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2006年10月10日の記事は以下のとおりです。

収穫の多い秋

 新たに手に入れたジャンクのES2から取り外したCdSを使って,ニコマートELの露出計を改善しようと画策しました。

 前回の修理では,γの大きいCdSしか手に入らず,低輝度と高輝度で露出のずれが大きくなってしまい,使える範囲がどうしても狭くなってしまうという問題を残していました。

 ES2のCdSは当然カメラ用ですので,γは小さめのものが使われているはずで,そこを期待していました。

 そこで,ニコマートELをばらしてCdSを付け替えてみることにしました。さくっと交換して調整をするだけと思っていたのですが,結論からいえば甘かったです。

 確かにγは小さめだったのですが,抵抗値の絶対値が全く異なります。どちらかというと抵抗値は小さめに出るのがES2のCdSで,その代わり暗部ではあまり抵抗値が大きくなりません。これをそのままELに使っても,全体に明るめになってしまうため,適正露出が得られないことになります。

 半固定抵抗で調整できるかも知れないと思いましたが,あまりにかけ離れていたため無理でした。

 そこで,元に戻すことになったのですが,なにせ半固定抵抗をいじってしまった後です。結局前回と同じ検討を余儀なくされました。

ファイル 44-1.jpg

 これはELのペンタカバーの下にある基板です。フレキシブル基板などなかった時代ですが,生意気にガラスエポキシの両面スルーホール基板が使われています。

 左上の半固定抵抗は露出計の調整,その下の半固定抵抗はシャッター速度の大まかな調整です。ここでの調整はオート時とマニュアル時の両方に有効です。

 露出計はES2のように低輝度と高輝度別々に調整を行う仕組みにはなっていません。CdSの特性の違いを細かく調整できるのがES2であるなら,ELはCdSの特性に依存しているということが言えそうです。

 左側に2本並んだ抵抗は私がCdSの補正用に並列に取り付けたもので,確か430kΩです。これを取り付けると,CdSの低輝度時の抵抗値を制限出来ると共に大きくかけ離れる低輝度時のズレを小さくすることが出来ます。一方右側にある抵抗は39Ωで,直列に入っています。これは高輝度時の抵抗値を制限します。前回の調整では39Ωは入っていませんでしたが,今回新たに追加してみました。

 ここで大まかにあわせてしまえば,あとはカバーをしても調整できます。

ファイル 44-2.jpg

 ペンタカバー前面をあけるとこんな感じになっています。左側はオート時のシャッター速度を,右側はマニュアル時のシャッター速度をそれぞれ個別に調整する半固定抵抗です。ただし,ペンタカバーの下にある半固定抵抗をきちんとあわせておかないと,この抵抗では調整しきれません。

 なんとか追い込んだのですが,CdSの特性の問題だけはどうにもならず,高輝度で0.5から1段程度,低輝度では1段程度の誤差を含み,しかも低輝度の測光範囲が3EVから4EVとかなり厳しい制約を受けることになってしまいました。暗いレンズの場合,さらに使える範囲が小さくなります。

 ここを割り切って使うしかありません。

 翌日,とてもいい天気になったのですが,多摩川に出かけて,友人とお弁当を食べてきました。バーベキューのような元気なことは出来ないひ弱な我々ですが,外で食べるお弁当はまた格別です。

 そこで早速使ってみたのが,この写真です。

ファイル 44-3.jpg

 ニコマートEL,絞り優先オート,Ai-P45mm/F2.8,F11,1/1000秒程度です。あれ,と思った方は結構詳しい方ですね。Ai-P45mmはカニ鋏が絞りリングに着いていないので,Ai方式に対応しないニコマートELには使えないのです。そこで「ガチャガチャアダプタ」と名付けた,AiレンズをニコマートELで使えるようにするアダプタを自作しました。

 このアダプタ,試行錯誤の末に作ったものだったのですが,今回あいにく壊れてしまい,残念なことに作り直す必要に迫られました。

 それにしても正気なめてましたね,Ai-P45mmもニコマートも。こんなにいい写真が撮れるなんて,考えてませんでした。単純なオートで撮っただけなのですが,露出もきちんとあってますし,青色が綺麗に出ています。かたすぎず,柔らかすぎず,45mmとい焦点距離も面白いですが,とても考えさせられる写真だなと思います。

 ついでに,先日完成したES2。

ファイル 44-4.jpg

 SMC-Takumar28mm/F3.5,絞り優先オートです。

 Takumarの28mmは私が一番好きなTakumarですが,この写真も自分の見たとおりの世界を写し込んでくれました。期待を裏切りません。

 そんなわけで,ジャンクカメラそろい踏みで出かけた多摩川ですが,天気も良く,秋の空のさわやかさをうまく持ち帰れたと思います。これだからカメラの修理はやめられませんねえ。

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