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2009年05月11日の記事は以下のとおりです。

Niftyを解約

 私は17年ほど前からNiftyの会員でした。随分長いように思いますが,私などまだまだ序の口で,黎明期からNiftyを育ててこられた方々には頭が下がります。

 Niftyに加入したのは,フリーソフトを手に入れたいという気持ちがあったのと,フォーラムをみたいと気持ちがあったからです。加えて電子メールが使え,当時ようやくインターネットへの接続が行われた時期でもあり,これは毎月の会費を払っても価値があると判断しました。

 思い起こせば,Niftyに加入するためにクレジットカードをこしらえましたし,就職の際にオシロスコープやMacintoshSE/30を売却したのも,Niftyの「売ります買います」でした。

 中央集権型のパソコン通信サービスが産声を上げたのは80年代で,一説では市内電話が無料ゆえアメリカで普及したと言われていました。

 日本でもNTTが電話回線を開放し,モデムを素人が取り付けられるようになると,富士通がNiftyServeを,NECがPC-VANを,工学社がTelStarをスタートさせましたが,高額な電話料金に高価なモデム代,その割に手に入る情報の少なさでなかなかメジャーになることはありませんでした。

 私は当時,パソコンは個人が自由に使いたいだけ使えるのがパソコンなのであって,銀行のインラインシステムのようにホストコンピュータに電話回線で繋ぐなんてまっぴらごめんだと思っていました。繋がった先の都合で速度や表現力,出来る事が制約されるなど,パソコンのあるべき姿とは違うと思っていたのです。

 今,パソコンはネットワークに繋がらないと価値をほとんど失います。逆の見方をすればパソコンはネットワークに参加すると,その価値を何倍にも増幅させるということになるのですが,今ほどパソコンがネットワークをのぞき込む「窓」になるなんて,当時は想像だにしませんでした。(結果論ですがWindowsとはよく言ったものです)

 当時NiftyServeと呼ばれたパソコン通信サービスは国内最大の無敵を誇り,ここにない情報は国内にはないのではないかと思うほど充実していました。確かに中央集権型の通信ではありますが,情報の発信者になることが出来る仕組みはとても珍しく,発信者が増えるほどそのネットワークの価値は上昇し,それがまたさらに人を集めるという循環を繰り返していきました。

 当時はそれでも安い市内電話で繋げられる大手はなく,市内電話で繋げられるローカルな小規模なパソコン通信サービスがあちこちに存在していました。「草の根ネット」と呼ばれたそれらホストサービスは多くが有志によって無償で行われ,地域ごとの特色を活かした,規模とは違う別の面白さを我々に見せてくれていました。

 今では信じられないことですが,電波新聞社からパソコン通信サービスを集めた電話帳が毎年売られていたのもこの時期です。

 やがてインターネットの時代が訪れ,中央集権型のパソコン通信は廃れていきます。大手もインターネットの接続を果たし,ホストにある情報はインターネットからもアクセスが可能となりました。

 インターネットへの参加に必要なIPアドレスを貸し出すインターネットサービスプロバイダが現れ,大手パソコン通信業者も,インターネットサービスプロバイダへの転身を図ることになったのが90年代中頃の話です。

 他社と同じく,Niftyもホストサービスを停止し,膨大な情報を持つフォーラムは,インターネット上に散っていきました。

 私は,Niftyはフォーラムがキラーコンテンツだと思っていましたから,これが消滅する段階で利用する理由が消えてしまいました。それでも月々210円でこれまで長く使ったメールアドレスが維持できるというので,プロバイダは別の所を使っていながらも,Nifyuに毎月210円支払っていたのです。

 しかし,考えてみると全く無駄です。メールアドレスは全く利用せず,Niftyあてに出す人も全くいません。Niftyの会員サービスに特に魅力的なものはなく,唯一公衆無線LANが利用できることくらいでしょうか。

 先日,Willcomのサービスを月々980円で受けることにしたことはここにも書きましたが,この月々980円のコストを少しでも軽くするために,Niftyの解約を思い立ちました。

 実は今のNiftyの最低料金は262円です。210円というのは移行措置で用意された金額であり,新規での加入は出来ません。本当にメールアドレスの維持費用という感じです。

 そういう点でも,何度もNiftyの解約を考えては断念することが多かったのですが,使用実績や今後どれくらい世話になるかを考え,4月30日付けで解約をすることにしました。

 WEBから解約の手続きが出来るのですが,非常にあっけなく手続きは終わりました。そして3日ほど前,手続き完了のはがきが届きました。

 これまで,Niftyには随分お世話になりました。かつては「他と群れるなんて」と無頼を気取っていた私も,PC-9801を使う頃にはNiftyへのアクセスが楽しみで仕方がなく,ディスプレイが大きな世界の覗き窓になっていたことを実感していました。

 海外出張の時には現地に用意された提携ネットワークサービスのアクセスポイントからローミングで接続し,日本の友人達と電子メールでやりとりを続行できました。

 次々と新しいことが出来るようになった時代を過ぎ,今のNiftyは今ひとつ当時の気概を感じません。当たり前と言えばその通りなのですが,結局サービスプロバイダへとしてのNiftyにとって重要なのは,毎月決まった金額を支払ってくれる会員数が重要なんだろうという事でしょう。

 その点で,かつてのパソコン通信サービスにあった各社の差とそれに基づく選択肢というのは,今はもうないということになります。どこを選んでも同じ,もちろん各社差別化を意欲的に行っていますが,その差を欲しがる人が少ない,言うなれば「繋がる」「IPアドレスを貸してもらえる」こと以上に期待している人が少ないというのが実際の所でしょう。

 いくら会員限定動画配信を行っても,それを見たい人がどれだけいるのか,それがその会社の個性になり得るものかを考えてみると,残念ながら弱いというのが私の意見です。

 ということで,ここ数年間Niftyを全く使わなかった私は,解約してからこっち,解約したことも忘れてしまうほどNiftyと無縁の日々を送っていました。私がNiftyの人間だったらと考えてみると,ここ数年私のような人間にとって全く価値も意味も持たずに変化をしないでやってきたことは驚きですし,それでも存続できたという事実が,不思議でなりません。もしかすると,私が知らないだけでNityにはとても個性的でNiftyでしか楽しめないなにかが,あったりしたのかも知れません。

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