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Optio RS1500を5000円で買う

  • 2011/12/16 17:21
  • カテゴリー:散財

 昨日のことですが,GOPANの小麦グルテンとプリンタ用の写真用紙を買って帰ろうと,家の近所の家電量販店に寄り道しました。小麦グルテンは三洋からパナソニックに発売元が変わるらしく,面倒なので三洋製の物があるうちに1つ買っておこうと思いました。

 幸い在庫はいくらでもあり,1箱手にとって写真用紙を選び,レジに向かうとなにやらタイムセールをやっています。

 目をやると,デジカメ5000円!と書いてあります。何人か人が群がっていますが,そこにあるカメラはカシオのカメラです。全く個人的な理由で,カシオのカメラはただでもいらないと思っているので,その場を立ち去ろうとしたのですが,目に入ってきたのは「PENTAX」と書かれた箱でした。

 1つだけあったその箱には「Optio RS1500」と書かれており,カラフルな着せ替えカメラが印刷されていました。なかなか楽しそうです。

 どさくさに紛れて5000円の対象ではないカメラが混じることはしばしばあることで,一応箱を見てみると5000円の値札が貼ってあります。元々の値段が安いカメラでしょうが,それでも5000円ですからね,安いです。

 なんとなく気になって箱を手に取りましたが,スペックは14MピクセルでHD動画撮影可能,3倍ズームで広角27.5mm相当という具合に,基本性能は十分なものを持っています。

 しかし,いくら5000円とはいえ,使う予定もないデジカメを増やすというのもなんかもったいない話です。

 先日嫁さんのお母さんが家にやってきたときの「カメラだらけね」というつぶやき(でも防湿庫を見たわけではなかったそうです)がリフレインし,そもそも使うのか?と自問した結果,私はその箱をそっと元の位置に戻すことにしました。

 すると突然,はっぴを着た威勢のいい店員さんが「色は白です!手ぶれ補正もあります!」と,そんな売り文句で誰が買うねん,と思うような声をかけてきます。あと少しでタイムセールは終わりのようで,出来るだけ売り切ってしまいたいのでしょうね。

 買わないでおこうと思った私ですが,店員さんの声で反射的に,箱を置こうとした手を引っ込めてしまいました。これは,もう何かの縁です。このPENTAXは私に買って欲しいと訴えています。

 ということで,買うことにしました。この猥雑な空間から,助け出すに等しい行為でした。店員さんは,「クリスマスですから」と小さいチーズケーキを手に取り,一緒にレジに列んでくれました。

 店から出ると,私は冷たい風に顔をなでられ,我に返りました。

 確かに,5000円という値段で日本メーカーの現行のデジカメというのは,安い。しかし,安いものにはそれなりの理由があるもので,それが残念な結果になる可能性は否定できません。

 ただ,ふと私(我々)の持っている小型デジカメのラインナップを思い出すと,

PENTAX Q
SIGMA DP1s

 ・・・なんじゃこりゃ。

 OptioSもありますがやっぱ300万画素は心許ないですし,CoolPixS6は,どうもレンズ性能が今ひとつで,画質も気に入りませんし,レスポンスが悪すぎて撮影する気が失せます。

 PENTAX Qは,嫁さんが使うのに,という理由で買買ったわけですが,嫁さんはどうもPENTAX Qに手軽さを感じないらしく,あまり使ってくれません。やっぱ,魚眼がどうの,AdobeRGBがどうの,RAW現像がどうの,と嬉々としてPENTAX Qをいじくり回す私を見ていて,なんか違うと思ったのでしょう。そう,なんか違うのです。

 小型軽量,ズーム搭載,JPEGオンリー,押すだけで綺麗に撮れる,というごく普通のコンパクトデジカメが我が家には1つもなく,それが嫁さんの撮影意欲を削いでいたのかも知れません。

 嫁さんに限らず,カメラを趣味として使っていない人は,時に素晴らしい写真を撮影することがあります。視線が新鮮ですし,褒められるように撮ろうなどというスケベ心がなく,実に素直です。

 彼らは難しいことを考えないので,カメラにとってはかなり不利な条件で撮影されることがありますけども,それも技術の進歩で問題にならなくなっていきます。手ぶれ補正,高感度,顔認識AF,オートホワイトバランスなどなど,技術的な失敗が少なくなるように進歩したコンパクトデジカメには,強い存在感があると思います。

 そんなことを考えつつ,とりあえず嫁さんに渡すと,珍しく興味を示し,充電を始めています。嫁さんは初代OptioSがお気に入りで長く使っていましたから,その末裔だと知ると,ぐっと親近感がわいたようです。

 私も興味があったので手にとってみました。いくつか思った事を書いてみます。

・とってもチープ

 発売時の価格が1万円ちょっと,現在は6000円台のカメラだけに,とってもチープです。とても軽く,プラスチッキ-で,極端に小さいわけでもなければ,ボタンの感触も心地よいものではありません。

 ですが,これがこのカメラの持ち味だと思います。

 むしろクセのないスクエアなデザインは,若い人から年寄りまで使う人を選ばず,下品なメッキパーツが全くないこともとても好印象です。

・手頃な大きさ

 初代OptioSは今でも小さいなあと思うのですが,このOptioRS1500はそれほど小さいわけではありません。今時のデジカメとしては標準的な大きさでしょう。重さは120g程度ということで見た目よりもとても軽く,拍子抜けします。

 大きさがある程度あるので持ちやすいのですが,左側の天面に指かけと思われるくぼみがあるのが,個人的には気に入りません。コンデジは右手でシャッターボタンに指をかけ,左手は大画面化したLCDを避けるため人差し指と親指でつまむように持つ人が多いのですが,これは脇も開くし,不安定で手ぶれがでがちです。

 ですから,左手の人差し指と親指でL字を作り,ここにカメラをのせてから,右手をそっと添えるように持つのが理想です。PENTAXほどのカメラメーカーが,わざわざ指かけまで作って良くない持ち方に誘導するというのは,ちょっとどうかなあと思います。

・着せ替えは実に面白い

 かなりの数の着せ替えシートが同梱されていますが,個人的にはクラシックカメラ風のシートが気に入りました。

 AdobeAirをインストールしなければなりませんが,メーカーからもオリジナルのデザインシートを作るツールが用意されていますし,自分で作ってしまうことはなんでもありません。AsahiPENTAX時代のフォント,AOCOロゴ,そして瞳に王冠のマークなど,往年のPENTAXファンにはたまらないパーツを駆使して,思わずにやっとしまうようなシートを作りたくなります。

 といいますか,個人的にはですね,初代OptioSのフロントパネルをスキャンして印刷するとか,秋月の透明プラケースに入ったキットを撮影して印刷するとか,ちょうど撮影者の目の部分にレンズが来るように構えたときにカメラに隠れた顔を印刷して「なんちゃって光学迷彩」にするとか,見た人が「あれっ」と思ってもう一度よく見てしまうようなデザインシートを作りたいです。

・レスポンスはいい

 電源投入から撮影開始までの時間も短く,レリーズタイムラグも短いと思います。良く出来ているなあと感心しました。レンズが飛び出してくる時間も短く,なかなか軽快です。

・レンズ

 35mm換算で27.5mmという広角域からの4倍ズームは,おいしい実用域をカバーします。一応smcPENTAXというブランドになっているので,一定の光学性能は満たしているのでしょう。

 レンズ構成は5群6枚で,うち非球面を3枚使ったズームレンズですが,性能と言うより低コストを狙った非球面でしょうね。私も詳しいことは知りませんが,コンパクトデジカメはレンズ交換しませんから,そのレンズ専用の画像処理を行う事が出来ます。だから,画像処理で補正可能な収差はあえて光学的には改善させず,画像処理では向上が難しいレンズ性能を引き上げたり,コストダウンを行ったりするそうです。

・基本性能はもう十分

 4倍ズームに14Mピクセル(これうちで一番多い画素数です),ストロボ内蔵,オートシーンセレクトに顔認識AF,ISO6400までOK,HD動画と,もう機能的には十分でしょう。手ぶれ補正は光学式ではなく画像処理で行うもので利き具合もいまいち,不自然な補正にちょっと常用は厳しいように思いますが,一応一通り揃っているという感じです。ここから先はもう,好みの問題になると思います。

・液晶は最悪

 液晶は3インチで32万画素です。一昔前のアナログテレビ並みの解像度というのを割り引く必要はありますが,それにしても視野角の狭さ,色の悪さ,コントラストの低さには,ものすごく悪い印象しか残しません。安いカメラですからやむを得ませんが,これだけ悪い液晶が未だに存在しているんだなあと驚いたほどです。

・操作系

 概ね他のPENTAXの機種と似たようなものなので混乱はしませんが,1つだけとても困ったことがあります。グリーンボタンです。

 グリーンボタンはユーザーにはとても好評で,今やPENTAXのアイデンティティとも言えるものですが,その実ただのファンクションキーに成り下がったケースも少なくありません。

 また,ただ緑色のボタンというのは,知らない人には全く機能を想像出来ないボタンな訳で,それが一等地に配置されていることには,なんだかPENTAX教に入信する熱心な信者を対象にしているような妙な囲い込みを連想して,ちょっと気分が悪いです。

 そのグリーンボタンですが,このカメラでは設定を標準的な初期状態に一発で切り替えるボタンにアサインされています。どの設定を変えたかなあと思い出すのも面倒な最近の多機能デジカメにはありがたい機能のように思いますが,戻して欲しくない設定だってあるわけです。

 私のケースでは,ストロボの発光禁止です。赤ちゃんの撮影にストロボは御法度ですが,発光禁止に設定したあと,うっかりさわったグリーンボタンのせいで設定が復活し,盛大にストロボが光ったのです。

 ストロボの発光禁止というのは,ストロボを発光させてはいけない場合にわざわざ設定するものであり,その影響が自分ではなくむしろ周辺に及ぶために,マナーとしても失敗が許されないものです。

 また,ストロボ発光禁止のような機能はマニュアルを読まなくても現場でさっと設定出来ることを望まれるもので,それが本人の意図しない形でいつの間にか解除されて光ってしまうということは,私は問題だと思います。

 それに,グリーンボタンを押して設定が戻っていることを示す表示が,LCDの左上の緑色のマークというのは,何が何だかわかりません。緑色のマークからストロボ発光禁止が解除されたことを連想できる人は,説明書をきちんと読んで覚えている人だけでしょう。

 グリーンボタンを,動画のボタンにアサインし直したために,うちではこういう問題は起きなくなったのですが,ストロボを光らせてはいけないところで光ってしまうと,カメラそのものを禁止するところも出てくるでしょう。

 本人が気をつけることはもちろんですが,本人の知らないところで設定が「勝手に」変わることが,カメラそのものへの非難に繋がらないことを祈るばかりです。

・撮影画像

 ちゃんと評価している訳ではありませんが,1万円程度のデジカメの写真は,随分良くなっているのですね。色や歪みの補正が強烈にかかった印象は否めませんし,ノイズを潰すために高域をカットしてなんとなく眠い画になっていることも,見た目のシャープネスを稼ぐためにエッジを微分で立てて白い縁取りが出ているのことも,安価なデジカメのお約束です。ですが,トイデジカメになる一歩手前で踏みとどまっているのは,やはり老舗カメラメーカーとしての良心でしょう。

・結局のところ

 5000円なら間違いなくよい買い物ですし,現在の相場である7000円弱という価格なら十分納得のいくカメラだと思います。しかし,1万円を越えるカメラという事になると,ちょっと厳しいかなあというのが個人的な感想です。

 液晶の悪さには我慢が必要ですし,全体的な質感の低さはラフに使える気軽さの源泉ですが,それには安いという事実がなくてはいけません。

 それにつけても,この着せ替えというのは実に楽しいです。なかにはすぐに飽きるという人もいるようですが,コロコロと着せ替える楽しみもあるし,愛着のわくデザインシートで末永く使うというのもありでしょう。見方を変えるとメーカーがデザインを放棄したとも言えなくはありませんが,そのかわり工具無しで気軽にシートを交換出来る仕組みや,デザイン用のツールを無償配布しているのですから,積極的に楽しむべきでしょうね。

 
 ということで,5000円ですからね,そこまで安くならなくてもいいんじゃないかと,そんな風に思いました。5000円で売ることが本当にメーカーの望みだったのか,そうしてまで売らねばならない理由とはなんなのか,ちょっとそんな気もしました。

 同時に,カメラの価値がぐっと下がって,もしかすると写真の文脈が次の世代から違ったものとして解釈される可能性があるかも知れないなあと,そんな風にも思いました。

 それはちょうど「写ルンです」が世の中に出てくる前と後,のようにです。

 

Color munki displayは手軽で便利で信用出来る

  • 2011/12/14 12:27
  • カテゴリー:散財

 子供が生まれてから,撮った写真を印刷することが増えました。1つに,私の母親がネットワークとかコンピュータとは無縁の生活をしている関係で,紙で欲しいと言われることがあります。

 そうでなくても,写真と言えば紙,と言う世代の人には,データで渡すことを手抜きと思う節があります(まあ事実でもあるわけですが)し,そもそも「紙に焼いてこそ表現手段としての写真」と立派なことを私自身が言っている以上,プリンタの存在を軽く考えることは出来ません。

 そこで無視できなくなるのがカラーマッチングです。色空間とかいろいろ難しい言葉はありますが,RGB各色8ビットの時に,例えば(34,77,109)で示される色が機械によって異なってしまうので,それをあわせないといけませんね,と言う話です。

 これは,コンピュータで取り扱う色の情報が相対値であるからで,無理を承知で無茶を言えば,最初から絶対値で扱ってくれればこんな問題は出なかったのにと思ったりします。

 そんなわけで,それぞれの入出力機器の物理的促成の違いから生じる色の違いをあわせ込んで,同じ色が表現されるようにすることを,カラーマッチングといいます。

 本来はとても厳密なものですが,素人の世界で意識すべきは,まあディスプレイとプリンタの色を合わせて置きましょうという話くらいに考えておくのが,気が楽でよいと思います。

 デジカメの写真をディスプレイを見ながら編集して,よーしこれで完璧だと意気揚々と印刷すれば,大きく色がずれてしまう事って誰にでも経験があると思うのです。

 ところが,このカラーマッチングというのは,大変にお金がかかります。色の測定器を使わねばなりませんし,しかも相手はLCDだったり紙だったりしますので大変です。また経年変化もありますので,厳密には測定器を校正する必要も出てきます。

 そこまでやることはアマチュアには必要なく,とりあえずディスプレイの色だけちゃんと合わせましょうという発想の安価なキャリブレーターが数年前から出てくるようになりました。

 よく知られているのは,hueyです。カラーフィルタ式の色センサを画面に貼り付け,画面の色を調整するもので,実売15000円ほどと,破格の値段でした。

 私もこれを導入して何年も使っていますが,当時から疑問を持って使っていました。どうも色が合っているように思えないのです。全体的に赤みがかっているというか,ピンク色になっています。でも,不思議と人間の目というのは慣れるもので,その画面で出てくる白色が,純白に見えてくるから不思議です。

 でも,プリンタから出ている色とは大きく異なってしまい,いつも混乱していました。そんなですから,印刷することをなんとなく避けてきたのです。

 しかし,そうも言ってられなくなった昨今,hueyもいい加減劣化してしまったはずで,そろそろ買い直そうかと思っていたときに目にしたのが,colormunki Displayという機種です。お値段は実売で2万円ほどです。

 color munkiシリーズはphotoというバージョンが有名で,フィルタ式ではない分光器式のセンサを持ち,ディスプレイとプリンタの両方のマッチングを取る事が出来る優れものです。それでいてお値段は4万円台半ばと,この種のものとしてはリーズナブルです。

 これをさらにアマチュア向けに安くしたのがDisplayというバージョンで,フィルタ式のセンサということと,対象がディスプレイだけなのですが,hueyよりも少し高いだけで,まともなものが手に入りそうだということで,買うことにしました。

 ヨドバシの頼んで翌日に届いたcolormunki Displayを早速試してみます。hueyは吸盤で画面にくっつけるので跡が残りましたが,colormunki Displayはディスプレイにぶら下げるような感じなので大丈夫です。

 また,Macでの話ですが,hueyは長くソフトがアップデートされておらず,コントロールパネルが32ビット専用になっていて,64ビット環境では32ビット環境に一度切り替わってから動き出します。実害はありませんが,今ひとつすっきりしないので,最新のソフトで動くcolormunki Displayはそれだけでも価値があります。

 パラ-パッチの測定はhueyよりはちょっと時間がかかっている感じですが,hueyがRGBのガンマをそれぞれ測定しているだけのように見えたのが,colormunki Displayでは中間色も測定を行っているようで,なにやら頼もしい感じです。

 さて,調整が終わってみると,全体的に黄色い印象です。でもちゃんと赤や肌色は深く発色していて,黒も浮いてきません。

 調整前のデフォルトと比べてみると,青みが押さえられ,黒がぐっと沈んだ感じになります。非常に好印象です。それでhueyで作ったプロファイルと比べてみると,もう「なんじゃこりゃ」というレベルで,もう話にならないほどでたらめです。

 今までこれでRAW現像をやっていたのか・・・でも,hueyを買ったときからこんなもんだったのです。また,どのマシンで調整しても,同じような色合いになったので,これははやり購入当時疑っていた,初期不良だったんだろうなあ,と思います。

 なんか,この数年のだまされ加減に腹が立つやら呆れるやら・・・

 colormunki Displayは,ディスプレイのバックライトの明るさを調整する機能もあります。これと手動調整との兼ね合いが分からなかったのですが,colormunki Displayでは,明るさを調整する仕組みは手動のものと共通らしく,手動で設定した値が変わっていました。

 hueyでは,バックライトの明るさを調整する仕組みはありませんでした。もちろん,周囲の明るさを測定する機能はありましたが,あくまでガンマカーブを調整するための情報として使っているので,バックライトは自分であらかじめ調整しないといけません。というか,このあたりの管理が甘いです。

 colormunki Displayは,色とバックライト明るさを別に管理してくれているので,信用出来ます。バックライトの明るさを一定にしてキャリブレーションを行うので,いつも最適な調整が出来るはずです。

 で,colormunki Displayで調整したディスプレイでRAW現像し,プリンタに出してみました。ちょっとプリンタの方が暗い感じがありますが,色はほぼ一致しています。そして色がおかしな方向に転んでいないので,階調がなめらかで,とても綺麗に印刷されています。いやー,うれしいです。


 huey?もうゴミですよ,こんなもん。インプレスがなんか無料プレゼントのキャンペーンをやってて,応募したら「外れた方に優待販売」とちょっとだけ安く売るという,なんか胡散臭い商売に,迂闊にのってしまった結果,初期不良品を掴まされたわけですから,こんな話もう恥ずかしくて,墓まで持っていかねばならんです。

 ところで,colormunki Displayには1つ問題がありました。MacBookAirおMacBookProは問題なく使用できましたが,WindowsXPのマシンで使おうとすると,動いてくれませんでした。最初に明るさを計るのですが,測定のボタンを押した瞬間に「接続されていません」と一瞬だけ表示され,そのあと測定前の画面になっているのです。

 明るさ測定を飛ばして色の測定を行うモードで試すと,LUTが上書きできないとエラーが出ます。LUTが未対応のマシンなのかなあと配布されているテストツールで確かめると,問題なく使えるとの判定です。おかしい。

 どうも,センサーが動き出したときに一瞬未接続になっているようなので,電力不足なのかも知れません。ルートに繋いでも改善しないので余程なんだなあと思うのですが,本来100mAのUSBデバイスですので,突入電流が大きいのかも知れないですね。

 どっちにしても,うちではWindowsへの適用はあきらめました。

 ということで,ようやく私のマシンはカラーマッチングが出来ました。実はMacBookProのディスプレイは,そのままでも結構いい線行ってるんですね。無理にキャリブレーションを行わなくても,それなりに使えるという感じがします。

 まあその,プリンタドライバに用意されたカラー補正機能をつかって,普通に印刷すれば,簡単で綺麗な写真が得られるような気がします。お金と時間と手間をかけて,やったことは結局「普通の印刷」ですしね,なんだかバカバカしい気もします。


 それはともかく,コンピュータ上で試行錯誤を行い,結果を印刷するという流れを,かつては暗く湿った臭いのきつい部屋に籠もり,孤独な戦いを繰り広げた銀塩写真にくらべて,格段に快適に,より創造的になったものだと,改めて感じました。

母親の携帯電話を買い換える

  • 2011/12/01 14:42
  • カテゴリー:散財

 母親に持たせている携帯電話が壊れました。

 母親は別にメカ音痴でもなければ文明社会に背を向ける人でもないし,割に新しもの好きな人ですが,携帯電話とかパソコンとかネットワークとか,そういうものを面倒がる人です。

 事実,いろいろと面倒な事が多いのは間違いないし,知ってる人が特をする世界あることにうんざりすることが私にもある訳で,自らそれらに手を出さない母親に気持ちがよく分かります。

 とはいえ,実家に残した母親はもう高齢ですし,何かあったら困ります。直結する連絡手段がないと不安ということで,私が端末の購入から月々の支払いまで全て負担して,持ってもらっています。私がドコモなので,問答無用でドコモです。

 ファミリー割引で契約しているので,この2台の通話料とメールの費用は無料です。2週間に一度くらい,定期的に様子を聞こうと電話をするのに無料というのは気分的にも楽ですし,メールも写真を添付して無料ですので,結構助かっています。

 で,先日,子供の写真を母親に送ったところ,しばらくして実家の固定電話から電話がかかってきました。母親曰く,メールを開いたら,突然画面が真っ暗になって,以後動かなくなったというのです。

 電源ボタンの長押しもだめ,一晩電池を抜いて再度試してもらってもだめ,と言うことで,おそらく壊れたのだろうと思ったのですが,母親が翌日ドコモショップに持っていくと,やっぱり壊れているという話でした。

 さあ,ここからどうやって解決しましょう。

 普通,機種交換とか修理とか,ぱっと考えつきますわね。でも,ちょっと面倒なの
は,このケータイの契約者が母親ではなく,私であること,です。

 まあ,購入して5年以上経過した携帯電話ですので,そろそろ機種交換かなあという話をしていた直後の事でしたし,修理するより買い換えた方がいいだろうということで,話を考えていきます。

 まず,一応修理を考えます。母親曰く,修理代は15000円と言われたそうです。15000円なら修理しようかと考えたらしいのですが,ドコモプレミアクラブに入っていれば5250円以上の修理代は請求されません。

 ですが,このプレミアクラブは回線契約者である私が加入しているので,母親が修理に出せば,それは代理人という形になるんだそうです。そうすると,場合によっては委任状が必要になったり,私に本人確認の電話がかかってきたりするかも知れません。

 このあたりはちゃんと確認していないので,実はさくっと話が通って,母親でも5250円以上の修理代金はかからないかも知れないのですが,どっちにしてもややこしいですし,修理期間が10日から2週間もかかるという話だと,その間の基本料金ももったいないので,もう修理という話はやめにします。

 では,買い換えです。新規は電話番号が変わるので×。MNPも×。従って機種変更だけということになります。

 ところが,確認してみると,機種交換は電話機がないとだめだというのです。以前近所のドコモショップで聞いてみたときには,機種交換扱いで手に入れた電話機を実家に送り,実家の近くのドコモショップでUSIMカードの入れ替えと電話帳のコピーをすればいい,という返事をもらっていたので,なんか話が違うなあと思うのですが,確かにUSIMカードがない人に売るのは,白ロムを販売するようなものですわね。

 なら,母親で機種交換をしてもらうというプランを考えたのですが,これも契約者が私なので,やはり委任状を私から送るか,電話での本人確認が必要になるんだそうです。

 しかも,携帯電話のことは私任せで何も知らずに済んできた母親が,いきなりバリュー一括だのオプション加入だの途中解約は約1万円だのと言われても,さっぱりなはずです。これは危険だと判断し,断念しました。

 そうすると,ドコモオンラインショップで買うという手があります。本人確認済みで購入するわけですから,電話機だけを購入出来る(はず)で,実家に送った後母親にドコモショップに持ち込んで使えるようにしてもらう,という手が使えそうです。

 ところが,ドコモオンラインショップはちょっと高価です。時々古い機種が特価で出ますが,いつもあるとは限りません。壊れた機種がSH851iですので,出来ればシャープ製がいいと思ったのですが,現在の最安値は15000円の機種だけのようです。

 いよいよ手詰まりになってきたので,結局,電話機を送ってもらうことにしました。ごちゃごちゃ考えるより,とっとと送ってもらって,普通の機種変更にした方が全然楽です。それに,電話機が壊れているのですから,どうせ手元に残してあっても使えませんし。

 ということで,壊れたSH851iを持って,何軒かお店を回ってみました。結局,SH-11Cを1万円以下で買う事ができたのですが,いわゆるガラケーも,ここまで来るともう機能的にもデザイン的にも,ほぼ飽和しているなあと感じました。

 私が今使っている携帯電話とそんなに違わないので,以前のように機能的なところで驚くことはありませんが,それぞれの機能の作り込みが進んでいるのは大したものです。ワンセグはアンテナを伸ばさず受信できますし,カメラはもうコンパクトデジカメを持ち歩く必要がないくらい,良くなっています。

 そしてこの大きさと重さで防水です。画面も綺麗ですし,サクサクと素早く動作します。

 今年の秋冬モデルでは,その大半がスマートフォンになってしまいました。このままだと,従来の携帯電話は絶滅してしまうかも知れません。でも,通話とメールが出来さえすればそれでいいという人はまだまだ多いはずで,そのためにスマートフォンを持つ事は,特に維持費の負担が大き過ぎます。

 ですので,まだ機種を選ぶ事の出来る今のうちに,買い換えておくのは正しい判断だったようにも思います。

 そういえば,今日,ドコモがiPhoneとiPadの後継機種を導入するという報道がありました。LTEが条件だったということですが,これはなかなか大きなニュースだと思います。

 母親は,PCは仕事で使っていますが,自宅で使おうとは思わない人ですし,従って常時接続回線も実家にはありません。もしiPadがリーズナブルな費用で持てるのであれば,導入を考えてみてもいいかもしれません。

FマウントとKマウントを相互変換する

  • 2011/11/22 12:31
  • カテゴリー:散財

 PENTAX Qを買って,一応毎日触っているのですが,少しずつ馴染んできました。大きな一眼レフとは全然違った考え方で撮影をしないといけないことが分かってきたのですが,さりとてコンパクトデジカメと同じように扱うと,楽しく撮影が出来ません。

 一眼レフを使う時のように,RAWで撮ることを前提とせず,JPEGでドンドン撮っていくカメラとして位置づけると共に,コンパクトデジカメではない「何か」を探し当てる道のりはまだまだ遠いです。

 そんなこんなで,「ニコンは一桁以外はダメ」と最初からバカにしていたD700が,実はかつてのF5とF100のようになかなか結構なフルサイズ機であることをつい最近知る事になり,値段も下がっていて万々歳だ買うか,と思っていたらタイの洪水で入手すら不可能という,オリンパスの株価のような乱高下を味わった昨今,悔しいので少ない予算で今ある環境をより楽しめるような方法を考えてみました。

 まず,うちにある主力一眼レフは,ニコンのD2HとペンタックスのK10Dです。

 主力機D2Hは使い慣れていること,アドレナリンがバンバン出ること,とても楽しく撮影出来ることと,ナチュラルで解像感のある画像が大好きなことで,どんなに買い換えようと思っても,15分も触ると,まあもうちょっとこのカメラでいくか,と思い直してしまう,理屈では説明の付かないカメラになっています。

 しかし,レンズが今ひとつつまらないのです。

 そんなときは,K10Dです。優しい眼差しを向けるFA43mmF1.9は本当に買って良かったと心底思えるレンズですが,これを使いたいときに出番が回ってくるのが,K10Dです。

 K10Dは画像はともかく,使い心地は今ひとつなカメラです。AF精度に心配はあるし,シャッターやミラーの動作もどうも緩慢で,例えばファインダーのスーパーインポーズがずれていたりと,ちょっとしたところの詰めが甘く,がっかりさせられるのです。

 別に撮影そのものに支障はないし,いちいちメーカーに文句を言うつもりもありませんが,撮影という感覚の尖った状態では,ちょっとしたことも気になるものです。

 ですが,FA43mmF1.9を使う時にはこれ以外に選択肢がありません。もともと,FA43mmが自分の期待する画像を作り出すことを銀塩で知り,デジタルでも使いたいと考えた結果が*istDLでありK10Dでしたから,K10Dにそれほどの期待はしていません。

 Kマウントについては,FA43mm以外にもFA77mmであるとか,その写りに感動した安い35-70mmのレンズも面白いのですが,なんといってもM42マウントのレンズが守備範囲になってくることがたまりません。とりわけ,SMC-Takumar28mmF3.5は本当に大好きなレンズで,画角といい階調といいコントラストといい,本当に私の理想とすべきレンズです。角形フードも格好いいです。

 ということで,ボディはD2H,レンズはKマウントという,誠に悩ましい状況に甘んじて10年以上。この問題を解決するのはもはや禁断の果実,マウントアダプターに手を出すしかありません。

 よく知られているように,ニコンのFマウントとペンタックスのKマウントは,大変相性が悪いマウントです。

Fマウントのフランジバックは46.5mm。一方Kマウントのフランジバックは45.46mmです。また,Fマウントの口径は44mm。Kマウントの口径は45mmとなっています。

 フランジバックがFマウントの方が長いですから,ニコンのボディにKマウントのレンズを取り付けると1mm分だけ前に飛び出した事になり,無限遠が出ません。昔,ペンタックス純正のM42アダプタを加工してF3にM42のレンズを取り付けたことがありますが,無限遠が出ないのでやめました。

 なら,ペンタックスのボディにFマウントのレンズなら1mm分かさ上げすれば無限遠が出るかといえばそんな事はなく,口径がほぼ同じですのでたった1mmのかさ上げしか許されていない状況で,オスとメスのバヨネットを前後に持つ筒を作る事は不可能です。

 ということで,結局ニコンとペンタックスは,互いに相容れないのですが,この際フランジバックの問題は補正レンズを設けて辻褄を合わせ,フランジバックの制約から解放してやってマウントの変換をしようというマウントアダプターが発売されています。

 補正レンズ付きですので,元のレンズ特性に少なからず影響を与えますし,レンズが増えるので内部反射も起こります。それにレンズがボディから大きく前にせり出すので,画角も変わってしまいます。その上高価です。

 結局オモチャにしかならない保線レンズ入りのマウントアダプターをに手を出すことは避けてきましたが,最近は中国製の安価のものが6500円ほどで買えるのですね。これならまあ買ってみてもいいかと,ニコンのボディにKマウントのレンズを取り付けるものと,逆のペンタックスのボディにFマウントのレンズを取り付けるマウントアダプターを買ってみました。

 中国製でもともと品質に期待しておらず,とりあえず写ればそれでいいかと言うくらいに考えていました。内部反射によるフレアやゴースト,コントラストの低下は当然あると考えているので,そうした厳しい撮影条件では使わないことも考慮済みです。

 さて,届いたマウントアダプターを見てみます。

 加工精度はそれなり,剛性感もそれなりということで,価格相応だなあというのが第一印象です。レンズは一応コーティングが成されていますが,マルチコートではないようです。気分のものかも知れませんが,反射が多そうでどうもコントラスト低下などの影響がありそうな感じです。

 それと,どちらも外形はほぼ同じ。ぱっと見では区別が付きません。当たり前の事なので採り上げるほどのこともありませんが,恥ずかしながらK10DにFマウントをはめ込もうとしてしまったので,一応書いておきます。

 レンズとボディの装着は,そんなに渋くもなく無理をしていない感じではありますが,それでも大事なレンズ,高価なレンズは取り付けない方が良いように思いました。

 では試してみましょう。まずK10DにAiAFニッコール85mmF1.8です。一応かちっと取り付けが出来ます。絞り開放でまず1枚。

 げげ,まるで霧がかかったように画面が白くなっています。乱反射が出ているのかも知れません。あわててF4くらいまで絞り込むと,問題なく写ります。しかしシャープさは失われ,ボケの綺麗さもなくなります。それに,絞り込み測光というのはちょっと面倒ですね。

 テレコンバータでもマスターレンズの性能が重要という事で,気を取り直してPlanar50mmF1.4ZFで試してみます。すると,マウント部に随分とガタが発生しています。フォーカスリングを回す度にガタガタと動いてしまい,ファインダーの像がガクガクと動いてしまいます。これはいかんですね。

 また,K10Dの手ぶれ補正が上手く動いてくれません。メニューから焦点距離を設定しないとだめなのですが,ちょうど1.3倍の焦点距離のものがないので,似たような値をセットしますが,どうも補正能力が低いだけではなく,かえってぶれを引き起こしているような印象もあります。

 ということで,FマウントレンズをKマウントボディに取り付けるマウントアダプタは,基本的には失敗です。

 では,次にD2HにFA49mmF1.9を取り付けて見ましょう。こちらは案外普通に着きますね。絞り開放でも極端な画質低下は見られず,FA43mmのおいしいところはやや薄まりますが,それでもD2Hの使い勝手でFA43mmF1.9が使えるというのはなかなかいいです。

 機械的な精度も悪くないので,こちらはそこそこ使えるかなあと言う印象です。M42レンズを試していませんが,もしかすると(もともと絞り込み測光だし光学性能も高くないという意味では)M42レンズの方が面白く使えるかも知れません。

 正直,6500円という価格については,相応のものだなあという印象を持ちましたが,この手のマウントアダプタは一昔前は1万円から2万円もしたわけで,そう考えると悪い買い物ではないように思います。
 
 それに,マウントアダプタの画質は,ファインダーでは必ずしも確認出来ません。先の霧がかかったような画像はファインダーでは確認出来ず,撮影画像で初めて分かったものですから,銀塩だったら失敗コマを量産していた可能性が高いです。デジ足りカメラの時代になって助かったと言えるかも知れません。

 私の結論としては,K10DにFマウントのレンズを取り付けてもあんまりありがたいものではなく,また性能的にも精度的にも今ひとつなのでこれは失敗と割り切り,逆にD2HにKマウントのレンズとM42のレンズが装着出来ることはとても期待していたことでもあるし,実用レベルだという感じもありますので,機会を見つけて使っていこうと思います。

 これで,次のボディを買うときの指針が出来ました。Kマウントのレンズはもう増えないと思いますので,KマウントのボディはFA43mmとFA77mmのために必要という事で,K10Dでも十分だという判断から,新しいボディはFマウントのボディ,それも出来ればフルサイズのモデルという事にしましょう。

 噂では,ニコンD700の後継であるD800のスペックがある程度の確度で漏れ伝わっています。36Mピクセルというのは私にはちょっと多すぎるし,動画開始のボタンがわざわざ用意される事,ローパスフィルタが省略される事,D3系やおそらくD4と呼ばれる次世代プロ機とは違うセンサを採用することや,ボディサイズが少し小さくなることなど気に入らない箇所も多く,改めてD700が自分にぴったりだったんだなあと思うのですが,それでもD800は発売未定というステータスらしいですから,まあ気長に待つことにしましょう。

 

女王様をお迎えしよう

  • 2011/10/17 16:04
  • カテゴリー:散財

 PENTAXという会社は,とても好きな会社です。真面目ですし,鼻にかけない,決して完璧な物を作るわけではないですが,知恵と工夫で面白いものを作り上げるメーカーで,その結果「売れなかった」商品も数知れず,なところが親近感を持つのです。

 私は自分で工作を楽しむ人ですから,セオリー通りに作るのではなく,いろいろ工夫をしてその結果を楽しむ術を知っています。だから,エンジニアが「楽しい」と思える設計がどんな物かを知っているつもりで,PENTAXという会社にはそれを許す文化があるんだろうなあと思うのです。

 もちろん,会社ですし,お金も潤沢にあるわけではないでしょうから,いつもそういう楽しさがあるとは思いません。ここ数年は特に鬱屈した日々を過ごされた方も多かったかも知れません。

 だけど,PENTAX Qを見ていると,いいなあ,と思うのです。そう,買っちゃいました。PENTAX Qのレンズキットを,TOY LENS 04を一緒に買いました。

 もともと,ミラーレスのレンズ交換式一眼デジカメには興味がなくて,買うつもりなど全くなかったのです。ミラーレスなのに一眼?コンパクトデジカメがレンズが取り外し可能になっただけのカメラに,なにを期待するかです。

 ところが,嫁さんが「シャッターボタンを押すだけで失敗なく良く写るカメラがうちにはない」と言い出しまして,よく考えたらそうだなあと思ったのです。

K10Dは?
 -> でかい
Cybershot U20は?
 -> 携帯のカメラの方がずっと高性能じゃなイカ
DP1sは?
 -> 良く写るなんて本気で思ってるわけ?
GR1は?
 -> フィルムやんけ
D2Hは?
 -> 殺す気か

 実は,うちにはCoolPixS6があります。ところがこれ,私がちょっと使ってみても,ちっとも使い心地が良くない,カメラとしては誠につまらない代物なのです。レスポンスは悪い,ボタンの感触は最悪,持ちにくい,ゆえに手ぶれが連発,レンズの性能も悪い,画像も破綻気味,ノイズも多く,色も悪い,唯一の個性である無線LAN内蔵は全く使い物にならず,設定はPCからしか出来ないので動かすことすらままならないと,良いところがないのです。

 嫁さんは,最初これを使うと言っていたのですが,さすがにこれではだめだろうと,次世代のお手軽カメラを選定することになりました。

 選定基準は,少々高くても画質が良いこと。完成された画像も,素材としてのゆとりのある画像のどちらも吐き出してくれることが1つ。

 小さく軽く,ややこしい操作を必要とせず,シャッターボタンを押せばぱぱっといい写真が撮影出来ることが1つ。

 そして,私が使って楽しい事。これは微妙ですが,要するにボタン1つで綺麗な写真が撮影出来ることと,マニアックな楽しみの両方を両立するカメラであること,という話なんですが,そんなカメラなど,ないですよね・・・

 ・・・ありました。PENTAX Qです。

 少し前にも書きましたが,PENTAX Qほどメッセージがまっすぐ届くカメラも少ないでしょう。他には富士フイルムのX10くらいじゃないでしょうか。

 PENTAX Qのメッセージは,画質と表現力に大きなデメリットがある撮像素子の小型化というタブーにあえて挑み,大型の撮像素子を持つデジタルカメラの画質にどこまで迫ることが出来るか,と言う挑戦です。

 PENTAXは撮像素子を内製していませんので,既製品を使う事になります。PENTAXに出来る事は他社製の部品の使いこなしということになりますが,それにしてもコンパクトデジカメと同じ撮像素子をわざわざチョイスするというのは,なんと強いメッセージでしょうか。

 画質と表現力に不利な小型の撮像素子を使った事で,10万円に近いプレミアムなデジタルカメラとして認知されるにふさわしい画質を実現することは,相当のプレッシャーがあったと思います。

 一方で,小型の撮像素子を選んだ事で可能になった圧倒的な小型化には,一目で分かるアピールがあります。つまり,これで本当に一眼レフに近い画像が出てくれば,撮像素子が小さいから画質が悪いとか,やっぱり小さいカメラはそれなりだなとか,そういう「常識」が覆ってしまうくらいの,大事件になるかも知れないのです。

 でも,そういう錨肩のがっついたシルエットは,不思議とPENTAX Qにはありません。たたずまいもそうですし,高性能と高画質を遊び心にちゃんと振り分けています。さすがは女王様です。
 
 ということで,木曜日の夜に注文,土曜日のお昼に到着したPENTAX Qを,この週末少し触ってみました。色はブラック,35mm換算で約47mmの単焦点レンズを同梱したレンズキットに,TOY LENS 04という35mm相当の広角レンズを一緒に買いました。


(1)たたずまい

 小さく,軽く,でもしっかりとした剛性感があり,凝縮感があって,手にすっぽり収まる満足感は大したものがあります。ボタンやダイアルの感触も素晴らしいですし,特にシャッターボタンは良く出来ていると思います。

 ボディは軽く,ヒンヤリとした金属的な感触もないので,そういう高級感を期待するとがっかりするかも知れませんが,手に馴染む合成皮革を貼り付けてあり,カメラが高級品だった時代のあの感触を手が覚えている方は,思わずおっ,と声を出してしまうでしょう。

 レンズのマウントはあまりにかわいらしいものですが,レンズをはめ込んでかちっと言うまで回す感触は,一眼レフのそれとなにも変わりません。

 ストラップホールもボディの左右に2つあり,この小型のボディを両吊り出来ます。首から提げられるわけですね。


(2)レンズ

 レンズも小さく,かわいらしいです。付属の点焦点レンズでさえもプラスチックが多用されており,見た目も触った感じも高級感に乏しいことが残念ですが,それゆえ,一眼レフのレンズの「おもちゃ」のような雰囲気です。

 しかし,この付属レンズはF1.9という明るさを持ち,35mm換算で約50mmという使いやすい焦点距離と相まって,使いこなしがとても楽しいレンズです。そして結構大事な事ですが,20cmまで寄れます。

 贅沢にも2枚の非球面レンズを奢り,1/2000秒のレンズシャッターを内蔵しストロボとは全速同調,絞り羽根は5枚ですが,口径が小さいこともあって綺麗な円形絞りを実現していて,しかもF1.9という明るさを生かすためにNDフィルタまで内蔵するのですから,かなり「話の分かる」レンズです。ワクワクします。

 実際,これで撮影すると,その性能の高さには舌を巻きます。まず一発でわかるのが解像度の高さです。細い線を見事に表現しており,収差も良く補正されていて,まさに万能選手です。

 階調の豊かさや色のりは画像処理との兼ね合いもありますので一概に言えませんが,PENTAXのレンズの個性だと私が勝手に思っている「暖かさ」は継承されていると感じました。一歩前に進んで,ぐっと寄って人の顔を撮影すると,その表現力の高さに驚くことでしょう。

 もう一方のTOY LENS 04ですが,これは構造的にTOYと言うだけで,レンズそのものは立派なものです。これが実売6000円ですからね,大したものです。

 TOYだなと思うのは,絞りが固定であること,メカシャッターを内蔵しないこと,マニュアルフォーカス専用だけども回転角が小さすぎ,また距離目盛りもないことでしょうか。

 特に残念だったのは,パンフォーカスの撮影が全く出来ないことです。せっかく高感度まで撮影出来るカメラなのですから,パンフォーカスが出来るようになると良かったのになあと思います。

 ん,これはつまり,スナップ用の28mm相当の高級レンズが出るという予告,かも知れませんね。


(3)ボディ

 ボディは10年ほど前の携帯電話くらいの感じですが,電池やメモリカード,ストロボや各種コネクタを差し引くと,もういくらも容積が残らず,そこにこれだけの機能を押し込んだことは素晴らしいと思います。

 スペックは明らかに一眼レフに匹敵し,センサ移動式の手ぶれ補正とホコリ除去をワンセットで持つこと,RAWの書き出しに対応していること,色空間にAdobeRGBが設定出来ることなど,明らかに「普通の人向け」ではない機能が用意されています。

 各種の記事にありますのでもうわざわざ書きませんが,アスペクト比を選べること,クロスプロセスやモノクロ,昭和のネガフィルム調などの画像調整が出来る事など,特徴的な「遊び心」も満載です。

 誰の目にも分かるわかりやすさと,マニアを唸らせる懐の深さ,この2つを両立していることに私は感心しました。

 そうそう,ストロボは面白いですね。ぴょこっと飛び出すストロボは,見た目の面白さと実用性を両立するギミックですが,意外に頑丈な感じがあって,しっかりしています。小さいカメラになるほどストロボの場所は難しくなるのですが,ケラレを防ごうという真面目さを,こうした面白さでカバーするところには,こっちまでうれしくなります。


(4)画質

 先程も書きましたが,画質に文句はありません。特にレンズの性能の高さは素晴らしく,頼もしささえ感じます。

 このサイズの撮像素子でも,これだけの画質と表現力を持っているのですから,正直言ってもう大きな一眼レフでなくてはならないシーンは,限られてくるのではないかと思う程です。

 かつて,Auto110という一眼レフがありました。PENTAX Qがお手本にしたカメラとして知られるようになった超小型システムカメラですが,110カートリッジフィルムで一眼レフを作ったら,と言う「遊び」を実に真面目に実現した物です。

 カメラの性能の高さの一方で,フィルムの画質向上が進まなかったことと,種類があまり出なかったために,結局画質で評価されるカメラにはなりませんでした。

 しかし,PENTAX Qは画質で選ばれる可能性が十分にあります。

 この小さな撮像素子で,どれだけぼけるのかと思うかも知れません。しかし,ボケは適切な量を美しくかける事が重要なことであり,被写体の一部がぼけてしまうほどのボケは使い方が限られるし,そういうボケにはうるさくない,綺麗なボケが必須です。でもこういうレンズは,高価なんですよね。でも,PENTAX Qのレンズは,ボケも綺麗です。コントロールできるほどのボケ量はないのですが,とても上品です。

 必要な事は,ぐっと寄って撮影することです。単調点で,収差をきちんと追い込んだ高性能レンズから,このレンズを信用して,しっかりぼけるくらい,被写体にぐぐっと寄ると,本当に楽しく綺麗に撮影出来ます。


(5)使用感

 基本的に満足です。レスポンスも良く,感触も良いのですが,水準が高いのでちょっとしたことが気になります。

 まず右側の十字ボタンです。右手の親指の付け根あたりにボタンが来るのですが,カメラを構えないで持っているとき,シャッターのモードを切り替えるボタンを押し込んでおり,気が付いたらセルフタイマーや連写モードになっていました。これは大変困ります。これらのボタンはロックがかかるようになって欲しいですね。そういえば,ニコンのプロ機には,十字ボタンをロックするスイッチが付いています。

 次にAFです。AFはミラーがないので位相差方式は使えず,当然コントラストAFです。ですからAFが動作すると,目一杯フォーカスを外して,そこからあわせに行きますが,この時の「大ボケ」に,一瞬戸惑います。ささっと動くAFに慣れた人には,ちょっと厳しい感覚かも知れません。AFの速度そのものはそこそこ速いですし,精度も良いですから実用上の問題はありませんが,一瞬の間が撮影のテンポを乱すかも知れないなと思いました。

 次にてんこ盛りの機能の整理です。メニューの階層に潜る事以外に,一覧から設定を変えることが出来るのでかなり楽に切り替えできますが,現在どの状態にあるかという事がわかりにくい(記号とかアイコンとかが多すぎる)ので,設定が変わっていることに気が付かない時の被害は大きいと思います。気をつけねばなりません。

 電池の持ちは良くありません。これが唯一の問題かも知れませんね。初日に少しだけ使っただけで,1目盛り減ってしまいました。予備の電池は必須だと言われていますが,それは本当かも知れません。

 最後にカメラ前面のダイアルです。5ポジションで,とても使いやすい位置にあり,感触も良いダイアルなのですが,このダイアルにアサイン出来る機能がどれもぱっとしません。アスペクト比を変えることや,画質のモードを変えることがさっと出来る事がどれほど大事なことかと思います。

 ダイアルという装置には,その位置によって現在どういう状態にあるかが一目で分かるという優れた機能があります。この機能を生かせない設定なら,このダイアルにアサインする必要はないわけで,私としては全ての設定を一発で呼び出せる機能を入れて欲しかったです。嫁さんは簡単綺麗でsRGB,私はマニュアル素材重視でAdobeRGB,という設定を一発で呼び出したいです。

 
(6)期待

 Qマウント初代機としてのPENTAX Qですが,これだけ完成度が高いと,次に何を期待するかという話はなかなか難しくなります。ボディについて言えば,廉価版を出すことが可能性としてはあるでしょうけども,これはそれほど重要ではありません。

 もしかすると,未公開のイメージサークルが案外大きくて,撮像素子をもっと大きくしたモデルが出たりするかも知れません。でも,PENTAX Qに込めたメッセージを全否定するような製品は,出さないでおいて欲しいです。

 となるとレンズですが,とにかくマクロレンズと広角レンズは必須でしょう。マクロレンズは出来れば90mm付近で,ちょっとした望遠にも使えるといいし,広角は28mmでスナップシューター用ですね。これらはもう既定路線ですし,きっと発売されることでしょう。

 問題はそこからです。25mmとか20mm付近の超広角はどうか。面白い画角なのですが,使いこなしは大変かも知れません。

 では望遠はどうか。70mm-200mmくらいの望遠ズームは欲しいですが,これも間違いなく出るでしょう。それ以上の超望遠は,私もあんまり欲しいと思わないし,仮に35mm換算で500mmのレンズなんかが出てきても,使い方が限られますので,どうもぱっとしません。

 それより,マウントアダプタです。Kマウントのアダプタは間違いなくでると思いますが,望遠系はこれでカバーです。FA77mm/F1.8が420mmの大口径望遠というのは強烈でしょう。

 それより,私はライカのMマウントのアダプタが欲しいです。というかすでに売られていますが,例えば私のNoktonClassic40mm/F1.4が200mmの大口径レンズになるなんてワクワクします。ガウス型の200mmですからね,未体験ゾーンです。

 でもあれですね,メカシャッターがないので,現実的には使い道が限られるのが,マウントアダプタの悲しさでしょうか。もしかすると,短いフランジバックを生かし,シャッター内蔵のマウントアダプタが出てくるかも知れませんが,ここまで来ると純正品以外で出てくることはあり得ませんから,PENTAXがカメラをもう1台作るくらいの覚悟が必要とされる,シャッター付きのマウントアダプタを作ってくれるかどうか,楽しみにしていたいと思います。


(7)結論

 まず,このカメラは,コンパクトデジカメの代わりに使って違和感のないカメラです。しかし出てくる画は一眼レフ並みに素晴らしく,情報量が落ちません。

 そして,マニアックな使い方にも対応出来る深いカメラです。手動で操ればそれだけ楽しむことが出来ることは間違いありません。加えて,手間をかければそれだけの見返りのあるカメラです。そこが楽しさとしてちゃんと残してあることがうれしいじゃありませんか。

 そして安価なTOY LENSで遊ぶことは,もうPENTAX Qを買った人だけの特権と言えるでしょう。値段は安いですが,ロシア製トイカメラにはほど遠い「高画質」で,普通に使えてしまう優秀なレンズです。

 普通の性能のレンズとして普通に使うことはもちろん,適度に残った収差を生かして作品に生かすも良し,安いレンズなのでラフに使って今まで難しかったシーンに活用するのも良し,です。

 付属のレンズは,特に標準レンズの性能の高さはほれぼれする程で,もう1つのズームレンズは私は使った事はありませんが,特に欲しいとは思いません。

 最後に,動画についてです。高性能レンズに高画質か画像処理エンジンを持つカメラのフルHD画像ですので,そこらへんのビデオカメラを越える物であることは間違いないと言いたいところですが,ビットレートが低く,記録用に使うのは厳しいでしょう。あくまでおまけ,遊びの一環だと割り切るべきかも知れません。まあ,期待しないで使うと素晴らしいけども,期待するとがっかりする,というレベルでしょうか。


 という感じで思ったことを書いてみましたが,よくよく考えてみると最新のデジカメとしてやってきたPENTAX Qが,使いやすく画質がいいのは,古い機種ばかりが揃っている我が家においては,ごく当たり前の事かも知れません。

 それならそれで結構です。時代の進歩が1/2.3インチという小型のセンサで,これだけの高画質を得られるようになったことを素直に喜んで,良い写真と撮影したい物だと思います。

 さて,次は魚眼かな。


 

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