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2007年01月11日の記事は以下のとおりです。

実家に持って帰った機材

 今年の帰省では,とにかくMZ-10とFA43mmは絶対に持って帰ろう思っていました。これにD2H,AF-SNikkor18-200mm/F3.5-5.6DX,Planar50mm/F1.4ZFを持っていけば,無難な撮影も趣味に走ることも可能です。

 さらに,帰省の前日に無理して仕上げたタムロンの28mm/F2.8(Kマウント)も試し撮りをすることにして持ち帰りました。結果は散々だったわけですが。

 MZ-10は音もやや大きいですし,今ひとつキビキビした動きがないのでレリーズすることそのものはあまり楽しいものではないのですが,FA43mmがとにかく面白いです。画角そのものもいいですし,結果を想像しつつファインダーをのぞき込むワクワク感もよいです。

 たいした写真ではありませんが,いくつか。

ファイル 83-1.jpg

 通天閣ですね。昨年秋にリニューアルしたので撮ってみました。でも,周囲の雰囲気も含めてテンポがそれほど変わらないのが,新世界のよいところです。

 動物園の入り口付近のコンビニ前でだらだらしていたオッサンとオバチャンが,パトロールでふと立ち寄った自転車の警察官に笑いながら「この酔っぱらい逮捕してぇなぁ」と楽しそうに話しかけ,警察官もまんざらではなかった姿に,吉本新喜劇やさんまの駐在さんはノンフィクションであることを今更ながらに実感した次第です。

ファイル 83-2.jpg

 天王寺動物園を横断する橋になぜか存在する足形です。この先に,猫と戯れるオッサンがいて,ほのぼのした空気がありました。でもまあ,この界隈はあまりカメラを向けると何が起こるかわからんところなので,油断は禁物です。

ファイル 83-3.jpg

 母の還暦に贈ったロウバイが,今年初めて花を付けました。この写真の中の,一番大きなつぼみは,翌日には開花していました。ちょうど年末の強風が吹き荒れていたときのお話です。

ファイル 83-4.jpg

 同じく実家の庭にあった鉢植えです。

 こういうヴィヴィッドな色合いが冬にはアンバランスなのかも知れませんが,実物を目にするとどきっとしつつ,でもほっとするものもあります。

ファイル 83-5.jpg

 庭の隅にひっそりと実を付けた南天です。濃い緑と艶やかな赤に思わず息を呑む南天ではありますが,あまり大きく繁った木はかわいらしさよりもある種の恐ろしさが先に来てしまうので,このくらいの木の大きさ(50cmくらいですかね)が個人的にはベストです。

 背景も汚いし,踏み入れるのが難しい位置だったので構図は無茶苦茶ですが,まあ仕方がないとしましょう。写真がへたくそなのは今に始まったことではありませんし。

 タムロンの28mmの作例が1つもないのですが,これはろくな結果が出てこず,がっかりしたからです。誤解のないように書いておきますが,レストアはちゃんと出来ていて,無限遠も出てますし,普通に良く写るレンズだったのですが,色合いがどんよりとしており,鈍重な印象を強く持ってしまったことが「ボツ」の烙印を押すに十分だったということです。

 それにしても,今更ながらにFA43mmはいいなあと思います。結局,銀塩のカメラというのは,撮影から結果を見るまでに時間がしばらく空いてしまうので,撮影時の期待と結果を見たときの印象の差分に,かなり大きなズレ(というかバイアス)が加わります。

 人間は期待と結果の裏切られ具合が適当だと心地よく感じるものなので,FA43mmに対する高評価というのは,結果の印象が期待よりもずっと良かったということになるのでしょう。その傾向は,おそらくデジタル写真より銀塩写真の方が,より大きなものになるのではないでしょうか。

 使い古された言葉で恐縮なのですが,写真なんて,結局入ってきた光を記録する光化学反応に過ぎないわけで,でもそこに「伝えたいこと」「表現したいこと」を誇張して加えることで,記録以上の意味を持たせることに成功したのだという歴史を,つくづく思い起こさせます。

 FA43mmは,その誇張が実に適度であるということなのでしょう。絞りで写りを調整し,シャッターを切って見ると,そこに自分が見たそのものではなく,見たと錯覚している「印象」が写っています。

 未だに私にはレンズの味やクセを堪能する技術も感性も持ち合わせていません。でも,数あるレンズに自然と好き嫌いが分かれていく事実も否定できません。カメラやレンズは精密機械で光学機器でありながら,一方でこうした理屈で説明できない神秘性を内在するところに,ひょっとすると人を虜にする何かがあるのかも,知れません。

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