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2006年09月05日の記事は以下のとおりです。

ES2復活までの道その2~調整編~

 ES2ですが,片を付けました。

 といっても,完全復活,完全修理完了というにはほど遠い状況で,どちらかというと最低限の撮影に使えるレベルで,どこが悪いのかをきちんと把握できたという感じでしょうか。

 これ以上放置しておいたら,他のどこかが壊れてしまうのではないかという気がしたことと,きりがないのでとりあえず現状で出来る精一杯の所まで追い込んで,あとは後日考えようと考えたのが,とりあえず組み立ててしまおうと思った理由です。

 今回は本当に大変でした。前回までに,一応オートモードが動くようになったと言う所まで書きましたが,この時の不良は擦動抵抗の抵抗帯をグランドに落としてあるビスがゆるんでいたために,抵抗が繋がってない状態になっていたという点でした。

 ところが,それでも露出計やシャッター速度に大きな狂いがあるので,再調整が必要だなというところで,作業が止まっていました。

 調整は基板上の半固定抵抗で行います。IC化されたESシリーズの基板は4種類あり,それぞれで部品のレイアウトも違えば,調整箇所の数も異なります。私のモデルはES2Ver.2と呼ばれているリビジョンで,半固定抵抗は7つです。

 7つの半固定抵抗は,バッテリーチェック時の電圧レベル調整,EV12における開放測光時オートのシャッター速度,EV16における開放測光時オートのシャッター速度,EV8における絞り込み測光時オートのシャッター速度,EV16における露出計の指示調整,EV8における露出計の指示調整です。もう1つオート時のシャッター速度に関する半固定抵抗があって,これは「Lergely」と書かれていたのですが,これがどうやら露出計の連動範囲を調整するものなんじゃないかと気が付くのに,しばらくかかってしまいました。

 基準光源はまた考えるとして,とりあえずラフに調整をやってみたのですが,突然露出計が全く動作しなくなりました。前回のビスがゆるんでいたのとは異なる症状で,絞り込み測光レバーをONにしても動作しません。何をやっても動いてくれないのです。

 露出計がらみの問題ですから,おそらく同じ箇所が悪くなったのだろうと推測は出来ますが,現象も異なりますし,それにビスをあれほどしっかり締めた直後だけに,ここがまたおかしくなるというのはちょっと考えにくいです。

 ちょっと焦りながら,軍幹部のカバーを外します。何十回ばらしたでしょうかね,もうすっかり慣れた手つきです。

 抵抗の値をはかってみると,無限大です。ということは抵抗として機能しておらず,回路がどこかで切れているのだとわかります。

 さらに分解を進め,前板を外します。擦動抵抗を取り外して,リード線の導通を確かめると,ここは断線していないようです。しかし,抵抗値は確実に無限大。どこかで切れていることは確実なのですが・・・

 仕方がないので,テスターの片側をリード線に,もう片側を順番にリード線側からあたっていくことにしました。すると,リード線のハンダ付け箇所では導通しているのに,抵抗帯の表面では無限大となります。範囲を狭めてあたっていくと,どうもハンダ付け箇所から抵抗帯に繋がる金メッキされた銅箔の断線があるようです。

 こんな破損が起こるんですね。経年変化とは恐ろしいものです。

 それで,細いより線にハンダメッキを施して,この破断部分の両側に渡しハンダを盛りました。これで確かめてみると抵抗の値は正しい値を示すようになりました。組み上げて動作の確認をしてみても,とりあえず原状回復のようです。

 ここからが調整です。

 本当はシャッター速度から合わせる必要があるらしいのですが,先に露出計の調整をやってしまいます。露出計の指示に合わせたシャッター速度が出てくれればいいという読みです。

 しかし,EV16などという明るい光源はありません。仕方がないので,晴れた日にグレーカードを置いて,F3で測光しながらES2を調整します。

 明るい場所,中くらいの場所,暗い場所,と交互にグレーカードで合わせていきますが,なにせ明るさはお天気任せです。ぱっと雲に入ったりしてァ春差が変わってしまうこともしばしばです。ここはねばり強く調整を行います。

 一応,明るいところでも暗いところでも,1/2段くらいの誤差になるようにあわせました。この時ついでに1秒というスローシャッターだけはある程度合わせておきます。

 しかし,調整の過程で半固定抵抗を3つも4つも同時に動かす必要があったりすると,間違えてしまったりうっかり回しすぎた場合なんかに混乱してしまいます。せっかくいいとkろおあmであわせ込んだつもりだったのに,欲を出してさらに合わせ込みを行うときに全体のバランスを崩し,1段以上のズレを発生させたこともしばしばでした。

 ついでにバッテリチェックの電圧も合わせておきます。電源電圧を4.4Vにしてバッテリチェックボタンを押し,この時のメーターの指針が1/60付近になるように半固定抵抗を回します。ところが,これが全然あいません。

 もともと,ここはそんなにずれてなかったのです。しかしある時突然ずれてしまうようになったのです。何が原因かは分かりませんが,ずれたものは再調整だと思いましたが,調整できません。

 半固定抵抗をいっぱいまで回しても,1/30くらいまでしか指針が動いてくれません。一応,6V程度の正規の電圧でバッテリーチェック機能が動いている事が分かったのでこれで妥協しましたが,そもそもこれまでずれてなかったものが,なぜ突然調整不可能なほどにずれてしまったのか,そこにこそ深刻な問題が隠れているように思います。

 次はシャッター速度の計測です。ES2は,1/60から1/1000までは機械式なのですが,低速側はもちろん,オートモードでは高速側も電子制御となります。また,EV値の違いによって調整箇所が複数存在するところを見ると,CdSのリニアリティの補正をこの方法でやっているのではないかと推測できます。

 ということなので,基準となる光源によってシャッター速度を測定できる装置が必要です。実は,LCDのバックライトを改造して,基準光源を作ってはみたのですが,シャッター速度測定器のフォトトランジスタの感度が赤外領域にあるため,波長の短い白色LEDのバックライトでは著しく感度が落ちてしまい,シャッター速度の計測が不可能でした。

 フォトトランジスタを1つから3パラに改造し,アンプまで組み込みましたが必要な感度には到達せず,プランの練り直しを余儀なくされました。

 そこで考えたのが,ムギ球を使うことです。ムギ球は幸いなことに手元にたくさんあるので,これをパラにつないで面光源にします。波長の長い光を出しますので,このフォトトランジスタにも好都合です。明るさは,12Vで1.5A近く流れていましたから,20W弱くらいの明るさだったのではないでしょうか。

 それでも,EV8あたりの明るさではフォトトランジスタの動作可能範囲に達しません。やむをえず,EV15付近とEV12付近であわせることにしました。

 まずはF3のシャッター速度を測ってみますと,ちゃんと1/1000や1/500を始め,それぞれの速度がが正しい値で測定できます。問題はないようです。次にES2で測ってみますが,1/1000はおろか,1/500も遅めに出ている感じです。

 調整マニュアルに従って半固定抵抗を回しますが,どうも高速側で調整値に追い込めないのです。1/300以上の速度がどうやっても出ないのです。1/1000を超えるような明るさでも1/300程度ですから,この期待の実力として最高値が1/300程度なのでしょうか。これではあんまりです。

 メカの調整が悪いのではないかと,禁断の幕速調整をやろうと決心します。まず機会シャッターの1/100や1/500を測定してみます。すると予想に反して,なかなかの精度で速度が出ています。結局メカ的な調整は必要なしと判断しました。

 そうなると電子回路の問題です。本当はここで,電池を抜いてオートモードでの最高速を測っておくべきだったのかも知れませんが,それはうっかり忘れました。

 いくら追い込んでも250msくらいの露光時間が精一杯。大体1/400くらいですかね。そのまま1/250や1/125を測ってみると,これが驚くほど精度良く速度が出ているんですね。

 また,いくつかある半固定抵抗をいじってみても,このあたりの中速度のシャッター速度にはあまり変化がありません。それも随分おかしな話なのですが,変わらないものは仕方がありません。

 スローシャッターは1秒をきちんとあわせれば大体他の速度も合ってきます。いろいろやってみましたが,一応1/250以下の速度についてはそれなりの速度が出ていることを確認できました。同じ作業を絞り込み測光でも行います。幸いこちらは,それほどおかしなズレが出ず,ほとんど調整せずに済みました。

 作業中にうっかりメーターの指示調整を触ってしまったりして,また最初からやり直したりと,結局丸2日かかってしまいました。

 それでも高速側は速度が出ず,しかも組み上げてから確認すると,1秒以上のスローシャッターもちょっと長めになってしまいました。うーん,疲れてしまったんでしょうね。

 夕方になっていましたが,早速試し撮りです。ISO200のカラーネガを1本通してみました。50mm/F1.4の開放測光対応のレンズ,50mm/F2.8の絞り込み測光のレンズ,そして28mm/F2.8の開放測光対応のレンズの3本で試します。

 屋外を撮影すると,F1.4で1/1000程度。順に絞り込んで撮影していきます。1/15で下限に達したので,レンズを変えて同じように撮影します。

 最後に屋内を撮影してスローシャッターを試します。撮影枚数がなくなっていることにうっかり気付かず,1/8までしか試せませんでした。

 すぐに現像します。出来上がったネガを見てみると,明らかに1/1000が1段以上濃く,1/500がやや濃い感じ,それ以下はほとんど明るさが揃っています。これが適正露出であるかどうかは議論が分かれますが,一応F3のグレーカードと合わせてありますので,オーバー気味になっているのは平均測光であるES2のクセもあるのでしょう。

 レンズによる色味や収差の違いがよく分かりますね。実に面白いものです。相変わらずSMC-Takumar28mmF3.5は素晴らしい描写です。これは大好きです。

ファイル 22-1.jpg

 それと,やはり測定結果通り1/1000が1段以上,1/500もきちんと速度が出ていないことが実写テストからもわかりました。結局の所,高速シャッターはあまり使わないようにするか,面倒でも機械式に切り替えて使うことで乗り切る必要がありそうです。

 ES2では,スローシャッターは電子制御でしか動作しません。それもオートモードでしか使えませんから,むしろここの明るさが揃ったというのは,最低限の機能と維持できた事になると思います。

 それにしても課題が残ってしまいました。バッテリチェックの電圧が正しく設定できないこと,オートで1/1000や1/500の速度が出ないこと,スローシャッターの精度が今ひとつなことです。

 このES2は,そんなに悪い個体ではないと思っていたのですが,調べてみるとやっぱりそんなに程度が良いというわけではない感じです。年齢相応といったところでしょうか。しかも,次から次へと故障がモグラたたき状態で発生してしまっていて,次はまたどこか,別の場所が壊れるに違いありません。

 予備の部品を確保しておくことが最も重要だと思われるのですが,悪いことに回路基板は部品取りの個体も壊れてしまっていますし,メモリブロックはすでに交換済みです。

 CdSも劣化しているでしょうが,部品取りのES2についていたCdSはニコマートELを修理する際に使ってしまいました(結局このCdSは熱で劣化させてしまった)し,電子回路はとにかく不安が大きいです。

 高速シャッターが出ないこと,バッテリチェックが突然ずれたことは,もう基板がおかしくなった以外の理由を考えられない状態です。シャッター速度についてはメモリブロックの不良も考えられるのですが,ここの不良もなかなかやっかいです。

 まず,小型のフィルムコンデンサの1μFを手に入れて,前回壊れたメモリブロックを作り直してみたいと思います。その上でES2に組み込み,再調整を試みて高速側が出るようにならないか,確認してみたいところです。

 バッテリチェックの機能は,実用レベルでは問題はないのでこのままですが,やはり基板がおかしいことは事実でしょうから,機会があれば基板の修理と,場合によっては基板そのものの交換を行いたいと思います。そのためには,もう1つ部品取り用にES2を手に入れないといけません。

 ひょっとすると,もう少し程度のいいES2を手に入れて,今のES2を部品取りにした法がいいのではないかという気がしてきました。焦ることはないですが,こまめにES2を探してみようと思います。

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