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2007年02月28日の記事は以下のとおりです。

とりあえず直ったオシロスコープ

  • 2007/02/28 14:40
  • カテゴリー:make:

 オシロスコープが直りました。いやー,助かりました。

 アナログ技術の粋を集めたこの頃のオシロスコープを修理する自信はなく,直せても校正が出来ない以上は使い物にならんなと,買い換えを真面目に考えていました。

 あるお店で,アジレントの2ch,60MHzが12万円。もちろん新品。私はアジレントのオシロが使いやすくて好きなので,これを機会に買い換えるのもよいかと思っていましたが,60MHzというとデジタル回路のタイミング測定をする場合,6MHz程度しか見る事が出来ません。さすがにこれでは,PICマイコンのデバッグも出来ません。

 最低200MHzと考えると,これがあまり安くないのです。そう考えると,古いとはいえ,アナログとはいえ,これまで使っていた2465Aが高級機であったことをしみじみと感じます。

 とりあえずサービスマニュアルと入手して,トラブルシューティングです。電源が入らない場合に確認すべきチェックポイントを順番に見ていくと,電源スイッチの直後に電圧が出てこないことが分かりました。

 スイッチの前は電圧が出ていますので,これはもうどう考えても電源スイッチの不良です。

 こういう機構部品が壊れてしまうなんてあるのかなあと半信半疑で基板を取り出し,テスターであたってみると,やはり導通がありません。

 間違いなかろうと基板から取り外してもう一度確認してみますが,やはり導通がありません。ピン配置が特殊なのかも知れないと思って,スイッチを捨ててしまう覚悟で分解します。

 すると,恐ろしいことが・・・

 ピン配置は私の想像と違っておらず,導通がないのは間違いありませんでした。それはいいのですが,接点の周りが真っ黒に煤けており,しかも固着して全く動かなくなっています。それでレバーを動かしても導通しなかったわけです。

 代わりのスイッチに交換するのが安心できる修理ではあるのですが,基板取り付けタイプのスイッチは寸法が一致しないと交換が難しく,また手持ちもないため,このスイッチの再利用を検討することにしました。

 固着した可動側の接点をまず取り外します。幸い,固着していたのはスパークによる金属の融解ではなく,どうもケースのプラスチックモールドが溶けていたのが原因のようです。

 なにが直接の原因かは分かりませんが,固定側の接点と可動側の接点の間が少しずつ開いていき,スパークが徐々に大きくなっていったのだと思われます。その結果接点温度が上昇し,固定側の接点がケースにめり込むようになり,溶けたプラスチックが固定側の接点を固着させたのだと思います。あたりが黒くなっていたことや,接点の中央部がへこんでいたのを見ると,かなり激しくスパークしていたようです。よくもまあ,火事にならなかったものです。

 次に固定側の接点を見てみますが,こちらはかなり傷んでいます。NO-COM-NCのモーメンタリータイプなので,使っていない方の接点と強引に入れ替え,新品にします。

 固定側の接点も使っていない側にするため入れ替えて,これで一応接点は新品同様となりました。

 プラスチックモールドが少し溶けているのでこれを削って整え,元の通りに組み立てます。テスターで調べてみるとうまく直ったようです。接触抵抗も低く,2接点で揃っています。

ファイル 107-1.jpg

 これは修理後の写真です。2465Aは,このスイッチを本体後方に下向きにマウントしてあり,フロントパネルの電源ボタンから長いレバーを使って操作しています。それで今ひとつ操作感が悪いのです。

 直ったと思われるスイッチを,もとの基板に戻して組み立てます。そしてドキドキしながら電源を入れてみると,うまく直りました。

 半導体やその他の電子部品の破損でなかったためにとても簡単に修理ができたのですが,故障の原因といい修理の手順といい,まさに扇風機か換気扇を修理するかのような低次元のお話でした。

 この修理が終わってから,もう1つ検討しようと思っていたトラブルがありました。リードアウトの表示が安定せず,画面上でチラチラと動くのです。

 最初は時間が経つとなっていたのですが,ここ最近はずっとなっていました。波形そのものはしっかり安定して表示されていますので,リードアウトの回路の接触不良か,リードアウトの表示を垂直方向の出力に混合する部分の問題だろうと思っていました。

 ところが,今回の修理後,その問題がぱったりと出なくなってしまったのです。

 時間が経つと出るかも知れないと1時間ほど放置しましたが全く問題なし。安定して綺麗に表示がなされています。

 ここで推論です。リードアウトの回路は,実は電源器版の近くに列んでいて,しかも電源スイッチのまそばにあります。

 もし電源スイッチの内部でスパークが起きていたら,ここでかなり大きな電磁波が発生していたでしょう。これがリードアウト回路に飛び込んで,表示が乱れていたという可能性がありそうです。

 それなら他の回路,特に波形表示の回路にも影響があるんじゃないのかと思うでしょうが,2465Aの場合,リードアウトの回路以外はなんらかのシールドがなされており,電磁波の影響はかなり小さくなっているのです。

 もちろん多少の影響はあったと思いますが,リードアウトに比べて小さかったために目立ちにくかったのでしょう。

 そう考えると,リードアウトの表示が乱れている間,ずっとスイッチ内部ではスパークを続けていたんですね。本当に恐ろしいことです。もし揮発性の薬剤などで充満していたら,ドカンと爆発してこっぱみじんでした・・・

 そんなわけで,とりあえず修理は完了しました。新しいオシロスコープを買う必要もなく,これまで問題だったリードアウトの表示も完治して,万々歳です。

 ついでにDIAGで使用時間と電源投入回数を見てみました。使用時間は約4800時間,電源投入回数は約2800回。結構使い込んでありますね。

 スイッチはさすがに不安ですし,一度起きたことは必ずもう一度起きるものなので,代わりになりそうなものを気をつけて探しておきます。使えそうなものが見つかったら交換してみたいと思います。

 さて,それで一通りのチェックを続けていたのですが・・・どうも垂直軸のDCバランスが悪いようなのです。校正なんて10年以上前にやってそれっきりですから,当然と言えば当然です。

 2465Aには,自動でDCバランスを校正する機能があります。問題があればエラーが出るので,校正後にエラーが出なかった今回も安心していたのですが,VARつまみを回してみると輝線が0.8div位下がってしまいます。

 悪いことにch1とch2で落ちる量が違ってしまっており,明らかにおかしいです。

 VARつまみをロックしてレンジを切り替えれば,仕様通り±0.2div以内の変動に収まっていますから,自動校正機能そのものは正常に動いているようです。VARつまみの回路がどのようになっているかによって,故障なのか調整が狂ったのか,それともこんなものなのか,判断出来るはずです。

 ということで,もう一度サービスマニュアルに目を通して見たのですが,結論から言うと「こんなもの」だそうです。

 VARつまみをロックしてレンジを切り替えた場合の変動は±0.2div以内だそうですが,VARつまみを回した場合の変動は,1div以内であれば良いのだそうです。

 ch1もch2も1div以内の変動なので,仕様通りということになります。ちょっと気持ち悪いですが,仕様という事なら調整をすることも出来ませんし,またその必要もないでしょう。

 ちょっと釈然としませんが,一応これでオシロスコープの件は終了とします。

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