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2010年12月09日の記事は以下のとおりです。

さらばT-ZONE,そしてすごいぞパーツランド

 かつて,IBMからPC110という,文庫本を少し大きくしたくらいの
サイズのモバイルPCが出ていました。私もこれには随分
はまって,Windows95を入れて持ち歩いていましたが,
T-ZONEはこのPC110のオリジナルオプションを作ってくれるほど
熱心で,増設メモリやら内蔵モデムなど,いろいろ
買いました。

 それ以上に,私のように,学生の頃にアキバに来ることが
出来なかった人は,アキバには亜土電子という店があるらしい,
ここはビル1つが上から下まで全部電子部品の店らしい,と
言う話に,まるで外国の話を聞くような驚きと憧れを
感じた記憶のある人もいたはずで,今回の廃業は,
感傷的な気分にならざるをえないものがあります。

 いささか旧聞になりますが,アキバの名門ショップ,T-ZONEが廃業しました。私が電子工作に興味を持ち,お手本にしていた初歩のラジオやラジオの製作がおよそ秋葉原で手に入る部品を基準に記事を作っていたころ,大阪にいた私は,日本橋と秋葉原の間にある,高い山を意識せざるを得ませんでした。

 もちろん,当時の日本橋も電子部品を手に入れるのにそれほど苦労はなく,ニノミヤは本店とエレホビーの最上階が電子部品の売り場,ジョーシンの1番館も最上階が電子部品売り場でした。

 シリコンハウス共立も三協電子もテクニカルサンヨーはもちろん,個人的には親切にしてもらった記憶しかないアークエレクトロニクスももちろんあって,これらを一回りすれば概ね部品は揃いましたが,ケース,コネクタ,ジャック,スイッチといった機構部品のたぐいは,秋葉原とこんなに違うものかと思うほど,別の部品が売られていたものでした。

 年齢と共にノウハウも付き,スイッチなんて電気を入り切りするだけ,ケースなんて基板がおさまりゃなんでもいい,コネクタなんか単純に線を繋ぐだけ,と割り切って,手に入るものを使いこなすことを覚えるのですが,半導体に至ってはそういう工夫も難しく,秋葉原と日本橋との間と同時に,自分の未熟さにくずおれたものでした。

 1980年代後半のことだと思うのですが,今のツクモexのビルが完成,亜土電子という電子部品とパソコンのお店が入って,上から下までエレクトロニクス一色の「T-ZONE」というお店になったことを知ります。

 電子部品などという,ニッチな商品だけでビルが1つ出来て,上から下まで埋まるものなのか!,アキバというところはなんとマニアックな街だ!と,さも外国の話を聞くような驚きと憧れを感じた記憶が私にはあり,まだ箱根の山を越えたことのない当時の私は,まだ見ぬ秋葉原を,いつしか聖地と考えるようになったわけです。

 時は流れ東京で暮らすようになり,アキバに足を運ぶようになりますが,この時すでにT-ZONEはPCパーツのお店になっており,電子部品は売られなくなっていました。当時,電子部品の大型店舗であったヒロセ無線もつぶれてしまっており,むしろ日本橋の方が部品の入手が容易な印象さえ持ちました。

 ただ,T-ZONEにはその後も度々お世話になることとなります。私はPC110という小型のPCにはまった時期がありましたが,T-ZONEはこのマシンを強烈にバックアップしていて,オリジナル周辺機器を作るほどの力の入れようでした。増設メモリ,高速なモデム,そしてオリジナルカラーの外筐。これらを買いに,土曜日の早朝から出かけてみたり,会社の帰りによってみたりと,よく立ち寄りました。

 そういえば,初代iPodを予約したのもここでした。そう,このころは今のドンキホーテのビルが,T-ZONEだったのです。懐かしいなあ。

 盟友(といっていいかどうかわかりませんが)のツクモはヤマダ電機の一部となり,新興勢力ソフマップはビックカメラの傘下に入って,T-ZONEはCSKの支援を受けたり,ファンドの餌食になったりといろいろあったのち,最後に1つだけ残ったお店が,今回の廃業と共に姿を消すことになりました。

 このお店,決して広いわけではありませんが,それでもいつもお客さんでいっぱいでしたし,品数も品種も決して悪くはありません。価格も安く,多くのマニアが巡回ルートにしていたお店でした。

 廃業の理由について,公式な理由はさておき,PCパーツという業態が,それだけで食べていくのが難しい世界になっていることは疑う余地はありません。かくいう私だって,その昔大きなデスクトップマシン(といってもAT互換機というわけではありませんでしたけども)を何台も持っていましたが,今はほとんど全てがノートPCです。

 PCが日常品になり,自分では手に入れようがないノート型が主流となった今,余程好きな人しか,アキバでパーツを買うことはないわけで,今後今以上にPCパーツの世界が大きくなることは難しいと考えると,T-ZONEのようなお店は,確かに難しい選択を迫られたのかもわかりません。

 皮肉なことに,かつてアキバの後塵を拝していた日本橋は,電子部品のお店が破竹の勢いです。

 数年前に福井のマルツ電波がやってきたかと思うと,続いてアキバから千石電商がお店を出します。

 老舗のシリコンハウス共立は堺筋に面したジョーシンの旧J&Pメディアランドのビルに進出し,文字通り上から下まで電子部品というお店になりました。

 ジョーシンは電子部品から撤退して久しく,かつてこのお店がラジオと電子部品からスタートしたことを知る人も少なくなったと思いますが,盟友(これもそういっていいのかわかりませんが)ニノミヤは,本業以外の躓きからファンドに骨までしゃぶられて倒産した後,電子部品部門がスピンオフ,パーツランドとしてまさかの復活を遂げます。

 パーツランドはひっそりと営業を続け,素人目に持って数年かなと,心配していたわけですが,なんと旧丸善無線,後のOAシステムプラザ日本橋店のビルにこの12月から入り,リニューアルという情報が入ってきました。

 え,上から下まで電子部品のビルが,日本橋に2つもあるわけ?

 アキバがダイナミックに街の様子を変化させ,やってくる客層も大きく変わってしまったこの10年で,変化する元気すらなかった日本橋の地盤沈下は凄まじく,電気街という形態を維持することすら難しくなるのでは,と思っていましたが,リーマンショックから土地価格の下落がかえって大阪の都心部の再開発を遅らせることとなり,パソコン関連のお店が撤退した後,急激に目立って来た電子部品専門店が,こうも力を付けてくるとは,私も想像だにしていませんでした。

 今や,シリコンハウス共立はその名を全国に知られるお店になりましたし,東京の人からもうらやましがられるお店になりました。日本橋に足りないお店は,秋月電子と真空管の専門店くらいではないでしょうか。

 しかし,新しくできたお店だったり,大きなビルに引っ越したお店というのは,古い部品の在庫がなかったりします。電子部品はライフサイクルが長いですし,早期に処分しないといけないようなものでもないので,古い店には30年前の部品が当時の値段のままで売られているのが普通です。

 アマチュアの工作の世界では,30年前の部品でも十分現役だったりしますから,実は今も昔も変化なく地道に商売を続けている電子部品専門店をみていると,心なしかほっとするものがあります。川崎のサトー電気もその1つで,私の場合なんだかんだで通販での利用率は,秋月よりも高かったりします。

 電子工作を支える電子部品専門店こそ,時代の波にさらわれて消えゆくものと思う人が多いとは思いますが,電子工作の世界も日進月歩ですし,工作を楽しむ人だけではなく,芸術や服飾関係の人もお店にやってくるようになりました。確実に裾野は広がっています。それだけ新しい技術が生まれ,応用もされているあるわけで,こうした流れを楽しむことが出来れば,まだまだ十分,面白い趣味であり続けると,私は思っています。

 ところでところでHC-20ですが,検討がさっぱり進みません。

 マスクROMを27256と見なして,本物の27C256にコピーしてみましたが変化無し。ここにいたって,CPUやROM,RAMといった基幹部品に不良がないことが分かったと言うだけで,全然原因が見えてきません。

 昨日も,アドレス線とデータ線のパターン切れがないかと確認しましたが,これも見つからず。電解コンデンサが液漏れしているので,どこかが切れている可能性も高いと思うのですが,なにせディスクリートで作られた回路ですので,追いかけるのも一苦労です。いやはや,ゲートアレイを使った1980年代中盤以降のPCが,以下に修理しやすいかを痛感しています。

 現在,先程のサトー電気に,交換用のゲートICを注文しています。74HCシリーズの在庫は若干ありますが,4000シリーズはほとんど手持ちがないので,壊れていたとき交換する手段がありません。4000シリーズのDIP品など,これからもっと手に入りにくくなるでしょうから,これを機会に少し在庫を持つようにしました。

 オリジナルでは,TC40Hシリーズが使われていますが,これはHC-MOSが登場するまでの過渡期の製品で,速度も遅く,74HCシリーズの登場で市場から消え去りましたが,電池駆動のコンピュータというと,この頃はこれくらいしか使えるICがなかったので,良く見る物です。

 HC-20では,いろいろ検討してみると,多くの部品が74HCシリーズにそのまま置き換え可能です。ですので,とりあえず74HCを発注してあります。

 この時,ちょっとびっくりしたのですが,C-MOSのロジックによくあった,アンバッファタイプが,WEBから買えないんですね。74HC04にしても,4049にしても,4011にしても,アンバッファと間違うなという注意書きが必ず初心者向けの電子工作雑誌にあったものですが,今時アンバッファなんて使わないんでしょうか。

 仕方がないので,アンバッファタイプは,壊れてない限り流用です。

 今後は,アドレスデコーダやちょっとした信号の生成に使われているグルーロジックの故障の可能性と,パターン切れの可能性の2つから,原因を追い込んで行くしかありません。データバスのショートや出力の衝突があることは波形からも明らかですが,その根本原因ははっきりしないままです。

 時間もかかってますが,やっぱりHC-20はあきらめるわけにはいかないマシンです。もうちょっと頑張ろうと思います。

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