜けられないなら,その椅子はルンバには角柱に見えるのです。

 いろいろレイアウトやスタート位置を試行錯誤してみましたが,まず必要なのは「ルンバになった気持ちで見てみる」ということです。人間にとってあっさりまたげるもの,人間なら通り抜けられる隙間も,ルンバには壁になります。

 人間には向こう側が見えていても,ルンバにはカメラがないので見えません。壁の向こうを知ることが出来る人間と,全く分からないルンバの間には,圧倒的な情報量の差があるといえます。

 ですから,ルンバになりきって,綺麗に部屋を巡回するにはどうすれば良いかを考える事には,意味があります。床にものを置かないことはルンバオーナーの基本ですが,これもルンバにとってどうか,という観点で考えると,すんなり納得出来るものです。

 ルンバは結構力がありますので,ゴミ箱などは自分で押して場所を動かしてしまいます。動く事でゴミ箱にぶつかる機会が増えてしまいますが,このことがルンバには,元の大きさよりもはるかに大きなゴミ箱に見えるようになるのではないかと思います。

 こういう場合,ゴミ箱はテーブルや椅子の上に置いておく方がよいです。

 仕上がりですが,ちゃんと巡回してくれた部分は確かに綺麗になっていると思います。特にカーペットは念入り得意なようで,かなり綺麗になっていると思います。

 しかし,何らかの理由で巡回できなかった場所は,当然ですがゴミが全然取れていません。なぜ巡回できなかったのかを考えるときに,「ルンバにとっての壁」を意識する必要があります。

 人間なら悠々通れる所でも,ルンバには壁が見えています。ルンバにとって壁にならないように,うまくレイアウトを考えないといけません。

 ところで,ルンバが階段から落ちたという話をしばしば耳にしますが,うちでは一度もそんなことはありません。階段を検出する段差センサは有効に機能しているようです。


(5)失敗談

 まず,スケジュールの設定です。月水金の午前中に設定したのですが,なぜか土曜日に動き出しました。設定のミスだったのですが,ルンバのUIは決して優秀とはいえませんので,設定は慎重にしないといけないようです。

 次に行き倒れ。掃除が終わってからホームベースに自分で戻って充電を始めるルンバですが,うちではしばしば行き倒れ,部屋の真ん中でじっとしていることがあります。

 見てみると,ホームベースの位置が変わって,隅っこに追いやられています。ルンバが自分で動かしたんでしょうね。ホームベースをテープで固定して,ようやく戻るようになりました。

 最後に,子供が怖がったという話です。光るものに興味がある娘は,おもむろにホームベースにたたずむルンバのボタンを押してしまいました。突如大きな音がして,自分の方向にゆっくり,なにやらブラシを回転させて向かってくるではありませんか。

 最初はなんだ?と思っていた娘ですが,次第に覚えた表情にかわり,後ずさりを始めましたが,ルンバはゆっくり自分の方に向かってきます。

 そして,泣き出しました。

 怖かったんでしょうね。以後,ルンバについうっかり手を伸ばしても,すぐに引っ込めます。触ってはいけないものだと学習したようです。


(6)ランニングコスト

 ルンバは消耗品の交換が必要で,それなりにお金がかかります。掃除機にランニングコストという考え方はあまり馴染まないのですが,ルンバは掃除機である前にロボットですから,やむを得ません。

 まず,ニッケル水素電池です。700シリーズになって1年半が交換時期になったとはいえ,1万円もする電池を1年半ごとに交換すると,さすがにそのコストは無視できません。

 電池以上にフィルターの交換もバカにならない感じです。3から4ヶ月で交換と言うことですから,年に4回ほどの交換ですが,これってコスト以上に手間がかかります。


(7)結論としては

 完璧を求めるのは無理ですし,過度な期待はすべきではありませんが,土日の掃除がほとんど必要なくなった事実はあり,よく言われるようにお金で時間を買ったことになると思います。

 もう1つ,これもよく言われていることですが,ルンバを買うと,ルンバが効果的に掃除できるよう,床にものを置くことがなくなります。従って床がすっきりし,気持ちいいです。ものが減ったわけではないので,床にあったものはどこかにしまい込まれたに過ぎませんが,忘れてはならないことは,ルンバにとって過ごしやすい部屋は,人間にとっても過ごしやすいのだということです。

 ということで,やや高価な買い物でしたが,ルンバによって土日が有効に使えるようになりました。掃除かは開放される気分的なゆとりも想像以上です。また,ルンバの性能そのものは評判通りですから,ルンバ以外のものを買わなかったことも正解だったと思います。

 問題はランニングコスト,消耗品の入手,故障などサポートの問題,そしていずれやってくる寿命と買い換えです。洗濯機や普通の掃除機のように,買い直すことに何の不安も感じない家電品ならいざ知らず,ルンバはアメリカの家電品ですし,大手メーカーではありません。撤退した,倒産した,日本での代理店がなくなったなどで,入手出来なくなることは案外簡単に起こります。

 他のメーカーが参入していれば良いのですが,シャープも東芝も,韓国メーカーもぱっとしませんし,それらが末永く続けてくれそうには思えません。そうなると,せっかくこの便利さを手にした我々は,数年後にはまたルンバのない生活に戻らなければならないかも知れないのです。

 ルンバのようなロボット掃除機が,当面克服できそうにない問題は,フロアを越えられないということです。3階建ての家に住んでいる人は,家中すべてを1台のルンバで掃除できないことになりますから,本当に自動化するなら3台買うしかありません。

 かように,ルンバは一家に一台ではなく,一フロアに一台ですから,普通の掃除機よりも数が出る可能性だってあるのです。

 そのためには,まだまだ子供以下のアルゴリズムを改良すること,そしてそれが一般の人にも注目されるくらい,適度な未来性を持つようになることが大事でしょうか。

 いずれにせよ,10年後にもルンバがあるという未来を想像出来ない私は,一過性のおもちゃでおわるか,それとも死ぬまで世話になる家電品になるか,まったく想像が出来ません。それは,今後ルンバがどういう進化をするかによって,決まることと思います。

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