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ozobotでアンプラグドプログラミング

  • 2018/06/13 13:47
  • カテゴリー:散財

 人間というのはどうも偏った考えをしがちで,それもまあ,自然に起きることの時間軸に対して人間の一生は極めて短く,自ずと短期的な視点になりがちであることに理由を求めることになるのですが,社会というのは人間が作った環境であり,当然のこととしてその時間軸は人間の一生に最適化されています。

 ゆえに,親が子の幸せを願って,あれこれと手を打つのは当たり前のことであって,噴煙を上げる活火山や燃えさかる太陽がそれを見て「なんと滑稽な事よ」と冷笑しても,それは全然構わないように思います。

 ここ数年で,STEMだのプログラミングだのと,小さな子供を「理系頭」にすることが流行っています。誤解のないように言っておくと,私自身は理系頭ですし,そのことをとても気に入っているので,自分の子供にはお勧めしたいと思っていますが,100人いて100人が理系頭だと面白くもなんともありませんし,話もややこしくなるばかりで,きっと社会は立ちゆかなくなるんじゃないかと思います。

 こうしたブームは20年サイクルくらいで繰り返しているように思うのですが,今回の理系頭ブームというのはちょっと違っていて,人を出し抜くのに必要という最終ゴールは同じであっても,今回についてはAIなどコンピュータと一緒に生活するのが当たり前のになる世の中で,コンピュータがどう考えるかを知らないと困るから,と言う割にリアルな理由が掲げられています。

 これは私見ですが,コンピュータが考えると言うよりも,コンピュータの考える仕組みをカリカリの理系が考えたりするもんだから,理系の思考プロセスが前に出てきてしまうだけの話であって,いわばその面倒くさい思考プロセスに周囲の人が歩み寄っているという状況を積極的に肯定しているだけに過ぎないと思うのです。

 人によるかも知れませんが,商品の設計を仕事とする私のような場末の理系でも,ユーザーが我々に歩み寄ったら負け,どんな人でも同じように使えて,どんな人にも等しくそのパワーを提供出来ることを目指しています。

 だから,なにも一般の人が我々の思考をくみ取るために子供の頃から特訓をする必要などないし,それはかえって我々にとって申し訳ないことだと感じるのですが,裏返すと親の世代のコンピュータとそれを作った理系の人への漠然とした不信感が,いよいよ危機感のようなものに昇華し始めたということかも知れません。

 思い出して欲しいのですが,コマンドラインをゴリゴリ打ち込むCUIベースのコンピューティングも,その頃のコンピュータを作った人の都合でそうなっていたのが実際ですが,だからといってこれを子供に学ばせないとこの先やっていけなくなるとは誰も思わなかったはずで,現在のスマートフォンのような優れたユーザーインターフェースが登場してようやく,その強力な計算能力が広く一般の人々に開放されたわけです。

 むしろ,そうしたユーザーインターフェースによって,我々は余計な事を考えずに,自分の目的に到達するまでの「近道」を手に入れたことを素直に喜ぶべきであり,それがまだ近道でないと思うなら,「まだまだ遠回りだ」と文句を言えばいいと思うのです。

 さすれば,きっと頭のいい理系の人が,さらに近い道を作ってくれるはずです。
なにも,一緒になって遠回りに付き合ってもらわなくてもいいんじゃないでしょうか。

 閑話休題。

 そんなわけで,読み書きと同じ扱いで理系の思考が行えるように子供を仕込むことを,STEMなどと言ったりするわけですが,確かにそういう分野に興味がある子供は,早めに理系の空気を吸わせた方が楽しく過ごせると思います。

 でもこれはなにも理系に限った話ではなく,音楽でもバレエでも書道でも水泳でもなんでもそうで,早めに取り組めばその分伸びるし,早めに取り組むには興味を持つことが必須なのですから,至極当たり前の話でしょう。

 ただ,理系というのはまだまだマイノリティであり,いざ子供が興味を持ち,ピアノなんかと同じように取り組んでもらおうと思っても,そうした環境が整っていないし,学習のためのメソッドも確立されていないのが現状です。

 そこで欧米を中心に,いかに子供に科学的な視点を持ってもらうかが試行錯誤されてきました。私に言わせれば,それも「自分が理系で良かった」と思う人が,自分が偶然接した(そしてそれは往々にして希な)楽しかった経験を,広くどんな人にも手軽に経験出来るようにしようという,少々お節介な動機によるものです。

 でも,そういう動機を発端とし,実際に子供に幅広く面白がってもらえるような仕組みが,近年の技術の進歩で可能になってきています。その1つが,ロボットとビジュアル的なプログラム開発環境の組み合わせです。

 大きく重く壊れやすく,高価なロボットはこれまでにもありました。子供向けに簡単な開発環境が用意されることも珍しくなく,これはこれで教育用途に面白いだろうと思ったのですが,いかんせん高価で大きいことは子供が扱うものとして,まず最初にアウトです。

 おおむね,普通の理系は自分のレベルでしかものを見ることができないので,そうしたロボットを作ってはダメ出しされると「なんでやねん」と逆ギレするので始末の負えません。

 ですが,世の中には冷静で客観的な理系もいるんですね。先日素晴らしいロボットを見つけたので,買ってしまいました。

 Ozobot Evoといいます。

 Ozobot Evoはこの春に登場した最新機種ですが,1つ前の機種はOzobot bitと言います。ピンポン球くらいの大きさで自走するロボットなのですが,面白いのはこれは基本的には,電子工作の定番であるライントレーサーであることです。

 ライントレーサーは地面に引いた線をトレースするロボットなのですが,簡単なものは線の左右に配置した光センサが黒い線を感知すると,感知した側のモーターの回転数を上げて曲がり,線を跨がないようにするというしくみで動きます。

 Ozobot bitも基本的にはそれそのものなのですが,これが大変面白いのは,黒い線の途中に赤や青,緑と言った色が感知されると,その色の組み合わせでロボットの動きに変化を付けられるということです。

 この色の組み合わせを「ozocode」と言います。速度を変えたり止めたりというのは誰でも想像がつくと思いますが,ozoodeが面白いのは,動きだけではなく指示を出したり条件分岐をしたりという,複雑な指示が出来ることにあります。

 例えば,線が交差する部分を通過するとき,ozobotはランダムにその進行方向を変えます。これはこれで面白いのですが,常に右に曲がって欲しい時には「右に行け」というコードを置けば,その通りに動いてくれます。左もしかりです。

 また,ジャンプと言って黒い線を無視して進む事も指示できますし,30秒後に止まったり,3秒間止まったりという「実時間」に従う指示も存在します。これ,結構大きな事ですよ。なぜなら,リアルタイム処理ですからね,30秒後に止まるという指示を出せば,そこから30秒間の間にどんな指示があっても止まることになるので,OSでいうところのプリエンプティブな世界なわけです。

 ジグザグに動いたり,クルクル回ったりする動作も1命令です。これは本来複数の命令で実装される動作ですが,ozocodeではそうした細かい動作をひとまとめにして1命令にした「マクロ」をよういしてあるわけですね。なかなか本格的じゃないですか・

 さらに決定的と思うのは,カウンタを持っていることです。マシン語を使える人なら想像がつくと思いますが,CPUの条件分岐はすべからく,カウンタの中身を比較することで行われます。つまり,カウンタこそコンピュータのコンピュータたるゆえんであるのです。

 ozocodeには,なんと4つのカウンタが用意されています。線が交差した時に増えるカウンタ,曲がったときに増えるカウンタ(つまり交差点を直進した場合には増えない),(コードではない)色が変化したときに増えるカウンタ,そしてコードによって増減可能なカウンタです。

 それぞれ,カウンタが5になったら,ozobotは停止します。

 特に面白いのは,やはり増減可能なカウンタです。カウンタを+1する(インクリメントと言いましょう)コードと,-1する(デクリメントと言いましょう)コードが存在し,カウンタが5になると止まるというものになります。ただし,カウンタが持てる数は最大で5なので,インクリメントを10回繰り返しても5までしか増えません。

 止まるというのが物足りないところではありますが,動くか止まるかですので,立派な条件分岐です。

 これを使えば,ループが書けます。5回のループでも何度か繰り返せば任意の回数をループできます。

 さて,こんな風にozobotに指示を出すのに,紙と何色かのペンがあればいい,といのはなかなか興味深いもので,コンピュータや電気で動く機械を使わずにプログラムを作る事を「アンプラグドプログラミング」と呼んだりします。

 実のところ,プログラムを書くことには,コンピュータに指示を与えることとや,論理的な思考を鍛えることにゴールがあるにもかかわらず,プログラムを書くために覚えないといけない作法や決まり事,プログラムを書いたり走らせたりするために覚えないといけない機器の使い方がたくさんあり,これがプログラム作成という本質に届く前に大変面倒なこととして立ちはだかります。

 我々は,プログラムを書くのに当然のこととしてエディタを使っていますが,エディタの使い方を知らないとプログラムを書けないため,まずはエディタの使い方を習得しないといけないわけです。急にviで書けと言われて困惑した経験,ありませんか?

 プログラムを書くことで食べていく覚悟のある人は商売道具としてエディタの習得をする価値がありますが,プログラム作成を通じて論理的思考を学ぶ子供たちにとって,エディタの使い方は本質ではありません。

 そこで,アンプラグドです。何色かのサインペンに紙があれば,ozobotをプログラムできるわけです。

 そして,さながらozobotは,擬人化したCPUです。これは楽しいですね。

 こんな風に,ozobotに指示を出し,思い通りに動かす事が出来ればもう立派なプログラマーです。

 ozobotにはもう1つのプログラム方法があります。それがozoblockyです。

 Scratchというプログラミング環境をご存じの方も多いと思います。子供たちのプログラム学習によく使われる学習環境で,GUIベース,直感的,そして文字を打ち込む必要がほとんどないというものです。

 やりたいことを選んで並べて完成なのですが,これとほとんど同じ方法でozobotをプログラムするのが,webベースの環境「ozoblocky」です。

 ozoblockyはなかなか本格的な機能を持っていて,ループも分岐も自由です。変数を持つこともサブルーチンを作る事も出来るので,かなり本気のプログラムが作れるはずです。

 そして作ったプログラムは,ライントレーサらしく,光センサ経由で転送されます。ozoblockyの画面の一部が明滅し,これをozobotの光センサが受信してプログラムが転送されるのです。

 時間はかかるし信頼性も今ひとつなのですが,これまた転送のためにあれこれと設定したり作法を学んだりするのも面倒ですし,物理的なインターフェースを用いるなら,それが利用可能な環境でしかozoblockyを使えません。

 転送できない場合のトラブルシューティングに手間も時間もかかることを考えると,こういう方法はとても賢いと思います。

 6歳になる娘に,ozoblockyの使い方を少し説明し,ozobotに転送して動かしてみると,娘は目をキラキラさせて自分でやりたいと言い出しました。

 娘は動きよりも綺麗な色で光ることに興味を持っているので,ozobotを様々な色で光らせて遊んでいますが,すでにループも組み込んで,自分のやりたいことをプログラムに書き,その結果を実際に確かめて修正と改良を繰り返すという,まさのプログラミングの醍醐味を楽しんでいます。

 自分のやったことのフィードバックを得ることやものを作るという事は,普遍的な楽しさがあるということなんでしょうね。

 ozobotの最新版でるevoでは,BLEを使ってスマートフォンをリモコン代わりにしたり,ozoblockyのプログラム転送をBLEで行ったりして,さらに便利に面白くなっています。障害物センサも搭載しているので,これもうまく使えば面白い事が出来そうです。

 うちは,子供が使えるiPadが古いせいでBLEが使えず,せっかくのevoの機能を生かせていません。しかし,それでも6歳の子供は面白がってozobotにプログラムを書いていますし,それが「プログラミング」であることをすでに知っていて,およそどんなコンピュータも同じ理屈で誰かが動かしていることを理解しています。

 残念なのは,結構高価な事です。evoのスタータキットが約2万円です。bitだと海外では50ドルくらいから買えそうなのですが,日本では残念ながら2万円弱と大変高価です。

 2つで1万円くらいだと,むしろbitをおすすめしたいところなのですが,しゃべることが思いのほか楽しい事もあり,この際evoをおすすめしたいと思います。

 最近,コンピュータが必修に決まった事で,親御さんが浮き足立っているようです。そうした人々を狙った業者も続々出ていて,なんだか不気味な感じがするのですが,小学校でプログラムに触れた私などからすれば,子供の好奇心はきっかけで開花するもので,そのきっかけとして今どきの子供にはozobotがあることを,とても羨ましくおもったりするのです。

 惜しいのは,私が子供の頃のパソコンは,子供自身が欲しくて欲しくてたまらず,親にねだって買ってもらったものなのに,ozobotは肝心の子供の目に触れるが少なく,いわゆる意識の高い親が子供に買い与えるものになっていることでしょうか。

 子供の好奇心は,自らの内側から発生したものこそ,本物である事を書いておきたいと思います。

 さて,私ももう少しアンプラグドプログラミングを愉しもうかね。

 

GからEへ

  • 2018/06/11 16:02
  • カテゴリー:散財

 やっちゃいました。

 大三元のうち,標準ズームと望遠ズームの2本を,一気に最新型に更新してしまいました。しかも全部新品です。

 そうです,今私の手元にあるのは現行の大三元です。標準ズームはAF-S24-70mmF2.8E ED VR,望遠ズームはAF-S70-200mmF2.8E FL ED VRです。

 お金はかかりました。白状すると,払ったお金に対する感動は,前のレンズを買ったときの方が大きく,今回は希薄といっていいです。

 先ず最初に更新を考えたのはAF-S70-200mmF2.8Gでした。

 新品で買ったこの個体ですが,キャッシュバックまで入れると20万円くらいで買っています。当時は安かったんですねえ。あたりの個体で,これを初めて使ったときに感動は忘れられません。

 しかし先日の子供の運動会で2倍テレコンと共に活躍してくれた時,このレンズへの信頼が揺らいでいたのでした。

 まず,寄れない。これはよく言われていることで今さらなのですが,せっかく70mmからF2.8のズームなのに,1.4m以内はだめというのは厳しいなあと思います。

 次に,解放時の光量落ちがひどい。周辺光量が落ちるのはわかっていますが,これが全体を引っ張っていく感じで,暗くなります。以前こんなにひどかったかなあと思うほどだったのですが,仕様であっても個体差であっても,これはちょっと看過できません。

 そしてVRの効きの悪さです。VRがあるだけましというくらいに考えていたのですが,どうもVRをONにすると,かえってブレが多くなることに気が付きました。

 詳しく調べてみると,どうもシャッター半押し(もしくはAF-ON)からファインダー像が安定するまで,長いときは10秒近くかかることがわかりました。短いときは一瞬だったりするので,さらに調べてみると,どうも大きくカメラを動かしてしまうと,再びVRがONになる時になかなか安定しないことがわかりました。

 例えば,シャッターを切った後に撮影画像を確認しようと,カメラの背面を上に向け画像を再生してから,もう一度カメラを構えてVRをONすると,ファインダー像が安定するのに10秒近くかかるのです。

 カメラとレンズが90度回ってしまうことで,最初から演算をやり直す羽目になるのか,センサーが安定するまで時間がかかるようになるのかわかりませんが,これでは画像の確認を行えないです。

 しかも,この不安定期間で撮影を行うと,もうブレブレの画像になるんです。だから,やっぱりファインダー像が安定までの時間を短くするならカメラとレンズをできるだけ動かさないようにしないといけないし,撮影画像の確認をするなら10秒近い撮影不可能時間が出ることを覚悟せねばならないわけです。

 さすがにこれ,故障かと思いました。でも,同じ状況の人も多くいるようなので,おそらく仕様でしょう。

 また,TC-20EIIIを使った400mmF5.6の画質が思ったより悪く,がっかりしたというのもマイナス点でした。色収差が大きいこと,そして特に青系の色が強く出過ぎることに困ってしまい,これなら300mmF4にTC-14EIIの方が良かったかもなあと思ったほどです。

 こういう欠点が目に付き始めると,なかなか落ち着かなくなるものです。そしてこれらが故障やトラブルの前兆の可能性だと思うと,早く手放してしまう方が賢いと浮き足だってしまうわけです。

 今ちょうど,Eタイプのレンズを特価している店が見つかっていて,下取りもそれなりにいい値段を出してくれることもわかっています。差額は14万円ちょっとなので最安値とはいいませんが,それでもこの時期にこの差額というのは,なかなか良い条件です。

 この機会を逃すと,もう買い換えられない・・・その時このレンズは故障していないと言い切れるだろうか。

 そこで,買い換えることにしたのです。

 標準ズームのAF-S24-70mmF2.8Eの買い換えは,この商談が進んでいるときに偶然ででた話でした。

 GタイプからEタイプへの買い換えは,当初あまり考えていませんでした。というのも,AF-S24-70mmF2.8Gが私はとても気に入っていて,特に私が持っていた個体は逆輸入品で安く買えた割には新品で,しかもあたりだったこともあって,これをこえる満足度を得るのは無理かもと思っていたからです。

 VRがなくても全く気にならず,開放から端っこもぴしっとシャープで,細身の鏡筒は持ちやすく,とてもバランスのいい画を吐き出してくれるこのレンズに,私は全幅の信頼を置いていました。

 ただ,使用頻度を上げるには「これでなければならない」という強い個性を欲していたのも事実でした。

 GからEに変わって,Gの欠点がことごとく払拭されているといいます。VRはついた,像面湾曲も解消した,周辺光量の低下も軽減し,絞りの精度も向上,AF速度はさらにあがってすでにユーザーの間では速度ではなく加速度が議論になっている,などなど。

 画質の向上も手ぶれ補正という使い勝手の良さも確かに魅力的でしたが,一番欲しいと持ったのは堅牢性です。Gタイプは鏡筒の弱さが良く指摘されていて,特にヘリコイドの故障が多いといわれています。

 そんな話を聞いていたら,なかなか持ち出せないじゃないですか。

 しかし,このレンズは品薄で,どこも在庫がないことで有名です。特にVRが付いたことで買い替え需要が旺盛,とりわけD850との相乗効果でとにかく手に入らないのです。

 察するに,設計がなかなかアクロバティックで,逃散が難しく,なかなか歩留まりがあがらないか,部品の手配が追いつかないか,そういうこともあるんじゃないかと思っています。

 あるお店で納期を聞けば,2ヶ月という返事です。とりあえず予約を入れますが,まあ今回は70-200mmF2.8だけ更新しようと考えて,このレンズが安い荻窪のお店に電話します。

 で,話のついでに24-70mmF2.8Eの在庫を聞いてみますが,ここもやっぱりなし,予約を入れないと納期を教えてもらえないので,やむなく予約をいれます。

 電話を切って5分ほどすると,荻窪のお店から電話がかかってきました。24-70mmF2.8Eがちょうど入荷して,私の分が確保出来たというのです。

 これも何かの縁。買うことにしました。

 ということで,経緯はこんな感じで,一気に2つの高価なレンズを買い換えることになったのです。

 実は,70-200mmF2.8Gの下取り価格は,当初113000円と聞いていました。しかし査定に出すと11万円だといいます。何が悪かったのかと聞けば,ちょっと間があって「ホコリが入ってた」というんですね。

 ほこりくらいで3000円も引かれるのか,えげつないなあと思ったのですが,顔に出ていたんでしょうね,少し考えてから112600円でどうですかときました。

 まあ400円くらいですし,他のお店に持っていっても似たようなもんだと思ったので,これでOKしたというわけです。

 中野のお店では,下取りだと最大116150円になるそうですが,ここは70-200F2.8Eの売値が高いので差額はかえって大きくなります。買い取りだけにすると111100円。この段階ですでに中野で売るという選択肢はないのですが,これらの価格は上限であって,なにかとケチが付いてこの値段にはならないものです。

 マップカメラではワンプライス買い取りでぴったり10万円ですので,まあそれくらいの価値なんでしょうね。

 ということで,ちょっと残念な気もしましたが,最終的には目一杯買い取ってもらえたように思いますし,どのみち売らないという判断はなかったわけですから,いずれ壊れたらという不安をここですっきり出来るという点でも,良かったと思います。

 さて,がらにもなく高額な商品を現金で買って抱えてかえったわけですが,緊張のあまり無口で,かつ寄り道もしないで,気が付いたら自宅でした。おそらく手と足が同時に出て歩いていたんじゃないかと思います。

 使ってみたレビューは,次回に。

 

SIRUIのカーボン一脚は本当に素晴らしい

  • 2018/05/30 11:54
  • カテゴリー:散財

 少し前ですが,以前から欲しいと思っていた一脚をamazonのタイムセールで見つけて買いました。2500円ほどの安物で,アルミ製6段のものです。

 もしもの時のために持っていくという目的のため,何より小さく軽いことが重要だったのですが,価格も2500円ならまあ失敗してもいいかと,そういう風に考えてしまいました。

 届いたものは案外しっかりしており,携帯時の小ささといい軽さといい,案外使えるなあと思って喜んでいたのですが,いざ真面目に使ってみようとすると心配で本気では使えないと判断しました。

 1つは,簡単に壊れてしまったこと。誤解のないように言っておきますが,折れたり破損があったりと,完全に使えなくなってしまうほど壊れたわけではなく,使い方に気をつけないとまずいという感じです。

 この三脚は足をねじって固定するのですが,しっかり固定しようとするとそれだけ強くねじらないといけません。そうすると収納時には逆にねじって緩めるのに力がかかるのですが,すべての段で均等な力で緩むとは限らないので,ある段だけ緩まないという事が起きてしまいます。

 それでも足先を持ってひねれば大丈夫だと思っていたら,足先が外れてしまい,結局緩まないままになってしまいました。

 仕方がないのでここにシリコンスプレーをかけ,プライヤーで挟んでねじったのですが,ここでふと思いました。シリコンスプレーをかけてしまったら,簡単に滑って縮んでしまうじゃないか?

 それに,足先が緩まない程度にしかねじられないのであれば,軽いものしか支えられないんじゃないのか?

 ということで,伸ばした状態で上からぐいっと押してみると,簡単に縮んでしまったのです。

 もともとこの一脚はコンデジや小型のミラーレスを想定したもので,D850クラスをカバーしません。要するに私の期待が法外なものだったということに尽きるのですが,もしも緊急時にD850 + MB-D18 + AF-S70-200F2.8VR2なんかをこいつで支えたら,なんかの拍子にするすると縮んで転倒してしまうかも知れません。

 いやーこわいこわい。

 そういう危険性が分かっているのに,これを緊急用にと携帯しても意味がありませんわね。使えないもの,使えば事故になるものなんですから。

 でも,コンデジや小型ミラーレスで一脚が必要になるシーンて,私はちょっと想像がつかないです。一脚は三脚と違って誰かが支えていないといけないものですから,主な用途はブレ防止です。

 でも,コンデジもミラーレスも超望遠を扱う事は少ないでしょうし,軽いものだし手ぶれ補正もしっかりしているので,そもそも一脚などいらないんじゃないかと・・・

 まあ,そういう話を個々でしても仕方がないので,D850でも安心して使える,軽くて小さい一脚を買うことにします。

 前回の安いものは最大長がやや短く,D850ではかなり前屈みになってしまい,腰に悪いことも判明しています。自然なアイポイントにくるよう,もう少し長いものを選びたいところです。

 剪定の際に,ちょっと考えないと思う事がもう1つあり,それは中国のSIRUIというブランドの製品を選択肢に入れるという事です。

 中国ブランドで中国製の安いものは,やっぱりまだまだ安かろう悪かろうであることを否定できずにいて,作りが悪い,基本性能を満たさない,すぐ壊れる,使う側の歩み寄りを求めるといった問題が時にあり,このあたりはけっこう運の要素と,使う側の理解が求められるところです。

 カメラ本体やレンズは難易度が高いとしても,写真用品は技術的にはそんなに難しいものはなく,安さやアイデア勝負になるところがあり,最近ちょっとずつ中国製の評価が高まっています。

 そうはいっても,中国製でもよいものはそれなりに高価で,それなら日本のメーカーのものでいいんじゃないかとか,そういうこともあってこれまであまり中国ブランドの高級品を買うことはなかったのです。

 そんなおり,SIRUIというブランドの評判が高いことを知りました。三脚のメーカーで,カーボンの本格的な三脚が破格で売られています。それは国産のアルミ三脚よりも高いくらいなのですが,カーボンの三脚としてはとにかく安く,国産のアルミか中国のカーボンかで悩むという,新しい選択肢が誕生したのでした。

 もちろん,プロも使うハスキーやジッツオ,マンフロットがいいのは分かってますが,これらのカーボン製は非常に高価で,三脚の出番が少ないインドア派のアマチュアである私には,もはやサッカーボールやランニングシューズを買うくらい無駄なことです。

 一方,インドアな人ほど三脚が有効であり,体力的に持ち運びのため軽いことが求められるという矛盾もあって,いつもここで考えるのをやめてしまうのです。

 しかし一脚なら話は別。足が1本ですからもともと安いですし,軽くて小さい事は持ち運びが楽な事だけではなく,カバンにすっぽりと入ってしまい邪魔にならないという強力なメリットも生んでくれます。

 なら奮発するか,と言う話になると,やはり先程のSIRUIが気になってきます。

 調べてみると,P-326という製品が私にぴったりです。カーボン製の6段で,耐荷重10kg,長さは最大154cmで,重さはなんと400g。収納時には38cmまで縮むので折りたたみ傘くらいの感じです。

 これで価格は8760円に10%にポイント。アルミ製なら5660円なので3000円も安いので,これはこれで十分ありなのですが,その代わり100gほど重くなってしまいます。

 100gを3000円で買うかという判断なのですが,最初からカーボンを使ってみたいと思ったことと,それでも100gは大きいし,耐荷重もカーボンの10kgに対し8kgと2割も減り,アルミとカーボンでは強度が違うと考えて,ここは迷わずカーボンを選びました。

 冷静に考えると,中国製に安いとは言え9000円もする一脚を買うのですから,もし失敗したらどうしようかと心配だったのですが,注文後数時間というヨドバシのスピード配達がその心配を拭き飛ばしつつ,私の手元にSIRUIのP-326が届きました。

 早速試してみましたが,これ,いいんじゃないですか?


 まず,重さですが,400gは確かに軽いと思います。手に持ったときに「軽い!」という印象が簡単に沸くでしょう。これが500gだと「まあこんなもんかな」で終わったでしょうね。カーボンで正解でした。

 大きさは,最大長の154cmは私には十分な長さです。D850にMB-D18でも,無理のない姿勢でファインダを覗き込むことが出来ます。それにしなったりたわんだりせず,確かな剛性感があります。

 携行時の38cmはちょっと長い感じで,これだとカバンを選ぶだろうなと思いますが,それよりパイプが太いのでずんぐりとした印象が強く,むしろこっちが理由で持ち運びが心配になるような気がしました。

 加工精度といった品質については,まさにこれをここで書きたかったと思う程の満足感です。バリであるとかひっかかりといったようなものはなく,丁寧な仕事の結果だと思います。いや,この行き届いた感が中国ブランドにあるというのはうれしいです。

 ガタもないし,するすると伸び縮みするカーボンの足は加工精度も高く,ロックもしっかりとかかり,不安がありません。

 そして,案外適当に扱われることのある付属品などの部品ですが,カメラ台もしっかり精度良く作られていますし,ストラップやストラップを取り付ける金具も良く出来ているので,いい仕事をしていると感心しました。ただ,コンパスはいらんかなあと。

 また,ウレタンのグリップもよいものを使っているようで,握った感じがとても良いですし,足も可変石突になっていて,ゴム足とスパイクを使い分けられます。

 それとちょっとびっくりしたのは,本体の保証が6年なんですね。もともと安いものですから,6年も保証をしていたら赤字になるんじゃないかと思ったのですが,それだけ壊れないという確証があるんでしょう。大したものです。

 総じて満足度が高いです。この値段ならアルミよりカーボンがおすすめです。

 一脚も三脚もそうですが,使ってみてしみじみ実感するのは,しっかりしたものほど持ち運びが大変だということです。

 当たり前過ぎて失笑が漏れるほどですが,小さくたためるものは可動部が多く,ガタが増えますし剛性感も失われますし,軽いものは安定性に欠き,しなったり剛性感がなかったりします。

 この持ち運びとしっかり感は相反する要素なわけで,これを高い次元で両立しているのがカーボン製なわけです。しかし,これには3つ目の価格という要素が邪魔をします。

 そこにSIRUIという価格も解決するようなブランドの存在があり,我々は非常に良いものを手軽に買うことが出来るようになったのですから,わざわざアルミを選ぶ理由はないと思います。

 持ち運ぶときは小さく軽く,使う時は10kgまで支えられる剛性感を堪能する,これがこの値段です。素晴らしいと思います。

 このSIRUIと言うブランド,日本には2011年に入ってきているそうです。もう7年も日本で頑張っているのに,その間に値段が上がったりしませんし,品質やサポートで不評を買ったりもしていません。むしろその知名度はどんどん上がり,大手量販店でも売れ筋に入っています。

 安いものはそれなりだ,という私の考えは,どうもSIRUIには当てはまらないようです。同時に,中国の工業製品の本当の力を,今回は見た気がします。

 中国製品は我慢と理解で買うものではなく,積極的に選ぶに値するものになっていると,考えを改めることになった記念碑的製品が,この一脚であると私は記憶することになるでしょう。

 

ES-2でネガを取りこんでみる

 長期にわたる発売延期の末,さる3月末にようやく発売になったニコンのES-2。名前だけ聞いて「あああれか」と思う人とはじっくり呑みたいと思うのですが,多数の知らない方々のために少し説明をすると,D850のオプションとして用意された,フィルムのデジタイザです。

 デジタイザというからにはフィルムをデジタルデータ化するものなのですが,大げさなものではなく,マイクロニッコールでフィルムを等倍で撮影するための,フィルムを保持したりする小物群の総称です。

 これを使えばかつて高価だったフィルムスキャナと同じことが出来る(というよりもっと簡単にできる)わけですが,そもそもまともなフィルムスキャナが新品で手に入らない現状では,とてもありがたい製品です。

 仕組みはなにも大げさなものではなく,フィルムをマクロレンズを使って等倍で撮影するための,補助用具です。

 とはいえ,マクロレンズで等倍の複写を行うのって,やってみればわかるのですがなかなか難しいものです。平面を維持すること,均一でムラのない光源を用意すること,カラーなら演色性の高い光源が必要な事など,理屈は簡単でもなかなかうまくいかないものです。

 しかも今回はフィルムという小さなものが相手です。平面を維持して固定するだけでもなかなか大変ですし,フィルムは光を透過させて撮影しますから,面光源でなくてはなりません。

 そこでES-2は,フィルムを挟み込むホルダー,そのホルダーをマクロレンズと平行に固定する本体で構成されています。本体の後ろ側はすりガラスのような拡散板がついていて,面光源を作る役割を担っています。

 本体とマクロレンズの先端にねじ込むアダプタはある範囲で動くようになっていて,マクロレンズと平行を保ったまま,距離を固定することができます。

 こうした小物がいくつかで構成されたES-2で,確かにフィルムを「撮影」してデジタルデータ化することは出来るでしょう。しかしそれだけでは実用的ではなく,ミソはD850に内蔵されたネガポジ変換機能です。

 いや,単なるネガポジ変換などPCのソフトでどうにでもなるだろう,というなかれ。ネガフィルムはネガポジ変換(補色への置き換え)だけでは綺麗な色は出ません。これは,フィルムのベースがオレンジ色をしているからで,このオレンジかぶりを補正しないといけません。

 このネガポジ変換機能を本体の機能として組み込んでおくことで,手軽にカラーネガをデジタルデータに出来るというわけです。

 この手のものは昔からあるにはあって,ニコンもES-1という安価な製品を出しています。他社カメラのユーザーも買っている隠れた人気商品ですが,実のところデジタルカメラ本体の性能も良くないといけませんし,画像処理の手間を考えると,お遊びのレベルを超えてなかったように思います。

 フィルムスキャナが優れていたのはオレンジかぶりの補正もそうですが,カラーネガは適正露出から外れるとカラーバランスが崩れてくるので,露出の補正は明るさと色の補正を必要とし,これをきちんとやってくれることにもあります。

 さらに高級機(というより実用機)は赤外線を使ったゴミ取り機能も持っているので,手作業で行うゴミ消しのレタッチをしなくて済むという,大量の写真を処理する時には,そのありがたみを実感したものです。

 また,カラーネガにもポジにも言えますが,画像処理を細かく調整し,フィルムや撮影画像の個性をうまく引き出すような設定も可能になっています。

 D850とES-2の組み合わせで実現するフィルムのデジタイズは,カラーバランスの補正もゴミ消しもやってくれません。画像処理の設定も触れないので,基本的にはフィルムをセットしてシャッターボタンを押すだけの作業です。

 ところが,たったこれだけのことで,とてもうまくデジタル化が出来るのです。

 ところで,なんで「スキャナ」じゃないのか,と言う話ですが,フィルムスキャナは1次元のラインセンサを使い,1ラインずつフィルムを取りこんでいったのでスキャナ,一方でD850は2次元のイメージセンサを使い,一発で画像を取りこみます。

 だからスキャンはやっておらず,そこは生真面目なニコンのこと,スキャナではなくデジタイザなんですね。

 話を戻すと,ES-2はその品物を見ると,2万円は高価だと思います。先に言ってしまうと,得られる価値は2万円を優に超えると思いますが,これなら数千円で買えるES-1を使おうと思う人がいるのも無理はありません。

 しかしそのES-2,待たされた&高価なだけに,細かいところに気が利いて,とても良く出来ています。

 対応レンズはマイクロニッコールの60mm(AF-SとAIAFの両方)と,40mmの3本に正式対応です。とはいえ,レンズと連動する機構があるわけではなく,本体がES-2を認識して設定が自動的に切り替わったり,特殊な機能が発動したりといったギミックはありません。

 余談ですが,そういうギミックがあることを喜んだり,逆にギミックがないことを残念がったりするのが自然な発想のように思うものですが,見方を変えるとそうしたギミックがなくてもちゃんと便利に使えるものならそれが一番いい訳で,まずはそうしたシンプルで機能的に十分なものを考えていく必要があると私は思います。

 光源は各自で準備しないといけませんが,窓際で太陽光を使ってもいいくらいです。しかし,蛍光灯やLED電球の演色性の低いものを使ったり,最初から色味が付いている光源を使うと,発色が悪かったり,色が転んだりしますので注意が必要ですし,いくら拡散板があるとはいっても,やはり点光源だと明るさにムラが出てしまいますので,できるだけ面光源を確保したいところです。

 私の場合,昔買ったライトボックスを使いました。今はもう見る事のない冷陰極管を使ったもので,今どきのLEDのものに比べて見劣りしますが,実は冷陰極管は演色性が高い(ものを作れる)ので,このライトボックスはこういう用途には好ましいです。

 これをES-2と平行に置いて,平行光にします。

 フィルムホルダーにネガを挟み込み,本体に差し込みます。D850をライブビューにしてES-2本体を前後に動かしたり回転させたりして,ちょうどいい大きさで,まっすぐ取り込めるように位置を調整して,固定用のネジで動かないようにします。

 D850の設定から,ライブビューのネガの取り込みを選ぶと,さっとネガがポジに変化します。これはなかなか見事です。

 あとはオートフォーカスでフィルム面にフォーカスを合わせて,どんどん撮影していきましょう。1コマ撮影したら1コマずらして,あっという間に6コマ終わります。これは早いし楽です。

 F8まで絞り込まれるのでシャッター速度は1秒近くになり,手ぶれが心配になる課も知れませんが,カメラと一緒にフィルムも動くので,手ぶれはありません。とはいえ,手ぶれなどの振動でフィルムだけ別の動きをしたり,風があったりしたらぶれるので,出来るだけ早い方がいいのは確かです。光源が明るい方がノイズも少なくて好都合ですし。

 そんなわけで,1コマ1秒くらいで撮影出来るので,ネガの交換の手間を考えても,36枚撮りのフィルム1本を数分で処理できます。

 取りこんだ画像はなかなかよく,考えてみたら高性能なマクロレンズと4500万画素の高級機を使うのですから,かなりお金のかかったスキャナということが言えるわけで,この結果は当たり前といってもいいでしょう。

 実際,銀の粒子がきちんと描画されており,すでにネガフィルムの解像度をD850は越えていることが伺えます。

 期待していたのは,ネガフィルムの画質が今風になっていることだったのですが,そこはやっぱりネガフィルムらしさを残しているので,昔のネガフィルムを現代に甦られるというような使い方には厳しいと思います。

 ちなみに,フィルムのデジタイズ機能にはネガポジ反転を行うカラーネガフィルムだけではなく,そのままを取りこむポジや,モノクロネガを反転させるモノクロネガフィルムにも対応します。

 このうちポジの取り込みは通常の撮影と同じということもあり,RAWでも残せるし,ホワイトバランスも調整可能なのですが,カラーネガについてはネガポジ反転の処理をやる関係か,JPEGのみの出力です。これはちょっと残念です。

 とまあ,全部で8本のカラーネガを取りこんでみました。

・良い点

(1)スタンドアロンでカラーネガが取りこめる

 これは結構重要です。後述しますが,ディスコン前に意を決して購入したフィルムスキャナCoolScanVは,本体はまだまだ元気なのにPCのソフトが更新されず,現行のMacでは全く使うことが出来ません。

 Windowsでも裏技を使い自己責任で動くようにするのがやっとで,やはりPCを使うことが前提になると,案外早くに使えなくなってしまうものです。

 トータルの性能はPCの処理能力にも引っ張られますし,PCのメンテを怠るとサ行が止まることもしばしばですから,スタンドアロンで動くのであればそれが一番いいです。


(2)高速

 なんといっても,シャッターボタンを押すだけで取りこみ完了ですから,早いです。フィルムスキャナでは1コマに数分かかります。


(3)高画質

 素晴らしい解像度,素晴らしい発色,そして素晴らしい画質で,これがフィルムかと思うほどの高画質で取りこめます。安価なフィルムスキャナには,高速でも画質がビデオ並みというのもありますから,これはD850とマクロレンズの高性能が生かされた例だと思います。


(4)テレビに映してみんなで見られる

 そして,その高画質をHDMIでみんなでテレビで見られます。これもこれまで,出来そうで出来なかったことで,昔の写真をワイワイみんなで見るという楽しい使い方が出来ると思います。


(5)なかなかうまくネガポジ反転しているので色もいい

 オレンジベースのネガフィルムは単純な反転ではダメで,ちゃんと画像の処理をしないといけません。そこはやはり,かつてフィルムスキャナをやっていたニコンだけに,ノウハウが伝承されていると期待したいです。


(6)作業スペースが少なくていい

 小さい作業スペースがあれば十分で,これがフィルムスキャナにPCだと大ごとになっていました。電池で動くことも重要で,これでフィルムの取り込みが身近なものになったことは間違いないでしょう。


・悪い点

 大きく重くPCが不可欠で取り込みに時間がかかるフィルムスキャナとの比較でES-2と比較してみると,案外ES-2の欠点が見えてきます。

(1)ゴミ,ホコリ,キズに全く無力

 CoolScanVには,DigitalICEという赤外線を使って取りこんだ画像からゴミ,ホコリやキズを消す機能が備わっています。

 赤外線を使えばこうしたゴミやキズだけをスキャンできるので,これを元にゴミやキズの場所を特定し,消したりぼやかしたり出来るという機能です。

 ES-2を使って取りこむと,当然こうした機能の恩恵にあずかれません。キズもそうですし,案外面倒なのはホコリで,ポンポンとテンポ良く撮影して取りこんでも,あとで見返すと大きなゴミでやり直しになることが多く,うんざりします。

 それでもホコリはやり直せますが,キズはもうどうにもなりません。


(2)ホルダーが使いにくくて6コマごとのネガの交換に時間がかかる

 ES-1とは違って,ES-2では6コマのスリーブを連続して扱えるホルダーが使えるようになりましたが,このホルダーが案外くせ者で,なかなかうまくネガを挟めません。無理に挟むと傷を付けたりしますし,油断すると斜めになります。

 それに,古いカメラでは案外コマ間がばらつくので,結局1コマごとにいちいち確認して位置を合わせる必要があったりします。

 だから,取り込みそのものは1秒までで終わるのですが,フィルム1本を終わるのにかかる時間は案外多くて,30分ほどかかってしまいます。実は,これだとCoolScanVでかかる時間とそんなにかわりません。


(3)RAWで残せない

 これも問題です。私としては,ネガの画像もじっくり仕上げたいと思っていて,それは現像と言うよりもプリントという作業工程だと考えていました。ですが,ES-2ではJPEGしか出力出来ませんので,そこからの加工にほとんど自由度がありません。

 CoolScanVもRAWで残せない(残せるのだが現像ソフトで扱えず,しかもその実態はTIFFらしい)ので期待したのですが,その期待は裏切られてしまいました。

 ホワイトバランスや色の調整,トーンカーブの修正もしたいし,ノイズの除去,退色の補正は必要でしょう。ホコリやキズを自動で消せないなら,せめて手動で消すためにも,JPEGではなくRAWで残せるようにしてほしいと思いました。


(4)色の調整が出来ないので退色したネガには無力

 JPEGでの出力でも構わないのですが,なにせわずかな明るさの変更くらいしか調整がほとんど出来ないので,ネガを作品として仕上げるのはあきらめた方がいいかもしれません。

 D850はホワイトバランスが優秀なのでつい忘れがちですが,フィルムのホワイトバランスは太陽光で固定です。蛍光灯では緑にかぶりますし,適正露出から外れると色が転びます。さらに,経年変化でも色が変わっていきます。

 デジタルは,こうした色の修正などは得意技なのだから,取りこんだネガもある程度の自由度があると信じていましたが,ほとんど変更出来ません。JPEGでいじるとあっという間に破綻しますので実質無理だと割り切るしかなく,つまるところES-2はフィルムの写真を作品に仕上げるというより,手軽に見るのを楽しむものだというコンセプトだと,思い知らされました。


(5)電池の消耗が激しい

 ライブビューで長時間動かすわけですから,かなり電気を消費します。おかげで,フル充電の電池も2本ほどスキャンすればもう電池は半分以下になっています。


(6)光源の確保が難しい

 前述しましたが,演色性の高い面光源で,かつ長時間駆動が可能な光源って,ありそうでないものです。


 とまあこんな感じで,個人的にはES-2にはすごく期待したのですよ。もしかしたら家にあるたくさんのネガとポジを,これで全部取り込み直さないといけないかもと思うくらいの覚悟をしていたのです。

 しかし,結果は良く出来ているけどもう一歩で,作品として作り込むことも出来なければ,作品の素材としての素性も良くないので,結局ネガがテレビで鑑賞できてよかった,でおしまいになってしまいそうな感じです。

 この機能の搭載はまだまだ始まったばかりですし,今後さらに良くなっていくだろうと思いますが,現段階ではこの機能でどこまでをカバーしようとしているのか,今ひとつ見えないと思いました。

 大げさな準備もいらないし,場所も必要なく,簡単な作業で高画質が得られるので,今後も出番はあると思います。しかし,素材として取りこむとか,作品に仕上げるという場合にはこれではやはり物足りません。

 今回,ES-2を使った結果,CoolScanVも引っ張り出すことになってしまいました。Macではもう動かないのでWindows8.1で動かしてみましたが,最初は手間取ったものの案外簡単に動き出し,傷もホコリも消えて,おかしなクセもない,さすがフィルムスキャナという素材性の高い画像が得られました。

 今回は退色していないネガばかりだったのですが,CoolScanVには退色の補正機能も備わっていますから,やっぱり今の段階では,専用機が一番だなと見直しました。

 CoolScanVは時間のかかるスキャナですが,6コマのスリーブなら自動で給装してくれますし,その場に張り付いていないといけないわけではないので,案外負荷は軽いです。

 もちろん,そのCoolScanVはすでに入手出来なくなっています。安価なフィルムスキャナは論外として,今まともなフィルムの取り込み手段はこのES-2くらいしかありません。

 だから,それなりの高画質でフィルムをデジタルにすることが出来るものとして。このES-2には大きな価値があると思います。

 だからといって,フィルムスキャナがもうゴミになるかといえばそうではないということです。

 フィルムの面白さを支えるのは,フィルムスキャナです。まだまだCoolScanVには頑張ってもらうことになりそうです。

 

非球面のテレコンTC-20EIIIを買う

  • 2018/05/25 14:51
  • カテゴリー:散財


 どのお父さんもそうだと思いますが,小学校の運動会というのは一大イベントで,家電メーカーとしてもカメラやビデオが売れるので,これらを季節商品として位置づける向きもあるほどです。

 まあその,自分が小学生だったときを思い返してみると,とにかく運動が嫌いで,運動会もうれしくなく,それが記録に残るなんて憂鬱なことこの上ないという感じでしたから,父親が人混みを苦手とし,あまり写真を撮るのに頑張らない人だったことは,とても好都合でした。

 誰だって,自分のみっともない姿を撮られるのはいやなものです。

 うちの場合,見て欲しい,撮って欲しいという素直な子供だったりしますし,私もカメラを趣味とする人間である以上,子供が運動会で頑張る姿を放置するわけにはいかず,作戦をたてているところです。

 で,ゴール前に陣取るとか,応援席の最前列を奪い合うという,くだらない争いからは距離を置きたいと思っているので,これはもう超望遠を担いでいくしかないわけですが,あいにくうちで一番の長玉は300mmF4で,これでは全然戦えません。

 こういう時,ニコンには200-500mmという安いけど高画質なありがたいレンズがあるので,買ってしまってもいいかなと思ったわけですが,いかんせん大きいし重いので,片付ける場所にも難儀することうけあいです。

 そこで今年は,もう少しリーズナブルな方法を考えました。

 そう,2倍テレコンです。

 AF-S70-200mmF2.8とTC-20EIIIを組み合わせれば,400mmF5.6という超望遠が手に入ります。明るさはF5.6ですし,しかもVRが効くというのだから,かなり実用的です。

 画質もそんなに悪化しないという評判ですし,中古なら35000円ほどなので,使わない時の収納にも困らないという点でも,まず試したい選択肢です。

 昨夜届いたTC-20EIIIは,付属品はないのですが,程度はかなりよいもので,価格は36400円。

 早速試写しましたが,思った以上によいです。

 F5.6という明るさは十分実用的です。画質の劣化も思った以上に小さく,これならがっかりしないでしょう。さすが非球面です。

 そしてVR。私はVRをあまりあてにはしない人でしたが,さすがに400mmにもなると,ファインダー像の揺れも激しく,シャッタースピードを上げればいいという問題ではなくなってきます。

 これがVRでピタッと吸い付くように止まるので,実に快適です。望遠にはVRは必須かも知れません。

 10cmほど長くなるのはやむを得ませんが,ハンドリングもそんなに悪化せず,これならギリギリ対応出来るんじゃないでしょうか。もしダメなら,来年は200-500mmを買います。

 まあ,これで雨で中止とか,そういうオチもあったりするわけですが・・・

 

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