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ネットワークオーディオの導入

  • 2012/03/22 12:53
  • カテゴリー:散財

 以前から狙っていた,パイオニアのN-30というネットワークオーディオプレイヤーをとうとう買いました。いやー,無駄遣いが止まりません。

 お値段は約3万円。随分安くなったと思うのですが,これも3月という季節を反映しているのかも知れません。

 ネットワークオーディオプレイヤーという言葉は最近よく耳にするようになりました。ネットワークの帯域が広くなり,家庭内のLANでもオーディオデータくらいは何でもないという状況になっているわけですが,ご存じのようにこの機械単体では全く動いてくれません。

 考え方としては,CDプレイヤーの円盤を回す部分がそのままLANのポートになったものであって,つまりLANのポートからデータを流し込まないと,全く動いてくれないのです。

 冷静に考えると,FMチューナーなんかも(ローテクですが)同じものかも知れません。FM放送の電波は我々が意識しないうちに「誰かが」ちゃんと飛ばしてくれているのでFMチューナーは機能してくれますが,これを自前で用意するのがネットワークオーディオプレイヤーと言えるかも知れません。

 必要なものは,

・ネットワーク環境
・NASなどのネットワークストレージ
・オーディオデータ
・設定をこなす知識

 ということで,これはなかなか普通の人には敷居が高いです。この壁を乗り越えて手に入れる事の出来る世界の新しさは否定しませんが,CDを入れて再生ボタンを押す方がよっぽど楽です。

 まずネットワーク環境ですが,N-30は有線LANしか対応しないので,Ethernetのコネクタが出ていない場所(普通そうですわね)に設置する場合には,無線LANでの接続のための工夫が必要です。

 巷にはメディアコンバータなるものが売られていて,有線LANのコネクタを無線LANにしてくれる優れものがあります。小型のルータなどと同じ部品で構成されていて,違いはソフトだけだったりするので,最近はとても安く,小型になりました。

 私は先日,5GHz帯で利用出来る300Mbps対応の802.11nメディアコンバータを3000円で買うことが出来たので,これで運用することにします。といいますか,これが安価で入手出来て,2階のLAN環境が改善したことが,ネットワークオーディオプレイヤーを購入するきっかけになったといってよいです。

 メディアコンバータのメリットは,ややこしい設定がほとんどいらず,本当に変換をするだけに特化されていることです。ここでルータなどを持ち出して難しいネットワークを作る事も出来るでしょうが,ネットワークオーディオプレイヤーはなにかとトラブルが多く,音が素直に出てくれないものです。トラブルの原因は1つでも減らしておきたいところです。

 次にストレージです。ネットワークに繋がりさえすれば,インターネットラジオを楽しむことは可能です。これはこれでとても楽しいわけですが,いかんせんビットレートが低く,音質的には厳しいものがあります。

 音質を確保すること,そして自分の気に入った音楽をぱっと再生できることは是非実現せねばなりません。そのためには,ネットワーク経由で参照できるストレージが必要です。

 これはPCでも構いませんが,いちいちPCを起動するならPCで音を出せばよいわけで,ここはやっぱりNASを用意したいところです。N-30の場合,DLNAに準拠していれば再生が出来ますので,(いろいろクセはあるようですが)多くのNASが対象に入ってきます。

 私の場合,あまり例が挙がっていないPogoplugを使って見る事にしました。

 Pogoplugは,あまり知られていないように思いますが,DLNAに対応しています。完全対応ではないし,検証もしていないでしょう。結果DLNAのロゴも取得できていないわけで,対応を謳うわけにはいかないのでしょうが,PS3やXBOX360のサーバーになる機能はDLNAで実現されています。

 事実,私の家のテレビでは,Pogoplugが参照できます。

 しかし成功例がありませんので,ちょっと冒険です。

 次にオーディオのデータです。実はこれが一番厳しいと言って良くて,ネットワークオーディオプレイヤーの利点を楽しむには,ストレージに蓄えたオーディオデータが多ければ多いほどよいのです。

 しかし,そのデータの入手,あるいは作成には手間もお金もかかります。CDを1000枚以上所有する人にとって,これをすべてリッピングするのは膨大な時間がかかりますし,それなりに知識も必要です。

 すでにリッピングを済ませてある人でも,実はAACだったりMP3だったりすると,音質面から専用のオーディオプレイヤーで鳴らすデータとしてはかなり惜しいわけで,そうするとロスレス,あるいは非圧縮のフォーマットで再度リッピングを行うことになるわけです。

 私の場合,バックアップという目的で全ての所有CDをコツコツとFLACでリッピングしてあったので,これをそのまま流用しようと考えました。N-30はFLACには対応しているのですが,CUEシートには対応していないかもしれないので,その場合は考え直します。

 最後にネットワークに関する知識です。これは場数を踏むしかないです。私の場合,家のケットワーク機器はすべて固定IPで運用していますので,全て自分の手中にあります。管理が面倒ではありますが,手間を辛抱すればそれなりに安定した運用が可能です。

 こうした準備と覚悟を済ませた上で,N-30のレビューです。

(1)全体の印象

 全体の印象は,大変安っぽいです。実際安いので仕方がないのですが,PD-D9に重ねて置いてみると,電源ボタンなど同じようなデザインモチーフを持つにもかかわらず,別メーカーの製品のように見えるほどです。プレーンなデザインだといえばその通りなのですが,天板に傷がついていたのはいただけません。

 それと,同じパイオニアなのですが,PD-D9よりも少しだけ横幅が大きいのです。ちょっと不格好ですね,重ねて使うと。

 もう1つ,ディスプレイはこの製品の性格を象徴する装備ですが,小さく見にくく,はっきりいって役には立ちません。


(2)接続

 接続はとてもシンプルで,電源とラインアウト,そしてLANケーブルを繋ぐだけです。前述のようにメディアコンバータを用意してありましたので,ここに繋ぐだけです。


(3)設定

 設定も問題はなく,特別なことはなにも考えていません。最近,機種によっては固定IPを設定出来ないものもちらほらあって,大変困るわけですが,N-30はそんなことはありません。

 DHCPをOFF,割り当てた固定IP,ルータのアドレス,DNSのアドレスを設定するだけです。この段階でインターネットラジオは問題なく鳴り出しました。


(4)Pogoplugとの接続

 さて,ここからが未知の領域です。Pogoplugがまず認識出来るかですが,これは問題なさそうです。DLNAですから,トップの階層からMUSICに下りて,そこからはアルバムやアーティスト,ジャンルによるカテゴライズを選択すれば,音声ファイルに到達できます。

 しかし,残念な事にAACのファイルしか出てきません。これはPogoplugの仕様ですから仕方がありません。

 気を取り直し,今度はPogoplugに繋がっているHDDをそのままアクセスしてみます。トップの階層からPogoplugに繋がっているHDDを選択すれば,そのHDDのフォルダ構造がそのまま参照できます。ここからFLACを保存してあるフォルダを選んでみたのですが,残念ながら再生不可。CUEシートも全く扱う事が出来ません。
 
 しばらくあれこれやってみましたが,これもPogoplugとの組み合わせではFLACを再生できないと断定して,あきらめました。

 そこで,FLACを解凍し,1曲単位でWAVファイルにしました。非圧縮のWAVファイルが再生できることは確認済みですので,手間がかかりますがさっさと片付けます。

 44.1kHzで16bit,2chの非圧縮データは,ざっと1200kbpsです。実力で20Mbps程度しか出てこない悪条件の無線LANでも,十分なゆとりがあるで音切れも心配ないでしょう。

 1曲単位でファイルを作ると,曲名などがメタデータではなく,ファイル名で表示出来ます。メタデータのメリットは大きいですが,編集に手間もかかるしファイルを見ただけでは何が書かれているか分かりません。N-30のような小さいディスプレイしか持たない機器が相手ですから,ファイル名で管理する方が楽ちんです。

 問題はジャケット写真をどうするかで,N-30のディスプレイに表示できれば,15mmx15mm程度の小さいものとはいえ,楽しいでしょう。しかしあまりに小さいし,ディスプレイを普通は見ないですから,手間を考えると今回はあきらめます。

 こうしてアーティスト,アルバム,曲データというルールに従ってファイルを置き,Pogoplugを使ってN-30で音を出すことに成功しています。


(5)Pogoplugの問題

 問題点がないわけではありません。まず,認識しないことがあるという問題です。特にN-30を高速起動設定にして,スタンバイから復帰させると,かなりの率でpogoplugを見つけてくれません。そればかりかサーバーの検索画面のままなかなか戻ってきてくれません。こうなると,電源をばちっと切って,約2分かけて再起動です。

 Pogoplugから再生中にスタンバイに入れても,復帰時にはPogoplugを見失ってしまうので,N-30の問題と言うよりはPogoplugの問題かなあと思っています。

 確実な方法は,高速起動を行わず,毎回最初から起動させることです。これならほぼ確実にpogoplugを見つけてくれるのですが,2分あればCDをセットできてしまうわけで,ネットワークオーディオプレイヤーの手軽さが損なわれてしまうと言う点で,ちょっと残念です。

 Pogoplugにはもっといろいろ問題があって,信頼性が低くてHDDの破損がしばしば起こること,厳密にはNASではないので,PCとのデータのやりとりが結構面倒なこと,特にドライブとしてマウントした場合にはファイルのコピーに失敗することが多くて,専用アプリかWEBベースでファイルのアクセスをしないと駄目なことが辛いところです。

 これは運用の問題ですのでN-30とは関係ありませんが,パーソナルクラウドというPogoplug本来の機能が必要ない人は,普通のNASを使った方が賢明です。

 あと,Pogoplugの問題ではありませんが,非圧縮のWAVをN-30で演奏する場合,ポーズが出来ません。これも案外残念なものです。情報によるとN-30の仕様らしいですから,アップデートで改善されることを期待したいと思います。


(6)使い勝手

 まず,レスポンスが悪いです。サクサク感がなく,常にワンテンポ遅れる感じです。反応があるのが遅いので,リモコンの赤外線が届かなかったのかと思ってもう一度押したりします。まあ,悪いUXの見本というところでしょうか。


 そのリモコンはお金がかかっていない割にはよく頑張っていて,ボタンのクリックやヘアラインの入ったケースが,なかなか好印象です。PD-D9のリモコンもこのくらいだったらよかったのになあと思います。

 繰り返し書いていますが,ディスプレイは小さく,視認性も悪いです。ディスプレイがなければ操作できない機器であることを考えると,ここはもう少しどうにか頑張って欲しかったと思います。今時4:3のLCDというのはちょっと見た目も悪くて,ここはワイドにすべきだったと思います。

 さすがに日本語に対応しないという事はなく,文字化けもなく日本語の表示も出来ています。ただ,表示文字数が少なすぎて,ちょっと長いだけの曲名が途中までしか表示されず,何を演奏しているのかが事実上わかりません。

 スクロールして曲名を表示する工夫もあるにはあるのですが,スクロールに至るまでの待ち時間が非常に長く,見続けているうちに「もうええわ」とあきらめてしまいます。

 これはフォルダ名の場合致命的で,再生したいアルバムを選ぶのが非常に困難です。アルバムタイトルだけ,それも出来るだけ短く命名するなどの工夫が必須でしょう。

 表示そのものについては不満も多く,設定や操作がほとんどできないことも深刻だと思います。文字サイズを変える設定があったり,スクロールして全体を見ることの出来るボタンや操作があるだけで,随分違ってくるんだけどなあと,とても残念です。


(7)音質

 192kHz/24bitに対応した機器だけに,44.1kHz/16bitくらいだと,特に悪い点は見つかりません。嫁さんも「CDの音そのまんまだ」と言ってましたが,本当にその通りの印象です。ちょっと固いというか,重心が高いなあという第一印象を持ちましたが,この値段でそこまで求めるのは酷でしょう。でも,普通にいい音ですよ。


(8)その他の便利機能

 まず,AirPlayに対応しています。私はAirMacExpressを初代から使っていまして,AirPlayの便利さをずっと満喫してきたわけですが,引っ越しで2階のAirPlayが使えなくなったことに不満を感じていました。

 N-30はAirMacに対応しているので,私のMacはもちろん,嫁さんのiPad2からでも,いいオーディオから音を出すことが簡単にできます。これは実際ありがたいですよ。iPad2ではiTunesに限らず,他のアプリの音もAirPlay経由で音を出す事が出来ますので,RadikoからAirPlayで音を出すことも可能で,そうなるともうFMチューナーはいらなくなります。(タイムラグや音切れ,音質の問題はあるのですが)

 次にUSBコネクタです。USBコネクタにストレージを繋げば,ここから音を出すことができます。説明書には記載がないのですが,対応フォーマットはFAT32のみで,NTFSやHFS-plusでは認識しません。ということは,HDDなどテラバイトクラスのストレージは実質使えないということですね。

 この端子にはiPodやiPhoneも繋がってきます。しかしAirPlayがあるので,これで繋ぐことはないと思います。

 ところで,N-30にはUSB-DACの機能がありません。ありませんが,フルサイズのオーディオセットに,PCを繋ぐ使い方が私には想像出来ませんので,全く必要はないと思います。


(9)まとめ

 まず,これを使えるようになるのに,手間はかなりかかります。しかもバックアップや壊れたファイルの修復など,日常的なメンテもゼロではありません。

 見方を変えると,その手間の大部分をプロが行ってくれた状態でCDというパッケージに入れたものが先にあって,我々はそれをただ再生するだけというのが,これまでのオーディオのあり方でした。

 パッケージに入れる前の形であるファイルという単位で管理するということは,この手間の一部をユーザーが引き受けたような形になるわけです。

 現状ではパッケージされたものをバラバラにする作業が余計に発生し,その上で再度の管理を行う事になりますので二度手間になっていて,いずれ音楽のネットワーク配信が中心となる時代には軽減されるとしても,こうした手間が面倒だと全く成立しませんし,手間をかければかけた分だけ,快適だったり高音質だったりするのですから,面倒くさがりな人には向かないと思います。

 手間をかけると,10曲程度の曲の束という制約を超えて,様々な楽しみ方が出来るようになります。これがそもそも,作り手の意図を反映しているかどうかはちょっと別の話としても,面倒だと思えばそれまで,ワクワクするという人には,ぜひネットワークオーディオを楽しんで欲しいなあと思います。

 私はワクワクする人ですので,今回の買い物は非常に面白いものでした。全く新しい体験ですし,あれこれと考えてそれを実現する楽しみは,非常に知的な遊びであると思います。私はたくさんのCDを全て捨ててしまっても構わない状況になりました。

 これまで,面倒という理由でついついCDを取り出さず,音質の悪い圧縮音楽で済ませることが多くなっていました。こういう音楽との向き合い方に対し,違和感がずっとあってしっくりこなかったのですが,CDと同じ音質を手軽に楽しむことが出来るようになって,ようやくすっきりしました。

 ネットワークオーディオプレイヤーは,これまでとは全く違う音楽再生機器です。音楽を入れたメディアとその再生装置という組み合わせは,エジソンの蝋管の時代から全く変わらず続いてきたのですが,これが完全に変わってしまうのです。

 100年以上続いたこの仕組みが変わるというのは,非常に大きな変化です。モバイルから先にやってきたこの流れは,いよいよリビングに鎮座する機器にも波及し始めて,これまでの常識が通用しなくなってきます。

 ただ,変わらないのは,音楽を聴く,ということです。そのための良い変化は,取り入れていってもよいのではないかと,私自身は思います。

上からも下からも

  • 2012/03/05 13:07
  • カテゴリー:散財

 あちこちで話題になったので今さら説明は不要かと思いますが,どちら向きにも差し込むことが出来るUSBコネクタを装備したUSBハブ,バッファーローコクヨサプライの「BSH4U17WH」を買いました。お値段は1280円に10%のポイント。

 今さらUSB2.0の4ポートバスパワードのハブにしては,面白いギミックで久々に注目度が高く,私の嫁さんでも「あーあれね」と知っている程です。これすなわち,USBのコネクタに対する,潜在的な不満が既に一般の人々にも鬱積している証拠でしょう。

 USBが登場して15年にもなりますかね,確か初代iMacにUSBが搭載されたのが1998年,そのころから急速にUSBを目にすることが増えたように思います。私がUSBのAコネクタを見た時に驚いたのは,ぱっと見て上下どちらでも差し込むことが出来るような,真四角の構造をしていることでした。

 4極の端子を持ち,それぞれが正しく接続される必要があるUSBは,当然事ながら,逆向きにひっくり返して差し込めると壊れてしまうし,動きません。だから逆接続防止用の機構がついているわけですが,これがAコネクタの内側にあるので,外側からみても正しい向きがわからないのです。

 いちいちコネクタの内側を覗き込んで向きを確かめるのが癖になるまで,私は差し込んでダメならひっくり返す,を繰り返すことになりました。

 急いでいるときほど,また背面のコネクタに差し込むときほど,逆になることが多くて,このコネクタを考えた人,認めた人は,執事なりメイドなりにコネクタを挿すように命じるだけで済むようなお金持ちなんだろうなと思ったものです。

 我々庶民は,自分の事は自分でせねばなりません。イライラしながらも,なんとか折り合いを付けていたのが,これまででした。

 例えばですね,Aコネクタの外側の指でつまむところを少し工夫して,差し込む方向が指で分かるようにしてくれていればまだマシなのですが,そういうことをしてくれるケーブルメーカーも少なく,目の不自由な方にはとても困るだろうなあと,真面目に心配したものです。この点,IEEE1394などは5角形のコネクタですので,ちらっと見れば向きは一目瞭然ですし,指で触れば何となくわかります。

 10年越しの不便さに慣れることは,確かに失敗を防ぐことと失敗したときの悔しさを緩和することには貢献しましたが,SDカードリーダーのカードスロットが向こう側を向いてしまうなどの,根本的な不便さを解消してはくれません。悪貨が良貨を駆逐する,の典型例だなあと思っていました。

 しかし2012年,とうとうこれを根本解決するコネクタが登場するわけです。

 ちょうどハブがなくて家で不便をしていた私は,通常のハブを買い足しても別の不便さがやってくることを恐れて,ハブを買うことを躊躇していましたが,とうとう登場した上下を気にしないで済むハブが登場するという話を耳にして,これこそ私が求めていたものだと,予約をして買うことにしました。

 先日届いたのですが,ちょっとだけインプレッションです。

(1)看板に偽りなし

 とても安っぽく,とても不格好な,なんでもない4ポートのハブですが,4つのUSBコネクタの形状は見慣れたUSBのAコネクタとはちょっと違っています。

 上下をひっくり返してもちゃんと差し込めるという便利なコネクタですが,実際に試してみると本当にどちらの向きにも問題なく差し込むことが出来て,もちろんちゃんと動作してくれます。

 まず,ここで「おー」と感心するわけです。

 どんな風になっているのかと思ってよく見てみます。

 通常,USBコネクタの内側には,4つの端子が列んだ板があります。この板がそれなりの厚みを持っていて,板とコネクタの枠との間の隙間が,上下で異なる事で,逆指しが出来ないようになっています。

 コネクタの内側に逆指し防止の仕組み(これをキーと言います)を入れたことがそもそもの失敗だったわけですが,今回のハブのコネクタは,この端子が列んだ板を薄くし,どちらの向きにも差し込むことが出来るようになっています。

 そして,端子を板の表と裏の両側に設けて,電気的にも接続が行われるわけですね。いやー,大したものです。

 特殊なギミックでもないし,可動部分もないわけで,仕組みと言うほど複雑なものではありませんが,これを実際に思いついて実行に移すのは,なかなか大変だったと思います。


(2)USBロゴがない?

 で,このコネクタですが,明らかにUSBの仕様違反です。よって,USBのロゴを付けることが出来ないのでしょうね,実際にこの製品のどこにも,USBのロゴは付いていません。

 実害がないからそれでいい,という考え方もありますが,実は実害もあります。例えば外枠のないUSBコネクタを差し込む場合,端子の列んだ板が薄いので挟む力が弱く,安定しません。まあ,外枠のないコネクタは,そもそもUSBの仕様を満たしていないので,面倒を見る必要はないかも知れません。

 正規のコネクタを差し込んだ場合でも,やはり差し込みが緩くて,特に上下方向にグラグラします。決して抜けそうになるというようなことはないのですが,これだけグラグラすると,ちょっと不安です。


(3)安っぽいかも

 私は白を買いましたが,これがもう安っぽいのです。デザインもぱっとしないし,バリもあります。塗装がないのは当たり前としても,成型色そのままの白が,まるでノベルティで配られるハブのようなチープさです。

 安っぽく見せている原因は,印刷やカラーリングが全くないことでしょう。文字のシルク印刷が全くないなんて,アマチュアの電子工作並みです。

 また,4ポートのハブとしては,やや大柄です。はっきりいって邪魔です。


(4)そして案外使いにくい

 差し込まれる側のAコネクタは確かに上下関係なく,便利そうです。しかし,PCなどに差し込む側の短いケーブルの取り回しが悪すぎて,ハブが邪魔な場所にしか置けません。

 ノートPCの右側のUSBコネクタに差し込めば,ハブはこちらを向きますので便利そうです。しかし,左側に差し込むとハブは向こうを向いてしまうので,とても面倒です。

 ねじってこちらを向ければ良いのですが,PCと繋ぐ短いケーブルが固く平べったいケーブルなので,ねじるのが難しいです。もう少し柔らかくて細いケーブルを使ってくれるか,あるいはこちらのコネクタも上下どちらでも差し込めるタイプにしてくれれば良かったのになあと,思います。


(5)結論

 まず,バッファローブランドの1280円のハブですので,ごく普通のハブであり,それ以上でも以下でもないということを,最初に覚悟すべきでしょう。これが2480円くらいのものになると,もう少し高級感があったり,使いやすかったり格好良かったりするのでしょうが,所詮は1000円ちょっとの製品です。

 そして,ハブとしては大きく邪魔,しかもケーブルが固く短いため,取り回しが悪くて,外したくなります。これなら,もう少し使い勝手の良いハブを探して買った方が幸せになる人がいるかも知れません。

 ということで,近年希に見る面白い周辺機器ではありますが,おすすめ,という訳にはいきません。

 おそらく,ですが,これだけ話題になった商品ですし,品薄で入手が難しかったとも言いますから,バッファローからもこれを踏襲する新製品が出てくるでしょうし,他社からも似たようなものが出てくる事と思います。

 ある電子パーツ屋さんなどは,このコネクタだけ売りたいといったりしてますので,もしかするとコネクタメーカーが用意するということが起こるかも知れません。そうなると,自作PCのケースやUSBカードあたりに搭載されるようになるかも知れません。

 ただし,これも事故が起こらないことが条件で,この「仕様違反」のコネクタのせいで不良品が多発する,故障が多い,火を噴くとかPCを壊すとか,そういう事故が起きてしまうと,この商品は以後出てこなくなるでしょう。そういうことがないように,祈るだけです。

 気になっている方も多いと思いますが,今回はちょっと見送りでも,よいんじゃないでしょうか。次に期待しましょう,次に。

秋月で半導体チェッカDCA55を買う

  • 2012/02/28 15:41
  • カテゴリー:散財

 先日,秋月電子の新製品に,半導体チェッカーなるものが追加されました。DCA55という型名で,なんとイギリス製だそうです。キットではなく完成品で,お値段は4200円です。

 その筋の人には数年前からすでに知られた存在のようで,国内の業者が1万円程度で販売していたり,あるいは円高を活用して個人輸入を試みる人も結構いたようです。

 しかし,秋月が扱うようになって,もう迷うことはありません。4200円ですから,なかなか良心的なお値段と言えるでしょう。

 私はその筋ではないので,この商品の存在を今回初めて知ったわけですが,4200円という微妙なお値段と,面白そうと言うことで,半年ぶりに秋月の通販を利用して購入することにしました。半年経つと他に欲しいものも溜まっているので,USBオーディオキットやらトランジスタやら,気になっていたものを一緒に注文しました。

 さて,そのDCA55半導体チェッカーですが,なにが出来るかといいますと,端子の不明なディスクリート半導体の足に,適当にパッパとクリップを繋いでスイッチをいれると,あら不思議,半導体の種類とピン配置,そして大まかな素性を教えてくれるのです。

 判別できる種類はシリコンとゲルマニウムのトランジスタ,ダイオード,LED,サイリスタ,FETと言う具合です。このうちトランジスタについては同時にhFEを測定してくれますし,ダイオードはVFもわかります。

 さすがにFETのIDSSを表示したり,ツェナーダイオードのツェナー電圧を判定したり,サイリスタのゲート電流を調べてくれるような機能はないようですが,「とりあえず半導体ということは分かる」という怪しげな部品を活用するために,とてもお手軽にそれが可能となる便利グッズであることは間違いないでしょう。

 先週の金曜日に届きましたので,早速試してみました。

(1)ゲルマニウムトランジスタ

 「ゲルマでないと出ない音がある」などと,なお根強い人気のあるゲルマニウムトランジスタですが,国内の製品は在庫のみ,海外でも一部で細々と作られているという意味では,真空管と同じような存在です。

 私に言わせればそんなにありがたいものでもないのですが,確かに他に代用できるものがないだけに,必要な人にとっては重要な部品なのだと思います。

 私も手持ちにいくつかありますが,今回は往年の神戸工業製2SA31を取り出して見ました。適当にクリップを繋ぎ,スイッチを押しますと,おお,ちゃんと端子を判別し,hFEと測定時のコレクタ電流を表示しています。低いVBEはゲルマの証です。

 またリーク電流も表示しているので,トランジスタの劣化具合を判定することも出来て,これはなかなか便利です。


(2)シリコントランジスタ

 シリコントランジスタは,こちらも往年の沖電気製2SC169です。VFは約0.7Vと高めになり,hFEも100を越えるようなまともな値を示しています。

 実はこのチェッカー,hFEはあまりあてになりません。正確には小信号用のトランジスタについてはそこそこ信用できるものの,電力用のものは要注意です。

 hFE,つまり直流電流増幅率というのは,コレクタ電流とベース電流の比率のことではありますが,トランジスタは一般的に,コレクタ電流によってhFEが大幅に変わります。特に電力用のトランジスタは,公称のhFEが数十程度のものが珍しくないのですが,これはあくまでコレクタ電流を何Aも流した場合の話であり,今回のような2~3mA程度のコレクタ電流だと,hFEはかなり大きな値をとります。

 このチェッカーは,電池がA23という,小指くらいのサイズで12Vもある小型の電池を使っています。電流がたくさん引けないという問題もありますし,判定に大電流を流して壊したら終わりですので,数mA程度で判定をすると言うのは,無理もありません。


(3)ダーリントントランジスタ

 国産のピュアなダーリントントランジスタもめっきり見なくなりました。何を持ってピュアとするかは人それぞれですが,大電力用ではなく,小信号スイッチングで抵抗なしというものを私は勝手に想定しています。

 そしてその代表は,東芝の2SC982。定番ですね。これを測定してみると,1.2Vを越えるVBEに20000を越えるhFEと,まさにダーリントンです。


(4)サイリスタ

 日本電気製の2SF656にクリップを繋げました。サイリスタと判別され,ちゃんと端子も判定されています。でも細かい仕様は測定されません。


(5)UJT

 UJTなんてもう誰も使わないと思うのですが,某店で入手した中国製のBT33というUJTを試しに繋いでみました。結果は,Bi-ColorLEDと判定。

 理由を考えてみたのですが,UJTは別名ダブルベースダイオードと言うくらいで,PN接合のPからエミッタを1つ,Nからベース1とベース2を取り出すような構造をしています。

 ですので,これをそのまま判定すると,アノードコモンの2つ入りダイオードと判定されそうなものなのですが,実はUJTは,2つのダイオードのVFが異なります。Bi-ColorLED,つまり2色LEDというのは色の違うLEDですので,VFが違いますから,UJTはBi-ColoeLEDと判定されるというわけです。


(6)LED

 ということで,本物のLEDを繋いでみました。電流が流れる度にチカチカと点滅するので,アノードとカソードの判定と同時に,発光色の判定も出来て便利です。

 説明書によると,VFの大きな青色や白色のLEDは判定出来ないかも,と書かれていましたが,偶然でしょうけどもどちらも正しく判定出来ました。


(7)ダイオード

 ダイオードは3つのクリップのうち2つだけを繋いで判定を行います。VFの値が表示されるのですが,種別までを表示することはしてくれません。VFの値を見て自分で判断することになります。

 ということで,1N4148Aを調べると,VFは0.68Vの値を示します。整流用のちょっと大きなダイオードも同じような値を示しています。シリコンですから当たり前です。

 で,1N60Nを試してみたのですが,これは予想に反してVFが0.6V程度と出て,ゲルマニウムダイオードの特徴を示してはくれませんでした。

 ついでにショットキーダイオードも試しましたが,これも0.58Vをやや低めが出たとはいえ,この数字だけを見ればシリコン接合ダイオードと判定してしまいます。ゲルマニウムもショットキーも,本当は0.3V程度を期待したいところです。

 このVFというのは,流れる電流や周囲の温度によっても変わりますし,そもそもシリコンに比べてゲルマニウムの方が,電流の増え方が緩やかです。VFが0.7Vの時の電流は,実はシリコンもゲルマニウムもあまり変わりません。

 1N60のデータシートを見てみると,5mAの順方向電流が流れているときのVFは約0.6Vということで,これならシリコンダイオードと区別が出来ません。

 ところで今回は試していないのですが,前述のようにツェナーダイオードを判定しようとしても,ツェナー電圧を測定する事ができないので,普通のシリコン接合ダイオードと判定されてしまいます。ツェナーダイオードの判定こそ出来るとありがたいものなので,どうにかならんもんかなと思います。


(8)FET

 FETには接合型とMOS型の2つがあり,それぞれ全くの別物です。J-FETと言われる接合型はドレインとソースを入れ替えてもそのまま動いてしまうことが多いくらい,区別が付きにくいものです。DCA55においても,ドレインとソースの区別は出来ません。

 MOSの場合には多くの場合,ドレインとソースに寄生ダイオードが出来ていますので,これを見れば判定出来ます。

 ということで,接合型とMOS型をそれぞれ判定してみましたが,予想通りの結果に終わりました。P-chとN-chの判定も出来るし,MOS-FETについてはエンハンスメント型とデプレッション型の2つも判定されます。特にチップ部品が多いMOS-FETの判定には便利でしょうね。


(9)良否判定

 トランジスタでもダイオードでも良いのですが,判定時にショートしていた場合,どのクリップがショートしているかを表示してくれます。

 ちょっと感心したのは,ショートのようなわかりやすい例ではなく,指でトランジスタの足を持った時に,人間の指が電気抵抗に見えて,判定時にエラーを返すようになっているのです。

 判定出来ないからエラーを返すのは当たり前の話ですが,実際にトランジスタに予期せぬ電流が流れていた場合,それをトランジスタと判定するのではなく,壊れていますよ,と判定してくれた方がありがたいわけで,このあたりの仕組みをちゃんと考えて入れてくれてあるんだなあと思うと,ちょっと自作は面倒かもと,思い直しました。

 

 てな具合に,4200円というオモチャとしてはギリギリ納得出来るお値段のDCA55ですが,個人的にはなかなか面白そうです。使用頻度はそれほど高いわけでないでしょうが,使い道はいろいろありそうです。


・不明の三端子デバイスを判定

 トランジスタなのかダイオードなのか,はたまたサイリスタなのかFETなのか,ぱっと見ただけでは区別の付かない部品がジャンク基板に乗っかっているとき,回路や基板上のシルクから想像するしかありませんでしたが,DCA55を使えばピン配置まで分かって,ジャンク部品の活用に大変便利。


・ペア取り

 初段の差動なんかで,特性の揃ったペアが欲しい時があるわけですが,案外面倒な作業です。まず1つだけ真面目に測定をし,そのトランジスタをDCA55で判定,ここで得られた数字に近いものとペアを組めば,簡単にペアがとれそうです。しかし,J-FETには無力なんですよね。


・海外製のトランジスタ活用

 欧米でよく使われるトランジスタが日本国内でも目にするようになりました。部品屋さんで新品を買うことも出来ますし,ジャンク基板についている場合もあります。

 国内のトランジスタは,偉大なる2SC1815のおかげか,TO-92は左からECBという配列にほぼ統一されていますが,海外のトランジスタでこの配列は珍しく,よく間違います。DCA55で調べてから使う癖を付けると,間違いがなくてよいのではないでしょうか。


・LEDのテスト

 これって何色のLEDだっけ,どっちがアノードだっけ,という場合,横着して電池に直結したり,電源器の電圧を2.5Vくらいに下げて繋いだりするわけですが,これはLEDにとってかなり過酷です。電圧を下げ忘れて燃やしたこともしばしばです。

 しかし,これを使えば一発でチェックできます。一番役に立ってくれるかも知れません。


 電池がちょっと特殊なので,予備を2つほど買っておきました。でもA23という電池はちょっと大きなお店に行けばパナソニック製のものが買えるそうですので,そんなに特殊という事ではなさそうです。

 今思えば,これを中学生の時に手に入れていたら,手持ちの部品がどんどん価値のあるものに変わっていき,どんなに有意義でどんなに楽しいことだったかと,思います。

 当時の私の測定器は,アナログテスタが全てで,それでも電気が見えるようになったことにいちいち感激していました。数年してデジタルテスタを手に入れて,アナログテスタの出番はなくなりましたが,今でも大切に取ってあります。

 測定器が1つ増えると,見える世界がごろっと変わり,大きく開けてくるのが実感できます。今はそういう純粋な感動も減りましたが,当時の記憶があまりに心地よかったからでしょうか,今でも測定器が大好きなのは変わりません。

HP15c Limited Edition

  • 2012/02/07 12:22
  • カテゴリー:散財

ファイル 546-1.jpg

 測定器と電子部品が切り離され,PCも分離されるかという話が出たり消えたりの昨今,名門Hewlett-Packardはプリンタとサービスの会社になってしまいそうです。

 ですが,非常に不思議なことに,電卓だけはまだHewlett-Packardに残っています。いや,実際に設計をやってるわけではないのですが,hpのロゴが付いた電卓が今でも普通に買えることは,ちょっとした驚きです。

 私が経営者なら,電卓部門なんかとっとと潰すか売却するんですが,歴代の経営者が電卓に特別な感情を持つはずもなく,やっぱり規模が小さくて,目立たないからということではないかと思う訳です。

 とはいえ,前述のように設計も製造も丸投げですし,サポートも他の会社がやってますので,hp自身がやっていることはほとんどありません。ブランドだけ残っているという言い方も正しいですが,むしろブランドが残っているからこそ,今回私が買ったHP15cの復刻も障害なく可能だったりするのです。

 そんなわけで,HP15cの復刻版を買いました。hpも分かっているようで,懐古主義に囚われてもがき続けるミドルエイジを確実に捕獲するためのオッサンホイホイとしての役割が強く,限定版,シリアルナンバー入り,綺麗な化粧箱に入って,お値段は1万円です。

 オッサンホイホイに,まさに国境なし。

 昨年末の初回分は存在を知らず,買いませんでした。しかし,なにかとトラブルもあったようで,1月下旬入荷分の予約開始に偶然発売に気が付いた私はラッキーだったと思うようにしています。

 届いたのは結局2月になりましたが,無事に手に入りました。製本された綺麗な日本語マニュアルまで同梱され,なかなか満足です。

 hpの電卓はこれで3台目です。買う度に書いてることですが,私は逆ポーランド記法に馴染んだ人ではないし,従ってhpの電卓を使ってきたわけではありません。中学生の時から使っているのはシャープのPC-1245であり,これが復刻するなら即予約です。

 ですが,HP15cは,あの独特のデザインが素晴らしく,1980年代を体現していると思います。また,ぱっと見てさっぱり分からないキーの配置や印刷は,電卓=日本のお家芸と思っている多くの日本人を混乱に陥れますが,その壁を乗り越えても到達する高みがそこにあります。

 かつて,hpの電卓は,エンジニアと科学者,そして金融の専門家にとって,憧れの存在でした。でした,などというのはおこがましいですかね,私はそのことをリアルタイムでは知りませんから。

 ただ,同じデザインでコンピュータの専門家向けに作られた,HP16cは,とても気になる存在でした。2進数-8進数-10進数-16進数の演算や変換,補数の計算などが行える便利さが,かなり大きな桁まで享受できます。ポケコンをもってしても,これほどの便利さはありません。

 でも,これが復刻する可能性はゼロに近いでしょう。HP15cという,エンジニア向けの強力な計算機が復刻しただけでも,感謝せねばなりません。

 そのHP15cですが,コンパクトなデザイン,シンプルなディスプレイを持ち,複素数の計算,積分の求積,方程式の求根,行列計算もプログラムも可能という,数学が嫌いな人なら別人格が表面に出てくる程,実生活に関係のない豪華な機能です。当時,これが手のひらサイズで登場した時の驚きは,想像に易いです。

 一歩下がって考えてみると,実はこの電卓の最大のユーザーは,自社の測定器部門で働くエンジニアだったはずです。優れた電卓が測定器を作り,電卓がさらに進化するというサイクルが,ある時期まではあったのだと思います。

 復刻されたHP15cは,中身まで当時のままというわけではなく,CPUはARMになって,処理速度も随分向上しているようです。また,スイッチの感触やガタなどは当時の精密さが再現出来ているわけではないらしく,これは残念な話です。(私はそれほど気になりませんが)

 ただ,正しい答えを出してくれるはずの電卓に,バグがあって答えが信用出来ない場合があるそうです。これは復刻もなにも,電卓としての基本機能を満たしていないわけですから,早急に対応をして欲しいものだと思います。(ただ,私自身がそういうバグを確認したわけではないのであまり偉そうなことは言えません)

 私個人の感想で言えば,独特のデザインはとても気に入っていますし,LCDの表示のテイストもHPのそれですからとてもワクワクします。キーも押し心地も悪いとは思いませんし,この大きさと,限られた入出力インターフェースで非常に複雑な計算をやってのける事への感心というものが沸いてきます。

 初めてのhpの電卓として手に入れたHP35sを買ったのが2007年,あれから5年ほど経過して,また新しいhpの電卓を買うことになるとは思っていませんでした。

 ただ,ちょっとうれしいのは,コストダウンで失われた,プラスチック製の独立したキー,プラスチックのフレームにアルミの化粧パネルを貼り付けた筐体という2つの要素が,未だにこの価格で実現出来ることです。

 1980年代後半になると,こういう手のかかるものは採用されなくなりますが,使って見るとこの2つがあると,非常に使いやすいんですね。ただ,コストダウンを理由の1つにして使われなくなったものですので,今これを電卓に使ったら2万円を越えるなんてことになると,あきらめるほかありません。

 しかし,HP15cが1万円くらいで出来るのであれば,今後こういう仕組みが採用される可能性を捨てずにいることができます。もう少し一般的になって,選択肢が増えるとうれしいですね。

加湿器導入

  • 2012/01/23 16:42
  • カテゴリー:散財

 加湿器を買いました。

 先週ニュースでも報道されていましたが,関東地方は雨が降らず,乾燥した日が続いています。しかも今年は子供が生まれたこともあって,贅沢にエアコンを使って暖房をしています。

 このことで初めて経験したのですが,エアコンで暖房すると,20度を超えたあたりから湿度が30%くらいになるんですね。そして30%になるとさすがに,手足がカサカサになるし,喉も苦しくなります。

 これがガスストーブなんかだと燃焼時に水蒸気も発生するので加湿の必要性もないのですが,エアコンは純粋に温度だけを上げるものですから,空気中の水分量にはなんら変化がありません。
 
 この季節になると,加湿器の話があちこちで出てくるわけですが,その度に自分には関係ないと思って来ました。しかし,それは要するに私が暖房を弱めに入れる人だったから顕在化しないだけの話だとわかって,得心した次第です。

 加湿器には原理が異なる様々な種類があります。違いを説明したWEBページなどが簡単に見つかるのでここでいちいち説明はしませんが,1980年代に一世を風靡した超音波型は,カビやカルシウムなどもそのまままき散らすので却下。

 沸騰型は消費電力が桁違いに大きく,電気代がかかる上にブレーカーが心配で他の機器の同時使用に気を遣う必要がありますし,足下に置く機器ゆえに倒したときが心配ということで,論外。

 そうすると気化型とハイブリッド型になりますが,静かで穏やかに湿り,無理矢理に湿気を加えるという無茶をしないところが気に入って,気化型にすることに決めました。別に急激に湿度を増やしたいわけではないので,ハイブリッド型までは考える必要もないでしょう。

 気化型は消費電力も小さく,音も静かなのですが,ぬらしたフィルタに風を当てるというローテクゆえに,それなりの性能を出すには大型になりがちです。それが欠点なのですが,加湿器など無理に小型のものを選んでしまうと,水タンクも小さくて何度も水を補給せねばならず,実に面倒です。大きさには目をつぶりましょう。

 気化式のメリットにはもう1つあり,空気清浄が期待できます。原理的にぬらしたフィルタにゴミやホコリがくっつきますので,衛生的といえるでしょう。また,メーカーによってはナノイーやプラズマクラスターイオンなどの抗菌機能を搭載するので,循環する空気を改質する力があります。

 まあ,空気清浄機ではありませんのでそんなに大したものではないでしょうが,鈍くさいウイルスがナノイーで1つでも多く死んだら,ラッキーです。

 この手のローテク家電は,大手メーカーから弱小メーカーまで様々です。お値段もまちまちで,2万円を超えるものもあるかと思えば,その十分の一くらいで買えるものもあるので,どれを買うか迷ってしまいます。

 安いものでいいかとおもっていたら,amazonのレビューで「臭いが強烈」「喉を痛めた」などと,もはや欠陥としか思えないことが書いてあります。本当かどうかはわかりませんが,水を使うものは必ず不潔になるので,それが原因であるとするなら話になりません。

 そこで,高価でも大手メーカー品を選びました。またしてもパナソニックの「FE-KXG07」です。

 FE-KXG05との違いは,加湿能力の差です。07の方が高い能力をもっています。大きさはどちらも同じ,消費電力も加湿能力の制御も似たようなもので,金額もわずかに高いだけです。もともとリビングで使う予定でしたので,まよわずFE-KXG07を選びました。

 この機種の特徴は,お手入れが簡単なことです。水を使えば必ず不衛生になるので,掃除をしたかどうかが安全に快適に使えるかどうかの分かれ目です。その掃除が簡単にできることは,必須の機能だと言い切ってよいでしょう。

 なお,amazonでこの機種を買いましたが,ここ数日100円単位の値下げが行われており,私が買ったときより数百円も安くなりました。参りました。

 さて,届いてみると,想像以上の大きさです。とてもこれを担いで部屋を移動することは考えられない大きさです。取っ手もありませんし,持ちにくい形をしています。不便だなあと思ったのですが,冷静に考えてみると水タンクが10リットルの容量ですので,満タンにすれば軽く10kgをこえるわけです。

 これを頻繁に動かすかといえば,それはないです。据え置きと割り切ることで,他の性能に妥協がないなら,正しい判断でしょう。

 ただし,ACケーブルがちょっと短いです。据え置きは結構ですが,大きなものを足下に置くことになるので,必ずしもコンセントが近いところにあるとは限りません。私の場合,ACケーブルの長さが設置の制約になってしまいました。

 早速つかってみましょう。水をタンクに入れ,スイッチをいれます。基本的には60%の湿度に保つおまかせモードが一番良さそうです。

 確かに急激な加湿は行われませんが,確実に空気の乾燥が収まってくるのがわかります。50%くらいになると,そこから60%になりにくいようですが,別に50%になってくれていれば快適ですので,気になりません。

 加湿器から出てくる風は結構強いのですが,音は静かですし,その空気も潤いがあって,少しヒンヤリしているために,とても気持ちいものですし,好みの問題でしょうが湯気が出ないことは,見た目にもむしろメリットと言えそうです。

 ということで,かなり大きく邪魔になることと,少々高価であったことを除けば,かなり満足な商品です。お手入れのしやすさはこれから経験することになるでしょうが,どういう工夫が成されているのかもよく見ておきたいと思います。

 もう1つ,加湿をするということは,それだけ結露が出やすいという事です。窓ガラスは結露で水がたくさん付きますし,カメラなど,寒い部屋や屋外から持ち込んだときなど,注意が必要です。

 湿気と結露で多くのものをダメにしてきたこの人生,除湿器こそ必要でも,まさか加湿器をこの私が買うことになるとは,まさか思っていませんでした。

 それゆえに,どういう時に必要で,その効果がどれくらいあるかを体験した事はなかなか興味深いことであったと思います。これでインフルエンザの対策になるなら,安いものです。

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