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2006年12月13日の記事は以下のとおりです。

重大な問題

 ミノルタXEの修理に関して,昨夜の進捗ですが,大変な問題にぶつかりました。実はこの機体,オート不良が出ています。

 まず最初に,カバーを開けた時に出てきたと思われるバネの居場所ですが,結局全くわかりませんでした。

 このバネ,非常に特徴的な形をしているので,サービスマニュアルをきちんと見ていけば必ず特定できると思い,頑張って目を皿のようにして見ていったのですが,どこにもこんな形状のバネは出てきません。

 確かにミラーボックスや底面にあるガバナー機構を全部ばらして確認できたわけではありませんが,考えてみるとバネが出てきたのはトップカバーを開けたときであって,前板やミラーボックスを取り外したときに出てきた訳ではありません。

 それに,ミラーボックスから万が一バネが外れても,それがトップカバーを開けて転がり出てくる位置にまで出てくるということは,内部の隙間を考えると難しいでしょう。

 もう1つ,ほとんどのバネは中央の穴にビスが通っており,仮にバネが外れても転がり出てくるようなことは起きないものがほとんどです。

 こんなことを考えながら,すべてのバネの場所を覚えてしまうくらい繰り返して確認しても分からずじまい。このまま作業が進まないのも時間の無駄ですし,XEから出てきたバネであることは間違いとしても,それが直ちに機能的に問題を出すかどうかは別の話だと考えて,とりあえず電気回路の確認が出来る程度に組み立てることにしました。

 ただ,この作業が本当に無駄だったかというと決してそんなことはなくて,バネのかけ間違いを1カ所,バネの外れを1カ所見つけて,正しい状態に戻すことが出来ました。

 しかし,このカメラはバネが多いですねえ。ニコンFEやペンタックスES2も,こんなにバネは多くなかったですし,それぞれのバネの動きを見るとちゃんと役割が分かるのに,このXEというカメラについては複雑で,1つの軸に2つのバネが使われているなどざらで,動きを見ても何をやっているのか推測が出来ないものが多数あります。今回見つけた外れたバネも,戻す前後でなにが違うのか,全くわかりませんでした。設計者のしたり顔が目に浮かびます・・・

 ということで,右側のカバーをかぶせて,巻き上げレバーとシャッター速度ダイアル,電源スイッチを取り付けます。動作はとりあえず問題はなさそうです。

 ファインダーをのぞくと,ど真ん中にホコリがぽつっとあるのが目につきます。どうもプリズムとコンデンサーレンズの間の隙間から入り込んだみたいです。

 ブロワーで吹き飛ばそうとしましたがだめ。妥協はしないという方針から,再度プリズムを外して掃除することにしました。間違いはここでおきました。

 ゴミを除去して,綺麗なファインダーになったところで,電気回路の確認を始めてみます。まず露出計の調子を見ます。グレーカードを用意し,基準となるF3で明るさを調整してから,XEで測光してみます。

 結果はほぼ問題なし。ペンタカバーをしていないので誤差が出ているように思いますが,一応手をかざして試してみると,ほとんどF3と同じ値を示してくれます。本当は高輝度と低輝度で調べる必要がありますが,今はとりあえず調整ではなく動作確認ですので,これで先に進みます。

 次にシャッター速度の確認です。いつものようにオシロスコープを使って確認します。

 マニュアルモードでは,全速度全く問題なし。ここまで完璧だと気分がいいです。続けてオートモードを確認してみたのですが,なんと高速側で全く速度が出ていません。

 X速度以下では問題なさそうなのですが,X速度以上だとX速度そのものが測定されてしまいます。マニュアルに戻して1/1000秒を測定すると・・・先程きちんと出ていた速度が,X速度と同じになっていました。

 こわれた・・・

 焦ったのですが,1つ思い当たることがありました。

 先程,ファインダースクリーンのホコリを除去するのに,右側のカバーを外さずプリズムを外したため,プリズムの上のある回路基板に繋がる電線を無理に引っ張ることになりました。

 これで配線の位置が変わってしまい,メカシャッターで動作させる場合のレバーに引っかかって,メカシャッターモードに強制的になってしまっているのではないかと考えた訳ですが,調べてみるとその通りでした。

 X速度ではメカシャッターモードになっているので,電池が切れても動作させることができます。しかし,それ以外の速度では電子シャッターですので,電池が切れているとミラーが上がったままになります。

 配線がレバーに引っかかっているときは,電池を抜いても全速度でシャッターが切れてしまいましたから,やはりメカシャッターモードになっていたことは確実です。

 面倒くさがらず,カバーを外し,基板を外して,その下側にある配線をうまく逃がして,元に戻したところ,この問題は完全に解決しました。

 気をよくして,オートモードの速度チェックを行うと・・・やっぱりだめ。

 症状は先程と全く同じで,X速度以上で生業がなされず,X速度そのままが出ています。1/60秒以下の低速側は,10秒まで全く問題がありません。

 これは困った。サービスマニュアルでは,シャッター速度の調整を低速側と高速側で分けていません。回路上も分けていないようなので,どちらかだけ正しい動作をするというのはちょっと考えにくいのです。

 確かにシャッターが全開になるかならないかという差が低速側と高速側にはあるわけですが,だからといって高速側の速度が一律メカシャッターと同じというのは,ちょっと辻褄が合いません。

 絞り込みスイッチを押し,絞り込みモードで試してみると,メカシャッターと同じ速度で一定するのではなく,無茶苦茶速度がばらつくこともわかりました。いずれもメカシャッター以下の速度にはなりませんが,1/1000秒や1/250秒が出るかと思えば,明らかに1/1000秒以上の速度だったり,ひどいときは全くシャッターが開かず,ミラーがジャムを起こして降りてこなくなります。規則性はありません。

 面倒くさがらず,回路基板の確認を行ってみたのですが,感度/絞りのスライド抵抗に流れる電流に大きな違いがあるようで,もしそれがICの破損によるものだとすると,本当にお手上げになってしまいます。

 でたらめとはいえ,オートモードで高速シャッターが切れているわけですから,まだ脈はあるといった感じなのですが,こういう場合の問題はやっぱり難しく,諦める覚悟も必要です。

 マニュアルシャッターが正確であるということは,タイミングコンデンサを含む時定数回路には全く問題はないということです。

 絞り込み測光で速度がばらつくということは,CdSにあたる光の強さで動きに差が出ているのかも知れません。そうすると対数圧縮回路かメモリコンデンサの不良になるでしょう。

 ひょっとするとミラーボックスを外し,組み立てたときにスイッチの位置がおかしいまま組み立ててしまったのかも知れません。それで,メカの動作に正しいスイッチの動作になっていないということです。

 いずれも仮説に過ぎませんが,オートモードがダメになる場合,低速側で全く速度が出なくなるものですし,マニュアルシャッターもおかしくなるのが普通です。

 ただ,条件がいろいろついているということは,問題の切り分けを行うヒントがあるということです。サービスマニュアルを見ながら,もう少し頑張ってみようと思います。

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