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2007年08月06日の記事は以下のとおりです。

他人の散財

 あれほどMac(とMacを使っている人:いわゆるマカー)を毛嫌いしていた友人が,長年使ってきたVAIOノートFの次世代機としてMacBookの導入を決めたそうで,焚き付けた責任を取って引き籠もりがちな私も一緒に買いに行くことになりました。

 そのVAIOノートを買うときも私が付き添ったのですが,当時としてはなかなか質実剛健なモデルでした。もう5年も6年もなるんでしょうか,バックライトは赤くなり,交換したCD-ROMドライブもまた動かなくなり,キーボードも壊れてしまってHappyHackingKeyboardLite2がつながれているという見るも悲惨な状態でして,満身創痍というのはまさにこのことでしょう。

 順当にいけばWindowsVistaモデルを買うことになったのでしょうが,どうも友人にとってVistaの良さもわからん,それ以前の話として,そもそも日本のノートPCが今ひとつ琴線に触れなかったようです。

 余り事情をご存じない方も多いのですが,Macの価格競争力というのは,実は結構高いのだという事実があります。

 MacBookという名前で呼ばれている,それまでのiBookの後継にあたる最下位モデルでも,Core2Duoの2GHz,1GBのDDR2,80GBのSATAのHDD,コンボドライブに13インチのワイドLCDに802.11g,Bluetooth内蔵という構成で139800円。残念ながらSantaRosaではありません・・・

 14万円を切る値段なわけですが,もしこの値段でWindowsのノートPCを探してみると,かなり見劣りするものになります。ひどい物だとCPUがCeleronMだったりするので,これはもう論外。

 しかも,現行のMacBookは,最下位機種のCore2Duoでも2次キャッシュが4MBになっているので,上位機種との差はスペック上からも非常に小さくなりました。

 BootCampを使ってWindowsをインストールしても全然へこたれないスペックでこの価格というのは,円安の昨今でもよく頑張ってると思います。

 そのかわり,作りのちゃちさというか,プラスティッキーな感触というのは相当な物で,そこをデザインやコンセプトで十二分に補うことの出来るAppleだからこそ,可能になっているのかもしれません。もちろんOS代としてMicrosoft上納するお金も上乗せされませんし。

 友人はそんなMacBookの現物を見て,どうやらピピッときたらしく,買うことになったわけです。

 それで昨日の日曜日,量販店に買いに出かけました。一緒に買うべき物,あるいは用意しておく方がいいソフトなど考えてみましたが,結局結論は「なにもない」でした。いやー,MacBookってのは,販売店泣かせのマシンです。使い物にならないソフトがてんこ盛りのマシンが多い中,生活マシンとして十分なソフトが最初から揃っているというのは,サードパーティが育たないような気もして心配になります。

 で,私はiBookG4のユーザーなわけですが,それとの比較で簡単なインプレッションを。

・大きさ
 膝の上にのせてみると,大きいなあと言う印象ですね。2kgちょっとですし,薄くできていますが,底面積がiBookG4よりも大きくなっているし,キーボードの両側が随分余っているので,一瞬PowerBookG4のような印象を受けます。LCDがワイドになったことが大きいのでしょうが,ちょっとこれをモバイルにというのは,抵抗があるというところでしょう。

・パフォーマンス
 Core2Duoの2GHzですから相当期待したんですが,実はそれ程でもなかったです。私の期待の仕方が悪かったのですが,例えばPowerMacG5が出たときのあのビュンビュン走るような速さを味わえるかなとなんとなく思っていたのでしょう。
 けどそれは,グラフィック性能に依存する部分でもあるので,MacBookのようなチップセット内蔵のGPUに期待するのは間違ってます。体感では1GHzのiBookG4よりも少し速いかなという感じです。
 ただ,WEBブラウザのレンダリングの速度などはさすがに高速です。処理能力のゆとりも随分感じるので,性能限界に達して買い換える時期は随分先になるでしょう。
 そうそう,COre2Duoは64bitです。MacOSXは32bitと64bit両対応のOSですから,WindowsのようにOSが別になっていて入れ直し,ということが必要ありません。その点でも長生きするんじゃないでしょうか。
 それより,どうもHDDの遅さが足を引っ張っているように感じます。SATAのドライブですし,高速なHDDに交換するだけで,随分改善されるのではないでしょうか。

・キーボード
 ぱっと見るとサンヨーのパソコンPHC-25みたいな(って誰もそんなマシンのことは覚えてないだろう)MacBookのキーボードは,パネルに開けられた穴からキーが飛び出しているという構造になっていますが,これが案外使いやすいです。歴代のiBookはキーボードの質感が悪く,長い文章を書くのが苦痛だったのですが,MacBookのキーボードはしっかりとした剛性を持っており,ストロークもクリックも適当で,なかなか快適だと思います。
 しかし,USキーボードへの交換は,どうやるんでしょうね・・・

・建て付け
 こういうのって結構大事なんですよ。例えばフタを閉めたときに上下左右の4点が同時にぴたっと下と触れるか,しなったりしないか,ギシギシときしんだりしないか,とか。私のiBookG4でも悪くはないのですが,MacBookもこの点は悪くありません。
 iBookG4では,フタを開くとラッチが引っ込むような構造になっていて,このあたりにAppleのこだわりをみた気がしたのですが,MacBookはマグネットによるラッチレス構造なので,さらに美しいです。開きやすく閉じやすいこともよいです。
 
・LCD
 iBookG4のLCDはあまり良い物ではなかったのですが,MacBookのLCDは随分良くなっているように思います。特に発色については,それまでの青が強い傾向から比較的正確な白が出るようになっているようです。
 それと,グレアタイプのLCDになっている点ですが,これは好き嫌いが分かれるところで,私はわざわざアンチグレアでもグレアにするフィルムを貼って使うような人なので全然合格です。しかもMacBookはちゃんとARコートがなされており,映り込みもそれなりに対策されています。結構いい線いってるLCDだと思いますよ。

・ACアダプタ
 湯沸かしポットのようなマグネットで着脱するコネクタ「MagSafe」を搭載したMacBookですが,これは今ひとつ。知らないうちに外れてしまっていることが何度かありました。壊れるのを防ぐことには有効でしょうが,知らないうちに電源が外れてしまうという事故は増えているんではないかと思います。

・外箱
 箱は薄いです。ちょっと大きめのゼロハリのアタッシュケースみたいな感じで持ち帰ることができます。だいたいノートPCの梱包って厳重すぎです。このくらいがちょうどいいです。

・至れり尽くせり
 オーディオの入出力はSPDIFの光入出力にも対応していますし,USB2.0と6ピンのIEEE1394,DVIも持っています。これだけの入出力を持っていれば,普通の用途には困らないでしょう。カメラもひっそりとついていて,チャットには便利に使えるかも知れません。もちろん802.11gに対応したワイアレスLAN,EDRに対応するBluetooth,GigaBitEtherなど,ちょっと前なら考えられないインターフェースも標準搭載です。
 付属ソフトはスパム学習機能が結構優れもののMail,軽快なブラウザSafari,今やなんの説明も必要がないiTunes,音楽を切り貼りで作れるGarageBand,写真の管理や簡単なレタッチも出来るiPhotoなどが入っており,生活マシンとして特に買い足す必要のものはないでしょう。日本語入力も想像以上に良くなっていて,ATOKを買い足す必要性は普通はないのかも知れません。

・ファン
 普段は静かなんですが,ちょっと重いことをするとファンがブワァァーを回り始めます。どんどん回転数が上がるのでちょっと怖くなるくらいです。廃熱の問題はもう少しどうにかならんのかと思った数少ない点の1つです。

・まとめ
 これは買い,です。最廉価モデルがおすすめです。


 ということで,随所にコストダウンによる影響が見え隠れしながら,それをうまくデザインなどで処理して,この価格とこの性能を両立させていることは素晴らしいと思います。

 いわゆるモバイルマシンとしては絶望的だと思いますが,スタイリッシュで軽く,必要な物は最初から全部揃っていて,しかも数年先までゆとりのある高性能を持ち生活マシンとしては当分困らず,それで14万円以下というのは,大したものです。OSにかかる費用がゼロというのがWindowsマシンと違うところなのでこの価格が出せるというのもあるでしょうが,そのOSだって非常に良くできた堅牢で俊敏なOSです。

 そんなわけで,友人はそれまでのWindowsからスイッチすることになったわけですが,メールの移行,iPodとiTunesの移行など,とにかくいろいろなことをしなくていけません。

 私などはこういう環境移行をだらだらやるのが嫌なので,短時間で一気にやってしまうのですが,友人はそうでもないらしく,私のイライラの原因になっていたりします。

 個人的には,まだiBookG4を買い換えることは考えなくていいかなあと思いました。確かに写真やオーディオの処理などでマシンパワーが不足することを感じるようになっていますが,まだ辛抱できるレベルですし,もう少しマシンが進化してから考えることにしたいと思います。

 以前,PowerBookG5が噂されたとき,発表されるといわれたJobsのアメリカでのキーノートスピーチを生中継で見ていたんですが,なにもなくてがっかりしました。PowerBookG5が出たら,借金してでも買おうと思っていましたが,結局MacBookProがそれに変わる物だったのかと思うと,少々複雑な気分です。

 というわけでですね,10年前のMacの印象をお持ちの方々には特に,最近なかなか良くなってきたMacに対し,偏見を捨てて光を当ててみられても面白いんじゃないかと思います。私に言わせればWindowsやPC陣営のがんばりが全然足らんと一喝したいところですが,その間愚直にOSは改良されて良くなっていますし,かつては高価だといわれたMacが実は一番コストパフォーマンスが優れていたりするというのが,現実だったりするんです。

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