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2007年08月13日の記事は以下のとおりです。

シグマ55-200mmF4-5.6

  • 2007/08/13 18:34
  • カテゴリー:散財

ファイル 147-1.jpg

 ペンタックスの*istDLを安く(実際はそれほどでもなかったわけですが)買ったのはいいんですが,どうも今ひとつぴんと来ません。

 撮っていても楽しくないし,あまり良い画を期待できないところもあるし,全体の動作も緩慢で,シャッター音も良くないです。それに,小さいことはいいことなんですが,私の場合はまだそのサイズや形に慣れていないせいもあって,どうも手ぶれが他のカメラに比べて1段から2段ほどしやすくなります。

 撮影後のワークフローについてもいろいろ試行錯誤をしていますが,どうもRAWから現像してJPEGにするまでの流れがすっきりせず,特にバッチ処理については(私の不勉強で)やり方が分からず,いつも滞ってしまいます。

 つまるところ,この手のカメラはJPEG出しをするのがごく普通ということなのかも知れません。言われてみればJPEG出しでも十分な画を出してくれるので,すっかり馴染んでしまったD2Hとはなにもかも正反対ということが言えたりします。

 そんなこともあり,私はこのカメラにコストをかける気にならず,レンズはFA43mm以外は全部ジャンクワゴンに投げ入れられていたものばかりです。

 特にSMC-PENTAX80-200mmというマニュアルレンズは,鏡筒からレンズから,安物のFレンズそのもので,Fレンズからオートフォーカス機構をそのまま取り外しただけのレンズ代物です。色収差も盛大に出ていますし,シャープさも全くありません。銀塩ではそれなりに使えたこのレンズも,やはりデジタルでは厳しいということでしょう。

 ちょっと*istDLがかわいそうかなあと思った私は,ここで投資することにしました。デジタル専用の望遠ズームを買うことにしました。ちょうどベランダから猫が見えたりするので,その時にさっと撮影できるように,200mm程度の望遠があるといいなあと思っていたところです。

 普通ならここで,18-200mmなんかの入れ筋万能レンズを買うところなのですが,私の場合余り使わない広角域のためにレンズが大きくなったり高価になることはもったいないと思ったので,55-200mmあたりを探してみます。

 ペンタックス純正も出ていますし,シグマあたりからも出ていますね。本当はタムロンのファンなのでタムロンで買いたかったのですが,Kマウントの55-200mmは残念ながらラインナップにありません。

 となるとシグマかペンタックスになりますが,値段の安さではシグマ,ただ登場からすでに数年経っているので,設計や製造技術で最新の物を期待できるわけではありません。それに,EDレンズや非球面レンズを使っている訳ではないですし,フィルター径が55mmというあたり,前玉の小ささも安さの秘密でしょう。

 個人的にはシグマのレンズは必要以上に安く感じたりします。デザインも好みではありませんし,10年以上前に買ったシグマのズームレンズは,何もかも気に入らずに売ってしまいました。当時の印象がかなりしっかりと残っていて,もう二度とシグマは買うまいと誓ったものです。

 ところが,この55-200mmの評判を調べてみると,思った以上によいんですね。安くて良く写るレンズとして,すっかり定番となっています。実売で2万円を切っているレンズであれば,この評判を信じてみてもよいのではないかと思ったことで,早速週末に買うことにしました。これで少なくともオートフォーカスが使える!

 で,土曜日に買ってきたそのレンズを早速試してみましたが,特に「すばらしい」という程のことはなかったにせよ,価格を考えると大したものだと思うレンズでした。

 シャープネスも問題なし,色もしっかりのっていますし,歪みも思ったほど大きくありません。若干色収差がでていますが,それも特殊なレンズを使わずによくここまで補正できていると思います。

 デザインの悪さは相変わらずですが,質感は塗装が良くなっていることもあって「よく頑張っているなあ」と思いましたし,なにより軽く小さく,取り回しも抜群なので,まさに*istDLにはお似合いでしょう。ペンタックスの純正でも,このレベルを越えることは難しいんではないでしょうか。

 作例は,当初ろくなものがないので出さないつもりでしたが,1つだけ。この写真は,うちのベランダから見える廃屋で子育てをしているお母さん猫と子供たちの様子を写したものの一枚です。やんちゃな子猫がほほえましいのですが,炎天下にもかかわらず部屋の中と同じくらいの明るさしかない日陰でしたので,大方の写真はぶれてしまっていました(ISO200,F5.6で1/30秒くらいなんです)。

 この写真は偶然近くで遊んでいる子猫で,明るいところだったことと,ISO400に増感したので1/125くらいで撮影できました。いやー,たまりません。

 いずれにしても,資産的価値が全くないレンズですし,ラフにドンドン使い潰そうと思いますが,一応量産経験のあるエンジニアの視点で言うと,これだけの性能のものを,この価格で大量に販売出来るというのは,とてもすごいことだと感心しました。

 EDレンズや非球面レンズ,高価な硝材を用いて性能を上げるのはある意味ではとても簡単なことですが,それでは価格が下がりません。安いレンズと安い材料をうまく使って性能を出すこと,その性能を安定して維持し大量生産すること,組み立て精度や鏡筒の加工精度に頼り切った設計にしないことを,こうして形にしてしまうことは,とても高度な技術とエンジニア達の努力がなければなし得ません。

 おかげで我々は2万円でこれだけの性能のレンズが手軽に買えるわけです。

 そんなことを考えつつ,久々に買った「安物レンズ」に十分な満足感を得ながら,手ぶれを連発しておりました・・・精進せねば。

 ・・・しかし,私などは思うのですが,*istDLやEOSkissDなどで「デジタル一眼レフ」を体験する人たちは,このくらいが「一眼レフ」なんだと思ってしまうのでしょうか。

 一般には非常に評価の低いD2Hでさえも,カメラとしての基本性能の高さを否定する人はいないのですが,そのレスポンス,AF精度,安定感など,一度使えば明らかに違うと感じるものを持っています。これらは,結局撮影者の撮影意欲をかき立てるエネルギーとなります。

 だから,安い価格でデジタル一眼レフを初めて体験した人には,ぜひ店頭でも友人でもいいから,D2シリーズやEOS1Dシリーズなどを触って,その道具としての洗練度を味わって欲しいなあと思うのです。

 確かに,安価なデジタル一眼レフでも,素晴らしい写真が撮れますし,プロはある程度の性能のカメラなら不自由なく良い写真を撮影します。むしろその個性を楽しんでいるかのようです。

 へたくそなアマチュアほどカメラやレンズにうるさいもので,それは日本にカメラがやってきた遙か昔からずっと続く伝統なわけですが,それでも私が最初に買ったカメラが*istDLだったら,きっと一眼レフってこんなもんだろう,と思ったに違いありません。

 もし,そこでカメラの面白さにたどり着けず,離れてしまうような人が出てきたとすれば,これは気の毒なこととしか言いようがありません。プロでもアマチュアでも,とにかく予算の許す限り(必ずしも高価である必要はないのですが))高級なものを手に入れておくことが,道具としてのカメラに私が思うことです。

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