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2009年07月22日の記事は以下のとおりです。

D-70にファクトリープリセットが戻った

 昨日,少し時間が出来たので,D-70のファクトリープリセットの再現を試みました。

 D-70は,5キーを押しながら電源を入れると,内部のSRAMの状態をバルクデータとしてMIDI経由で出し入れすることが出来ます。

 海外の有志が随分昔に,工場出荷状態(といわれている)データを用意してくれていて,これを書き込めばよいのですが,問題はその書き込み方法です。

 幸い,SMFになっているものが見つかったので,シーケンサーで送り込めば良さそうな気もしますが,バッファ容量とか,大容量のバルクデータの送受信を想定していないソフトだと,案外うまくいかなかった経験があります。

 こういう時は,データの転送を想定したものを使うのがよいのですが,手軽なのはローランドがファームウェアのアップデートに使う目的で配布しているSMFの送信ソフトです。RD-700のファームウェアアップデートでも使った経験があるソフトで,どういうわけだか現在はリンクが切れていてダウンロード出来なくなっています。

 今回はこれを使う事にしました。

 MacBookProにUA-25をつなぎ,さらにUA-25とD-70をMIDIで繋ぎます。送信ソフトを起動するとMIDIインターフェースを選択出来るので,ここでUA-25を選びます。

 D-70を5キーを押しながら電源を入れ,データ受信モードを選択して,ENTERを押して受信状態にしてから,送信ソフトでデータを送信します。

 D-70の画面にデータの受信状態が表示されて,しばらくすると受信が終わります。EXITキーで受信モードを抜け,電源を再投入すると,あの見慣れた画面が出てきて一安心。

 鍵盤を押せばちゃんと音も出ます。しかし,いつもの起動画面がスキップされているので,ちょっと違和感があります。3キーを押しながら電源を入れると,いつもの起動画面に戻ってくれました。この点から考えると,本当の意味での工場出荷状態のデータというわけではないようです。

 しかし,気になったのはこの点だけです。いつもの場所にいつもの音色が配置され,いつもの音が出てくるようになりました。

 キーも一部反応の悪いキーがありますが,実用範囲なのでもうこれで終了としたいと思います。

 まだ組み上げたわけではないので完成というわけではありませんが,とりあえず危機は脱したと思います。つくづく,インターネットのありがたみを感じました。

 ということで,おまけ。D-70のキーデバイスの一覧です。

N80C196KB - CPU
SRM20256LC-12 - 8 x 32K SRAM
M5M4464AP-10 - 4 X 64K DRAM
LH5164DL-100 - 8 x 8K SRAM
PCM61P - 18-Bit Monolithic Audio DAC
M51953AL - Reset IC
PC910 - Opto Coupler
MB87419 - Custom PCM Chip
MB87420 - Custom PCM Chip
MB834000A-20-G-3B1 MASK ROM - PCM Wave A 4Mbit
MB834000A-20-G-3B2 MASK ROM - PCM Wave B 4Mbit
HN62304BPE98 MASK ROM - PCM Wave C 4Mbit
HN62304BPH57 MASK ROM - PCM Wave D 4Mbit
HN62304BPH58 MASK ROM - PCM Wave E 4Mbit
HN62304BPH59 MASK ROM - PCM Wave F 4Mbit
SSC1000 - Gate Array (key scan)
TC23SC140AF-007 - Custom FX Chip
MB87424 - TVF Chip
SLA7160FIC - Gate Array
uPD65005G-062 - GateArray (IC card)
HG61H15B72FS - Gate Array (input/output)
AM27C512-125DC Eprom A 512kbit
AM27C512-125DC Eprom B 512kbit

 CPUはインテルの組み込み用マイクロコントローラである80C196です。私はMCS-96シリーズは良くわからんのですが,一応16bitのCPUで,ひところのIBM製のHDDなんかによく使われました。D-20やW-30なんかには8097が使われているようです。

 汎用のCMOS-SRAMやDRAMはさすがに当時強かった日本製が使われていますね。DRAMなんか三菱製です。

 PCM61は18bitのDACです。これも当時はよく見ました。JD-800でも使われていますね。

 MB87419とMB87420はカスタムICなので詳細はわかりませんが,PCMを処理する「音源チップ」なんでしょうね。そのPCMは4MbitのマスクROM6個に格納されており,全部でトータル3MByteという大容量!です。JD-800との比較ですが,実は全く同じ容量だったりします。

SSC1000はキースキャン用のIC,TC23SC140はエフェクタ用のICですが,どっちもカスタムなのでよくわかりません。MB87424はTVFとありますが,D-70はRS-PCMキーボードであるU-20の系統のシンセサイザーですが,U-20やU-220との違いはTVFがあるかないかでした。開発中はU-50と呼ばれたD-70が,U-20にTVFチップであるMB87424を搭載して生まれたというストーリーは,なかなか辻褄が合っているように思います。なお,このMB87424,SSC1000は,JD-800にも使われているようです。

 SLA7160もuPD65005G-062もHG61H15B72もゲートアレイで,詳細はわかりません。ですが,uPD65005G-062はD-20やD-50に使われているようですし,HG61H15B72についてもD-20やU-20なんかには使われているゲートアレイなんじゃないでしょうか(確認したわけではありませんが)。

 これらの回路図を手に入れるのは難しいものですが,もし手に入ったらきっと楽しいと思います。回路図こそ,設計者の意志が投影されたものですし,回路図上の変化から時間軸上の変化,変遷が見えてきます。

 というわけで,私は回路図を酒の肴にたしなむ人です。

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