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2010年12月13日の記事は以下のとおりです。

HC-20修理その3

 この土日,集中的に検討の時間を確保,朝から夜まで徹底的に調べることで,故障していたHC-20がとりあえず動き出しました。今回は原因がきちんと絞り込めず,時間ばかり消費するという,まさに忍耐の修理でした。

 修理に取りかかった早い時期にバスの衝突が起こっていることがわかったわけですが,メモリの不良の可能性を潰すことも考慮して,もともと付いていた16kbitのSRAMを全てとっぱらい,代わりに256kbitのSRAMに置き換えるということを行いました,実はこれが故障原因の発見を遅らせた張本人で,余計なことをすると失敗するといういいお手本になりました。

 やはり,修理というのは,順番に手順を追ってやっていかないとだめですね。

 さて,故障の根本原因は,電解コンデンサの液漏れによる,プリントパターンの断線にありました。断線箇所は全部で3箇所です。

 まず,SRAMの電源であるVCのスイッチのトランジスタQ7のベースと,R40との間が切れていました。これは最初に発見した断線だったので日誌にも書きましたが,修理することによりSRAMの電圧が正常になり,動作時で5V,バックアップ時で3VがSRAMに供給されるようになりました。

 次に,SRAMのCE2が切れていました。場所は16Cという場所で,アドレスはおそらく1800から1FFFまでの2kBです。ここと16Dにある40H138の12ピンとの間が断線し,SRAMのCE2はオープンになっていました。

 通常,SRAMはチップ全体の動作を制御するCSと,出力を出すか出さないかを制御するOEの2つで制御します。しかしHC-20で使われているSRAMは,CSに相当するCEが2つあり,それぞれCE1とCE2と名付けられています。どちらも全く同じ働きです。

 SRAMのCE2がオープンになることで,バスの衝突が起きていたと考えられます。惜しいですね,バスの衝突まで分かっていたのに・・・

 最後に,これは回路図の記載を見つけられなかったのですが,uPA54Hというダイオードアレイの,7ピンが切れていました。プリンタへのコネクタの近くにあり,プリンタのヘッドのドライバICと列んで配置されているので,おそらくヘッドか,モータの逆起電力吸収用のものではないかと思います。

 この3つの内,結局2つ目のSRAMのCE2の断線が一番大きな問題だったわけですが,これを見つけたのは結局全ての電解コンデンサを外し,パターンを目視で追いかけ,テスターで断線を調べるという,非常に原始的な方法によってでした。

 しかし,こうして断線を見つけたのは良かったのですが,前述の通りSRAMを256kbit品に置き換えていたので,このCE2の断線はすでに関係のないものになっていたのです。念のため繋いでみても,マウントされていないSRAMのCE2など,繋いだところでなにも変化はありません。

 といいますか,本当だったら256kbitのSRAMに置き換えた時に,さくっと動いてくれないと困るわけですね。動かないでいた理由は現在確認中ですが,どうもアドレスのデコードを行う回路で,凡ミスをしたようです・・・

 しかも悪いことに,このミスで起こることは,やはりバスの衝突なのです。結果として,CE2の断線と,256kbitSRAMへの換装失敗が,同じ現象として見えたことが,どちらの問題も見過ごしてしまうと言う最悪の事態を招いたのです。

 もう1つ,ロジックICのうち,40HシリーズについてはLCDの駆動に使われ6V以上の電圧が加わるICを除き,すべて74HCシリーズの新品に置き換えました。また,CMOS4000シリーズについても,アンバッファ品を除いて全て新品に入れ替えています。(アンバッファ品は入手できなかったのです)

 というのも,先に挙げた3つのパターン切れを修復してもまだ動作せず,もう個々のICの破損しか疑えなくなってしまい,あらかじめ用意してあったICに交換したのです。ソケットを使って交換しましたので,もとの40Hシリーズに戻すことも出来ますが,今後の補修部品の入手のことや,劣化が進んでいたりして,しばらくたって破損するようなことがあったりすると面白くないので,予防的対策として入れ替えたままにしました。

 なお,ICをすべて交換した当初,状況に変化はなく動作もしなかったため,交換の前後で状態が変化したのかどうかはわかりません。もしかしたら壊れたICがあったのかも知れませんし,全然壊れていなかったのかも知れません。なにぶん,動かなかった原因は自分でくっつけた256kbitのSRAMにあったわけですから。

 ICの交換後,それでも動かないことで私の気力はほぼ限界に来ていたのですが,もしかすると256kbitのSRAMに問題があるのではないかと,このSRAMのCSをもとのSRAMのCE2にくっつけたところ,文字化けはしますが,初めて起動音と共に,なにやら画面にぐちゃぐちゃと表示が出るようになりました。

 いままで全く画面に出てこず,起動音もまともになることがなったことを考えると,画面に何かが出るという事はコンピュータとして動いていることを示すものであるわけで,少なくともCPUやROMなどのカスタム部品が壊れている可能性がぐっと低くなったことがわかります。事態は大きく動きました。俄然やる気が出てきます。

 おかしなことを自分でやるからダメなんだと,その256kbitのSRAMを外して,もとのSRANに戻してみます・・・おおー,動き出しました。

 キーボードも動きます。プリンタも動作します。電流値も正常範囲のようですし,RTCも動いています。動作そのものは問題なさそうです。

 ただ,LCDを見ていると,太い2本のスジが入っており,ここの濃度がやや薄いような感じです。LCDの偏光フィルムを交換したときに,ゼブラゴムが上手く接触しなかったのでしょうね。

 気をよくした私は,もう一度LCDを分解し,組み立て直しました。なんどか繰り返しますが,もっとくっきりとスジが入ったり,表示そのものが無茶無茶になったりと,どんどん状態が悪くなります。

 そうこうしているうちに,LCDのガラスを基板に押し当て,ゼブラゴムを密着させるためにある,鉄のフレームの裾の部分の爪が金属疲労で折れてしまいました。

 これが折れると密着できず,LCDが正しく動作しません。絶体絶命のピンチです。

 そこで私は,小型のUSBコネクタを分解し,ハウジングに使われている薄手で硬く,バネ性のある金属を鉄のフレームにハンダ付けし,なんとか固定することに成功しました。

 まだ多少の濃淡はありますが,もうこれ以上いじると取り返しが付かなくなると思うので,このくらいで妥協することにします。


 というわけで,HC-20はとりあえず,現状復帰を果たしました。基板の断線というおそろしい故障は,本当に時間を気力を奪います。今後こういうことが起こらないよう,電解コンデンサはすべてタンタルコンデンサとセラミックコンデンサに置き換えました。タンタルコンデンサには故障するとショートするという致命的な欠陥がありますが,そこは3倍以上の耐圧のものを使う事で,信頼性を確保します。

 そうそう,マスクROMをそのまま27C256にコピーして差し替えたところ,問題なく動作しました。とりあえず買ったROMライタは壊れてなかったようです。

 今はまだ基板の状態ですが,今後のプランを考えることにします。

 まず,メモリの増設です。現在16kByteですから,256kbitのSRAMの半分を使い,4000から7FFFまでの16kByteを増設したいと思います。ただ,256kbitですので,本来なら0080から7FFFまで(HC-20は,前半の0000から007FをI/Oの領域として割り当てています)のほぼ32kByteを全部まかなえるはずですから,古いSRAMはすべて取っ払いたいところです。

 ただ,今ある16kByteのSRAMは温存しつつ,256kbitのSRAMのうち半分を使って増設する方法ありますね。これだと,拡張ユニット内蔵の16kByte増設メモリとコンパチの回路にすればいいので,微妙に違う内蔵のSRAMの回路と共通化出来ない場合は,この方法を使うことになるでしょう。

 次に電源です。HC-20は4本パックのNi-Cd電池が内蔵されています。これをACアダプタで充電するのですが,あろうことかACアダプタからは3.9Ωの抵抗が直列に入ってNi-Cdを0.1C程度で充電するようになっているだけですし,Ni-Cdの出力も安定化されていません。

 ざっと,4.4V付近から5.6V付近まで電圧が変動しますが,一応ICの動作電圧範囲に入っているということで,あえて安定化しなかったのだと思います。しかしこういう設計は,今はやらないでしょうね。

 それに,ACアダプタのジャックには,専用のもの以外にも刺さってしまいます。私も迂闊にやってしまったのですが,9Vのアダプタを差し込んだりすると,Ni-Cd電池に直列に入った抵抗はたちまちアッチッチになり,基板には7Vを越える電圧がかかってしまいます。

 こういうトラブルは,本体を壊すだけではなく,火を噴いたり爆発したりと,重大な事故を引き起こすことが考えられます。少なくとも,ACアダプタからの電圧だけは,大きくなりすぎないような工夫が必要です。

 手としては,ACアダプタからの入力に7805などのシリーズレギュレータを入れることがまずあります。しかし,Ni-Cd電池も交換してから10年が経過していますし,特殊なサイズの組電池ですので,出来ればエネループにしたい所です。そこで単三のエネループに置き換えを狙っていますが,これだと元の電池置き場に収まりません。

 そこで,単三を3本だけ使い,これを5Vに昇圧することを最初に考えたのです。この方法だと,ACアダプタからエネループを充電出来ませんが,電池は外して充電するのが安心で,本体内に入れたまま8時間以上も通電することには,やはり抵抗があります。

 筐体をいちいち開けないと充電出来ないというのが玉に瑕ですが,まあ仕方がありません。

 この方法は,一見して良い方法に思ったのですが,大きな問題に気が付きました。5Vへの昇圧回路ですが,HT7750Aを使ったものだと,200mAが精一杯なのです。通常の動作では全く問題になりませんが,プリンタが動作するときはさすがに問題です。

 HC-20に内蔵されているM-160と思われるプリンタは,モータが3.8Vから5.0Vで,電流は200mA必要です。またヘッドは3.9Vから4.5Vで,コイルの抵抗が1.5Ωだそうですから,3Aくらいの電流が流れます。これが4ピンありますから,ピークでは12A!

 まさかこれだけの電流が流れ続けるわけではありませんが,さすがに昇圧回路を通さず,電池から直接取るしかありません。

 でも,単三が3本だと3.3Vから4.2Vとやや低いのです。やはり4本にしないといけないのでしょうが,これだと置き場所の問題もありますし,電圧の変動が面倒です。

 電池が4本収まれば,昇圧回路を併用して5.0Vから5.3V(ショットキーダイオードが入りますので0.3Vほど小さくなります)とするのも手ですが,そうすると電池電圧の検出回路を改造して,電池端からひっぱって来ることになります。
 
 どんな方法が一番良いのか,もう少し考えてみようと思いますが,うーん,結局おかしなことをしないで,エネループを4本仕込むことを考えた方がいいのかも知れませんね。

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