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2011年09月27日の記事は以下のとおりです。

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  • 2011/09/27 11:07
  • カテゴリー:make:

 歪率計,低歪み発振器,そして周波数カウンタといくつかの自作測定器がに動き出しました。周波数カウンタについては,1/10分周器を74AC390で作るなど,広帯域化を行う予定でいますが,それはまあ部品を買ってきて交換するだけの話ですので,大したことではありません。

 ですが,最後の大物が1つ控えています。安定化電源器です。

 安定化電源器については,私が12歳の時に,シリコンハウス共立のオリジナルキットで作った,1~14V・3Aの電源器が現役で,随分重宝しています。ショートなどの過電流に対する保護回路がサイリスタによる電源のカットであり,良くある電流リミッタと違って,電源器の破壊を保護するのではなく,負荷の破壊を防ぐという役割が非常に助かっています。

 当時も,0V近いところから電圧を可変出来ること,3Aから5Aくらいまでの電流を取ることができる事,電圧は15V程度まで出せることを条件に選んだキットで,この25年,本当に役に立ってくれました。

 ただ,問題がないわけではなく,もう少し電圧が上がって欲しいこと,電圧の変動が結構あるということ,負荷が重いときは電圧がやや下がるということ,あと突入電流にも律儀に保護回路が働いてしまうことです。これらは「そんなものだ」と頭に入れておけば問題になることも少ないのですが,それを差し引いてもベークライトの基板はかなり劣化が進み,なにか手を打たないとまずいなと思っていました。

 そんなおり,秋月の再販リストに,超定番の安定化電源キットが出ていました。あれ,これって販売中止になっていたのか,と改めて驚いたのですが,ひょっとするとパワートランジスタや723といった部品の確保が難しくなっているのかも知れません。今回の再販も数量限定とのことでした。

 他の買い物と一緒に買っておいたこのキットですが,なにせ電源トランスにかなり大げさな物を使う必要があり,そのままつくると大変です。そこでケースや電圧計,電流計,そして電源トランスを流用することで,中身を新規にするという作戦を考えています。

 そのためにやらねばならないことがいくつかあります。


(1)電圧の低いトランスを使いこなす

 現在使っている電源器のトランスは,16Vで3Aというものです。軽負荷なら20V位のDCが取れるだろうと思いますが,秋月のキットは入出力電位差が10Vも必要です。例えば20Vの出力が欲しかったら,入力は30Vないといけないのですが,これで3Aや5Aのトランスなんてのは,もう鉄と銅の塊そのものです。

 入力と出力の電圧差を小さくするには,まずレギュレータICの723の電源電圧を別に供給することです。16Vの巻線から取ると,負荷の重い時に電圧が下がり16Vくらいまで下がるかもしれません。パワートランジスタの駆動がダーリントン接続になっていて,しかも723内部でもう1段ダーリントン接続になっているらしく,これだけで3V近く,出力電圧に対してICの電源電圧が高くないといけません。

 そこで723の電源を分離し,これを別巻線の電源から作り,20Vほどの電圧を供給するのです。723の消費電流は大きくないので,そんなに大げさな回路にはなりません。こうすると,15V位までなら制御可能になるでしょう。


(2)平滑コンデンサは22000uF

 現在の電源器は,22000uFという大きな物を搭載しています。劣化が相当進んでいるように思いますが,これはまあ流用しましょう。


(3)パワートランジスタを1つ減らす

 キットの回路では,2SC5200というパワートランジスタを2パラで使っています。結果10Aという大電流の制御が可能となっていますが,トランジスタをパラで使う時にはアンバランスが起きないよう,低い抵抗を介してパラ接続します。

 しかし,この抵抗の電圧降下がバカになりません。0.1Ωですので,例えば5A流れると0.5Vです。ただでさえ重い負荷で入力電圧に余裕がないのに,こんな所で電圧が下がったらもったいないです。

 そこで,パワートランジスタを1つにします。単純に5Aまでとなりますが,そもそもトランスが3Aまでしか取れないわけですし,10A仕様にすることはオーバースペックです。パワートランジスタを1つにすれば,現在の電源器で使っている2N3055(東芝製というのが80年代らしいですね)をそのまま,放熱器ごと流用できます。

 2N3055のhFEは100以下,一方の2SC5200は160ほどあるようですが,2N3055を1つだけドライブするなら似たようなものです。回路の変更もせずにそのまま部品を流用し,しかもバランス用の抵抗もいらず電圧降下を防ぐ事も出来て,好都合です。


(4)電流制限回路

 723は,2ピンと3ピンの電圧が0.6Vになると電流制限がかかるようになっています。ということは,負荷に流れる電流を低い抵抗でモニタし,この抵抗の電圧降下を使う必要があります。

 キットの回路では,この抵抗に0.1Ωのパラ付け(0.05Ω)を使っていますが,これだと12Aで保護回路が働くので,あんまり保護してくれそうにありません。また,この回路には保護回路の動作電流調整VRが付いていますが,これは保護回路が働く電流を大きくなるように調整する物であり,12A以下に出来るわけではありません。

 私の場合,3Aで保護回路を働かせたいわけですから,ここは0.2Ωにするのが正しいです。大きくする方向の電流リミッタ調整などあっても仕方がないので,その機能は省略し,3A以上にならないようにする回路とします。

 ちょっとgoogleで調べてみたのですが,この電流検出抵抗に直列にダイオードを入れて,0.6Vをバイアスするという方法で,0Aから動作電流を可変出来るようにしている人がいます。

 なるほど,それも手だなと思いましたが,考えてみるとここで必ず0.6Vのドロップがあること,例えば3Aの電流を引っ張ったとき0.6V x 3Aで1.8Wもの電力がここで消費されるなど,あまり良くなさそうです。

 ただ,0Aからリミッタを可変出来るのは魅力ですね。3Aなんて流れたら,あっという間に炭になってしまう部品も多いです。もうちょっと考える事にしましょう。


(5)SENS端子と電流計

 回路に入った電流計は低い抵抗に見えますから,そこで電圧のドロップがおきます。当たり前の話ですが,ドロップした電圧を計って安定化する機能が,このキットにはあります。それがSENS端子ですが,フィードバックループの一部を引っ張り回すわけですから,発振しやすくなるのも道理です。気をつけなければなりません。

 同様に,電圧可変用のVRも,あまり配線を引っ張り回すと発振します。手持ちの多回転VR(1kΩ)を使うか,1回転の巻線タイプ(2kΩ)を使うか,悩ましいところです。


(6)723に供給する電源

 先程,レギュレータICの723に供給する電圧を別巻線から取る,と書きましたが,今使っている共立のキット付属の電源トランスは,0V-35V-43Vという,いかにも往年のトランジスタアンプを前提に作られたかのようなトランスです。

 共立のキットでは,35VをGNDに接地して+35Vと-8Vを作りだし制御回路に供給することで,電圧可変範囲を1V未満からスタート出来るようなっていますが,今回は単純に20V程の電圧が欲しいだけです。

 723の耐圧は40Vまで。35V巻線から整流するだけでは簡単に越えてしまう電圧だけに,なんとかしてドロップさせねばならないのですが,ここはツェナーダイオードでも使って,ローテクでみましょう。


 とまあ,プランとしてはこんなものでしょうか。723はレギュレータICとしては初期に登場した古典で,30年以上前から多くの所で使われてきました。その割には私は一度も使ったことがなく,今回の製作が最初で最後となりそうです。

 

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