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サラリーマンは調理家電の夢を見るか

  • 2019/01/16 13:40
  • カテゴリー:散財

 2019年があけてしばらく経ちますが,年末に脱臼した右手の中指がなかなか良くならなくて,未だにキーボードを以前のようにタイプできません。

 1週間ほど前は,ネジ回しを回すことにも不自由していたくらいで,ずっとこのままだったらどうしようかと,さすがに怖くなっています。

 それでもここ1週間ほどで,長文でなければキーボードくらいは打てるようになりました。ネタが溜まってこないうちに,艦長日誌を再開しようと思います。

 昨年末,ヨドバシ.comの福袋が運良くあたりました。調理家電と女の子用のオモチャでエントリしたのですが,競争率の低い調理家電だけが当選しました。

 1万円の福袋ですし,そんなに期待はしてなかったのですが,正月の家族団らんのネタになればと手続きを済ませたところ,12月28日に届いてしまいました。

 年越しのクソ忙しいときに団らんもクソもなく,あわてて開梱して確認をしたのでちょっと面白味に欠けたのですが,入っていたものはまずまずでした。

 詳しい中身については他のサイトで紹介されているようですからわざわざ書きませんが,ちょっと使ってみた感想を書いておこうと思います。


 まず低温調理器。真空調理器と書いたものもありますが,タンパク質が硬くならない低い温度でじっくり加熱することが目的であり,そのために真空にする必要があるかので個人的にはこの言い方には抵抗があります。

 私は焦げるほど火を通したものが好きで,基本的には生ものは口にしません。だからあまり興味を持っていませんでした。

 だって,ローストビーフが美味しく出来ると言われても,そもそも嫌いで口にしない物ですからね,自分には無関係だと思っているのも仕方がないですわね。

 なので,こういうきっかけで手に入れて使ってみるというのも,なかなか良い機会です。

 どうも私が勘違いをしていたのは,低温調理は生っぽい食べ方ではなく,火を完全に通す方法であるということです。バカバカしい間違いではありますが,こういう誤解をしている人も,それなりにいるんじゃないかと思います。

 鶏のむね肉,豚肩肉のブロック,ブリなど,普通に火を通すと硬くなったりコスコスと食べにくく,パサついてしまったりするものを,とても柔らかくうまみを逃さず調理できるというのが,低温調理の目的です。

 ただ,肉が硬くなると言うのはタンパク質が変性するからで,タンパク質が変性しない温度というのは,早い話が細菌や寄生虫が死なない温度だという事です。私が生ものを口にしない理由は衛生面からというのが大きいのですが,つまり低温調理は生を同じという,先の誤解を助長してしまいます。

 なら,低温調理は生と同じで,あたらないのは食べた人の免疫力と運次第なのかというとそうでは決してなく,温度以外のパラメータを調整して菌や寄生虫だけを殺すのが低温調理と生の違いです。

 細菌や寄生虫の死滅には,よく知られているように温度と時間の2つに相関があります。細菌が死滅する数は,温度が高ければ短い時間で,温度が低ければ長い時間で,増加します。

 どっちの場合でも数が減ると言う話に過ぎませんから,完全にゼロにすることは難しく,つまり食べても問題がない程度に減らすために,温度と時間を管理しましょうというのが,現在各国の加熱殺菌に関する規則であり,我々の先人が健康を損ねて手に入れた経験の積み重ねによる成果です。

 とはいえ,60℃以下では細菌の数は減りません。63度が下限とされていて,これ以上の温度なら時間を短く出来ます。そうなんです,豚はタンパク質が変性しないでも死ぬのですが,細菌は原始的すぎて,タンパク質が変性しないと死なないんです。

 考えてみればわかることですが,食材の表面と中心部では温度も異なるし,その時間的変化も異なるでしょう。酸素に触れるか触れないかも全然違いますし,調理中は100度でも,口に入れるときに30度くらいになってしまうなら,すでに細菌がわーっと絶賛増殖中なわけです。

 冷蔵庫に入れても,扉開ければ当然のこと,常温の食べ物を庫内に入れればたちまち庫内の温度が上がってしまい,その間に細菌が増えますよね。だから,人間が生きている環境なら,細菌だって生きていると考えないといけないでしょう。

 そんなことをいっていたら,もう何も口に出来ないと怒る人もいるでしょうが,考え方を逆にして,それだけ細菌が増える環境にいても問題なく食事が出来ているんだから,滅多なことではあたらないから心配しすぎるなと私は考えるようにしています。

 むしろ,子供や年寄りなど抵抗力が弱い人が我々と同じだと考える方が危険で,誰が食べるかを常に考えて食べ物を扱う事が,なにより大事だと思います。

 そんなわけで,低温調理は,子供が小さい事もあって近寄らなかったんですが,もう小学生ですし,せっかくですからトライしてみます。

 ちょうどいい具合に,どうしようかと扱いに困っていた豚肩肉のブロックがあります。煮豚にしようかと思いましたが,あまり美味しくなく,家族にも不評だったので悩んでいましたが,もし美味しく食べられるなら,これ幸いです。

 いろいろ調べて,68度で90分としました。温度が高すぎますし,時間も長いのですが,最初ですし,豚肉は寄生虫の問題も心配で,安全を取りました。

 5mm暗いにスライスし,コショウとハーブを振りかけ,ジップロックにいれてオリーブオイルを注ぎます。水が68度になったら口を開けて鍋に沈め,空気が抜けた状態で封をします。空気を抜くのは,空気があるとそこだけ熱が通らないからで,それほど厳密に考える事はありません。

 出来上がったものは,しっとりと火が通り,臭みもなく,柔らかいものでした。さりとて特別美味しいわけでもなく,即興で作ったジンジャーソースが好評で,それで残らなかったという感じがします。

 しかし,可能性は見えました。

 次にやるのは,鶏むね肉です。安くて健康的,しかし調理が難しく,美味しく食べるのはなかなか大変という,プロ仕様な肉ですが,これをもっとギリギリ狙って低温調理です。

 63度で60分,この設定は中心部がこの温度に達する時間まで考慮すると,結構ギリギリなんではないかと思うのですが,初心者の私はこれより攻めた設定にはできません。

 結果ですが,中華タレを作って食べたところ,大変美味しく食べられました。もともと鶏肉が好きな嫁さんは,鶏になりそうな勢いでバクバク頬張っていました。

 次は魚です。

 魚,特に天然物にはアニサキスという強敵がいます。養殖もしくは冷凍なら刺身に出来ると言われていますが話は逆で,刺身に出来るものは養殖もしくは冷凍で管理されていると言うのが正しいです。

 また,家の冷凍庫くらいではアニサキスは生きていて,天然物はしっかり加熱しないと何が起こるかわからんのが,魚です。

 しかし,ブリは火を通すのがこれまた難しい食材です。季節によって脂の乗り方が違いますし,加熱も難しいので,とろけるような照り焼きを作れたことは数えるほどしかありません。

 で,この天然物の寒ブリはもともとトマト煮をする予定で,火はそこで通せるとふんで,低温調理を特別にやってみようと思ったのです。

 アニサキスはこわいですが,これも攻めていきましょう。64度で45分です。

 加熱後,煮立てたトマトソースに突っ込み,20分ほど煮込みます。結果は上々。柔らかく,しかし歯ごたえもあり,うまみも強く,臭みもありません。しんなりとして甘くなった玉葱の入ったトマトソースと良く絡んで,とても美味しいです。

 ちょっと心配でしたが,翌日の子供の弁当に入れたところ,一番美味しく先に食べ尽くしたと言ってくれました。

 ということで,安全に対する経験値はもっと稼がないといけないですが,うまく使えば劇的に美味しく調理が出来る可能性が見えてきました。温度が一度違う,あるいは加熱時間が10分違うと,味や食感に大きな差が生まれることもわかったので,言い頃合いを見つける必要はあるのですが,私の場合鶏むね肉や豚の肩ブロックが美味しく食べられればそれでいいので,この2つをもう少し追い込んで行こうと思います。


 続いてネスプレッソ。私は薄めのコーヒーをがぶ飲みすることが好きな人で,おちょこに入ったわずかな量のコーヒーを苦虫を潰したような顔をして「うーんまんだむ」とか言いながら飲むのは好みません。

 ネスプレッソには熱烈なファンがいることを知っていましたが,今のコーヒーメーカーで満足しているので,全く関心がありませんでした。期せずして手元に来たのも何かの縁。お試しのカートリッジくらいは試してみることにしましょう。

 最初に考えたのは,このマシンが普通のコーヒーメーカーに代替できるかです。カートリッジ1つでマグカップ1杯を抽出できるかどうかですが,これは失敗。話になりません。また,基礎知識がないからなのですが,カートリッジ1つで何杯飲めるかも疑問で,これは実験して,わずか1杯だと知りました。

 コストパフォーマンスが悪すぎる,このままでは次の不燃ゴミに出さざるを得ない,それでも支持されるされるにはなにか理由があるはずだと考えてみたのですが,私は大事な事を忘れていました。

 そう,ネスプレッソというからには,これはエスプレッソマシンなのです。

 通常のコーヒーメーカーでは,エスプレッソは抽出できません。豆を粉末に挽き,高圧蒸気で抽出しなければならず,そのためには大げさなマシンが必要です。エスプレッソが大好きでそればかり飲んでいる人は別ですが,10万円もする巨大なマシンを据え付けてまで飲むほど,私は好きでもなければ家にいる時間も長くありません。

 そういう人のための,手軽なエスプレッソマシンが,ネスプレッソであることをすっかり忘れていました。そう考えると,このマシンは稼働率が低くても,存在意義があります。

 高いと思っていたコストパフォーマンスも,なかなか本気のエスプレッソが1杯100円ほどで飲めると考えると,そんなに悪くはありません。

 カートリッジも手に入りやすく,好みの味を選ぶ事も出来ますし,準備も片付けも簡単,何より抽出にかかる時間が短く,飲みたいときにさっと飲める事は素晴らしいです。なるほど,段が多いのも頷けます。

 サンプルで付いてきたカートリッジを試してみたところ,気に入ったものがありました。これを少し買っておこうと思います。甘いものを食べたときのエスプレッソは,確かに美味しいですからね。


 次,燻製マシン。PCガジェットのグリーンハウスから出ているもので,その段階で私の中ではパーティーグッズ扱いなわけですが,チップを燃やして煙を大量発生させ,これを閉じ込めた袋で燻製風味にするという,それって燻製なのか?というマシンです。

 正しい燻製はこんなものではなく,保存食を作るためのものなわけで,その過程でうまみ成分であるアミノ酸がバンバン作られ,あの豊かな味わいが出てきます。

 ですから,あくまで燻製の臭いを付けるだけのこのマシンは,なんちゃって燻製マシンということすら憚られるわけですが,好意的に考えると,燻製風味にするための調味料だといえば,あるいは手軽で結構だと言う人もいるかも知れません。

 で,ともあれ試してみます。確かにベーコンは燻製の香りは強くなりましたが,当然味に変化はありません。

 それより,火を着けた瞬間から大量の煙が発生し,袋に閉じ込めても大量に漏れて部屋中に広がります。あわてて換気扇の下に持って行くも,換気扇の能力を超えて煙が家中に立ちこめてきます。

 いかん,これは通報される!

 しばらく,家の中が煙たくなってしまいました。

 もう二度と使わないでしょう。ゲホゲホ。

 次,懐中電灯。50編ほど前にあった,家庭用の大型の懐中電灯そのままで,LEDになったものです。ヨドバシオリジナルというのもちょっと新鮮です。

 そういえば,今でこそいわゆるマグライトが携帯用ライトのスタンダードになっていますが,私が子供の頃はこんな気の利いたものはなく,日本(というよりナショナルですが)のローカルな標準として,この形がどこにでも転がっていました。

 よくよく見てみると,これって提灯なんですよね。真っ暗闇だった夜の街を歩くために不可欠だった江戸時代の提灯と同じように,釣り竿を持つかのように捧げ持つのがマグライトとは違うのですが,これはこれで持ちやすく,扱いやすいです。大きくても許されるので明るさも有利,電池も大きく長寿命と,なかなかよいなあと再認識しました。

 少なくとも同じくらいの値段で買えるマグライトもどきに比べると全然明るく,使い勝手も良いです。年配の方にも自然に受け入れられる形でもあり,もっと知られるべき商品ではないかと思いました。

 
 というわけで,他にもいくつかあったのですが,試したのはこのくらいです。今回はなかなか良かったと思います。福袋はお買い得感もそうですが,自分だと選ばないようなものが転がり込んでくるきっかけになるので,面白いという事に加えて新しい可能性を経験出来るチャンスでもあります。

 今回はダブることもなく,なかなか楽しませてもらいましたし,低温調理という新しい調理法を自分のレシピに加えることが出来たので,これは大変有意義でした。

 思い出してみると,ヨドバシの福袋は10年近く前にも買っています。このころはまだ,価格で別れていたに過ぎず,私の場合ティファールの蒸し器とヘアドライヤーが一緒に入っていて,結局ドライヤーは他の人にあげてしまった記憶があります。

 今のようにカテゴリで別れていて,入っていたものが自分にどう関わるかがある程度見えていると,とても楽しみですし実用的です。ヨドバシはこのあたり,よく分かっているなあと思います。

 

DR-100mk3を買った

  • 2018/11/28 15:31
  • カテゴリー:散財

 先日,なにげなくDR-100mk2(TASCAMのPCMレコーダ)の電源を入れてみたら,なんとLCDの真ん中に線が入っています。4ドット程度の太さの線がスパーっと消えてしまっているのですが,おかげで肝心なレベルメータが見えなくなっていたりと,実用上問題大ありという感じです。

 ちょっと叩いたりゆすったり,電池を入れ替えたりしてもやっぱりだめで,これはもうLCDが死んだという判断をするしかありません。

 うーん,DR-100mk2って一応プロ用じゃなかったですかね。こんな低い信頼性だとは思いませんでしたから,がっかりです。

 ここで私には2つの選択肢があります。

 1つは修理をすることです。メーカーに修理を出すのも手ですが,お金も時間もかかるので面倒です。

 もう1つは後継機種を買うことです。DR-100mk3はかなり良い機種に仕上がっていて,私も新発売時に買い換えを検討した事がありますが,使用頻度を考えると当時の価格で5万円もする物を簡単に買うというわけにはいきませんでした。

 まずは修理を考えてみましょうか・・・

 一番確実なのは,同じLCDに交換することです。しかし,LCDはカスタム品がほとんどで,全く同じLCDはまず入手できないでしょう。

 そうすると別のDR-100から外して取り付けるという方法が考えられますが,実はDR-100系は中古もそれなりの値段が付くので,これも簡単に実行出来ません。

 修理については融通が利くことで知られるTEACですから,部品だけ分けて下さいと相談が出来る可能性も高いのですが,それにしても1000円や2000円で済むとも思えず,これも簡単な方法ではありません。

 なら,多少のサイズ違いには目を瞑り,互換性のありそうなLCDを手に入れて無理矢理取り付ける事になるのですが,もともとのLCDの詳細が不明なので,互換性もクソもありません。

 ということで,自力で修理するという作戦はなかなか難しそうです。

 とりあえずaitendoで,似たようなサイズ,互換性のあるLCDドライバを搭載したLCDを見つけたのでこれを手配しましたが,これについては後日。

 今回は,DR-100mk3への買い換えについての話です。

 私がDR-100mk2を買った時の金額は36000円くらいで,一時期27000円くらいまで下がっていたことを考えると,随分高いと思ったものですが,それでもこの機能と性能で36000円なら許せると,当時一番安い値段を出していた店で買いました。

 DR-100mk3は登場時こそ5万円でしたが,今は4万円を割る価格が出ていて,これなら購入可能だと,買うことにしました。

 ヨドバシが最安値だったのでポチりました。翌日には届いたのですが,ここでまさかに初期不良。

 録音をする時に,入力レベルを調整するツマミを回しても,録音レベルが思ったように変化しないのです。

 +方向に回してやると,ふいにレベルが0.5ほど上がりますが,回し続けると0.5ほど下がっていて,ちっとも値が増えません。

 -方向も同様で,これはロータリエンコーダの不良っぽい挙動です。

 翌日ヨドバシに電話をして交換してもらう事にしたのですが,なかなか電話も繋がらないし,大変でした。レンズの時にはすぐに交換に応じてくれたのに,今回は明らかな不良なのに一々メーカーに確認してからとか,手続きもあれこれと指示があったりして,やや面倒でした。

 果たして交換してもらった新しいDR-100mk3は問題なく動き,やはり初期不良だったのだなと思った次第です。でも,入力レベルのロータリエンコーダは壊れやすいのかもしれませんから,気を付けないといけません。

 ということで,軽くインプレションです。


・大きさ,重さ,質感,見た目

 大きさは旧来のDR-100系とほぼ同じで,手に馴染みますし違和感もありません,これは狙ってやったことでしょうから当たり前として,軽くなったなあという印象と,底面の質感が変わったり,デコボコがついたりしたことで,軽快な感じを受けました。

 画面が大きくなったことがとにかく目を引きますが,それでもたくさんの情報がちりばめられていて視認性は良くありません。もう少し整理出来なかったのかなあという気もします。

 バックライトの色はアンバーから白に変わりました。個人的にはアンバーは見やすく格好いいので白にする必要性を感じませんでしたが,これはこれで悪くはありません。

 ボタン類はより華奢になった感じがします。特にジョグダイアルは奥に引っ込みグラグラするようになりましたし,ダイアル中央のボタンもふにゃふにゃでよくありません。

 これも質感を悪くしている要因だとは思いますが,だからといって全然ダメというものでもないので,耐久性だけしっかり考えられていれば,私は構わないと思います。


・使い勝手

 使い勝手は大きく改善しました。すでにDR-100mk2を使う気になりません。

(1)入力レベルの調整

 mk2ではアナログのボリュームによって左右のレベルを別々に調整することが出来たのですが,これは便利なようで案外面倒でした。1つは,左右のレベルが外側と内側の同軸上に割り当てられているため,左右が同じレベルになっているかどうかはボリュームという部品の精度に依存してしまうことです。

 いやいや大した差ではない,というのが大半の意見だとは思いますが,これ,フェイドアウトを行うと,左右で音が消えるまでに時間差が出ます。フェイドアウト時の時間差を気にするか,それとも定常時の左右のレベル差を気にするかという問題になるのですが,私はどっちも許せません。

 もう1つはどちらか一方を固定し,もう片側だけ調整したいときに,固定したい方も一緒に動いてしまうことです。これも結構いやなもので,結局の所左右別々にレベルの調整をすることなど,最初から想定していないんじゃないかと思ったくらいです。

 まだあります。ツマミには数字が刻まれてはいますが,アッテネート量が書かれているわけではありません。あくまで目安です。それに再現性も乏しく,5と6の間,では正確な調整は出来ません。

 mk3ではここが改善され,本物のアナログボリュームではなく,ロータリエンコーダに変わりました。そして実際のアッテネートはデジタル制御で行われます。数字はどうもアッテネート量で表示されているようで,左右独立か同時かはメカ的なスイッチによって機能を切り替えることが出来ます。(このメカスイッチが実にいいです)

 さすがにデジタル制御のアッテネータだけに左右のばらつきは小さく,リニアリティも問題がありません。フェイドアウトも綺麗に決まりますし,左右のレベル差も全域でほぼないと言っていいでしょう。

 で,前述のように私はこの部分の不良を掴まされたわけです。良品が届いてからは快適で,私はここが一番うれしい改良でした。


(2)高速レスポンス

 システムが新規になり,CPUも高速化したおかげで,何をするにもキビキビ動くようになりました。DR-100mk2もレスポンスはよかったのですが,さらにレスポンスは上がっていて快適です。

 高速と言えば,起動から操作可能になるまでの時間も短くなり,かつ安定するようになりました。特に大容量カード使用時の待ち時間が大幅に減って,かつ容量に依存しなくなりました。

 mk2ではカード容量が大きくなると操作可能までの時間が倍々に増えてしまい,容量と使い勝手のバランスを探る面倒がありましたが,mk3では32GBでも同じ速度で立ち上がります。

 しかもmk2では同じ容量でもカードによって起動時間が違いました。mk3ではこれもなくなっており,どんなカードでも安心して使う事が出来ます。

(3)ストップボタンがへこんでいること

 これもよい改良です。やはりSTOPとRECは特別なボタンです。

(4)底面にスイッチがなくなったこと

 地味ですがこれも改善された点です。裏側にあったスイッチの操作性の悪さは言うまでもなく,今どうなっているかがわからず,気が付かないままに予期しない設定になっていることもmk2ではありました。そもそも底面に操作系を置くのが間違いだと思っていた私には,当然の改善です。

(5)Li-ion電池が内蔵に,単三が横から入れる仕組みに変わったこと

 Li-ion電池は充電器が必要な場合くらいしか取り外し出来る必要がなく,はめ殺しにして大容量化したことは正解です。加えて単三電池を底面から入れるのではなく,横から入れることが出来るようになったことも大きく操作性を改善しています。

 電源に関して言えば,mk2がDCジャックだったものがmicroUSBに変わったので,どこでもAC駆動が出来るようになりました。単三はコンビニで買えて,USBはそこら辺にいくらでもあります。

(6)XLR端子が6.5ミリTRSに対応したこと

 最近は普通になってきた6.5ミリのTRSによるバランス入力に対応してくれました。XLRへの対応は必須だとは思いますが,電子楽器の出力にもTRSが使われる世の中ですし,ここに普通のTSのプラグを差し込めばアンバランスのライン入力になってくれたりする(未確認)ので,非常に便利なのです。

(7)SDカードを横から入れる仕組みにしたこと

 これもmk2からの大きな改善です。mk2では左右のマイクの間,ちょうど頭の部分にSDカードのスロットがありました。これ,カードの交換をするのにいちいちウインドスクリーンを外さないといけないんですよ。

 こう考えてみると,mk2まではかなり無理して詰め込んだことで,操作性が犠牲になっていたんだなあと思います。mk3ではうまく整理されているので,使い勝手が全然違ってきます。

(8)頭部のジャックにはマイク録音に関係しないものが配置されたこと

 頭部の配置に関連しますが,ウインドスクリーンを付けたり外したりというのは面倒な話で,mk3ではマイク録音に関係ない端子を頭部に配置してあります。ライン入力とデジタル入力です。なるほどこれならウインドスクリーンは使いません。

(9)LEDのレベルメータが付いたこと

 これは大きいですよ。LCDにレベルメータがでているじゃないというなかれ。LCDはバックライトが消えているので,良く見えないのです。暗い所ではバックライトを点灯させられない状況も発生しますし,そもそもバックライトは電池を食います。

 ならOVERだけでもいいんじゃないのと言う声もあるでしょうが,それでも不足です。録音中はちゃんと入力が来ているかどうか気になるもので,しかもそれが適正であるかどうかをいつも知りたいものです。

 OVERのLEDが点灯すれば,確かに入力は来ているとわかりますが,その時にはすでにレベルオーバーで録音失敗です。失敗したことを知る事よりも,今うまくいっていることを知りたいという欲求には応えてくれません。

 mk3では,OVER以下に2レベルのLEDが付いています。なんらかの入力が来ていれば一番低いLEDが点灯しますし,真ん中が点灯すれば適正,OVERが点灯すればNGという具合に,少ないLEDで的確に状況を捉えることができます。

 LEDで言えば,録音LEDが底面から見える場所に来たこともうれしいですね。

(10)ワイアードリモコンに対応していること

 WiFiやBluetoothで繋ぐ方法もあるのでしょうが,信頼性の観点からワイアードが一番です。mk2では赤外線にも対応していましたが,結局使い物にならない赤外線を外し,ワイアードに絞ったのは偉いと思います。

 ついでいうと,mk2に付属のリモコンRC-10は赤外線のリモコンですが,受光部がついた枠をはめ込むと,ここから伸びたケーブルによってワイアードリモコンになります。mk3はこの状態のRC-10に対応しているので,わざわざ買い足す必要がありません。

(11)フォーマットが早い

 これも大きいです。SDカードのフォーマットにかかる時間が激減しました。クイックフォーマットではmk2とそんなに変わりませんが,フルフォーマットでの差は顕著で,mk2は電池が切れてしまってSDカードが死んだこともあったくらいです。

 mk3では早く終わるので,本当ににフルフォーマットなのかと心配になるほどです。


・音質

 音質は,まだレビューできるほど使い込んでいないのでなんとも言えませんが,DR-100mk2に比べて生々しさが増したように思います。これは私の好みです。

 また,192kHz/24bitに対応したことで,48kHz/16bitでも余裕が感じられ,DR-100mk2のような48kHzがベースとなったモデルとは一線を画しています。

 音のあたりも自然で柔らかく,しかし全帯域でのスピード感も揃っていて,このあたりはDR-100mk2と比較しないとわからないかもしれません。ただ,DR-100mk2が長時間の録音ではちょっと疲れてしまったことを考えると,これがmk3でどれくらい楽になるかが,今から楽しみではあります。


・まとめ

 DR-100mk2からの買い換えは予定しておらず,LCDの故障がなければmk3を使う事もなかったと思いますが,さすがに現行の最新機種,生まれながらにハイレゾの録音機の余裕は想像以上で,DR-100mk2のような無理をしていない感じがとても馴染みます。

 買い換えて良かったと思います。

新しいデジタルテスタは1700円

 アナログテスタを新調し,アナログテスタの再評価の波が来ている私ですが,そうはいっても普段使いはやはり便利なデジタルテスタです。

 長く秋月のP-10が活躍していた普段使いの主役を,フルークの101が担うことを期待されたものの,購入時点で大きな誤差があり,そのうちエラーで数%の誤差を出すという「故障」に見舞われ,再びP-10が老骨にむち打って私の要求に応えてくれていたんですが,それももう限界。

 正統後継者であるP-16は精度はいいんですが反応が遅く,どうしたものかとおもっていたところ,フルークの100シリーズのそっくりさんが安価に売られていることを知りました。どうも数年前からあるようです。

 形こそそっくりですが,画面は大きく,基本スペックは100シリーズと同じ感じです。それで値段はとっても安く,6000カウントのもので2000円程度です。

 2000円ならダメでも悔しくないじゃないですか。

 ということで,一度は購入手続きをしたんですが,同じシリーズでなんと9999カウント(10000カウントっていうんじゃないんですかね,こういう場合)のものが,実質1700円で売られているのを見つけました。中国からの配送なので時間はかかりますし,不安も大きいですが,この安さには抗えません。

 いろいろ調べてみましたが,どうもZOTECという会社のZT109という製品のOEMのようです。この値段で,この性能で本当に10000カウントなのか?と心配でしたが,10日ほどかかってようやく届きました。

 そう,4000カウントや6000カウントのテスタは,安価で高性能なチップが出回っているのですが,10000カウントってどうなんでしょうね?

 で,早速見てみるのですが,画面は大きく見やすいですし,大きさも使いやすくて,このあたりは期待通りです。

 しかし,質感はいまいちです。スイッチのクリックの感触は悪くはないのですが,そこはやっぱりフルークは良く出来ていて,これに比べると見劣りします。

 ケースにもバリがあり,手にひっかかります。

 中をあけてみると,部品同士の距離を確保していないとか基板の切り欠きや抜きがなく,高圧での安全性への配慮は,さすがにフルークにはかないません。CATIIやCATIIIなんてのは,たぶん嘘でしょう。

 それでもレスポンスはいいし,かわいらしいのも確かです。繰り返しますが1700円です。

 さて,精度をみてみましょう。いつもの基準電圧発生器を引っ張り出し,これを測定してみます。

 数年経過して電圧も狂っているでしょうし,34401Aも較正をしました。以前のようにこの基準電圧発生器を信用していいかどうかは議論の余地がありますが,10000カウントのテスタを見るくらいなら,十分使えるはずです。

 で,全然意味のない数字になってしまうのですが,この基準電圧発生器の電圧が全く変わっていないと仮定し,そこからの差分を見てみることにします。

 参考までに,この標準電圧発生器の,製造元での実測値を書いておきます。

2.50165V
5.00302V
7.50454V
10.00533V

 で,今回のテスタの実測値です。

2.500V -1.65mV -0.065956469%
4.999V -4.02mV -0.080351468%
7.500V -4.54mV -0.060496713%
10.00V -5.33mV -0.053271606%

 おお,これはなかなか。

 誤差が0.1%以下になっているのがうれしいです。

 4桁だと2.50165Vは2.502Vと表示されるとうれしいわけで,そこまではさすがに望み薄でしたが,それでも誤差は2.5Vに対してわずか1.65mVです。それに,そもそもこの基準電圧発生器の数年前の出力電圧値がこの値であるという保証もありません。

 10000カウントですから,8Vや9Vが小数点以下3桁まで出てくれます。それが0.06%の実力だというのですから,十分に高精度だといってよいでしょう。繰り返しますが,1700円ですよ,これ。

 周波数や抵抗も実用上問題はないし,電流は少し少なめに出ますがそれでも1%程度と十分です。それと矩形波の発振出力が用意されていて,50Hzから5Khzまで,それなりの精度の周波数が出てくれます。ちょっとした実験には使えそうです。

アナログテスタの常用機としてCX-270Nを購入

 先日,サンワのアナログテスタ「YX-361TR」を買いましたが,2%以上の誤差があまりに目に付き,力業で調整を試みたという話を書きました。

 結果,私が使いたい範囲において満足な精度を達成したわけですが,そうなってくると妙な愛着と5000円近い価格もあって,常用して使い潰すのがもったいなくなってきます。

 「フルークは神棚に,現場はサンワのPM3」と言った人もいるそうで,まさに言い得て妙です。

 そんなわけで,アナログテスタが使い道によっては大変便利で有用であるとわかったこともあり,もう1つ,安くて使い潰せる実用機を買いたいと思いました。精度の追い込みはすでに出来る事がわかっているので,どんなテスタが来ても,基本部分がしっかり作られていさえすればあとはどうにでもなります。

 そこで早速調べてみたところ,カスタムのCX-270Nというモデルがよさそうです。実用的な機能とレンジ,そしてしっかりとした基本性能で,価格は3000円程度ととてもリーズナブルです。

 とはいえ安いには理由もあって,保証期間が1年間と短いこと,落下の衝撃に対する保証がないこと(これはYX-361TRにもありません),設置角度の規定がないこと,温度や湿度などに対する規定がないこと,校正のトレーサビリティが不可能で公式なドキュメントには測定値を記載できないという問題があるわけですが,個人の趣味でそこまで求めることはなく,年に数回精度の確認をやって安心出来ればそれでよいです。まして,国産かどうかということには,こだわりません。

 まあ,このあたりが神棚か現場かの違いの本質なのでしょう。

 基本性能は,DCが20kΩ/V,ACが9kΩ/Vで,DC電圧のレンジが0.1-0.5-2.5-10,50,250,1000V,DC電流も50uA-2.5-25-250mAとなっていて,YX-361TRと同じで使いやすいです。

 特に電圧の最小レンジと電流の最小レンジが共通になっているあたり,メータそのものの感度が50uAであることを示しています。これもYX-361TRと同一です。

 その上,YX-361TRでは別売りオプションが必要なhFEの測定が最初から可能になっているので,実用性は高いと思います。

 とはいえ,LEDによる導通チェッカも,バッテリチェッカーも持っていないですし,なによりセンターメータ機能がありません。まあ,個人的にこれらの機能はほとんど使わないし,アナログテスタに期待するものでもないので,全然構いません。

 ということで,基本機能がしっかりした安価なCX-270Nに狙いを定めてみると,この商品は家電関係のパーツのメーカーにOEMで供給され,家電のルートでも手に入ることがわかりました。

 計測器のルートでは値引きは少ないし,お店も限られてしまうのですが,家電やホームセンターならいくらでもありますし,安いです。

 案の定,ヨドバシで2750円にポイント10%と,実質2500円以下という価格で買うことが出来ました。YX-361TRの半額です。

 届いたら早速確認です。ブリスターパックを開けると,想像以上に綺麗な筐体と,ゆったりとした動きのメータにワクワクします。ロータリースイッチの感触も素晴らしいです。

 詳しい説明は見当たらなかったのですが,直接見てみたところ,どうもトートバンド式のようです。このあたりもYX-361TRと同じです。

 ただ,そこはやはり値段の問題もあり,全体的に作りは雑です。筐体も厚ぼったい感じがしますし,汚れのような焦げのような成型不良もあります。ヒューズや電池を交換するときには必ず回すことになる背面のネジは太いタッピングビスで,何度か開け閉めするだけでなめてしまいそうな感じです。

 メーターも動きは良いのですが,どうも見にくいです。ミラーはあるのですが曇っていて針の反射が見えないので,その効果がほとんどわかりません。スケールの印刷もなぜか見にくく,こういう所はさすがにYX-361TRは良く出来ています。(余談ですが横河の2051は精度と言い読みやすさと言い,本当に素晴らしいです)

 背面にはスタンドもありますが,アナログのテスターは水平で使わないと指示が狂いますから,実は使ってはいけません。その意味では無用の長物といえるのですが,こういうところのこだわりのなさが,また残念な気分になります。

 こういう細かいところで価格や長く売られているかという差が出るのかも知れません。

 で,測定器の命である精度を見ていきます。

 電圧と電流を前回同様,基準電圧発生器,HP34401A,横河2051などで確認していきますが,電圧も電流も,なんとほとんどズレていません。十分許せるレベルです。最初にきちんとゼロ点調整をしてやれば,ほぼ値が正確に出ます。

 例えば,CX-270Nで10Vになるよう電源を調整してやると,この時34401Aは10.02Vになっています。私の読み取り誤差まで含めて,0.2%の誤差です。どうです,なかなか優秀でしょう。

 電流もCX-270と2051で200mAになるように電子負荷を調整して(そう,CX-270Nと2051の指示はほぼ一致しているのです)やると,この時34401Aは198.6mAです。これで0.7%ですが,250mAフルスケールの電流計としては,十分過ぎる精度でしょう。(JIS1級で1%ですからね)

 これならなにも調整することなく,実戦投入できます。ちょっと拍子抜けです。

 半額なのに,最初からこの精度です。YX-361TRは仕様の範囲内とはいえ,一目盛り分の誤差があったわけですから,なにより精度が重要な測定器において,これはちょっと残念な事だといわざるをえません。

 やれ国産だの,やれ老舗だの,やれ専門メーカーだのと言いますが,結局精度で半額のテスターに負けてしまうサンワに対して,私はがっかりしましたし,それまで私が持っていたサンワの良いイメージが崩れてしまったことも,もう隠しようがありません。

 もし,この精度が2%ズレたYX-361TRを,中学生が奮発して買ったものだとしましょう。彼はもうこの1台で,やっぱりアナログテスタはだめだなと,そう思ってしまうんじゃないでしょうか。

 アナログテスタの良さをもっとも知らしめないといけないサンワが,その評判を落としてしまうようなことをするとは,確かに使用の範囲内ですから問題はないとしても,やっぱり残念でなりません。

 

あのTNGの全エピソードが13000円で手に入った話

 私が大好きな海外SFドラマの1つに,スタートレックシリーズがあります。特に1987年から1994年までの7年間に放送された,The Next Generation(通称TNG)は,にはどっぷりとはまり,毎週の深夜放送を楽しみにしていたばかりか,シーズンごとにリリースされた全話セットのDVDも予約して買うほどでした。

 なにが面白いか,と言う話は私が今さら書くこともないでしょう。冷静に考えるともう30年も前の作品だということを考えると,そりゃ語り尽くされて当然だと思う訳です。

 7年間の間に世界観を統一することすら苦労したはずで,そこに「エネルギーと物質の相互変換」という基本をベースにした面白いテーマを毎回揃え,精緻な設定に矛盾せず,そして最後には人類の到達すべき理想とその普遍的価値観をわかりやすく訴え,爽やかな感動を余韻に見終わるというこの難しい条件を,よくもまあ維持し続ける事ができたものだと,感嘆せざるを得ません。

 スタートレック,なかでもTNGこそアメリカの至宝だ思うのですが,この宝物のコンテンツが最近投げ売りされていると聞きました。全エピソードのBlurayセットが1万円で売られているというのです。

 そんなばかな,どうせ海賊版だろうと思って調べてみると,本当にありました。海外版ですが,日本のプレイヤーで見ることが出来るリージョンで,日本語字幕も吹き替えもあり。画質もちゃんとHDです。(フィルムから起こしたリマスター版かどうかはわかりません)

 なにより,CBS(かつてのパラマウントです)の正規品で,41枚のBDがびっしり詰まってやってくるらしいです。

 私が値段を調べると,13000円ほどになっていました。安いときには1万円を切っていたらしく,みな異口同音に「信じられない」と感想を述べています。

 こういうスポットものは,なくなったらそこでおしまいです。発売から時間が経っていることもあるし,騙されたと思って買うことにしました。

 繰り返しますが,私はDVDのセットを予約して買ってコンプリートしていました。引っ越しを機に売ってしまったので手元には残っておらず,その後4話だけ入ったサンプルのようなBDを1枚だけ買って持っているのが,TNGのすべてです。

 いつかBDのセットが出たら買うかと思って時が流れ,実際に出た時には高すぎて買うことを断念し,今に至ります。本当に13000円で買えたなら,得をしたという気持ちよりも,なにがあったのだと心配になります。

 届いて確かめて見ると,本当に41枚入っていました。全部で7シーズン,箱に入ってきました。再生してみたところ,問題なく再生されますし,字幕も吹き替えも日本紀に対応しています。

 画質は,少なくともSD解像度のビデオをアップコンバートしたものではなく,ちゃんとHDになっていました。どういう素性のものかはわかりませんが,それでも全エピソードが当時の放送を遥に越える画質で楽しめることは確かです。(ああ,これで名探偵ポワロが出ればいいのになあ・・・)

 いくつか目に付いたエピソードを試しに再生してみたのですが,これがまあ面白いこと。6歳の娘も夢中になってみています。

 私は,面白いか面白くないかに関係なく,押さえておくべき「教養」としてクラシック音楽や文学があるのと同様に,映画やポピュラー音楽,コミックにも「教養」として見ておかねばならないものがあるという考え方を持っているのですが,このTNGは,映像作品の教養として,見ておかねばならないものであると思っています。

 つまり,どうもスタートレックにはマニアックとかオタクとか,そういうマイノリティのイメージがついて回っていて,知っている人は無茶苦茶知っているけど知らない人は全然知らないという事実が,そこに横たわっていてめまいがします。

 しかし,そのテーマの普遍性,あるいは先進性から鑑みるに,まさに教養として見るに相応しいものではないかと思いますし,未来と宇宙を描いたSF作品と言いながらも現代の日常とそんなに変わらないという,実は低い敷居ゆえに万人にすっと入っていくであろうストーリーと,同時に2つ3つの話が平行して進んで,最後にそれらがバチッと統合されるという爽快感が,純粋にエンタテインメントして素晴らしく,教養などと硬い言い方をせずとも,見始めればみんな虜になるんじゃないかと,私は思ったりするのです。

 そんな作品を,これだけリーズナブルに見る事が出来る事は,版権を持つ人達に感謝しかないわけですが,先に書いたように,これはアメリカの宝であり,良心です。それをこんなに安売りしてしまって,アメリカの人達はなんとも思わないのだろうかと,そんな風に思ったりもします。


 さて,ずっしり重たい41枚のディスクを手にして,改めて計算します。

 1枚あたり90分として,約60時間。なんと,1日10時間見ればわずか6日で見終わる分量じゃないですか。おお,これは俄然やる気が出てきました。

 ・・・1日2時間だと1ヶ月かかること,そしてなにより週に一度だと7年かかることを,まず最初に考えておくべきです。

 

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