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カテゴリー「散財」の検索結果は以下のとおりです。

念願のScanSnap

  • 2007/03/30 17:55
  • カテゴリー:散財

 人類が増えすぎた書類を磁気円盤に移動させるようになって,既に半世紀が過ぎていた。
 コンピュータの周囲の巨大な磁気円盤は書類の第二の故郷となり,書類はそこで子を産み,育て,そして死んでいった・・・(どかーん)

 そんなわけで,書類です。頻繁に見る物は紙に限りますが,書類の多くはそれほど頻繁に見るものではありません。捨てるわけにもいかず,さりとて置いておくには場所ふさぎという,そんなものの代表ではないでしょうか。

 人類の歴史は,アーカイブされて今に伝わっています。もし先人達が「場所ふさぎだから」と書類をその都度捨てていたら,我々は自らの歴史を知ることもなく,時間の流れに彷徨って,同じ過ちを二度三度と繰り返していたに違いありません。

 しかし,書類の保存には膨大なコストがかかるものです。これは,書類そのものの価値に加えて,書類をとにかく保存するということにも価値が認められているからでしょう。

 それで人類は,書類をいかに効率よく保存するかを考えて来たわけですが,マイクロフィルムの時代を経て,今は電子データとして保存することが一般的です。

 マイクロフィルムも専用の機械がないと見る事ができないのですが,電子データはもっと最悪で,ただの数字の羅列に一定の決まり事を設けて,情報を織り込んでいくわけですから,その決まり事がわからないと困ったことになるわけです。

 前置きが長くなりましたが,ScanSnapを買いました。

 すでによく知られた製品なので今さら説明の必要もないでしょうが,小さく,読み取りも高速で,PDFに変換するところまで自動化されている,書類のアーカイブ専用のドキュメントスキャナです。

 本物のAcrobatが付属していて約5万円という価格はなかなか微妙なところで,フラットベッドスキャナが1万円を切る値段で売られているこのご時世に,5万円という価格には高いなあという印象が拭えません。

 ただ,よく言われることですが,Acrobatの価格を考えると,結構妥当な金額といえます。両面スキャンが可能で,オートドキュメントフィーダまで搭載したスキャナですから,単純に1万円のスキャナとの比較も出来ないでしょう。

 以前から欲しいなと思っていたのですが,やはり価格がネックになって買わずに来たのですが,いつも捨てている,以前カーナビを買った業者のメールマガジンを偶然きちんと見てみると,1つ前の製品が36800円と破格値で出ています。送料も無料です。

 現行品はS510というものなのですが,1つ前のS500との違いはソフトウェアの違いだけで,スキャナ本体にはなんにも違いはありません。それにどちらもフル機能ではないにせよ,Mac用のドライバも提供されているため,私の環境でもばっちりです。

 小さいとはいえ,それなりの大きさがあるものなのでかなり迷ったのですが,書類が片付いて,それで生まれたスペースがスキャナよりも大きければ,スキャナを導入する意味があります。

 一昨日届いたScanSnapをちょっと使ってみたのですが,Macで使ってる人もそんなに多くはないでしょう。使い心地を少し書いておきたいと思います。

 まず,本体は大きさの割にずっしりと重いです。想像していたよりずっと小さく,しっかりとしているので,本体については好印象です。ただ,ACアダプタがじゃまくさいのはお約束です。

 ソフトはダウンロードをしないとMac版は手に入りません。Windowsで使うのとは随分機能差があり,特に残念なのはOCR機能が使えず,結果として検索が出来るPDFが生成されないのです。

 また,PDFを編集するソフトであるAcrobatは当然Mac版がついているわけではないので,余計なページを削除するなどの編集は出来ません。もともとMacOSXでは,PDFは標準フォーマットとしてOSに組み込まれた存在です。それゆえ,PDFの扱いそのものは軽快なのですが,編集に関してはちょっと面倒です。

 基本的な機能についてはWindows版との差はなく,本体のボタンを1つ押すだけでスキャンが始まり,最終的にPDFを作ってくれることも同じです。ただし,A3のスキャンを行う機能がMac版にはありません。よって付属しているA3用のキャリアシートは無用の長物です。

 読み取り速度は,Windows版を使ってないので比較出来ませんが,Mac版が特別遅くなっているわけではなさそうで,十分に高速だと思います。また,両面のスキャンが同時に行われるため,片面でも両面でも使い心地に差がないというのがありがたいところです。

 画質はWindowsもMacも変わらないと思いますが,これも十分です。私の場合スーパーファインモードを使っていますが,カラーもモノクロも問題はありません。

 音は結構大きめでしょう。また,ADFのパワーが結構大きいので,もしジャムが起きたりすると書類がくちゃくちゃになってしまうことは避けられません。スキャナにセットする前に,ジャムが起こらないよう,書類が1枚1枚きちんと剥がれてくれることを確認した方がよいと思います。

 ということで,私は特別高度なことを考えていないので,これでもう十分です。ちょっと置き場所に困るような雑誌類もどんどん読み取ってくれます。

 こうしたアーカイブを行う場合に,その保存フォーマットをどうするかは少し前まで頭の痛い問題でした。機種やOSを問わず,複数ページを1つのファイルにまとめることができるものは意外に少なく,実質的に標準となっているPDFの存在が,こうしたドキュメントスキャナを身近なものにした最大の理由ではないかと思います。

 すでにスキャンしたい書類がたくさんたまっています。逆に,これがあればスキャンしておいたんだけどなあと思う捨てた雑誌もたくさんあって,今にして思えばちょっと残念です。

今さらMCカートリッジ

  • 2007/02/20 18:08
  • カテゴリー:散財

 先日,LPレコードを久々に聴いて,MCカートリッジを買ってみようという気に突然なりました。

 MCカートリッジといえば,必ず名前の挙がるDL-103というDENONのカートリッジは放送局で使われるリファレンスで,特に特徴もない素直な音が特徴という定番です。

 昔はそんなに高いものでもなかったと思うのですが,今は26000円。実売でも2万円ちょっとするというので,ちょっとした高級品が買えてしまう値段になっています。

 もっと手軽にMCカートリッジを楽しむ方法はないものかと調べてみると,ありましたよ,私の大好きなオーディオテクニカから廉価版のMCカートリッジが。

 AT-F3IIというカートリッジで,実売で9000円ほど。これならちょっと試してみようという気分にもなります。(というかこないだからちょっと試してみようが購入動機になり続けているように思いますね,やばいですね)

 ご存じの通り,レコードを再生するには,イコライザアンプと呼ばれる専用のアンプが必要です。以前はアンプ本体に内蔵されていたのですが,省略されたものも随分増えました。レコードプレイヤーに内蔵されたものもよく見ますが,これなどはイコライザアンプが内蔵されていない今時のアンプに直結できることを売りにしています。

 ところがイコライザアンプだけで済むのはMMカートリッジの話で,MCカートリッジにはMCヘッドアンプか昇圧トランスが必要になります。ややこしい世界です。

 MCカートリッジはこうして敷居が少しだけ高いので,1万円というお手頃価格のAT-F3IIがどういった客層を狙ったものなのかよく分かりません。

 MMカートリッジの経験で言えば,1万円を切るカートリッジは今ひとつという印象を拭えず,結局V15typeVに落ち着いたわけなので,MCカートリッジも1万円以下が残念なものになってしまう覚悟はしておかねばなりません。

 とはいえ,これがDL-103にすれば期待通りなのかと言われれば,特徴がないのが特徴なわけですし,むしろがっかりするかも知れません。カートリッジ以外に機材が必要なMCカートリッジですから,1万円でも手を抜いていないだろうと考えて,買ってみることにします。

 はて,ヘッドアンプも昇圧トランスも持ってないのにどうするのだと思われると思いますが,実は今使っている自作のイコライザアンプには,ゲインを切り替えてMCカートリッジにも対応できる仕組みがついています。本格的には昇圧トランスを用意するとして,とりあえず暫定でこのイコライザアンプで試してみようという作戦です。

 買ってきたAT-F3IIは私にとってオーディオテクニカの初めてのカートリッジです。カートリッジのメーカーとしてスタートした,日本ではよく知られたメーカーの製品をこれまで1つも持っていなかったのは,偶然とはいえ意外に感じました。

 一緒に買ってきたヘッドシェルのMG10にマウントし,トーンアームに取り付けます。針圧の調整を行って何枚かレコードをかけてみます。

 V15typeVとの比較になりますが,その差ははっきりと分かります。

(1)伸びやかな音
 V15typeVも決してナローレンジではありませんが,AT-F3IIに比べれば急激に高音が天井にぶつかるような印象を受けます。AT-F3IIはすーっと頭のてっぺんを抜けていくような高音を出してくれるカートリッジで,闇雲に高音を強調せず,あくまで自然に「のばす」ということを心がけているような感じがして,とても好印象でした。

(2)高い解像感
 解像度の高さもあり,V15typeVとの比較でも,それぞれの楽器が綺麗に分離して,これまであまり目立たなかった音が良く聞こえるようになります。

(3)平面的な定位感
 奥行き感についてはV15typeの方が好ましく,AT-F3IIは楽器の分離が良い上に,平面的に楽器が列びますので,目の前にわーっと広がる空間の広さは,特に奥行き方向でV15typeVの方が優れているように思います。(ただ,こうした奥行き感はチャネルセパレーションが悪い方が良く聞こえるものでもあるので,ひょっとしたらAT-F3IIのチャンネルセパレーションの方が良いということなのかも知れません)

(4)細い中域
 中低域のエネルギーや密度の高さでAT-F3IIはV15typeVの足下にも及びません。V15typeVの場合,その中域のエネルギーがボーカルの存在感を非常に高めてくれるので,まるで目の前で歌っているかのような生々しさを味わうことが出来ますが,AT-F3IIではそこまでの張り出し感はなく,あくまで自然に音が出ているという感じです。

(5)まとめ
 KennyDrewのピアノソロを聴いてみたのですが,ピアノの機種が変わったのか思うほど劇的な変化がありました。V15typeVではよく耳にする普通のピアノなわけですが,AT-F3IIではキンキンとした金属音が耳につくようになるため,華やかな印象を受けるのと,強弱の変化がより明確になります。

 そんなわけで,MMCカートリッジの場合,安物になるほど磨りガラスを目の前に置いたようなもどかしさが増えるものなのに,MCカートリッジでは,いかに廉価なAT-F3IIでもすきっととても明瞭な音を出してきます。

 その上で,レンジの広さや粒状感の少なさ,まるで高い秋の空を思わせる音を味わうことが出来るということに,まず感心しました。

 よく言えば上品でおとなしく,しかし繊細であるという感じがしますし,悪く言ってしまえば「CDみたいな音」と言えなくもありません。

 カートリッジによってこれほど音が変わってしまうと,なにが本当の音なのか迷ってしまうのですが,おそらくどれも本当の音なんだと思います。

 私は,あまりジャンルによってカートリッジを交換しようとは思いません。ボーカルを生々しく聴いてみたい時には,V15typeVを使うと思いますが,今回のAT-F3IIの音が大変に気に入ったので,常用カートリッジとして使うつもりでいます。

 カートリッジはの多くは手作りで作られます。その点では工業製品でありながら同時に工芸品のような側面もあります。

 レコードやプレイヤーの生産台数は減りもせず増えもせずと言う状況のようですが,採算性が良い世界ではありませんし,職人さんはどんどんいなくなります。

 このくらいの手頃さで,カートリッジを取り替える楽しみを味わえるのは,ここ数年が最後になるかも知れないです。

 一応,タムラ製の昇圧トランスは以前に買ってあって,ケースに入れて組み立てれば使える状態になります。すでにケースの加工は済んでいるので,本当に組み立てだけ。1時間もあれば終わってしまう作業です。

 イコライザアンプのゲインを上げてしまうと,ノイズやハムが目立ってしまいます。半導体アンプの性能が向上した今日でさえ,定番として使い続けられる昇圧トランスがどれほどのものなのか,今から楽しみです。

ペンタブレット初体験

  • 2007/02/19 15:47
  • カテゴリー:散財

 先日,CaptureNXで写真の加工を行っていたのですが,投げなわツールで範囲指定を行っていたところ,トラックパッドではどうにもうまくいかず,イライラすることがありました。

 それでもマウスで範囲選択を行っていたときに比べると随文楽になったと思っていたのですが,マウスやトラックパッドの移動範囲を超えるようなケースの場合,ボタンを押しながらマウスや指を中央に戻すという作業が厄介であることは変わりません。ついつい辛抱しきれずにボタンから指を離してしまい,作業をまたやり直すことになることもしばしばです。

 こういう事が起こらないように,本格的にフォトレタッチを行う人はペンタブレットを使うと聞きます。10年ほど前に5万円ほどした電磁式タブレットは,調べてみると1万円を切っているんですね。それなら試してみるか,とamazonで買ってみました。

 買ったのは一連の商品の中でも最廉価になる,ワコムのFAVOでA6サイズ,CTE-440W0という製品です。

・第一印象
 A6サイズのくせに,結構設置面積をとります。マウスパッドくらいは覚悟しておく必要があるでしょう。ただ,設置してからの安定感はよく,どっしりと机にへばりついてくれるおかげで,タブレット本体がガタガタしたり動いてしまうようなことは一切ありません。安くともこのあたりは手を抜いていないようです。

 なお,心配していたCaptureNXでの対応ですが,筆圧機能も含め,きちんと動作しています。


・操作感覚
 他のどんなヒューマンインターフェースデバイスとも似ていません。A6サイズのタブレットの表面が画面全部を投影する絶対座標系であることがマウスとは全然異なりますし,はたまたペンが接触したときだけ反応するPDAなどのタッチパネルとも全然違います。

 ろくに説明書も読まずに触り始めたのですが,ペンをタブレットから浮かせて動かすとマウスカーソルの移動,ペンダウンで動かすとドラッグなんですね。ペンを浮かせて動かすという動作は,本物の紙とペンではほとんど行わない動作ですし,タッチパネルやトラックパッドでも行わないので,私はここに一番面食らいました。

 どうしてもペンダウンをしてしまうクセがついてしまっていて,マウスカーソルをただ移動させたいだけなのについついファイルやフォルダをドラッグしてしまい,ファイルがあちこちに散らばってしまって大変な目に遭いました。

 おそらく一番自然なのは画面の上に直接ペンを走らせるということなのだろうと思いますが,ペンでなぞる面と画面とが分離している今回のような場合,やはりペンを浮かせてカーソルを動かすという「不自然」な操作は,やはり避けようがないのでしょう。

 これも慣れてしまえばなんと言うことはなく,慣れてからはペンを意識せず自然に操作することができ,快適に使えます。手首の移動だけでサクサクと操作できる感覚は非常に新しいものだと思いましたが,だからといってマウスとの比較で利点となるような部分が見あたらなかったので,常用することはやめました。


・筆圧
 マウスやトラックパッドではどうやっても実現できない機能が,筆圧の感知です。私はイラストを描くわけでもないので筆圧機能を特に必要としていたわけではないのですが,せっかくですから試してみました。

 これは実に楽しい機能です。筆圧で線が太くなったり細くなったりするというのはペンや筆がもつ価値の1つですが,これがコンピュータの画面上でも再現できると,確かにいろいろな事が出来そうです。

 ただ,世の中にある筆記用具のうち,筆圧で表現を積極的にコントロールするものはそう多くなく,むしろボールペンやシャープペンシルのように筆圧による変化が少ないものを日常的に使うことが多いでしょう。だから,筆圧機能があるということを,私のような画を描かない人間はどうやって使うか,ちょっと考え込んでしまいます。

 1つ,手書き文字があるかも知れません。言うまでもなく,筆圧によってはねる,はらう,とめる,を表現するには筆圧機能がなくてはなりませんが,試してみたところ実に見事に再現できるのです。

 太さと色をうまく筆圧でコントロール出来ると,味気ない年賀状も一気に人間くささを取り戻すことが出来るかも知れません。


・問題点
 MacOSXでの話ですが,一定時間が経過するとバックライトが消えるように設定してあっても,タブレットを接続しているといつまで経ってもバックライトは消えません。おそらくですが,タブレットの接続自体か,あるいはバックグランドで動作しているタスクが,操作していない時間をリセットしてしまうため,無操作時間がいつまで経ってもバックライトの消える時間に達しないせいだと思います。

 同じ事は無操作で自動的にスリープに入るような設定をしているケースでも起こるのではないかと思うのですが,私はこの点も気に入らず,常用する気にはなりませんでした。


・マウス
 電磁式のタブレットは,ペンの形を変えればマウスを作ることも簡単です。ということでこの製品には専用のマウスも付属するのですが,可もなく不可もなく,ただのマウスに過ぎない代物です。

 操作感が良いとか,精度が抜群とか,わざわざ特殊な方式でマウスを実現しているのだからと期待をするのですが,使ってみると本当に1000円ほどで売っている,何の取り柄もないマウスです。

 大きさも形状も使いやすいわけではなく,でも別に使えないわけでもないという中途半端なもので,おそらくタブレットをマウスパッドと置き換えた場合に,汎用のマウスが使えなくなることを想定して専用のマウスを同梱したのでしょうが,タブレットの上にマウスパッドを置けば済むことですし,それにノートPCのトラックパッドを使っている人には,まさに無用の長物です。

 これを付属させないセットも「コミックセット」として用意されていますが,これにはマンガ用のソフトが付属しているので,通常のセットでマウスなしというものを用意してくれれば一番良いと強く感じました。


・結論
 私の場合,常用はしない,写真の加工の時だけ使う,という使い方になりそうです。ひょっとしたら今度の年賀状で使うことがあるかも知れませんが,そもそも字が綺麗ではないからプリンタを使ってきたという現実に矛盾するので,おそらく使うことはないでしょう。

 私のように絵心のない人間がタブレットまで揃えるとは全く考えなかったのですが,マイクロソフトもTabletPCを立ち上げていますし,MacOSXでも標準でタブレットをサポートしています。

 紙と鉛筆という非常に身近なものにお手本を求めたユーザーインターフェースには長い歴史がありますが,これまで縁がなかった方にとっても,試せば面白い発見があるかもしれません。この値段はそういうきっかけを提供してくれるものもあると思います。

 ただ,我々のように,紙と鉛筆を知っている人間がタブレットを使って感じることと,紙も鉛筆も知らずにいきなり学校でタブレットを触る子供が感じることには,随分と開きがあるのではないかなあと,少しだけ心配になりました。

 なにもわざわざ不自由なメタファーを持ち込む必要は,オリジナルを知らない新しい世代には不必要なんじゃないのか,という気がしたということです。

 筆圧だって例えばマウスを握る強さで変化がつくようにすればいいだけの話であって,我々がそれに拒否反応を示すのは,マウスという道具を「こんなもんだ」と決めつけているからに過ぎません。

 握る強さで線の太さが変わるマウスと,押しつける強さで線の太さが変わるペンタブレットとの違いは,どちらも初めて体験する人にとって,純粋に使いやすいかどうかだけにかかってくるではないでしょうか。これから20年,30年と経過する中で,どういったインターフェースが生き残るのか,楽しみだなあと思います。

PM-G850を使ってみて

  • 2007/02/09 19:17
  • カテゴリー:散財

 先日購入した新しいプリンタPM-G850ですが,購入までの経緯はそろそろおいておいて,プリンタそのものの評価をしたいと思います。

 まず,13000円という入手価格についてです。エプソンのプリンタに限らず,インクジェットプリンタはインクの価格を高く設定してある(といわれている)ので,本体の価格がこれで妥当かどうかは難しい問題があります。

 しかし,冷静に考えてみると,インクの価格に関して高価であるという第一印象があるのはその通りだとしても,実際こんなものかも知れないなあと思うだけの要因があります。

 確かに6本セットで6000円は高いなあと言う印象がありますが,1本あたり1000円というのは,流通や管理費用などを考えると,下げられても800円くらいまでなのではないでしょうか。切れたインクから交換できるメリットを考えると,そんなに法外な値段とは言えない気がします。

 インクが高いという人の主張の1つに,プリンタを安く売り,インクで回収するというビジネスモデルがあるということがありますが,これも単純にそうだね,というのが難しいです。

 というのも,インクカートリッジの値段は,今も昔もそれ程変わっていないからです。

 例えば,キヤノンのベストセラープリンタにモノクロ専用のBJ-10vというモデルがありました。このインクは2800円だったと思います。モノクロ1つで約3000円ですが,このプリンタの価格は確か4万円ほどだったと記憶しています。

 HPのDeskWriterCでは,本体の価格は7万円近く,黒インクが3000円近くで3色のカラーインクは5000円ほどしました。DeskWriter550Cでは10万円の本体にモノクロとカラーのインクの両方を必要としていたので,インクの合計は8000円近くにもなり,当時のユーザーも悲鳴を上げていました。

 単純な比較は構造の違いがあるので出来ませんが,ドットインパクトプリンタのインクリボンでも軒並み2000円程度でしたし,カラーのインクリボンの場合5000円ほどしたものも多かったはずです。

 比較的消耗品の価格が安いと言われた熱転写プリンタでも,インクリボン1巻が800円ほどでしたから,今のエプソンのインクカートリッジの値段がべらぼうに高いかと言えば,そんな風にもいえないのです。

 一方で本体の価格は劇的に下がりました。20年前,カラーのインクジェットプリンタは25万円でも安いと言われた(この時のインクは1本1000円以上)のに,今はその1/100です。

 こうかくと,1本のインクで印刷できる枚数が今と昔では全然違う,頻繁にインクを買い換えないといけないから,結局インクの値上げと同じだ,と言う人がいるかもしれません。

 私はどれくらいの枚数を印刷できるかを同じ条件で比較していないのでこのことに確信があるわけではありませんが,仮に昔に比べて印刷できる枚数が少なくなっていたとしても,10枚や20枚でインクが切れてしまうようなものではない,ということを考えると,ホームユースに最適化された結果だと考えても良いのではないかと感じています。

 エプソンのインクジェットプリンタの名機HGシリーズは,インクカートリッジが小型の弁当箱ほどの大きさがあり,普通の人は一生かかっても使い切れないほどのインクが入っていました。それでも価格は3000円か4000円ほどだったので,コストパフォーマンスは非常に高かったと言えるでしょう。

 インクそのものがしめる原材料費など安いものですから,インクの量を増やしても減らしても,それほど最終価格には影響を与えません。その点で本来エプソンは,今のプリンタのカートリッジの寿命を2倍にしてもよかったとは思います。

 ただし,インクの量が多ければよいか,といえば単純にそういうわけでもなくて,月に数回程度の使うだけの人にとって,そんなに大きなインクカートリッジを用意しても,使い切る前にインクが劣化し,印刷品質や本体の性能を維持できなかったりする方が深刻です。個人的には,インクカートリッジと印字ヘッドが一体になっていて,インクと同時にヘッドも新品に交換される方が,安心感があったりするくらいです。

 家でたまに使う素人さんに適当な寿命であるのが,素人さん向けのプリンタにふさわしい事であると考えると,エプソンが長い時間をかけてカートリッジの寿命を今の値に収れんさせてきたと,言えなくはありません。

 残念ながら,ヘビーユーザーにはインクが高くついてしまいます。メーカーの肩を持つわけではありませんが,その代わり本体は素人さん向けの価格で買っている訳ですから,両方安くというのはちょっと虫が良すぎるかもなあと感じます。

 ランニングコストの安い,その代わり本体の価格が高いプリンタは,それはそれで存在しています。初期導入費用と維持費用がトレードオフにあって,その使い方で最終的な損得が決まる世界は,別にプリンタの世界に限ったことではありません。

 残念なことは,先程のヘビーユーザーに最もお得なプリンタが,実は世の中にほとんど存在しないということでしょう。ここは各メーカーの開発努力が足りないように思いますが,彼らはそれほど大きな数ではないため。なかなか用意しにくいのが実情ではないかと思います。

 私個人は,大した枚数を印刷することはありませんので,これで十分です。本体を1万円ちょっとで買い,2,3回カートリッジの入れ替えをやったあたりで,本体が壊れるか,新しいPCやOSに対応できなくなって,買い換えることになると思います。

 次に大きさとデザイン。これはもうおかしな期待をしない方がいいと思います。古今東西,カッコイイプリンタなど存在しません。大きさや重さ,デザインに最も制約のきついメカトロニクス製品として,よくやってるよなと思うくらいです。

 大きさはもう少し小さくして欲しい,薄くしてもらいたいという気持ちもあります。たまにしか使わないものが,これほどかさばるのははっきりって邪魔です。理想的にはBV-10vなんかだと思いますが,モバイルプリンタとして売り出さずとも,あの大きさで今のプリンタの性能を保てたら,またこの世界がわっと盛り上がるのではないかと思います。

 そして画質です。どこまで期待するかによるとは思いますが,13000円のプリンタであればもう十分ではないかと思います。ドットごとに階調を持たないインクジェットプリンタとしては,もう粒状感もほとんどありませんし,メカ精度に起因する縞模様の発生も皆無です。

 AdobeRGBの色域を実現していることだって,少し前には考えにくかったことです。こんなに簡単にAdobeRGBを扱えるようになるとは,まさに隔世の感があります。ただ,やはり白から黒へのグラデーションには厳しいものがあり,コンパクトデジカメのようなピントがびしっと来ている写真では目立たなくても,一眼レフでレンズのぼけを積極的に活用した写真では,どうしても限界を感じてしまいます。

 染料系のインクジェットプリンタでは,特に黒がねずみ色になる傾向があり,その結果全体のコントラストが低下するものでしたが,ここまで改善されたか,と思うほど,黒色もくっきりしまって出てきます。赤色も鮮やかで,先程のグラデーションの問題がなければ,私の目には完璧なプリンタと映ったことでしょう。

 紙によって結果が大きく違うのにも驚きました。高価な紙は,確かにそれだけの価値があるようです。昔はあまり気にしなかったのですが,量販店にあれだけの種類の紙が用意されているのを見せつけられると,みんな目が肥えてきたんだなあとつくづく感じます。

 耐水性,耐候性についてですが,最近の染料系のインクって,水でも流れないんですね。これならあまり水に濡れることを気にしないで済みそうです。耐候性については買ったばかりなので分かりませんけども,一応きちんと管理すれば本物の写真程度には持つのではないでしょうか。日光に当てると1週間ほどで色があせる写真は論外ですが,染料インクでもかなり改良されたこのプリンタのインクがどれほどの実力を持っているか,注意してみていこうと思います。

 カラーマッチングについてですが,私の場合,少なくともD2Hとモニタとプリンタできちんとマッチングが取れました。プリンタで印刷紙か結果が青っぽいと思われたのは,きちんとした光源の下で評価をすると解消し,赤みを帯びたモニタに近い色になってくれることがわかりました。

 演色性が99以上で,色温度が5000Kの蛍光灯は,カラーマッチングを意識する人にとって,まず手に入れなければならないものであると確認しました。(私の場合蛍光灯スタンドが15Wでちょうど適合するものがなかったことから,ビューワー用と称する5200Kのものを買うしかありませんでした・・・)

 付加機能についてですが,CD-RやDVD-Rのレーベル印刷が大変面白いです。今更何を,と思われるでしょうが,私にとってこういうおまけ機能が搭載されたプリンタは初めてで,今回もこれを期待したことは一度もありません。

 ただ,せっかくだからと試してみると,なかなかいいんですよね。手書きだったタイトルを印字するだけでも全然立派に見えます。大した手間もかからないので,積極的に使ってみようと思わせる楽しい機能です。

 動作音は大きめだと思いますが,かつてのPX-V700よりは静か。むしろかつてのドットインパクトプリンタが大変耳障りだったことを我々は思い出すべきなのかも知れません。

 動作中の音もそうですが,びっくりするのは給紙の時に発生する「バコン」という大きな衝撃音です。これが和らいでくれればいうことありません。

 精神衛生的な面で,ヘッドのクリーニングや目詰まり防止の仕組みには,ちょっと疑問を感じます。インクを無駄に吸い出すプロセスがこれらの対策に有効なのはわかりますが,この方法を考えてついて採用した当時,これが未来永劫ずっと使われ続けることになると思わなかっただろうと思います。

 ここがインクカートリッジの寿命を短くしている最大の理由であるとすれば,メーカーがすることは真っ先にこれを改良するべきでしょう。このままでは,事実はどうあれ,消費者の悪い印象を払拭できないように思います。

 そんなわけで,購入時点でいろいろあったのですが,結果として満足しているという感じです。上を目指せばきりがありませんが,自分の必要とするものがこのくらいの価格で買えれば,文句の言いようもありません。この倍くらいの値段がしても,疑問を持たないと思います。

 ただ,今のプリンタが写真の印刷に最適化されていることは少々残念で,かつてプリンタは文字や図形を印刷できることに価値がありました。それぞれの仕組みに得手不得手があるのは当然として,なぜここまで写真画質のプリンタが家庭に入り込み,素人さん向けのプリンタとして君臨することになったのは,ちょっと不思議な気もします。

 

プリンタ買い換えの顛末~発動篇・追補

  • 2007/02/01 21:46
  • カテゴリー:散財

 PCサクセスというお店は,保証書シールも別途請求しないといけません。こんなもんこそ全員に同封すればいいと思うのですが,考えてみるとこのお店,在庫を持たず代理店の倉庫から直送させる事が多いので,こういったお店で用意するものを同封しにくいのかも知れません。

 それで,エプソンに修理を依頼しなければならない場合も考えて,保証書シールをもらっておかないといけないと気がついて,WEBからシールを請求しました。これが1月29日の夜です。

 そうすると今日,帰宅してみると保証書シールが郵便で届いていました。消印は30日。

 さすがに,翌日破産するお店ですので,30日にはなんとなくやばそう,という雰囲気くらいは担当された方も分かっていただろうと思うのですが,そんな中でも投げやりにもいい加減にもならず,最後の最後まできちんと仕事をしようとしてくれたことには,さすがの私もちょっと感銘を受けました。感謝したいと思います。

 同封されていた保証書シールは,2007年1月のシールです。考えてみると,2月のシールはもうないんですね。これが最後のシールかと思うと,ちょっと寂しくなりました。

 最後まで仕事をきちんとされたこの担当の方には,次の勤め先がきちんと見つかることを祈りつつ,このシールは記念に取っておこうと,そんな風に思いました。

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