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2009年02月12日の記事は以下のとおりです。

アナログの大家に愚問

 アメリカの半導体会社にNationalSemiconductorという会社があります。

 日本ではナショセミと略す人も多かったのですが,日本では「ナショナル」は松下電器(現在のパナソニック)を指すことが普通であったというのが理由のようです。ですから最近はナショナル,と言う人も増えてきたように思います。

 このNationalSemiconductorに,この業界で知らない人はいないと思われるほど著名なエンジニア,Bob Pease氏がいます。

 NationalSemiconductorは,80年代には様々な半導体を手がけていた総合メーカーでしたが,90年代にアナログICに特化する戦略をかかげ,それでも個性的だったCPUやデジタル系のICから撤退しました。

 昔からアナログの名門だったNationalSemiconductorは,名実共にアナログICの専門メーカーになったわけです。

 NationalSemiconductorが名門たるゆえんは,かのBob Widlerが在籍し,ここでLM101などのアナログICを産み出し,その後も続々と優れた製品をリリース,多数のデファクトになった品種を擁することにあります。

 WidlerはFairchildで世界初のモノリシックOP-AMPを開発し,その後NationalSemiconductorに移籍します。ここでも彼は多くの製品を手がけることになります。

 今のOP-AMP,もっというとアナログICは,このWidlerによって設計されたものがベースになっています。つまり,WidlerはアナログICのお父さんですが,Bob PeaseはNationlalSemiconductor時代のWidlerをとてもよく知るかつての同僚で,自らも傑出したエンジニアです。

 残念ながらWidlerはジョギング中の心臓発作で若くしてなくなりますが,NationalSemiconductorのWebサイトにBob Peaseが持つページでは,彼の写真が掲載されています。

 Bob Peaseは中世の魔法使いといった風貌で,長い髪,伸びたヒゲのおじいさんです。そして非常にユーモアにあふれ,NationalSemiconductorがユーザーサポートの一環で放送していたアナログ回路講座のストリーミング放送では講師を務め,目の前でホワイトボードを仲間と共に真っ黒にしながら,難解な話を笑いながら説明して私などはすっかり煙に巻かれてしまいました。

 このBob Peaseが,とある日本の雑誌のインタビューで,ちょっと面白いことをいっているので,紹介します。

 アナログは人気がない,どうすればいいのか,という問いに対し,

  確かに人気がない。
  だけどそれがどうした。
  だからこそ価値があるんじゃないか。

 いやー,ほんとにまいりました。

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