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2008年09月30日の記事は以下のとおりです。

PE-101Aを買いました

  • 2008/09/30 13:56
  • カテゴリー:散財

 最近のパイオニアはどうしたものかと,外側にいる私は非常に好印象を持っています。

 私にとってのパイオニアはスピーカーでも単品コンポでもなく,レーザーディスクとカーナビ,そしてミニコンポのメーカーで,いわゆるピュアオーディオからは遠い存在でした。

 いろいろ良くない噂も耳にしますが,それでもそれなりの価格のアンプやSACDプレイヤーを本腰を入れて作ったこと,割とまともなカセットデッキが最近まで売られていたこと,FMチューナ-がちゃんとラインナップされていることなど,かつてオーディオマニアだった人たちとこれからオーディオに入る人たちに,良質かつ広い入り口を用意してくれる,そんなありがたいメーカーになっています。

 SACDプレイヤーだって,100万円以上の超高級機以外はカス,という空気が強い中で,ヤマハとパイオニアの20万円弱の製品が一定の評価を受けている事実を考えると,やはり量産が得意な日本のオーディオメーカーが本気を出せば,この価格でこの内容のものが買えるのだと,我々が忘れていた80年代までの「常識」をふと思い出させてくれたりします。夢があっていいですね。

 パイオニアは元々,HI-Fiスピーカーでスタートしたメーカーですが,自作派のマニアにもスピーカーユニットを提供し続けた良心が基本的に生き続けているようで,彼ら自身もそうした歴史を「良い歴史」と捉えている節があるようです。

 今年の70周年を記念して,かつての名機「PE-101」が復刻,「PE-101A」として販売されることが決まったというニュースを聞いたのは8月の中頃でした。

 価格は1つ11800円と,10cmフルレンジとしてはなかなか高級です。自作派がガンガン作るためのユニットという感じではなさそうで,その辺はやはりアニバーサリーモデルなんだなあと思ったのですが,実は30年前のPE-101の価格もそれなりに高くて(5500円だったそうです),物価上昇を考慮すると今回の価格がべらぼうに高価であるとは言えないようです。

 それだけに変に妥協したりグレードアップして欲しくないところですが,当時の素材を使うなど,可能な限りの復刻を目指してくれているようで,そういう方針はありがたい話です。

 聞くところによると,パイオニアとしても普通の人には絶対に売れないこの手の商品を発売するのが久々で,全く数が読めないんで困っているんだということでしたが,やはり初回出荷分は完売の様子で,次は10月中旬になってしまうらしいです。

 ところが30年前とは違います。きちんとしたエンクロージャを作ることの出来る人は限られていますし,もっと手軽にPE-101Aの音を楽しみたいと考える人も多いでしょう。そこでパイオニアは,PE-101Aにあわせたエンクロージャの完成品を別売しました。

 1つ14000円ですが,これがなかなか高級感があり,「これを14000円で売ってしまえるというのはやはりメーカーはすごい」とため息をついた自作マニアがいるとかいないとか。

 さて,以前からスピーカの自作を考えていた私としては,PE-101Aという素晴らしい素材が手に入るこの機会を逃すのも惜しいと考えて,すぐに予約をしました。9月24日は手に入れていたのですが,肝心なエンクロージャをどうするか,現物を手に入れた時でも考えあぐねていたのです。

 パイオニアのホームページには,推奨エンクロージャの図面がいくつか出ています。バスレフやバックローデッドホーンという定番の中に,フロントローデッドホーンというちょっと見慣れないものが含まれています。

 見た目はあのアルテックのA7を小さくしたような感じのものですが,バスレフとの併用で低域を出そうとしているようです。高さも30cmほどとかわいらしい容姿で,置いておくだけでもさまになりそうな感じです。

 今や市販品でもほとんど目にすることがないフロントローデッドホーン,しかも30cm程のミニサイズで,ユニットはPE-101Aと来れば,もう自作以外に存在しません。これはやるしかない,と思って計画を練っていました。

 ただ,私は木材の加工が下手くそで,どうも精度を出すことが出来ません。工具類も木工用のものはほとんどありませんし,材料の入手も近所にホームセンターがないこともあって,手軽というわけにはいきません。

 また,確かにフロントローデッドホーンは効率を向上させ,低域を豊かにする力がありますが,高さ30cm程度の小型のものでどれほど効果があるのか,ちょっと疑問もわいてきます。結局ホーンは飾りでバスレフが支配的になるのであれば,良い素材と良い作りの完成品のエンクロージャが最適ということになるでしょう。

 それに自作だってそんなに安くはありません。板だけで2本分で15000円ほどもかかるでしょうか。工具や接着剤,塗料や端子などを買えば,2万円を越えるのは確かでしょう。

 見た目が悪い,精度が出ていないなどというのは,自作ならではの個性でもあるし,良いことであるとも思うのですが,加工精度の悪さがPE-101Aのポテンシャルを引き出せないのだとしたら,これはもったいない話です。自作をしたという満足感と,実際よりもいい音に聞こえるという心理的な効果を割り引くと,実は実用品としての自作には,それほど魅力がないのではないかと,そんな風に思ってきました。

 決め手になったのは,届いたPE-101Aが壊れていないか確認するのに,裸でならして見たときの音の良さです。箱に入れていませんから低音も全く出てこず,中音域にもおかしなクセがあるのですが,それでもボーカルがしっかり真ん中に浮かび上がってきます。このスピーカーの目指すところが分かった気がしたのですが,そのためにはおかしな自作のエンクロージャではなく,まずはメーカーが用意したものをきちんと使ってみようと,そう決心しました。

 どうせこういう事になるなら一緒に注文しておけばよかったのですが,すでに本日の時点で発送されたとの連絡を受けています。早いですね。

 最近のスピーカーはエッジを柔らかくし,ストロークを大きくした,いわゆるハイコンプライアンス型が主流です。口径が小さくともストロークが大きければ,多くの空気を動かすことが出来るという点でどちらも同じと見る事が出来るのだそうですが,小さい口径のスピーカーがしっかり低音を再生できているというのは,部屋の大きさに限りがある我々庶民にはありがたいことです。

 ところが,その結果として効率が下がってしまいます。効率が低いと,同じ電力を入れても音圧が上がりません。最近のスピーカーが真空管アンプで駆動しにくいのは,こういう事情もあるからですが,なるほど今から40年も50年も前の名機と呼ばれるスピーカーには,音圧レベルが100dBに達するものがあるのも納得です。

 また,ストロークの深さは,必ずしも入力電力に比例してくれません。だから大音量時に歪みが増え,破綻してしまう傾向があると言われます。大口径のスピーカーならこういうことは起こらないのですが,口径が大きい分だけ2次振動や3次振動が発生しやすくなりますし,高音が出にくくなるので2wayや3wayにしないと成立しません。

 PE-101Aというのは,基本設計が30年前のものだけに,この辺の無理をしていないようです。これが素直で整った音を出している理由だという人もいます。その代わり低域と高域の物足りなさ,レンジの狭さを嫌う人もいたりします。

 オーケストラのような壮大な音楽は,どうせ10cmのフルレンジではどうにもならないでしょうから,このスピーカーではボーカル,小さな編成のジャズを楽しむのが正しい使い方ではないかと思いますし,逆にそうした音楽が堪能できれば,私としては全く問題はありません。

 ということで,とにかく完成品のエンクロージャーが届くのを楽しみにしています。
 

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