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カテゴリー「散財」の検索結果は以下のとおりです。

娘の愛車はイギリス車

  • 2012/06/05 09:24
  • カテゴリー:散財

 ベビーカーを買いました。

 実は,嫁さんは早くからベビーカーを欲しがっていたのですが,どうも気に入るものが見当たらず,「現物を見ないで買うわけにはいかない」と格好のいいことをいいつつ,そのくせちっとも現物を見に行かないという,非常に小ずるいことをして問題を先延ばしにしていたのですが,娘がそろそろ7ヶ月になるに至り,嫁さんの辛抱も限界に達したように見えて,あわてて「ベビーカー選定委員会」を召集したのでした。

 気に入るものがないというのは別にウソではなく,街で見かけるベビーカーを注意して見ていると,どうも華奢でたわんだりきしんだりしていて,琴線に触れません。

 小径の硬い車輪はフレームに直づけされていて,振動がもろに伝わります。しかもちょっとした振動で左右に首を振り,ゴロゴロと音も大きくて,乗り心地はとても悪そうです。

 都会の交通事情は電車とバスが中心です。従ってベビーカーに求められる性能も,軽く,小さく,持ちやすく,折りたたみが簡単に出来て,しかも小さくたためる事が求められているようです。

 確かに魅力的な仕様ですが,その代わり剛性が失われ,乗り心地や取り回しといった基本性能との両立が難しくなります。

 華奢で投影面積の小ささは,重心を低いところに置かねば転倒する危険性が出てくるわけで,自ずと赤ちゃんの着座位置は低くなります。土埃や照り返し,雨の時の跳ね返りや,なにかとぶつかったりしそうな危なっかしさを感じて,私が赤ちゃんなら「こんなもん乗れっかよ」と悪態をつくこと必至です。

 そもそも,赤ちゃんだって格好悪い乗り物に乗りたいと思わないはずで,どうせなら格好がいいベビーカーでブイブイ言わせたいところですよ。

 かつてプジョーは,「プジョーオーナーの最大の不幸は,自分がプジョーに乗っているところを見る事が出来ないことだ」と言いました。

 そう,そういうことです。

 てことで,今回の選定で重視すべきポイントは4つ。優先順に以下のようにしました。

(1)乗り心地に最大限配慮すること
(2)重量が6kg以内であること
(3)折りたたんた時に持ちやすく,かつ自立すること
(4)格好いいこと
(5)予算にあまり制約を設けたくはないが,10万円は出せない

 乗り心地については,乗って試すわけにはいきません(試したいですがそういうわけにもいかんでしょう)ので,あくまで想像にとどまるわけですが,大切な事は剛性感と安定感,そして衝撃吸収の能力だと思います。

 ちょっと本筋から外れてしまいますが,衝撃の吸収をごく簡単に想像してみましょう。小さい風船に水を入れて輪ゴムで縛ったオモチャ,水ヨーヨーと言いますが,これを思い浮かべてください。

 水ヨーヨーのゴムを指に引っかけて,ゆっくりゆくり上下させると,当然ですが水ヨーヨーも一緒に上下します。この時ゴムの長さはほとんど変わりません。

 徐々に上下させるスピードを上げていくと,ゴムが伸びたり縮んだりするようになり,水ヨーヨーが手の動きに対して遅れて動くようになります。

 そしてあるところで,手を下げれば水ヨーヨーは上がり,手を上げれば水ヨーヨーが下がるという,正反対の動作をするようになります。このとき,水ヨーヨーは最も大きく振動することになりますが,これを共振といい,共振するときの周波数を共振周波数と言います。

 さらに振動をあげていくと,今度は水ヨーヨーの位置が動かずに,ゴムの伸び縮みだけで振動が吸収されるようになります。

 共振周波数よりも低い周波数では,振動がそのまま伝わります。共振周波数では振動が最も大きくなり,共振周波数よりも高い周波数では振動は吸収されて,おもりは動かなくなります。

 ですから,非常に単純な言い方をすれば,より低い周波数の振動を吸収するには,共振周波数を下げる事が望ましいという事になります。

 共振周波数はバネが硬くなればなるほど高くなり,おもりの重さ(質量)が軽くなればなるほど高くなります。従って,共振周波数を下げるにはバネを柔らかくすることと,重くすることが有効ということになります。

 ベビーカーの理想が見えてきました。バネを柔らかくして,重く作ることが,振動を吸収出来るようです。

 さて,小型で軽いベビーカーというのは,フレーム全体がしなったりたわんだりいて,バネの代わりになっているようです。一見合理的に見えますが,共振周波数よりも低い振動はそのまま赤ちゃんを振動させてしまいますので,かなり柔らかく作る必要があります。

 しかし,そんなにグニャグニャだと,今度は安定性が悪くなります。つまり軽いベビーカーというのは,バネの硬さの設計自由度が狭いという事です。

 では,フレームはしっかり作り,振動はタイヤやサスペンションによって,フレームに伝わらなくするという方法はどうでしょうか。こうすると,サスペンションなりタイヤでバネの硬さを自由に選ぶことが出来るようになります。

 同時に,しっかりしたフレームを作る事で重くなってきます。このことで共振周波数が下がってくれることも期待出来るわけです。

 ですので,乗り心地を振動の吸収能力と単純化した場合,重く,剛性があって,サスペンションや空気入りのゴムタイヤを搭載するものがよいことになります。

 事実,こうしたベビーカーは,最近良く街で見かけますよね。AirBuggyもそうですし。でも冷静に考えてみると,しっかりしたフレームを持つベビーカーは大柄ですし,小さく折りたたむために可動部分が多いとそれだけ剛性が下がります。しかも重いと来るわけですから,乗り心地と持ち運びの楽さというのは,相反する要素であるといえそうです。

 次に重さですが,10kgだと持ち上げるのも大変,4kgまでなら楽に動かせると考えました。お米が5kgですのでこのくらいが楽に動かせる限界と思いますので,これを目安としたいところですが,今の娘の重さが7kg弱ですので,これくらいならなんとかなるでしょう。

 折りたたみですが,これも前述の通り,乗り心地と相反する要素です。しかし,我が家の玄関は狭く,たたんだときに小さくならないと普段の収納にも困りますし,電車やバスでもひんしゅくを買ってしまいます。「一応気を遣ってます」というシグナルを出せるかどうかは,日本というお母さんと赤ちゃんに厳しい国では,必要不可欠です。

 自立は重さよりも重要な要素かも知れないです。どんなに軽く,どんなに小さくたためても,支えていないと倒れてしまうようなものは,必ず片手がふさがるわけですから,赤ちゃんと一緒に行動することは不可能と言っていいでしょう。

 そして格好いいこと,ですが,個人的意見でいえば,小型で軽量なものというのは,デザイン上の自由度も低いので,似たような形に収れんするものですし,概して没個性のしらけたデザインになることが多いと思います。軽自動車がどれも似たような形になっていることを思い出してもらえると,納得頂けるでしょう。

 そして最後に予算です。あまりけちくさいことをいうのはどうかと思いますが,さすがに8万円や10万円をだすのは難しいかなあと思います。まあ,その10万円がどういう所に有効に使われているのか,という点で考えるべき所でしょう。

 例えば輸入代理店のマージンとか,改訂されていない通貨レートで換算されているとか,そういうことだと本質的な話ではありません。付属品がやたら多いとか,巨大であるとか,そういう話でも困りますね。

 しかし,しかしですよ,フレームはCFRPモノコック,ホイールはマグネシウム鍛造,扁平率20の超ワイドタイヤを履き,4輪独立懸架,フロントはダブルウィッシュボーン,リアはマルチリンクのアクティブサスペンションを装備し,デフはセンターも含めLSD,4点シートベルトにフルバケットシート,ブレンボのベンチレーテッドディスクブレーキはABS付き,面倒だから空力を改善するリアウィングを装備して10万円なら,これは買いです。

 と,いろいろ書き連ねましたが,結局何を選んだかと言えば,イギリスのMICRALITEという会社の,SuperLiteClassicという機種にしました。

 AirBuggyは1つのリファレンスになる機種だと思いますが,いかんせん大きいし,重さが9kg近くもあって,かなり重いです。街で見かけることも多くて,加えて3輪バギーという周囲に対する威圧感が,小市民である私を貫く視線となるような気がして,落ち着きません。

 コンビやアップリカという定番のB型ベビーカーも検討しましたが,小さく折りたため,かつ軽いものは乗り心地という観点でどうもしっくり来ませんでした。その割には結構高価だったりします。

 オランダのBagabooの,Beeというベビーカーは,高い剛性感,スポーツカーのような格好良さ,そして4輪に装備されたサスペンションでかなりグラグラきたのですが,大きく重く,そして10万円というお値段で断念しました。

 いろいろ迷っているうちに,ふとWEBで見つけたのがMICRALITEでした。

・乗り心地

 MICRALITEの衝撃吸収の考え方は,アルミパイプでしっかりしたフレームを作り,前後の重量配分を25:75にした上で,後輪の12インチの大口径空気入りタイヤで吸収するというものです。

 前輪はウレタン製のタイヤを履く小口径のもので,左右に首を振る構造です。この車輪に衝撃吸収の能力はありませんが,重量配分から明らかなように,ここに大きな加重がかかるわけではありません。

 4輪とも,直接フレームに取り付けられているので,特にサスペンションもダンパーも付いていませんが,太く柔らかい空気入りゴムタイヤがかなり良い感じで衝撃を吸収します。空気圧はちょうどサッカーボールくらいですので,通常のガタガタ揺れるベビーカーに,サッカーボールを1つ置いて,その上に赤ちゃんを座らせた感じを想像すると良いかもしれません。

 シートはハンモックタイプです。マイナーチェンジ前は全てメッシュだったのですが,Classicになってからは底面だけメッシュで,左右はしっかりした布に変わりました。私はこの方が望ましいと思います。

 そのシートは120度と140度の2段階でリクライニングします。140度だとかなり上を向くので,うちは120度で行くことにします。

 実際に走らせてみますと,石畳や荒れた舗装道路の振動が吸収されて,赤ちゃんへの負担は小さいようです。前輪からの振動は避けきれませんが,これが4輪全部のベビーカーだとかなり辛いでしょう。

 アルミのフレームはしっかりしており,ほとんどたわみません。ですので赤ちゃんがゆらゆらと揺られることもありません。

・重量

 SuperLiteClassicは公称6.6kgです。大口径空気入りのタイヤを履くベビーカーとしては,この重量はかなり軽いです。

 このくらいの重さだと,持ちやすさの良し悪しで,体感する重さに差が出ます。持ちにくいとか,片手で支えないといけないととても重く感じますが,たためば持ちやすいし,自立しますので6.6kgでもそんなに重いとは感じません。

 また,走り出せば,転がり抵抗が小さいことと,後述する取り回しの良さから,全く重さを感じません。とても快適です。

・折りたたみと自立

 折りたたみは2つの点で評価します。まず,折りたたんだ時にどれくらい小さくなるかですが,なにせ後輪が12インチですから,これ以下にはなりません。後輪のトレッドは小さく,前輪のトレッドは大きくなっているので安定感と取り回しの良さが両立するのですが,折りたたむときは,前輪が前後左右に縮み,後輪の間に収まります。

 片手で折りたたみ出来るかといえば,ちょっと難しいと思います。慣れれば可能という意見もあるでしょうが,慣れないとだめという意味ですし,全ての人が慣れるとは限りません。剛性感があるのでスムーズに変形しますが,ロックのかかり方が緩いので,変形の完了がわかりにくいかなあと思います。危ないですから,ここは改良が必要かも知れません。

 自立ですが,一応大丈夫という感じです。前輪が左右に縮むときに,左右に渡してあるアクスルが,くの字に折れます。折れた部分が下側に張り出し,これが地面と接して,前を支える足になります。

 これと2つの後輪で3点支持されて自立するのですが,ハンドルが大きいことと,シートが結構高い位置にあって重心が高いことに加えて,前を支える足が後輪に近いため,グラグラと大きく揺れるのです。決して簡単に倒れてしまうわけではないのですが,見ている人に不安を与えてしまうような不安定さですので,余り褒められたものではないと思います。

 ところで,後輪のロックを解除すれば,持ち上げることなく,引きずって行くことができます。大口径の車輪ですし,ちょっとした段差くらいならそのまま乗り越えて行きますので,必ずしも持ち上げて動かす必要はありません。

 ただ,折りたたんだ状態では背丈があります。私なら大丈夫なのですが,背の低い嫁さんなんかは,結構苦労しそうな感じです。

・格好良さ

 ちょっと他にない独特のデザインで,格好いいと思います。後述のように4万円ちょっとで買えるものですので,高級感はありませんし,威圧感もありません。

 まず目に飛び込んでくるのが12インチの大口径タイヤです。黒い3本スポークのホイールに取り付けられていて,これがこのベビーカーを強烈に印象づけます。

 そして前輪は前に飛び出し,かつ左右に広がっていますので,まさに前輪が放射状に広がったような感じです。この前輪と後輪の間にシートがはまり込んでいます。

 私は黒を買いましたが,フレームからホイール,ハンドルに至るまで全て黒です。あまりに真っ黒なので面白味に欠けるなあと思っていたのですが,座り心地改善のために別売りの赤いクッションを取り付けたところ,非常に精悍なイメージに変わりました。まさにライトウェイトスポーツという感じです。

・お値段

 先にも書きましたが,お値段は実質4万円くらいでした。通常45000円くらいで売られているようですが,これはClassicのお値段で,マイナーチェンジ前だと値引き前でも4万円,

 この手の輸入ベビーカーとしては,破格の安さではないかと思います。あるいは,国産まで含めても4万円でこの剛性感とこの機能というのは,なかなかないのではないでしょうか。

 確かに,高級感はありません。厳つさもありません。中国製ですし,軽さが見た目でわかります。細いフレームが前後左右に広がっているので,華奢な印象がないわけではありません。しかし,しっかりとしたアルミフレームは繰り返しているようにかなり高い剛性を持っています。

・取り回し

 赤ちゃんを乗せて早速走らせてみると,まずゴムタイヤのおかげで転がり抵抗が少なく,とても軽く動かすことができます。しかも剛性があり,しなることもきしむこともありませんから,とても楽に動かすことができます。

 これは大事な事ですが,後輪のトレッドが狭いことで,運転者の足下が案外狭いのです。なので,大股で歩くことが出来ず,自動的に走行速度に制限がかかります。急いで歩こうとしても,そういうわけにはいかないのです。これは安全上,本当によく考えられていることだと感心した点です。

 後輪のトレッドが狭いことは,左右に曲がる事も楽にします。つまり,後輪の左右の内輪差と外輪差が小さくなりますから,曲がるときの抵抗が小さくなってくれるわけです。

 また,重心の位置がよく考えられているので,乗る方も動かす方も楽ちんでしょう。

 しかし,このベビーカーには,その取り回しの良さ故の問題があります。

 まず,後輪のトレッドが小さい事で,左右に振り回すのが楽な点は,想像以上に赤ちゃんに横Gをかけてしまいかねません。

 ベビーカーの回転中心(旋回中心ではないのでご注意)は後輪の位置で,重心はその前方にありますから,左右に曲がるときに赤ちゃんが振り回されるのですね。端に寄せるときなど,自動車の要領で切り返しを行って寄せていくのですが,娘が結構ゆらゆらと揺すられているのを見て,まずいなと思いました。

 これが国産のものだと,後輪のトレッドが広いので,急に左右に曲がることがそもそも難しく,穏やかに曲がることになりますし,回転中心も後輪よりも前に出てきます。その分最小旋回半径が大きくなって取り回しが大変という事になるわけですが,赤ちゃんへの負担は小さいでしょう。

 なお,オーバーハングはフロントもリアも小さく,このあたりは普通のベビーカーです。ただし,着座位置に対し前輪が離れていますので,旋回時の鼻先の動きは随分大きくなります。

 ホイルベースはそんなに長くはないのですが,後輪のトレッドが狭いので,旋回時に前輪をパスしても,後輪が乗り上げてしまうことがあります。それを計算してラインを読んでカーブを抜けると,今度は赤ちゃんが大きく振り回されてしまうので,要するにカーブはゆっくり曲がれ,と言うことになりますね。当たり前か。

 ところで,前輪が左右に広がっていることがちょっと問題になりました。絶対的な幅は他のベビーカーとそれ程変わらないと思うのですが,後輪が狭くなっていていることと,運転している大人の目から前輪の位置が最も遠いところにあるということで,目測を誤るのです。

 嫁さんは自然に左によってしまい,ガードレールの支柱に前輪をボカンとぶつけてしまいました。回転中心が後輪にありますから,ちょっとハンドルを切れば前輪は大きく動いてしまいます。そこへ元々前後左右に広がっていると言うのですから,実は前輪の感覚を身につけることが,このベビーカーの運転ノウハウと言えるかも知れません。

・幌

 自動車で言うところのソフトトップがついています。ブリティッシュライトウェイトスポーツでカブリオレというのは,なかなかしびれるものがあるわけですが,後方視界の確保が必要ない代わりに,天井に丸い穴が開いていて,ここに半透明な窓がついています。これは運転者が赤ちゃんの様子を確認するためのものなのですが,実際の所良く見えません。自動車で言うところの,後方視界は絶望的,というやつですね。

 幌は手動開閉式で,簡単に格納できます。ただ左右はほとんど隠れないですし,案外浅いですから,遮光にはあまり貢献しない印象です。これがオプションのレインカバーだとすっぽり隠れます。

・ラゲッジ

 自動車で言うところのラゲッジスペースですが,これは絶望的です。シートの下側にネットがあり,ここに荷物を置くことが出来るようにはなっていますが,20cm四方で高さが10cmくらいの箱が置ける程度です。

 一応,荷物を固定するためのベルトがついていますが,屈んで手を伸ばして固定するのは,なかなか骨が折れるでしょう。

 しかも,路面すれすれの位置にありますから,土埃や泥はねは必ずあるでしょうし,荷物の形状によっては地面に触ってしまうのではないかと思います。また,ベビーカーをたたむときには取り出さなくてはなりません。あまり使い勝手は良くないでしょう。

 ところで,国産ベビーカーでよく見る,ハンドル部分に荷物を引っかけることは出来ません。ハンドルが後輪よりもやや後ろにあり,後輪に75%の荷重がかかっていますので,ハンドルに重量物を引っかけると前輪が浮いてしまいます。

 私は,国産のベビーカーでも,こうして荷物を引っかけるのは危険だと思います。ちゃんと設計されていればよいのでしょうが,前後の重量配分が大きく変わってしまうわけですから,可動部分を設けるなどの,荷重補正を行うしか安全性を確保出来ないんじゃないかと思うのです。

・ハンドル

 ハンドルはU字になっていて,ロックを緩めれば自由に回転させることが出来,好みの位置で固定することができます。ウレタンのスポンジでくるまれているのでなかなか手に馴染みます。冬も冷たくないでしょう。

 この調整機能は,どちらかというと運転者の身長によって調整されるものだと思います。背が高い人は上向きに,低い人は下向きにするとちょうど良いはずです。

・ブレーキ

 ブレーキは残念ながら装備されていません。走る,曲がると並んで,最も重要な機能である止まる,がおろそかになっているのですが,例えば後輪だけでも左右独立でブレーキがあると,左右の旋回ももっと機敏になっただろうし,下り坂の安全運転にも貢献したはずで,このベビーカーの唯一残念な所です。

 パーキングブレーキ,といいますか後輪のロックは当然あります。摩擦式ではなくて,凹凸が勘合するものですので,勝手に緩む心配はない代わりに,運動エネルギーを熱に変える事は出来ませんから,荷重移動に使うなど攻めるブレーキングは出来ません。当たり前か。

・オプション

 今は手に入りにくいようですが,前輪も空気入りのタイヤにするためのキットが売られています。安かったので私も買いましたが,結論から言うと失敗でした。

 前輪を外し,左右にアルミパイプで出来たリジッドアクスルを渡します。この段階でこのベビーカーは折りたたむことが出来なくなりました。

 そしてこのアクスルの両端に,後輪と同じ12インチの車輪を取り付けます。ここまで来るとさすがに厳ついです。

 高さは上手く調整されているので換装後も違和感なく動かせますが,致命的な欠点として,左右に曲がらなくなります。

 前輪が首を振らず,リジッドですから,直進しか出来ません。タイヤをスリップさせながらなら曲がることが出来るだろうと思いましたが,太いゴムタイヤの接地性の高さをなめていました。

 大きく回れば,左右に旋回できますが,このベビーカーの利点の1つである取り回しの良さは絶望的になりますので,ストリートユースでの実用性はゼロです。ただし,砂漠では圧倒的な走破能力を見せつけてくれることでしょう。

 カタログには悪路走破性能を向上させるオプションであり,ストリートでは取り回しが悪くなるよと書いてありますので,私のようにインドアな引きこもりが買うようなオプションではなかったということでしょうか。

 まあいいです。この前輪はシルバーのホイールですが,ちょっと部品を交換すれば後輪にも使えます。スペアを買ったと思えばいいでしょう。結構パンクするようですし,パンクすると全く使い物にならなくなってしまうわけですし。

 次にレインカバー。透明のビニール製で,専用のキャリングケース付きです。幌をたたんだ状態で取り付けると,すっぽりと下まで覆われて,雨や風から赤ちゃんを守ってくれます。

 ただし,これを雨の降るなか屋外で着脱するのは無理です。かといって取り付けた状態ではたたむことが出来ませんから,いったいどういう状況で使えば良いのか,ちょっと難しいところだと思います。

 引きこもりの私に言わせれば,そもそも雨の日に外に出るなよといいたいわけで,どうしても外に出なければならない緊急時の装備ですね。

 最後にキャリングバッグ。バッグ?こんなごっついものを,鞄に入れるのか?と我が目を疑いましたが,届いてみると,確かにすっぽり入ります。軽くて丈夫なバッグはそんなに悪いものではありませんが,なにせこれに7kg近いものを入れて,肩から提げるというのですから,嫁さんの「正気か?」という視線が実に刺さりました。

 まあその,テニスの大きなバッグをもうちょっと長くしたような感じです。そうですね,ゴルフバッグ・・・くらいでしょうか。

 果たしてこれが便利に使えるシーンがあるのかどうか,買ってから考えた私でありました。

 実際に買ったオプションはこれとシートクッションくらいですが,他にももう一人子供が立ち乗り出来る台車を後輪の後ろに取り付けることが出来たり,背の高い人向けにハンドルの長さを延長するものがあったりと,オプションはいろいろあります。国産のベビーカーにはない,面白さでしょう。


・まとめ

 想像以上に大きく,重量もあって,正直なところ小柄な女人にはちょっと手に余るものだと思います。一度走り出せば取り回しは楽ちんで,とても快適なお散歩が出来る事は間違いないですが,駅の改札は車いす用の広いところを探す必要があるでしょうし,たたんでも結構大きいですから,混雑した電車だと周囲の視線が痛いと思います。

 乗り心地については,娘は喜ぶことはないのですが,すやすやと眠ってしまいますので,そんなにおかしなものではないのでしょう。着座位置も高いところにありますから,地面が迫ってくる怖さや,自分よりもはるかに高い位置にある大人の顔に怯えることもなく,安心してもらえているのであれば,狙い通りです。

 欲を言えば,もう少し折りたたんだ時に小さくなって欲しいのと,自立時の安定感を増して欲しいところです。変形の機構もちょっと難しいものがあり,もうちょっとスムーズになればなあと思います。

 それと前輪です。せっかく後輪が大口径のゴムタイヤなのに,前輪がその足を引っ張って乗り心地を悪くしています。前輪だけでもサスペンションを付けてもらうか,小口径でも空気入りのゴムタイヤを履いたものに交換出来ると抜群だと思います。

 せっかく買ったのだからとあまり窮屈に考えず,このベビーカーの利点を生かして,楽しく使っていこうと思います。電車での移動や嫁さん一人での扱いなど,必ずしもこのベビーカーが万能という事ではありません。軽くて華奢でも近距離移動用に割り切って,安いものを買い足してもよいと,それくらいに考えてもいいかも知れません。

新しいeSATAカードを試す

  • 2012/05/21 13:22
  • カテゴリー:散財

 連休中のことですが,主にスキャンした本のPDFと,デジタルカメラで撮影したデータをたくさん詰め込んだ外付けの2.5TBのHDDが,突然認識しなくなりました。

 これはさすがに目の前が真っ暗になるほどびびったのですが,結論から言うとケースの故障でした。MacBookProにeSATAカードを差し込んで接続していたのですが,ケースを使わず,eSATA-SATAケーブルを使って直結すると問題なく認識出来たので,ほっとしました。

 eSATAインターフェースはJMicronのJMB362を使っているExpressCard/34です。このチップだとMacOSXでは32bit/64bit両方で,標準のドライバが用意されているので,差し込むだけで使えるようになります。もちろんブートもokです。

 ケースはブリッジにInitioのINIC-1610を使ったもので,eSATAとUSB2.0に対応したものですが,このカードとの組み合わせで比較的安定した運用が出来ていたので,ケースの故障はちょっと痛いところです。

 で,事前に調べて訳ではないのですが,安くて便利そうで一応ちゃんとしたメーカー品という事で,ロジテックのLHR-DS04EUを買うことにしました。しかしあれですね,。ロジテックというと海外の本家がもちろん有名ですが,こちらのロジテックも1980年代前半から知られた周辺機器メーカーで,5インチのフロッピーディスクドライブの広告が雑誌に出ていましたねえ。

 1990年代には20MBとか40MBのハードディスクも売ってました。SASIとかSCSIで繋いでいたんですよね。当時からロジテックと言えば,ストレージの専業メーカーという印象があって,私はその真面目さが好きだったんですけど・・・

 そういえば,当時のハードディスクのメーカーで,残っているのは本当に少ないですね。ICM,緑電子,日本テクサ,アイテック・・・このあたりは全滅ですね。まあその,こういう中小企業がちゃんと残っていけたのが1990年代前半までだったわけですよね・・・寂しいですね。

 閑話休題。

 新しいケースはフロントからドライブを抜き差しできるタイプで,ドライブを交換する手間がかかりません。しかもファンまで搭載していて,見た目もそんなに悪くありません。

 連休中に手に入れて試したのですが,以前のケースとはちょっと使い心地が変わってしまいました。以前は先にカードにケーブルを繋いで,電源を入れてからカードをMacBookProに差し込むと難なくマウントしたんですが,今回はこれではマウントしないときがほとんどです。

 ケーブルの抜き差しをやってマウントすることもあれば,もう片方のコネクタにつなぎ替えたらようやくマウントする場合もあって,どうもすっきりしないのです。しかも,このケースはケーブルを抜けばHDDがスピンダウンするので,あまり短い間隔でケーブルの抜き差しをするのはちょっとためらわれます。

 どうにかならんものかと,まずこのケースを分解して使っているブリッジチップを確認すると,これまで大人時InitioのINIC-1610でした。

 ただ,このINIC-1610は細かいカスタマイズが出来るので,今回のような挙動の違いは同じチップであっても異なるもので当然でしょう。

 ブリッジチップをバイパスしてSATAコネクタ直接ハンダ付けで繋いでしまおうかと思ったくらいですが,手間もかかるし面倒なので,このままでなんとか使う事を考えます。

 もしかすると,eSATAカードが古いのかも知れない・・・ドライブに対して発行するコマンドが古いものだったりすると,こういうトラブルというは出る傾向にあったりするものです。

 もともと,このSATAカードも随分古いものです。2TBを越えるドライブをサポート出来なかったり,速度的に不利なことがあったり,あるいは突然壊れてしまってデータを全部ロストすることもあるかも知れません。これは買い換え時だと,神の声が聞こえてきましたよ。

 ということで,MacOSXの標準ドライバで動作し,出来るだけ新しいものを探してみました。そうすると,Marvellの88SE9123を使ったカードがどうも条件に当てはまりそうです。

 SATA3に対応,6Gbpsの速度を実現し,ちゃんと3TBのHDDまで面倒見ますというチップです。もちろんMacでブートもokです。これを使った製品で安いものを探してみると,毎度の玄人志向から「SATA3-EC34」が出ています。4000円ほどです。

 もしかすると問題は解決しないかも知れないし,買い換えるメリットなどないかも知れません。もしかするといわゆる「相性問題」で状況が悪化したり,最悪のケースでデータの破壊があったりするかも知れません。

 ちょっと迷うのですが,ここ数年放置してあった環境の1つですので,てこ入れに試してみましょう。

 先週の金曜日に届いたものをさっと確認してみましたが,まずアクセスランプがカードにもついています。これは結構ありがたいです。以前のカードにはランプがなく,HDDを直結で使う時には結構不安でした。

 ですが,明るさが足りないので,とっととLEDを交換。横から見ても十分な明るさになりました。

 まず,マウントの問題を確認してみましたが,これは変化無しです。やはりつなぎ替えないとマウントしないです。ちょっと規則性がわからないのですが,ディスクユーティリティを見ながら抜き差ししたりすると,別のHDDにつなぎ替えても前のHDDの名前が残っていたりするので,これはOSかドライバの問題じゃないかと思うようになりました。とても怖いバグのように思うのですが,まあやむを得ません。

 次に速度の話です。新しいカードですし,SATA3ですので,ちょっとは高速になってくれることを期待したいところです。

 で,参考程度にベンチマークを取ってみました。

 まず,今回の新しいカード,88SE9123です。ケースはLHR-DS04EU,HDDはWDのWD20EARSです。

Drive Type WDC WD20EARS-00MVWB0
Disk Test
Sequential
Uncached Write 100.32 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 66.75 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 18.28 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 90.01 MB/sec [256K blocks]
Random
Uncached Write 2.02 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 65.45 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 0.72 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 33.87 MB/sec [256K blocks]

 で,同じ条件で,古いカード,JMB362です。

Drive Type WDC WD20EARS-00MVWB0
Disk Test
Sequential
Uncached Write 72.45 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 78.57 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 18.64 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 88.87 MB/sec [256K blocks]
Random
Uncached Write 2.05 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 79.58 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 0.72 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 33.60 MB/sec [256K blocks]

 4kのシーケンシャルライトがかなり高速になっているように思いますが,256kでは逆転,それ以外はほぼ同じという結果になりました。うーん,よくわかりません。

 ケースが影響している可能性がありますね。INIC-1610は1.5Gbpsでしか動いてくれませんから,これがネックになっている可能性があります。そこで,ケーブルで直結してみました。まず88SE9123,次にJMB362です。

Drive Type WDC WD20EARS-00MVWB0
Disk Test
Sequential
Uncached Write 99.69 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 67.24 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 18.40 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 77.67 MB/sec [256K blocks]
Random
Uncached Write 2.10 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 62.10 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 0.69 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 33.60 MB/sec [256K blocks]

Drive Type WDC WD20EARS-00MVWB0
Disk Test
Sequential
Uncached Write 72.41 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 78.47 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 18.50 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 88.35 MB/sec [256K blocks]
Random
Uncached Write 2.11 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 83.20 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 0.70 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 33.32 MB/sec [256K blocks]

 うーん,ケースに入れたときとほとんど同じ結果です。ということは,ケースが速度の足かせになっているわけではないようです。

 ちなみに,これまでの環境が安定して動き始めた2009年に測定した時の結果を再掲します。

Drive Type Hitachi HDT721010SLA360
Disk Test
Sequential
Uncached Write 70.14 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 76.09 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 11.64 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 98.49 MB/sec [256K blocks]
Random
Uncached Write 1.88 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 51.72 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 0.66 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 30.56 MB/sec [256K blocks]

 ドライブがHGSTの1TBですので速度の違いが出てもそれは当たり前ですし,OSも古いものですから本当に参考程度ということになりますが,これを見ているとあんまり変わらないなあという印象ですね。

 つまるところ,この速度の制限は,ディスクへの入出力,あるいはキャッシュの速度によるものであるということです。SATAの速度が1.5Gbpsだろうが3Gbpsだろうが差はなく,1.5Gbpsで十分という結論です。

 最終的に,マウントの問題は解決せず,速度の向上もなく,カードを新しくした意味というのは,あまりありませんでした。

 ただ,4kのシーケンシャルライトについていえば,新しいカードの方が圧倒的に高速です。ここを期待するのもよいですし,故障を未然に防ぐという意味で,今後はこの新しいカードを使おうと思います。

 しかし,相変わらずeSATAは手強いです。USB3.0が普及してくれればこんな苦労はないのですが・・・でも,この速度は魅力的なのです。強力な掃除機を使っているような,あのどんどんファイルを吸い込む気持ちよさは,今のところeSATAならではです。

 その昔,SCSI-1が5MB/secで高速とかいってたんですよね。40Mbpsですから,1980年代でこの速度はまさに光の速さだったことでしょう。

 初めてHDDを買ったとき,初めて100MBを越えたとき,初めて1GBになったとき,初めて10GBを越えたとき,初めて1TBを越えたとき・・・CPUの速度よりも,私個人はHDDの容量が増えたときのことの方が,強い印象として残っています。

 今や,デジカメから吐き出されるファイルが1つで,かつてのHDDがいっぱいになるほどの大きさになりました。身の回りのファイルがどんどん肥大化して行く中,その受け皿としてのHDDも大容量化,高速化してくれたことは,ありがたいことです。

 同じ写真を撮っても,数年前とこれだけ情報量が違うのです。50年後,100年後に,この急激な情報量の変化を,後世の人々はどう思うのでしょうかね。

androidのWalkmanが気に入った

  • 2012/04/24 11:06
  • カテゴリー:散財

 NW-Z1060を買いました。

 この型名でぱっとWalkmanを思い浮かべる方はそんなに多くはないと思うのですが,,iPodと言えばnanoだろうがShuffleだろうがtouchだろうが,あああれね,となるのに,Walkmanは小難しい英数字でしか機種を特定できません。このあたりが日本企業の習慣なんだろうなあと思って,損をしているように感じます。

 テレビでもなんでもそうですが,日本の会社の製品は製品名が無味乾燥な英数字で,しかも一文字違いで全然違うものになります。WalkmanもZシリーズだXシリーズだAシリーズだと,興味のない人しかわからないような機種構成です。

 閑話休題。

 NW-Z1000シリーズはWalkmanで初めてAndroidベースのモデルです。音楽を聴くだけなら別にAndroidだろうがiOSだろうが,uitronだろうがなんでもいいのですが,動画にゲームにメールにチャットにTwitterにと,多機能化を求められるとOSの選択肢は狭まってきます。

 一方で,OSを動かすためだけに使われるハードウェアリソースも大きくて,Androidを動かすだけでもそれなりのCPUやメモリが必要です。OSがユーザーのやりたいことに直接関係しない存在であるなら,そこに無視できないコストがかかるリッチなOSは,開発者のエゴではないかと,そんな意見もあるわけです。

 本来,Walkmanというのは音楽を聴くための道具でした。これにAndroidを乗っけてくるんですから,音楽以外の事をやらないと説明がつきません。結果,4.3インチという大きなディスプレイを搭載したことと相まって,Walkmanとしては異彩を放つモデルになってしまいました。

 出るなり賛否両論巻き起こったこのZシリーズですが,私がiPhoneなどのiOS機器に今ひとつ興味がわかないことと,実は今適当な携帯音楽プレイヤーがないことにちょっと困っていて,そろそろ「おもちゃ」を買ってみるかなと考えたことが,購入の動機です。

 ちょっと大げさですが,この大きなディスプレイを使えば,例えばちょっとした動画を見たり,twitterやメールも案外まともに使えるだろうし,IDEOS経由になりますけども外出時にナビ代わりにすることだってできそうです。しかも,音質への評価は高く,本来の目的である音楽プレイヤーとしては,きっと期待を裏切らないでしょう。

 残念なのはカメラがないこと,SDカードがささらないことですが,SDカードは一度差し込んだらほとんど外して使うことがないものだけに,内蔵メモリが大きいものを選んでおけばかえって便利で安全かも知れませんし,カメラも使用頻度はそんなに高くないので,割り切ってしまえます。

 裏を返すと,最初の機種選定で,メモリサイズは慎重に選ばないといけないわけですが,そうはいっても5万円近くのお金を出すわけにもいきません。予算の都合もあって,32GBのNW-Z1060を買うことにしました。

 色は赤と黒があるのですが,外で目立つのもなんだしなと,黒にしました。しかし,赤の実物を見ると,これなかなか上品で,男女を問わず使えるいい色です。これにしておけば良かったかなあと思ったりします。

 聞けば,それなりに値段もこなれてきていて,回線契約をせずとも使える,日本メーカーのまともなandroid端末としての需要もあるそうです。もともと,アプリケーションを後から追加して機能を増やせるWalkmanとして誕生したZシリーズとしては,android端末がどこまでまともな音楽プレイヤーになり得るかに挑んだものであるはずで,私はそういうところにも惹かれていたりします。


・大きさ,質感

 大きい大きいと言われているZシリーズですが,手に取るとホントに大きいと感じます。私にとっては,ギリギリの大きさです。これ以上大きいと使うのに苦労すると思います。

 筐体の歪みもなく,質感も高い上,密度感もありますから,安物を手にしたというがっかり感はありません。ただし,縁の部分などはプラスチックで,私は早速手から滑り落として,この部分にへこみを作ってしまいました。


・android

 androidを搭載したWalkmanという独自の立ち位置をどう解釈すべきか,売り手も買い手も迷うところですが,私はこう考えました。

 多機能化したWalkmanではなく,音質にこだわったandroidマシンである。

 つまり,androidマシンとして十二分に楽しめる内容でありながら,真面目に音質に注力したモデルという事です。お金もかけただろうし,ノイズ発生源である高速CPUからオーディオ回路を守るために,電源を綺麗にしたり,基板のパターンを工夫したりと,様々な手段を講じたと思います。

 通常,androidのハードウェアに対し,そこまで手間をかけて音質を向上させる事はないと思います。androidはandroidが売りであり,音質が余程悪いものでなければ,特に問題とならないからです。

 ですが,日本の一流メーカーが自社のブランドをかけて作った事と,そしてそのブランドに恥ずかしくないよう,音質に真面目に取り組んだというのは,非常に貴重なことです。音質にこだわる理由がないandroidマシンの世界で,音質を至上命題にできるのは,Walkmanだけであり,Walkmanを冠するからこそ音質に手間とお金をかけることが許されたのでしょう。

 だから,多機能化したWalkmanではないというのはとても大事なことで,androidでなかったり,androidであってもGoogle playにアクセス出来なかったり,機能に制限があったり,あるいはandroidとして振る舞わないような細工があったりすると,それは他のWalkmanと同じです。

 あくまで,androidとしての自由度をほぼ残し,どんどんアプリを増やしてカスタマイズできる楽しさをちゃんと持っていながら,しかも音質にこだわりがあるということはとても重要で,私はこの部分に本当に感心しました。Zシリーズ以外に,高音質androidを期待する事は出来ません。唯一無二の存在なのです。


・音楽プレイヤーとして

 Walkmanであることを主張するW.ボタンで,なにをやっているときでもこれで音楽再生画面に遷移する仕様は,とても好ましいと思います。音楽プレイヤーの完成度は低いわけではなく,大きな画面でジャケット写真(アルバムアート)が表示されるのは楽しいですし,そのジャケット写真を床にぱーっとひろげてアルバムを選ぶ機能などは,なかなか遊び心もあってよいと思います。

 私は聴きたい音楽にさっとアクセス出来ればそれでいいので,androidでは良く使われているPowerAmpのようなソフトは過剰で,ちょっと胃にもたれます。その意味では,歌詞と同期する機能や12音解析などは私には無関係な機能ですから興味もありません。

 128kbpsのAACで,そもそも携帯音楽プレイヤーに期待するものでもないので音質云々は大きな声では言えない私ですが,少なくとも私には好ましいものです。前述の通り,とても自然で,とても良い音がします。

 iPodなどは結局長時間聞いていると疲れてしまうのですが,このZシリーズはそんなことはありません。すっと頭の中に入ってくる音です。

 付属のヘッドフォンを使えばデジタルノイズキャンセル機能が利用出来ますが,外でこれを使うと怖いし,気配を感じなくなるのは不安ですので,私は使いません。使い慣れた他のヘッドフォンを使いますし,どうしてもノイズキャンセルが欲しい場面では,QC15を使います。

 残念なのは,ハードウェアが高音質を目指して作られているのに,対応コーデックに可逆圧縮のものがないことです。ALACに対応するのは大人の事情で無理としても,FLACに対応することはもう必須になってるとは考えないのでしょうか。ATRACのロスレスなんか誰も使わないです。

 結局私は,FLACに対応するためにandLessをインストールすることにしました。そして,高音質のCDについては,順次256kbpsに切り替えていくことにしました。それくらい,この音質は素晴らしいと思います。

 そして,24bit/96kHzへの対応がないことにがっかりしました。これでハイレゾ音源に対応していれば文句なしなのですが,これだけアナログ回路の音質が良ければ,きっとハイレゾ音源はすごい音で聞かせてくれそうな気がします。それだけに残念です。

 
・動画プレイヤーとして

 TEGRA2というCPUは,AVCやMPEG4のハードウェアデコーダを持っていますが,MPEG2は持っていません。今時MPEG2というのもないだろうと,そもそもMPEG2のデコードをサポートしないZシリーズですが,例えばTS抜きした地デジの動画はMPEG2-TSですし,これをAVCにするには必ず変換が必要になるわけで,その時間と手間は大変面倒です。

 また,AVCはBaselineProfileでしか1080pに対応しません。つまり,わざわざZシリーズ用にAVCにエンコードしないと存在しないことが多いフォーマットということになり,どうも変換作業から逃げられそうにありません。

 一応確かめてみたのですが,MainProfileの1280x720,2Mbpsくらいならなんどか再生できそうです。ですが,1440x1080のMPEG2などは動画ファイルとしてすら認識してくれません。

 そこで,定番の動画プレイヤーである,MX動画プレイヤーをインストールです。一応これで多くの動画フォーマットに対応するようになるのですが,MPEG2のようにソフトウェアでデコードするような場合,CPUパワー(あるいは転送レート)が足りず,実用にはなりません。


・DLNA

 うちにはN-30というネットワークプレイヤーがあり,DLNAでPogoplugからデータを受けて,非圧縮のPCMファイルをならしています。

 このWalkmanもDLNAに対応していますので,早速Pogoplugにアクセスしてみました。当たり前の事ですが,ちゃんと音が再生されます。さすがに非圧縮のPCMです。Walkmanの音質の良さを改めて認識させられます。

 家の中であれば,もうWalkmanはローカルのストレージに音楽を入れて置く必要はありません。N-30のポータブル版と考えると,ちょっと感動的ですらあります。

 WalkmanのコンテンツをDLNAで外に送信する機能もあるようですが,これはまだ私は試していません。どういう状況で使えるのか迷ったのですが,N-30に送信できるのであれば,AirPlayのようなものだと思えばいいのでしょうね。


・その他のアプリ

 まずATOKです。IDEOSに入れているので,これにも入れます。当たり前の事ですが,1GHzのCPUに大画面によって,ATOKはとても快適になります。twitterもGoogleTalkのクライアントも,メールも十分実用になります。

 WEBブラウザもなかなか良く出来ています。これならちょっとした記事の閲覧に使えることでしょう。

 もう1つ,pogoplugへの対応です。androidですのでpogoplugのアプリがインストール出来ます。そうすると画像や音楽,動画だってpogoplugのデータを引っ張り出して使うことが出来るようになります。ネットワークに繋がっていれば,もう内蔵ストレージに残しておく必要はありません。

 Skypeも念のため入れておきますが,使う事はほとんどないと思います。またせっかくのBluetoothヘッドセットも,HFP/HSPに対応しないので,SKypeにはなんの役にも立ってくれません。

 基本的に,あれもこれもとインストールする気はありませんし,ましてrootがどうのとか,そういうことには今回は手を出さないことに決めてますので,あれこれ欲張らずに使っていこうと思います。


・バッテリー

 1200mAhの電池だそうですが,充電がWMポートからしか出来ないため,出先での充電は専用ケーブルを忘れた段階で,あきらめないといけません。

 androidだけにあっという間に電池がなくなるかと思いきや,1時間くらい動画を見ても15%くらい減るだけです。音楽を聴いているだけならもっと持つはずですし,上手に使えば実用性は確保出来るでしょう。

 でも,できればMicroUSBを装備しておいて欲しかったなあと思います。

 
・まとめ

 この画面サイズだと,電子書籍には使えそうにないですから,あくまで音楽と動画の再生マシンとして考えないといけないわけですが,特に音楽プレイヤーとしてはFLACへの対応がないこと,24bit/96kHzに未対応という点以外に不満はありません。

 良く出来た音楽プレイヤーとして3万円という価格とこの大きさをどう考えるかは人それぞれで難しい所で,動画やアプリ追加を魅力に感じないなら,無理にZシリーズを買うことはないでしょう。最初に書いたように,高音質のandroidマシンと考えて評価すべきです。

 それに,回線契約をしないでも買えるまともなandroidは,ZシリーズとSony Tabletくらいでしょう。どちらも3万円くらいで買えるものですが,方やiPod,方やiPadの対抗機ですから,競合はしませんし,Zシリーズの音質の良さは他にないものです。

 実は,「日本メーカーのまともな」androidに,今それ程値打ちがあるのかなあと疑問に思っていました。秋葉原あたりで1万円そこそこで売られる中国製の怪しいものも,昔と違ってそれなりのクオリティになっているなか,この価格差を日本のメーカーというだけで埋められるとは,簡単に言えないでしょう。

 ところが,androidの魅力を殺さず,Walkmanに恥じない高音質を誇るZシリーズは,もうこれしかないという存在感を放っています。後継機が出るのかどうかは知りませんが,もし後継機が出ないなら,もし出てもandroidの自由度が制限されるなら,このZシリーズを買っておかないといけないと思います。

 実は先日,カラヤン指揮による,ベートーベンの交響曲のSACDボックスを買ったのですが,評判通りの素晴らしい演奏,素晴らしい音質で,鳥肌が立ちました。

 また,嫁さんが購入したSteelyDanのGauchoのSACDも素晴らしい演奏,素晴らしい音質で度肝を抜かれ,先日のTheSuperPremiumBandの24bit/96kHz音源と合わせると,この1ヶ月ほど,名演奏と高音質という音楽とオーディオの本質を,改めて見直す時間を過ごしています。

 音楽制作コストは下がり,圧縮音源ばかりを耳にする昨今ではありますが,音楽とオーディオはまだまだやれると,そんな風に考え直した訳ですが,高音質のWalkmanによってそれまで疎遠だった音楽との距離が少し戻ったような気になるのは,高音質という不変の価値が持つ力故なのでしょう。

 今,音楽と聴くという行為にどれほどの投資が出来るかを考えると,なかなか難しいのが現実です。量販店では音質が二の次の製品しかなく,かといって高音質なものは100万円を越えてしかも売られている場所が限られています。

 10万円ちょっとくらいの製品で,数が出るから価格以上の音質が手に入るお買い得感があり,複数のメーカーによる製品の個性が豊かで,展示品がどこにでもあって気軽に試せて,ぱっと買って帰る事が出来るような機器が市場から消えて久しく,同時にそうしたもに対する憧れもなくなりました。

 ですが,音楽とオーディオは,まだまだやれます。

Lightroom4こそデジタル暗室かもしれない

  • 2012/04/04 13:24
  • カテゴリー:散財

 AdobeのLightroom4を買いました。

 D2Hを中心に使っていた頃,現像ソフトはNikonCapture4からCaptureNX,そしてCaptureNX2と順当にバージョンアップしてきたのですが,K10DやDP1sが増え,PentaxQまでRAWで扱うようになり,機種を問わず同じワークフローで処理できる現像ソフトが必要になってきました。

 また,メーカーごとに異なる純正の現像ソフトは,操作方法や考え方の違いもありますが,画像の傾向がバラバラで,特に発色の違いが気になります。光学的,あるいはセンサの特徴を楽しむのはありとしても,現像ソフトのポリシーは楽しめません。それはあまりに強力で,極端な話,レンズやセンサの違いなど吹き飛ばしてしまうほどの影響力を持っているからです。

 そうすると,マルチプラットフォームの現像ソフトを使うことになりますが,安いものでもなく,現像しかできないソフトを一から覚えるのも気が進まず,手持ちで使い慣れたPhotoshopCS5のRAWプラグインを使ってしのいでいました。

 最新のRAWプラグインは現像パラメータをかなり細かく設定出来るので重宝していますが,所詮はプラグインで,一度現像してしまうと,修正はまたRAWプラグインに戻らねばなりません。Photoshopとの行き来が双方向ではないのが窮屈で仕方がありません。

 決定的になったのは,そのRAWプラグインが落ちまくるということです。しかも落ちてしまうとRAWファイルを壊してしまいます。どうやらRAWプラグインが確保するキャッシュに問題があるらしく,キャッシュを手動でクリアするとかなり落ちなくなりますが,それでも完璧ではありません。そもそもキャッシュをクリアしてしまうとレスポンスも悪くなるので,どうもよろしくありません。

 結局の所,現像してRAWプラグインからPhotoshopに画像を渡してしまうと,そこから先は印刷をするだけがほとんどです。そう考えると,見栄を張らずに現像ソフトを使った方が楽になるんじゃないかと,思ったわけです。

 現実問題として,選択肢に入ってくるのは,CaptureOne,Lightroom,そしてApertureの3つくらいでしょう。CaptureOneはプロ御用達ですが,安価なExpressだとレンズの収差補正ができません。これはPentaxQでは致命的です。

 そこで,結局大手メーカー製のLightroomとApertureの二択となりました。LightroomはPhotoshopの,ApatureはiPhotoのサブセットという感じで見ていたのですが,これは限りなく誤りに近い認識だと知りました。すでに独自の進化を遂げています。

 RAWの現像を行うエンジンは,LightroomではPhotoshopのRAWプラグインが,ApertureではMacOSXのRAW現像エンジンが,それぞれコアになっています。その印象からいうと,どうもApertureは私の好みにではありません。

 それに私はこれまでPhotoshopに慣れていますし,ApatureがMac専用であることもちょっと気になっています。AppleがApatureのRAWエンジンをどこに作らせているかは知りませんが,そりゃAbobeに一日の長ありでしょう。

 で,検討をしたころの値段がそれぞれ結構していたので,まあそのうちということでペンディングになっていました。

 そこへ,先日のLightroom4の発売のニュースです。β版の頃から評判は聞いていましたが,白く飛んだところや,黒くつぶれたところからモリモリ画像を浮かび上がらせる力に評価が集まっています。

 またノイズ低減には以前から定評がありますが,そのノイズ低減やホワイトバランスの影響範囲でさえも,部分的に選択することが可能になりました。ウソ写真と言われればそれまでですが,むしろ撮影者が共有したい記憶を,機材の制約から開放するという意味合いで使うのが,正しい道であるように思います。

 PhotoshopのRAWプラグインでは,補助光効果というスライダで名案を調整出来たのですが,これをもっと積極的に行えるLightroom4は,今まさに私が使いたいソフトと言えるものがあります。

 カメラのせいにするつもりはありませんが,どうも面倒くさがりな私は,写真の命たるライティングに力が入りません。D2Hを使う人がこれでは駄目だと分かっていますが,ストロボをたくのも,レフ板をかざすのも,やっぱり面倒なのです。

 そしてそのLightroom4が,随分値下げされていることを知ります。もともと3万円ほどしたソフトと思ったのですが,通常版で17000円ほど,アップグレードだと1万円です。

 しかも,乗り換え版という,他社ソフトを持っている人向けのパッケージが10800円と,もう何が何だか分からない値下げっぷりです。この乗り換え版,一応使っている他社ソフトのシリアル番号をadobeに登録する必要がありますが,別に他社ソフトが使えなくなるわけではないし,他社製品ならなんでもいいので,古いソフトでも構わないそうです。ぶっちゃけた話をすると,別に他社ソフトのシリアルを登録しなくても使えます・・・

 一説によると,ApertureがAppStoreで販売されるようになってから,9000円になった(現在は6900円)ことに対抗したものだと言われていますが,LightroomはWindowsでも動くわけですから,結局この対抗措置はWindowsのユーザーにとって単なる棚ぼたに過ぎなかったのではないかと思います。

 私の場合,CaptureNXの乗り換えという事で,乗り換え版を買うことにしました。値下げ競争は実売価格の低下も招いている様な感じで,最安値はamazonで,なんでもいいから本を買うと1000円引きになるというキャンペーンを使って,随分安く買うことが出来ました。amazonが身銭を切ったわけではないでしょうから,我々が納めている「アドビ税」を原資にしているのかと思うと,複雑な気持ちです。

 さて,Lightroom4に期待する機能は3つ。1つは現像処理の効率化と複数機種間の画像傾向の統一,1つは失敗した写真の復活,最後に印刷センターとしての機能です。

 このうち,先に印刷センターの機能について書きますが,よく言われるようにLightroomの印刷機能は評判が悪く,色が転んでしまうのです。印刷だけはわざわざPhotoshopを使うという人がいるくらいです。

 実際使って見ると,確かに緑に転びます。ですが,私の場合それほど厳密にあわせ込んでいるわけではないし,そもそもプリンタのICCプロファイルを作って色の管理していない私が,色の違いにわめき散らすのは分不相応です。

 むしろ,Photoshopよりも面白い機能があります。

 まず,プリンタドライバに渡すデータを細かく設定出来ることです。私のPM-G850という古くて安いプリンタで意味があるかどうかは別にして,16bitでデータを渡せたり,プリンタ解像度を設定出来たりします。実際には初期設定の240ppiでなにも問題がない(PM-G850は1インチあたり1440本のノズルを持ちますが,ノズル1本あたり1色で,6色インクですので,全ての色を表現するには6つのノズルが必要です。ゆえに1440/6で240ppiが正解です)のですが,使うプリンタによっては最適な設定が可能なわけで,これは安心な機能でしょう。

 また,光沢紙を使うかどうかや,印刷時のシャープネスや明るさが調整出来たりします。この明るさの調整は私にとっては大変助かる機能で,私の環境だとどうしても暗めに印刷されてしまうため,かつては明るめの画像を作っていました。おかげで破綻する画像が出てきたり,階調が減ってしまうものも出てきてしまうため,あまり使いたくなかったのです。

 現像の機能そのものは,評判通りです。暗い部分から画像が出てきます。実際にはノイズまみれで使い物にならない場合も多いのですが,ノイズリダクションとの併用でかなり救えます。D2Hがアップグレードしたかのような感じです。

 出来上がった画像もなかなか自然な感じで,思い通りに調整ができます。1つのスライダを動かすと,内部で多くのパラメータが同時に動くのだと思いますが,それらをすべて手動で行うのはもう無理だと思いますし,ゴールに素早く到達出来ることは,ストレスを軽減するという意味で私は好ましいと思います。

 ただし,これは見方を変えるとLightroomを使って調整すれば誰がやっても似たような結果になるという事に繋がりますから,初心者向けと言われることは納得ですね。でも,初心者向けだろうがなんだろうが,結果がじぶんの「見て欲しい画像」になってくれるなら,簡単な方がいいです。

 レンズの収差補正も問題なしです。レンズプロファイルによる補正がメインになりますが,色収差の補正,周辺光量の調整も大丈夫です。私はPentaxQ以外では,これらを積極的に使うことはしませんが,今後これを当て込んだカメラやレンズが増えてくるような気がします。

 速度も決して軽いわけではないのですが,重いわけでもありません。比較的サクサクとプレビューし,現像して行くことができます。機種が違っても同じ手順ですから,そこも気が楽です。

 また,大量の画像をまとめて編集する能力がありますので,Photoshopのように大量の画像を一度に処理しても使い心地が変わらないのも素晴らしいです。

 ただ,細かいところで操作方法やショートカットがPhotoshopと違っていています。画像の拡大縮小はコマンドキーと+,-であって欲しかったですが,Zキーでした。しかも全体と1:1の切り替えだけです。

 また,ホワイトバランスのグレーポイント設定は,Wキーにアサインされていますが,設定後にホワイトバランス設定のモードが解除されるので,思ったような結果にならなかった場合に,いちいちWキーを押さねばなりません。慣れるしかないでしょうね。

 ということで,現像と印刷に絞って2,3日使って見ましたが,とりあえずPhotoshopからRAW現像を切り替えていこうと思います。本来,Lightroomで過去の写真も全て管理するべきですし,Lightroomの目玉機能1つとして,この管理機能があるわけですから,もったいないと思います。

 しかし,私はファイルはOSの標準機能で管理することを徹底する人ですから,個別のアプリで管理することを好みません。必ずしもMacOSのファイル管理が楽ちんとはいえないのですが,Spotlightもアイコンプレビューも,あるいはQuicklookも良く出来ていると思います。


 デジタル一眼レフを持っている人はもちろんですが,RAWで記録出来るカメラを持っている人は,一度は現像ソフトを使ってみると面白いと思うのです。メーカー純正の付属品の現像ソフトは,なにかと制約も多く,あまり便利とも思えませんし,面白い事が出来るとも思えません。

 写真は,紙に焼き付けてようやく完成です。紙焼き付けることが写真の醍醐味とすれば,現像ソフトは,これを高次元で楽しむ道具と言えるでしょう。

 さてさて,Lightroomを手に入れたからには,もう他のデジカメが増えても心配ありません。D800?K-01?OM-D?どんとこい,ってところですね。

皿洗いロボがやってきた

  • 2012/03/26 15:02
  • カテゴリー:散財

 とうとう,我が家に食器洗い機がやってきました。

 家事省力化の総仕上げ(自走掃除機のrumbaはちょっとおいておいて)として,また水道とガスを劇的に節約できる経済的な道具として,そしてなにより21世紀の夢として,ずっと欲しかった家電の1つでした。

 子供が生まれ,自分達の活動時間が大きく制限される生活を体験すると,どうやって楽をするか,どうやって作業を並行に進めるかが鍵になります。

 掃除機だって,洗濯機だって,今や当たり前ですが,その昔は「主婦を怠けさせる」となかなか理解が進まなかった家電製品です。食器洗い機だって,今同じようなステージにあるといえるのではないかと思っています。

 とはいえ,私が食器洗い機を導入するまでには,越えねばならない壁がありました。まず,お値段です。一声7万円から8万円という値段は,あらゆるメリットを帳消しにするほどの障害です。

 次に設置場所。床に置くわけにも行かず,食器洗い機専用スペースがあるわけでもなく,水道と排水の工事が必要ということで,結局狭いキッチンしか置く場所がありません。食器を洗うという機能だけで,こんなにスペースを与えてなんとももったいない。

 工事が必要な点も問題です。手軽に買えないこともそうですし,通販で安い商品を見つけても,工事をしてもらえないなら買えません。勢い少々高価な量販店で買うことになってしまいます。

 また,洗剤も専用のものが必要で,私が知る限り,実家ではメーカーが消耗品として販売するものがおすすめされていました。

 最後に洗浄力。手で洗っても苦労するのに,自動で綺麗になるわけがない。

 洗ってふきんで拭いて,という作業は,時間はかかるとはいえ,それほど苦痛でもなく,夫婦の会話の場となっていることを考えると,これを自動化する事は手放しに喜べないと思い,これまで好奇心を押さえつけてきました。

 ところが,今は3月下旬。決算の時期です。在庫を現金化して数字にするため,大なり小なり値引きが行われるため,1年で一番家電が安い時期といってもよいでしょう。

 なにかのついでに,食器洗い機の価格を見て私は目が点になりました。2万円とあるではないですか。先日購入したN-30よりも安いとは,驚きました。

 ここで食器洗い機導入検討委員会が即時発足,委員が緊急召集されました。機種検討,設置場所,工事関係など分科会が直ちに立ち上がり,数時間後には結論が出そろい,その後満場一致で購入を決議,予算取りから決済まで,あっという間に決着しました。

 食器洗い機は,欲しい家電製品No.1であると同時に,買ってがっかりした家電製品No.1でもあります。この辺を軸に,経緯とレビューを書いてみます。

(1)大きさ

 大きさは最大のネックと言っても良いのですが,先日パナソニックから「食器カゴのサイズにおける」という触れ込みの,小型タイプが出てきました。発売時に気になってお店で見てみたのですが,想像していたよりもずっとでかいのです。

 設置面積は食器カゴよりも少し大きいくらいなのですが,フタを開ければ手前に張り出してきますし,後ろも少し空間をあけねばなりません。

 ですが,これまでのサイズに比べればやはり大幅に小さくなっています。これなら,なんとか置けるだろうと,大きさについては割り切ることにしました。

 この段階で気付くべきでしたが,食器洗い機の大きさというのは,結局容量に直結します。小さい食器洗い機というのは,庫内に入れられる食器の数が少ないから実現するのであり,昨今の軽自動車のように,なかは広々というわけではないのです。

 もちろん,パナソニックの小型の食器洗い機シリーズも,夫婦だけの世帯におすすめとありますから,それは分かっていたつもりでした。しかし,後々それもかなり理想的条件のもとであることが分かってくるわけです。

 
(2)機種選定

 小型のもの,というのが選定基準ですので,もはやパナソニック一択です。パナソニックはこの分野でなかなか力を入れているようで,置き場所を問題にする人への回答として,「プチ食洗」というシリーズを3機種用意しています。最上位機種はミストとエコナビ,中位機種は標準的な乾燥までを行う全自動,下位機種は乾燥機能なしの洗浄のみです。

 最初,特価で2万円で見つけたのは,洗浄のみのタイプでした。以前,温水で洗浄するため勝手に乾くことが多く,乾燥機能があっても使わない人が多くいるため洗浄機能のみの機種を用意したという記事を何かで見かけた記憶もあって,これを買おうと思っていたのですが,あれこれ調べていると,乾燥機能があっても綺麗に乾かない場合が多いとか,ふきんで拭くことによる雑菌の付着がないことが食器洗い機のメリットと考えた場合に,乾燥機能がないのは無意味と思うようになりました。

 それに,わざわざ食器乾燥機なるものが売られているくらいですから,食器の乾燥にはそれなりの需要があるはずです。

 さらに調べてみると,同じお店には乾燥機能付きの機種は取り扱いがなく,他のお店で調べてみると8000円ちょっと高い値段で,乾燥機能付きの機種が買えることがわかりました。3割増しの値段というと高い様に思いますが,逆に3割余計に出せば全自動というのは,なかなかお得に思えます。

 で,ミストとエコナビはさらに1万円高ですが,ここまではいらないと判断してやめました。エコナビは気になりましたが,節約できる電気代がわずかですし,水道代も元々食器洗い機は水を節約するものですので,やめました。

 結局,パナソニックの「NP-TCM1-W」に決定です。お値段は約3万円です。


(3)工事

 洗濯機と同じで,設置は基本的に業者に任せるものというのが,食器洗い機の常識だと思います。もちろん,自分でする人もいるでしょうが,それは特殊な人でしょう。

 工事は,主に食器洗い機に水を供給するための「分岐水栓」を取り付ける作業がメインです。水道から食器洗い機へのパイプを接続するために,分岐をつくるわけですね。水回りの工事ですので,ちょっと面倒です。

 私の場合,実は前に住んでいた人が食器洗い機のユーザーだったらしく,すでに分岐水栓がついていました。ただ,いつ頃のものかも,メーカーも機種もわかりませんから,接続出来なければ結局工事を頼むことになります。

 仮に適合しても,経年変化で水漏れが起きたり,正しく動作しないかも知れません。もし工事を頼めない業者から購入し,後で工事が必要になった場合に,私にはそんな業者にあてはありません。

 分岐水栓をよく観察すると,洗濯機のコネクタとほとんど同じです。結構業界内でも統一されているのかもなあと思って調べてみると,ホースを取り付けるコネクタは,どうやら機種やメーカーを問わず,概ね統一されているようです。

 分岐水栓の種類がたくさんあるのは,むしろ水栓側の問題らしく,構造やメーカーによって多くの組み合わせがあることが原因です。確かに,最近の小綺麗なキッチンのように,温度調節とコックが1つのツマミに集約されているタイプで,パイプがキッチンの内側に隠れているような場合,分岐水栓はキッチンの内部に取り付ける必要があります。これは素人には無理ですね。

 まあ,うちは標準的な混合水栓ですので,もしこれが駄目でも自分で分岐水栓を買えばなんとかなるかと,一か八かでいってみることにします。


(4)届いた!

 金曜日の夕方に商品が到着,帰宅後改めて見ると,やっぱり大きいです。これが本当に設置できるのか,不安になります。また,内部は以外に狭く,苦労して設置した割には,わずかな食器しか洗えず,結局手洗いの手間が減らないのではと不安がよぎります。

 そんな心配をしていても仕方がありませんので,翌日の朝から設置を開始します。

 まず,取説とは別に入っている,設置マニュアルをよく読みます。付属の給水ホースは分岐水栓に問題なく接続出来ることを確認済みですので,そこは心配ありません。

 シンクの右側の狭いスペースに置くことにしたのですが,やはりちょっとシンクに出っ張ってきます。しかし,シンクの左側に置いてしまうと本当に狭くなってしますので,ここは無理にでも右側に置きたいところです。

 高さ調整用の足が3突いていますが,これは通常3mm,90度回して取り付ければ5mmのかさ上げが出来ます。水平を出すためのものですが,キッチンの縁の1段高くなったところを利用出来れば思い,いろいろ頑張ってみた結果,やはり不安定で危険なので,あきらめました。

 結果として,シンクの右側に設置することまであきらめませんでしたが,少々シンクが狭くなることについては,妥協せねばなりません。

 冷蔵庫の裏側にあるコンセントに電源を差し込み,アースもちゃんと接続しました。給水ホースと排水ホースも接続完了。案外簡単なものです。水漏れもありません。

 最後に設置マニュアルの通り,試運転を始めます。ここでは,庫内に記された高低2つの印の間に,水面が来ているかどうかを確認します。ちょっと斜めになっていたようで,これをなんどか調整して完了。これもそんなに難しくありません。

 ところが,フタが水栓にぶつかってしまい,完全には開いてくれません。食器の出し入れは結構苦労しそうです。カゴは取り出せますし,ギリギリOkということにしておきましょう。

 ところで,分岐水栓をよく見ると,給湯側についています。最初はあまりに気にしなかったのですが,これってお湯で洗うという事です。果たしてこれで得なのかどうかはわからないですが,運転時間が短くなるそうですので,電気代とガス代の勝負になりそうです。


(5)改めて見ると

 よく見てみると,金属はほとんど使われておらず,外側も内側も,ほとんどがプラスチックです。高級感はありませんが,軽くて上部,温度も逃げず,理想的ではないかと私は思います。

 この手の家電は,様々なモードが用意されており,なんやかんやと切り替えが必要なものですが,NP-TCM1は今年2月の発売にもかかわらずシンプルそのものです。

 電源とスイッチと行程切り替え(乾燥をするかしないか),そしてスタートボタンにLEDが3つだけです。操作面ではなにも工夫出来ません。でも,全自動の装置というのは,これを理想とすべきです。

 ただ,庫内がグレー一色というのは,ちょっと寂しいです。汚れがよく見えるように白にしてくれても良かったし,カゴくらいは別の色にしてくれてもなあと思います。

 また,中国製だからかも知れませんが,全体的に作りが雑です。特にカゴの作りは,実用上何の問題もありませんが,手にザラザラとこすれる感触があり,成型の精度がいまいちであることを物語っています。

 繰り返しますが,別に危険ではありませんし,食器洗い機としての機能になんら問題はありません。

 このカゴはしかし,よく考えられています。狭いスペースにいかにたくさんの食器を洗浄力を維持しつつ並べるか,ミリ単位で検討されたんじゃないかと思います。どんなお皿が置かれてもまっすぐ立つように調整されたクリップや,隣のお皿との隙間が狭くなるよう,ギリギリを狙ってあるあたり,すごいなあと感心します。

 ですが,食器の並べ方が難しく,まるでパズルを解くかのようです。公称18個というのは,かなり特殊な例だと考えねばなりません。


(5)記念すべき第1回

 朝と昼の2階のお皿を説明書の通りに入れて,前日に買っておいた専用洗剤を5g投入。25cmほどの大皿1枚,18cmくらいの中皿2枚,20cmくらいのスープ皿が2つ,あとはフォークやスプーンなどと,無難な数です。

 水がバシャバシャかかる音がしますし,乾燥モードではファンの音もしますが,全然気になりません。手で洗うときの方が水の跳ねる音でテレビの音がきこえないくらいですので,静音という点でも,大きなメリットがあると思います。

 乾燥まで終わり,30分ほど放置してから取り出して見ますと,これがまあピカピカです。手洗いをはるかに超えた仕上がりです。洗い残しもほとんどなく,油もすっかり落ちています。この隙間なら洗い残すだろうと思っていた皿も,両面とても綺麗になっています。

 少し水が残っているところもありますが,わずかですのですぐに乾きますし,問題になりません。

 この段階で,食器洗い機の威力を見せつけられ,洗浄力についての疑問は払拭されました。

 そして,驚くべきは水の使用量が少ないことです。もともと夏場に水不足になる地域では,食器洗い機に自治体からの補助金が出ていたくらいですので,今さら驚くべきではないのでしょうが,排水ホースから出てくる水をみていると,良くもこれだけで洗い上げるものだと,感心します。

 スペックによると,1回の洗浄で9リットルの水を使うとのこと。ポリタンク半分の水で最大18枚のお皿を洗うわけですから,なかなか大したものです。

 それと洗剤です。専用洗剤はどうしても高価で,へたをするとメーカー純正品を買うしかないかもと思っていましたが,すでに純正品というのはなくなっており,洗剤メーカーから様々なものが売られており,スーパーで普通に選んで買うことが出来ました。

 私は,評判から「ハイウォッシュジョイ」を選びましたが,そうも洗浄力には大きな差があるらしく,洗剤選びも使いこなしのポイントになるようです。

 1回5グラムですので,700グラムだと140回分です。1週間に10回として,14週ですから,3ヶ月半という計算です。購入価格は確か500円ほどでしたから,1ヶ月で150円ほど。これなら全然問題ないでしょう。


(6)第2回目

 夕食のお皿は30cmほどある大皿が2枚,中皿が数枚という程度で,別に数は多くないのですが,説明書によるとお皿の最大径は24cmまでとあり,明らかに大皿が入りません。

 立てられないだけで,少し斜めに入れれば入るだろうと,無理に入れてみたのですが,その結果本来入るべきお皿が入らなくなり,スペース効率から言うと最悪です。

 それでも無理矢理ふたを閉めて洗浄スタートです。

 仕上がりをみると,大皿に汚れが少し残っています。ショウガの繊維ですので,洗い残しと言うより,循環させた水によって付着した汚れでしょう。すすぎの段階で落ちるべきなのですが,それが残ったというのは,やはり無理にお皿を入れたせいだと思います。


(7)第3回目

 翌日,朝昼晩の食器をすべて洗うことにしたのですが,さすがにこれは量が多くて,結局大きなお皿は入りませんでした。もともと魚用の角皿は長くて入りませんし,和食用のお鉢も,入れてしまうと他が入らなくなるので,結局手洗いです。

 最初から全ての食器が入らないことが分かっている以上,出来るだけ多くのお皿を,綺麗に洗えるように配置することに腐心することになるわけですが,10分ほど汚れたお皿と格闘し,なんとか上手く入れることが出来ました。おかげで手が油でぎらぎらです。

 しかし洗い上がりは問題なし。綺麗に洗えていますし,少し残った水も取り出してしばらく放置すれば乾いてくれます。

 しかし,食器洗い機が動作している間,私も一緒に入らなかった食器を手洗いしていましたので,ロボットと一緒に共同で家事をやっているような気分になり,食器洗い機に妙な親近感がわいてしまいました。


(8)今日までに分かったこと

 ということで,わずか2日間しか使っていませんが,反省点や運用の工夫をいくつか思いつきました。

・食器が案外入らない

 多くの方が,思った以上に食器が入らないといっていますが,これはまさにその通りです。NP-TCM1は2から3人分,18枚の食器が入るといいますが,まずこの数は入りません。一人分は割り引くべきと言うのは,その通りだと思います。

 1つは奥行きの問題。大皿などは上下よりも奥行きの問題で入りません。無理に入れると他の食器が入らず,無駄なだけです。

 もう1つは,形状です。標準的な食器ならそうでもないのでしょうが,少し大きなお茶碗だと,深さの関係で隣の食器と干渉し,1つあけて置かねばなりません。そのせいで1つ食器が減ってしまいます。

 ですので,食器洗い機を優先するなら,食器洗い機に適したサイズの食器を統一して使うことが理想な訳ですが,それではあまりに味気ないです。


・小物を中心に入れる

 大物を入れると得な気がするのですが,実は食器洗い機の威力は小物を一気に片付けられることにあります。何度も何度も小さいお皿を洗って拭いてというのは,水ももったいないし,手間もかかります。大きなお皿は手洗いでもそんなに負担になりませんし,そもそも投げやフライパンは手洗いにするしかありません。

 どうせ全てが食器洗い機で洗えないなら,何を洗うか,きちんと決めておくのがよさそうです。

 箸とかスプーン,しゃもじは特におすすめです。


・洗ってはいけないもの

 プラスチック製の食器は変形する可能性があるし,クリスタルガラスのグラスは曇るので,やはり食器洗い機では洗えません。

 これに加え,エポキシ接着剤で補修を行った食器も使えません。欠けた茶碗の補修に使っていたのですが,盛った部分が熱で変形していました。

 エポキシ樹脂に毒性があることは分かっていましたが,端っこのちょっと欠けた部分ですし,火にかけるようなものでもありません。それに私しか使わないもので,手洗いなら問題ないと考えていました。

 しかし,食器洗い機になると,水が循環しますので,熱によって溶け出した化学物質が他の食器も汚染することになります。これは面倒な話です。

 金継ぎといって,割れた瀬戸物を漆で接着し,金箔で割れ筋を装飾するという技があるので,これで修理すべきだったのですが,安易でした。

 この茶碗は手洗い専用にするか,別の方法で修理するか,あるいは処分するかを考えないといけません。


(9)ということで

 まず,食器洗い機に盛っていたネガディブなイメージは,ほぼ払拭されました。洗浄力,価格,ランニングコスト,騒音,設置場所,工事といった心配事は,すべて杞憂に終わりました。

 ただ,大きな障害になっているのは,一度に洗える量が想像以上に少ないことです。また,大きな食器は最初から洗うことが出来ません。どうしても手洗いで洗うものが残ってしまうのです。

 もちろん,炊飯器の内釜とか鍋などは最初から手で洗うことにしていましたが,それ以外のものを食器洗い機で洗うことも,実際にはなかなか高いハードルです。

 そうなると,あとは運用でカバーするしかなくて,大きなお皿は最初からあきらめるとか,小物を中心にするとか,そういう工夫は前述の通りです。

 また,食器が少ないのに食器洗い機を使うと逆にもったいないわけですし,どのくらいの量で食器洗い機を使うとリーズナブルなのかという点は,もう少し使って見ないとわからないです。

 また,まだ慣れていないからなのですが,カゴに食器を入れるのが一苦労で,時間もかかるし手も汚れます。その間に手洗いできるくらいの時間がかかっているかも知れません。乾燥までやってくれるから,と頑張っていますが,ここもやはり手際よく出来るようにならないと駄目ですね。

 ということで,現時点では,まだまだおすすめ家電というわけにはいきません。大方の心配事には「大丈夫」と言えますが,プチ食洗は食器の数だけではなく大きさも制限を受けるし,思った以上に入りません。設置場所が許す限り,大きなものを買うことがおすすめというところでしょうか。

 私としては,まず庫内を広く取るために,内張をもっと薄くするということ,フタの裏側をもっとえぐってこのサイズで26cmくらいまでの皿を格納出来る事,そして高さ方向にもう少し伸ばして,長い角皿を入れることが出来るようになると,よいのではと思います。

 食器洗い機を使いこなすために,使う食器の数を減らすとか,気に入っている食器をやめて食器洗い機に最適な食器に買い換えるとか,そういう話になると本末転倒な気がします。

 省力化によって時間的ゆとりが生まれるはずですが,一方で気分的ゆとりが減っていくことになるとは,ちょっと想像していませんでした。

 とりあえず,生活の一部になるように,使いこなしていこうと思います。

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