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2010年11月08日の記事は以下のとおりです。

雨のアキバと秋月で買った容量計の話

  • 2010/11/08 14:19
  • カテゴリー:make:

 少し前のこととなりますが,10月半ばの3連休の初日のことです。当日の東京地方は雨だったのですが,先頃定年された会社の方と一緒に,アキバ巡りをしようという話を実行に移すべく,私は待ち合わせの時刻に秋葉原にいました。

 彼の用事は主にPCパーツで,特に電源ユニットにいいものが欲しいということと,手に入れられたばかりのNEX-5向けに,32GBのSDカードを買いたいということだったのですが,私は元来PCパーツはからっきしで,アキバへはもっぱら電子パーツを買うために訪れます。

 前回行ったのは半年ほど前ですから,ちょうど今年の酷暑のアキバを知らないのは幸いだったと言えるのでしょうが,今のアキバは再開発のまっただ中で,ビルがなくなり向こう側が見えたり,背の高いビルが視線をふさいだりと,景観がコロコロ変わるので,毎度毎度驚きがあります。

 まだ残暑の残る10月ではありましたが雨のおかげで涼しく,また人が少なかったこともあって随分助かりました。みんな「面白いものを買おう」とがっついた視線がビリビリしている,この街には独特の雰囲気があります。

 今回私は,特に急ぎで買うものもなかったのですが,秋月電子では欲しいものが溜まっていたので,彼には事前に秋月で買い物をしたいという事は伝えてありました。

 電源ユニットは案外高価であることがわかったのですが,足で稼ぐのが秋葉原,さすがに歩き回ると予算ぴったりでとてもよいものが見つかったようでした。ただ,雨という事で後日買うということになりました。

 SDカードは価格を見て回ったところ,やっぱり今の旬は8GBから16GBというところです。私の目安は,半分の容量のSDカードを2枚買ったときの値段と比較して,1割程度安いとそれを旬と認定,といった感じなのですが,まだ16GBは8GBの2倍ちょうどくらいという線でした。しかし8GBと16GBではちょっと用途が違ってくる(16GBなら動画も躊躇なく扱える)ので,目的によってどちらが旬かは違ってくると感じました。

 いずれにせよ32GBはまだまだ高価で,16GBを2枚買った方が全然安いわけですから,どうしても32GBでなければならない人向けに売られている商品を,とりあえず大きなものが欲しいなという理由ではちょっともったいないと思いました。よってこちらも買わない事に。

 ちょっとした細々としたものは別にして,ほとんど手ぶらの二人は最後の店である秋月電子に向かいますが,電子パーツでアドレナリンが出るのは私だけで,彼は秋月の外でタバコを吸っておられました。

 この段階で二人はすでに3時間歩き回っていて,天気の悪さもあってすっかり疲れていたのですが,私は秋月に,彼はタバコで復活を遂げたということですね。

 秋月では,電池や白色のLED,ATtiny2313を1レールという感じで,部材の在庫を確保したのですが,前日に秋月のホームページで見つけた,コンデンサ容量計のキットを楽しみにしていました。

 この容量計,中国のキットらしいのですが,ATmega48を使ったもので,誤差1%(2%という記述も・・・どっちや),1pFから500uFを測定可能,オートレンジとゼロアジャスト機能を装備,無調整で組み立てたら即利用可能で,お値段は950円と安いものです。

 基板と部品がセットになっているし,当然ファームは書き込み済みですので,気楽に作る事の出来るキットと言えるでしょう。少し前にStrawberryLinuxのLCメーターを組み立てましたが,あれより全然安く,測定範囲も広くて,誤差が1%ということですので,ちょっと期待して,購入翌日の日曜日に組み立ててみました。

 まず,A4の紙に英文で組み立て方,回路図,部品表が印刷されています。組み立て方には大したことは書いていませんが,回路図と部品表を照らし合わせると,どうも抵抗がいくつか入っていないようです。

 どの抵抗がいらないのかはわかりにくく,確かに部品表に記載がない部品は取り付けられませんが,一言「部品表にない部品は取り付けないでください」と書いてあると安心なんだけどなと思います。

 また,中国の抵抗って,カラーコードが読みにくくて困りました。1%品は5本のコードが書かれていますが,日本のように左右をはっきりさせるための,誤差を示す帯を細くするということが徹底されておらず,カラーコードを読み続けて30年のこの私が,読み違いをして取り付けてしまうという,自尊心の砕けるようなミスを起こしてしまい,落ち込みました。

 さらに,1%である必要のない抵抗が1%だったりして,回路図をみて首をかしげたり,もっと深刻だったのは10kΩが1本足らず,39kΩが1本多かったことです。入れ間違えたんですね,きっと。

 回路図を見ると単純なプルアップでしたので,炭素皮膜の5%の10kΩをパーツケースから取り出して完成です。秋月に言えばもらえた抵抗だとは思いますが,電話代で抵抗が買えますので,今回はまあいいや。

 電源をいれて,ストレー容量をキャンセルするゼロアジャストボタンを押します。値は比較的安定して,0pFを表示しています。

 ここで,先日日本橋で買った1000pF,1%を測定してみます。

 すると,値がバラバラ動きます。最低値は976pF,最大値は997pFで,1秒に3回ほど値が変わります。これは結構困ったものです。1000pFくらいの容量なら,ちゃんとゼロアジャストしてあればストレー容量の影響は5pF以下と考えたいので,最大値と考えるとまあこんなものかと考えられそうです。

 しかし,値が変動するのはおかしいです。

 今度は0.1uFの1%を測定してみます。結果は97.5nFと言う感じで,やはりやや小さめに出てくるようです。さすがにこのくらいの容量だと,ストレー容量が5pFあっても影響は小さいはずで,1%のコンデンサなのですからここはやはり100nFと,ばちっと値を出して欲しいところです。

 部品の付け間違いなどを調べて見ましたが,あいにくそういう間違いはありません。近い値が出ていることを考えると,精度はともかく動作はしていると考えて良いでしょう。

 真面目にこの容量計を考えてみます。

 まず,詳細が全然書かれていないので推測となりますが,実はELMさんのホームページに昔から掲載されている「デジタル容量計」の回路を見比べて見ると,非常によく似ています。特に3.3MΩと3.3kΩという特徴的な値も含め,そっくりな回路です。(私自身,この容量計の評判を耳にして,そのまま作ってみようと部品を揃えていましたが,時間がなくて取りかかれないままなのです)

 仮に,ELMさんの容量計のコピーであるとして,その原理を考えてみます。ELMさんのホームページから,回路図,動作説明,そしてソースリストを手に入れます。

 そして,今回のキットの回路図を眺めて下さい。(キットの回路図の入手はjyetechでgoogle先生に尋ねてみて下さい)

 原理的には,被測定コンデンサに充電をし,少しずつ上昇する電圧をAVRのコンパレータでキャプチャして,電源電圧の0.17倍の電圧に達した時刻と電源電圧の0.5倍の電圧に達した時刻から,その時間差を求めます。

 充電に使った抵抗の誤差が1%なら,この時間差によって一意に決まる被測定コンデンサの容量も,また1%の誤差となるわけです。2つの電圧の差から時間を求めていますので,電圧の絶対精度は結果に影響せず,測定中の電圧変動が誤差に直結します。

 この回路では,充電に使う抵抗を3.3kΩと3.3MΩと切り替えています。これは測定レンジの切り替えのためで,ELMさんの回路の場合約60nFを境に3.3MΩをLow,3.3kΩをHighとしているとのことです。

 さて,その0.17倍と0.5倍の切り替えですが,まずは被測定コンデンサを放電させねばなりません。これはAVRのPD6がLowになると,被測定コンデンサの両端がR9の120Ωでショートされます。

 続いて,コンパレータに0.17Vccの電圧を与え,この電圧になったらタイマをトリガするように設定しますが,これはAVRのPB5を出力方向にし,Highにすると,R13の10kΩとR15の39kΩの合成抵抗である7.959kΩと,R16の39kΩによって作られます。

 被測定コンデンサの電圧が上昇し,0.17Vccを越えると,AVRのPB5の方向を入力に切り替え,Hi-Zにします。こうするとコンパレータの電圧はR15とR16による分圧で作られる0.5Vccとなります。

 こうして,0.17Vccになった時刻と0.5Vccになった時刻の2つから,かかった時間を求めて,容量に換算して表示するという仕組みです。

 この方式で問題となる誤差は,まず被測定コンデンサに充電電流を流す抵抗です。ここはキットでも1%品を使っています。

 次に,コンパレータの電圧を作る分圧抵抗で,これもすべて1%品です。0.5Vccを作る39kΩは0.17Vccでも使いますから誤差は相殺されるとしても,R13の10kΩについては1%がまるまる効いてきそうですね。この段階で2%の誤差が蓄積されました。

 そうそう,クロックの精度も一応みておきましょう。タイマのカウントを使って時間の測定を行っているのですから,クロックの誤差がそのまま測定値に影響を与えます。このキットでは12MHzのクロックですので,おそらくタイマの最小カウントは83nsという時間です。しかし,いくらラフな設計であっても,水晶発振子を使う限り,多くても100ppm,普通は50ppmまでですので,これはほとんど気にしなくてもよいでしょう。

 そう考えていくと,影響として支配的なのは,R13の10kΩと,R11の3.3kΩもしくはR12の3.3MΩですね。

 これくらいなら無調整でもなんとかいけそうな気がしますが,ELMさんの容量計では,校正機能がついていて,校正用のコンデンサを使ってデジタル的にゲインを補正することができます。この結果,1%精度での測定が可能になるのですが,今回のこのキットではこうした機能は,少なくとも説明書には見当たりません。

 ということで,このキットでは校正が出来ず,また安定性も今ひとつという事もあり,ちょっと真面目に検討をしなければならなくなりそうです。ちなみに,この100pF1%のコンデンサを,1年ほど前に買った秋月のテスタで測定すると,ばっちり1nFと表示されました。あんなに長いテスタリードを経て測定しているのに,なんでぴったりの値が出てくるのか不思議な気もしますが,うまくキャンセルする仕組みがあるのかも知れません。

 回路図やスペックを見ると,ELMさんのコピーであることはほぼ間違いないと思います。ELMさんのオリジナルでは,AT90S2313を使っていますが,7segLEDを駆動するのにピンが足りなくなり,外に別のロジックICを追加するという方法を取っています。

 このキットではそれを嫌って,ピン数の多いAVRを使い,ICの数を減らすという工夫を行っています。

 原理的に素性はいいはずで,ちゃんと作れば精度はそれなりにでると思うのですが,やはり金属ケースに入れるなどの工夫は必要かも知れません。

 本当は真面目に検討したいのですが,いいアイデアが浮かばず,1ヶ月近くが経過してしまいました。校正をするのにクロックを可変するとか,1%の抵抗を可変にするとか,いろいろ考えてみたのですがいずれも一長一短があって,実行に移していません。いい方法はないものでしょうか。

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