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2007年01月16日の記事は以下のとおりです。

MEsuperも直りました

 MEsuperが直りました。日曜日に再修理を行い,月曜日に試写して見たところ,前回問題となっていた高速側の露光不足やムラがなくなっていました。

 先に結論から。

ファイル 87-1.jpg

 これは1/2000秒,F1.9開放です。続いて,

ファイル 87-2.jpg

 これは1/30秒,F22です。

 これだけ見ても余りよく分かりませんが,1/2000秒,F1.9から1段ずつ絞り込んでいき,最終的にF22まで順番に撮影した結果,コマ間の露出のバラツキもほとんどなく,露光ムラも確認できませんでした。

 オートだけではなく,マニュアルでも同様の試写を行いましたが,同様に良好な結果となりました。

 また,1/125でのストロボ撮影もテストしましたが,こちらも問題なし。一応すべての動作を確認できたので,MEsuperの修理は完了したということにしました。

 さて,なにが問題だったのかというと・・・


(1)シャッター駆動系の清掃

 セイコーのシャッターユニットは羽根を分解し,1枚1枚ベンジンで清掃を行ったので問題はないと考えていたのですが,よくよく見るとシャッター羽根を駆動している駆動系の汚れがひどく,スムーズな動きを妨げています。

 真っ黒で堅くなったグリスがこびりついている所を見ると,場所によってはかつてのオーナーがグリスを塗りたくったのではないかと思います。

 シャッターユニットをもう一度外すのは,配線を切ってしまうなどのリスクもあり,本体に取り付けたままで清掃を行うことにしました。綿棒にアルコールを含ませ,可能な限りこびりついたグリスを落とします。

 そして,効きそうな所に模型用のセラミックグリスを少量塗り,同じく模型用の柔らかいオイルを所々に注油して,動作がスムーズになっていることを確認しました。


(2)幕速の調整

 前回の幕速の測定でも特に問題となるような速度ではなかったのですが,せっかくですので先幕と後幕の速度を合わせておきます。

 MEのサービスマニュアルによると,20mmを6msで走行するように調整するのだそうです。もし等速で走行していると仮定すると,私の測定器の走行距離である23mmを走行する時間は,6.9msとなります。MEsuperのサービスマニュアルにはMEと同じと書かれているのですが,1/1000秒のMEならいざ知らず,1/2000秒のシャッター搭載機であるMEsuperでは,これは少し遅いですね。

 一般的な値として6.5ms程度にするものですから,この際ですので6.5msに調整します。シャッターユニットの調整ネジを締めたりゆるめたりしながら,先幕と後幕がそれぞれ6.5msになるように調整しました。

 メカシャッターの速度である1/125秒も,最終的にきちんと出ていることを確認しました。


(3)メモリスイッチとマグネットスイッチのタイミング調整

 これが前回に気になっていた確認ポイントです。

 MEsuperのサービスマニュアルには詳しい記載がなく,MEと同じと書かれているだけで見落としていたのですが,改めてMEのサービスマニュアルを見てみると,ミラーボックス底部に取り付けられたスイッチのタイミング調整が必要なようです。

 MEでは,初期状態でメモリスイッチがON,マグネットスイッチがOFFの状態です。シャッターがレリーズされミラーが上がると,メモリスイッチがOFFになり,約10ms後にマグネットスイッチがONになります。

 この10msというタイミングが重要なんだそうで,スイッチの接点を曲げたりして,5msから12msの範囲に収めなさい,と書いてあります。うーん,こういうスイッチの物理的な張力に頼ってタイミングを作るって,やっていいのかなあ・・・

 流れとしては,ミラーが降りているときは露出計の出力がそのままスルー,ミラーが上がるとその時の値を記憶して露出時間を作ります。

 マグネットはME系では1つだけ使われており,これは後幕の係止に使われています。よって先幕はミラーが上がってから,あるタイミングで自動的に走行を開始していることになります。

 先幕が走行を始めてからマグネットを通電して後幕を係止してもおそいわけですから,ミラーが上がって先幕が走り始めるまでの「ある時間」の間に,マグネットに通電する必要があります。このタイミングが10ms,ということなのでしょう。

 もし,マグネットに通電されてなければ,後幕が係止されるのはメカ的な機構によるラッチだけとなりますので,先幕が走行を完了してから後幕が機械的に走行を開始することになります。つまりこの時がシャッター全開になる1/125秒のメカシャッターになるわけですね。

 この10msというタイミングがずれてしまった場合を考えてみると,すでに1/2000秒を出すのに必要なスリット以上の幅になってから通電されても間に合いませんし,あまり早くに通電されても露出時間の生成が終わってない段階だったとしたら,1/2000秒で必要な幅のスリットより狭い状態で係止が外れてしまったりするかも知れません。

 いずれにしても,正確なシャッター速度を出すのに,とても重要なポイントであることは間違いでしょう。

 ここをどうやって確認するか,結構考えました。

 最近のデジタルオシロスコープを使えば一発で解決なのですが,私の手元にはアナログオシロしかありません。周期現象の確認は得意なアナログオシロですが,単発の過渡現象を捉えるのは大の苦手です。

 とりあえず2つのスイッチに電源を入れ,ONとOFFが観測できるようにしておきます。オシロスコープの1chと2chにそれぞれのスイッチをつなぎ,メモリスイッチがOFFになるところでトリガをかけて,単発現象を捉えます。

ファイル 87-3.jpg

 上がメモリスイッチ,下がマグネットスイッチです。メモリスイッチに激しいチャタリングが見られますが,一応メモリスイッチがOFFしてから10msしてからマグネットスイッチがONになるように調整をしました。

 実は元々10msになっていたかを確認できなかったのです。1chと2chを逆につないでしまい,トリガがかからなかったのですが,おかしいなあとスイッチの張力を,うかつにもいじってしまったのです。

 当然トリガはかからず,よくよく見ると逆になっている接続を元に戻して,波形が出てくるのを確認しました。この時ずれた値が読み取れたのは,おそらくいじってしまったからでしょう。

 推測に過ぎませんが,ここは最初からそれなりの数字が出ていたようです。今回この方法できちんと確認を行ったことは,安心材料の1つという程度になりますね。

 ここから余談ですが,オシロスコープの管面の写真,なかなかよく撮れています。

 アナログオシロの写真を記録するには,専用のオプションが一眼レフにも用意されていました。管面に密着させるフードがあり,これを使って遮光しつつシャッターを開けておけておきます。

 管面の波形以外の表示,文字や目盛りなども全部消灯してあり,トリガがかかって波形が出た時に1度だけ,すべての表示が点灯するというSingle Trigger Modeというトリガモードが,アナログオシロには用意されていました。

 通常の一眼レフや,専用のポラロイドカメラを,このモードで使えば波形の記録や細かい測定も出来るようになるわけです。

 しかし,今や一眼レフもデジタルの時代。

 D2Hを使ってデジタルストレージオシロを実現してみましょう。

 SIngle Trigger Modeは1回きりで次の観測にはリセット動作が必要ですからいちいち面倒なので,後悔はNormal Trigger Modeで波形を走らせることにしたのですが,この場合波形以外の表示は点灯したままです。

 そもそもオシロスコープ撮影用のフードなどもありませんので,三脚を吸えて部屋を暗くし,リモートケーブルでバルブの時間を出来るだけ短く出来るようにします。

 レンズはなんでもよかったのですが,45mm/F2.8Pを選びます。

 管面の明るさを適当に調整し,シャッターを開けた瞬間に波形を出します。波形が出たらすかさずシャッターを閉じます。

 こうして,それほど苦労することもなく撮影できたのが,この写真です。


(4)ストロボ駆動の失敗

 実は,前回の組み立て後も,後になってストロボが発光しないことに気が付いて,再度分解したという経緯がありました。

 この時の原因は,ホットシューにストロボが装着されることで押し込まれる突起の動きが渋く,その突起の先にあるX接点のスイッチがONにならなかったことが原因だったのですが,清掃後には復活しました。

 今回,一通りの組み立てが終わってからストロボのチェックを行ったところ,またも発光しない。理由は前回とは違うと思うのですが,どうもX接点のスイッチの接点の動きが微妙なようです。ここをしっかり曲げて間隔を調整して,とりあえずいまは直っています。でも信頼性が低いので,実際の撮影には使わないでしょう。


 以上4点の作業をしたわけですが,組み立て前に確実に高速シャッターが出ているかどうかを確認するすべがありませんので,これで直ったら御の字だなあ,くらいで組み立てをしました。

 一応シャッター速度の確認も行ったところ,正常な結果が出たので自信がなかったわけではなかったのですが,前回も同じチェックで問題を見逃したので,テスト撮影をするまで安心できません。

 あまりあてにしないで現像してみて,出てきた結果にほっと胸をなで下ろしました。これでMEsuperも修理が完了。

 注油部分がこれまでになく多いカメラになってしまったので,経年変化が心配ですが,今はとりあえず問題なし。この状態をリファレンスとして,調子が悪くなったらこまめに見ていくしかありませんね。

 そんなわけで,とりあえずカメラ関係での仕掛品は消滅。実にめでたいです。

 これだけたくさんのカメラやレンズを短期間に手がけることになり,正直やはり疲れてしまいました。MEsuperが修理できたことで一休みとし,しばらく撮影を楽しむ余裕を作りたいと思います。

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