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2006年11月14日の記事は以下のとおりです。

果てしなき闘いの渦へ

 いつもの中古カメラ屋へ散策に出かけると,ジャンク箱にニコンFEが鎮座していました。5000円で研究用ということでした。よく見るとミラーが上がったままになっています。

 いわゆるジャンク品で5000円は高いなあとちょっと思ったのですが,まあニコンですし仕方がないか,と思い手に取りました。

 塗装の剥げはひどいのですが,特にぶつけたようなあとはありません。プリズムの腐食もありませんし,シャッター幕やガイドレールにもおかしな傷は見あたりません。

 バッテリチェックをしてみるとLEDが点灯しますので電池はあるようです。これでミラーが上がったままになっているというのはちょっと深刻かも知れません。

 シャッターダイアルをM90にするとミラーが降りたので,もしかしてとおもい,シャッターを切り直してみると,スローシャッターもきちんと切れてくれます。何度切っても問題はなさそうです。露出計も一応まともに動いています。

 しかし,ここのカメラ屋はいつものように油断大敵。分解しないとわからないような問題にも気付いて値付けをしますので,シャッターが切れたくらいで「お買い得」と考えるのは,この店に限ってはありえません。百戦錬磨のオヤジに打ち勝つのはただごとではありません。(裏を返すとまともな中古は安心して買えるということです)

 かなり迷ったのですが,こういうのは縁ですから,買って帰ることにしました。

 ニコンFEはいつかは手に入れたいと思うカメラでした。ニコンにしては小さく,AI連動が可能な実用機として使いたかったのですが,高校生の頃のこと,ニコンはヒトケタ以外は認めないとすり込まれていたペンタックスSP使いの私が,ある友人(女子ですよ女子)のFE2(FEではありません)をバカにしつつシャッターを切って,その感触に感激したことが忘れられず,手に入れてみたいものだと思い続けておりました。

 FE2は1/4000秒のシャッターやシャッター速度のクオーツ制御で最新機種にも負けない実用性がありますが,今から20年以上前のカメラですし,まともな中古は高価なので,自分で修理して使うのはFEくらいが限度ではないかと思います。

 てなわけで,早速資料集めです。

 FEにミラーが降りてこないトラブルがあるそうで,原因は電池切れかミラーボックス底部の調整箇所の狂い,もしくはエアダンパーの動作不良だそうです。

 ニコマートELの子孫にあたるニコンFEですが,分解には結構勝手の違いを感じます。ニコマートではネジだけで組み立てられていたものが,Gリングを多用して組み立てやすさを向上させているようです。

 今回は電気系の安易な調整だけではなく,きちんとミラーボックスまで分解して手を入れて,ミラー周りの問題をきちんと解決して,同時にミラーボックス周辺の機構の勉強をしたいと考えていましたから,ザクザク分解していきます。

 とはいえ,FEは1978年生まれだけあって,それ以前のものに比べてかなり電気回路が増えています。フレキシブル基板も使われていて,配線を外さないと分解が先に進みません。

 分解前にデジカメで撮影し,同時にメモも取ります。終わったら躊躇なく一気に配線を外し,ビスをゆるめ,ミラーボックスを取り外します。

ファイル 56-1.jpg

 あるホームページにあったのですが,ミラーが降りない原因は,ミラー復元のレバーが重たいことにあるとのことで,これを軽くするのが上記の写真のネジなんだそうです。これは偏心ネジになっていて,ネジの回転でレバーの位置を調整できます。

 それならとレバーを高めの位置に設定し,軽い動作でミラーが降りるように調整をしました。汚れたグリスを拭き取り,新しいグリスを少しだけ塗りつけてから,元に戻します。

 そしてFEやFMでよく知られたミラーショックを軽減するエアダンパーを分解して清掃しました。かなりスムーズに動くようになりましたので,これでもう大丈夫でしょう。

 ファインダースクリーンはFM3A用のK3スクリーンを入れます。K3スクリーンはFEにも使えるのですが,明るくなっているために露出計は狂います。これを含めて露出計とシャッター速度の調整をやり直して,修理完了。

 早速フィルムを通してみたのですが,結果は散々でした。

(1)フィルムの下側に,他より露光時間の長い部分が1mmほどある
(2)マニュアルシャッターで1/1000秒が露光不足
(3)露光ムラがある

 電気系の調整は適当にやってしまったのですが,実は半固定抵抗がいっぱいあって,どれをいじるといいのか今ひとつ分からずにやっていました。それに,露光ムラについては電気と言うより,メカに関係する部分ですので,これは大変なことになっていると慌てました。

 適当に作業を進めてもかえって壊してしまうので,潔くサービスマニュアルを購入します。目を通して分かったことは,今回調整した偏心ネジは,実はシャッターブレーキの強さを調整するネジであることでした。

 そうとも知らず適当に回してしまった結果,ブレーキのかかり始める時間が早まり,同時に力が強くなり過ぎてしまい,後幕が閉じるときに大きな負荷がかかって速度が落ちていたのだと思います。手でシャッターユニットにある,ブレーキと連動するレバーを押さえつけてシャッターを切ってみると,まさに露光時間が長くなっている部分と同じ高さの隙間が出来ていました。

 そこで,ブレーキがきき始める位置をもっと下にずらし,同時にブレーキの力を弱めてやることで解決しそうです。

 このことで露光ムラが解決するかどうかは分かりませんが,コマによっては露光ムラがないものもありますので,これについてはとりあえず様子見です。

 次にシャッター速度不良ですが,これもサービスマニュアルを読んで氷解しました。

 シャッター速度や露出計の調整には,変化率(γ)の調整もあったのです。K3スクリーンを入れたことで狂ってしまった状態を適当に調整したため,それがγを補正するものであることを知らずにいたため,結果として低速側で調整したシャッター速度が,高速側で狂ってしまったのです。

 一応,昨日までの段階で,シャッターブレーキの再調整までは終わらせました。これから電機系の調整を行うことになりますが,これでFEがきちんと復活してくれれば,あの手強い中古カメラ屋のオヤジに勝利することができます。

 勝負するからには,勝たねばなりません。

 そんなわけで感張ります。

#実は,別の店で壊れている完全ジャンクのMZ-10を1050円で買ってしまいました。現在バラバラになっています・・・どうもプラスチックの破損が持病のようで,私のMZ-10もモーターのピニオンギアの割れが原因ではないかと,推測してるところです。

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