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2011年11月29日の記事は以下のとおりです。

キュウリを育てた5ヶ月間

 今年の夏は原子力発電所が停止した関係で,全国的に電力不足が懸念され,節電が大きなテーマとなりました。

 直接の日差しを防ぐために,ゴーヤなどを植える家庭が多かったのですが,我が家はキュウリを作ってみたという話をここにも書きました。

 6月の末という遅い時期から,しかも種から栽培を始めるという初心者ならではの無茶をしたにもかかわらず,立派にキュウリがたくさんなり,夏から秋にかけておいしく頂く事が出来ました。

 そして先週の金曜日の夕方,伐採して片付けました。もっと早くに片付けたかったのですが,どういうわけだか,あまり元気のなかったひ弱な株ほど長生きし,しつこく雌花を咲かせては,かりんとうのような実を付けるのです。

 生きている植物は伐採しないという基本原則に従って,伐採せずにいたのですが,寒くなってしまってからの屋外作業は厳しいので,かわいそうですが生きている株も切らせてもらいました。

 約5ヶ月にわたる楽しみと収穫に,感謝です。


・収穫したキュウリの数

 結局最終的には39本のキュウリを収穫し,全てを食べました。このうち1本は蛾の幼虫に穴を掘られて食べられていたので捨てましたし,伐採時にも3本ほどぶら下がっていたので,実際は40本以上のキュウリがなっていたことになりますが,食べられるものは39本であったということです。

ファイル 532-1.jpg

 収穫したキュウリは全て収穫時に写真に残してあります。写真はその全ての写真をコンタクトシートにしたものですが,縮尺はバラバラですので大きさはよく分からないとおもいます。

 左上から右に,収穫順にならんでいます。大きさは分からないといいつつ,やはり後になるほど細くなったり小さくなったりしているのが,なんとなく分かって頂けるのではないでしょうか。

 ただ,初期に収穫したものはさすがに大きく,成長も早かったのですが,寒くなるに従い細く小さく,なかなか大きくなりません。キュウリの香りも後になるほど強くなり,皮も分厚く,水分も少なめになる傾向があります。
 
 水やりをサボったり,曇りや雨が続くと成長が止まりますし,直射日光が燦々と照りつけると日に日に大きくなるので,やっぱりキュウリは夏の野菜ですね。


・育て方

 2リットルのペットボトルの横に倒し,くりぬいて底面に穴を開け,成分調済みの土を入れてここに種を蒔きました。2週間ほどすると本葉がでて生えそろうので,元気なものをのこして間引きます。

 出来れば間引きたくないなあと思っていたので,ペットボトル1つに3本ほど残したのですが,まさかあんなに大きくなるとは思わず,途中で2本に減らしました。それでもすぐにペットボトルの中身は根っこだらけになり,明らかにまずいという状況になりました。

 事態が深刻になったのは,本格的な夏がやってきた7月中旬です。ペットボトルの保水能力はキュウリには低すぎて,毎朝と夜の水やりでは追いつかなくなりました。1程の成長したとき,帰宅すると全ての株がしおれてしまい,まるで漬け物の様になっていました。これはもう枯れてしまうだろうと,あきらめたほどです。

 あわてて水を大量にやりましたが,翌朝には復活。しかしこの日もまた帰宅後にはしおれています。

 よく見ると,成長に差があり,しおれる具合にも差があります。どうも,コンクリートのブロックの上に置いてあるペットボトルの株が良くしおれている様な感じです。

 コンクリートブロックが焼けているのかも知れないとペットボトルを持ち上げてみると,根っこがペットボトルの底面の穴から出ており,びっしりです。地面に置いてあるペットボトルについては,根っこがそのまま地面に潜り,水などを吸い上げることが出来ているし,温度も上がらずに済んでいるのでしょう。コンクリートの上にあるペットボトルは,すぐに水が足りなくなるのもなるほど道理です。

 そこで,コンクリートブロックを撤去し,すべてのペットボトルを地面に置くことにしました。この結果,株による生育の違いやしおれやすいなどの差が出にくくなりました。

 それでも,8月に入るとさすがに水やりが追いつきません。そこで,2m程のホースを買ってきてキュウリの横に這わせて,先端に栓をして,株の部分に小さな穴を開けて,ごくわずかな水が常に供給されるような仕組みを作りました。

 気温の差によってホースの穴の大きさが変化するので水の排出量が一定にならず,まずい部分もありましたが,とりあえず真夏の厳しさを無事にしのぐだけの機能はあったようです。

 なお,肥料は1ヶ月に一度やりましたが,結局2度ほどやっただけであとはやっていません。


・害虫の被害

 夏頃からアブラムシとテントウムシ,そして蟻が共生するようになりました。これらは全然実害を出さず,見ていても飽きない楽しいものだったのですが,ウリハムシという有名な葉を食べる虫が随分ついてしまいました。

 ウリハムシは身軽で,すぐに飛んでいってしまいます。だから駆除するというのはなかなか難しく,多少葉を食べられてももう仕方がないと,最終的にはあきらめました。

 それより,蛾の幼虫がすごかったです。油断していると手のひらほどある葉をすべて食べ尽くしてしまう勢いです。地面に大量のフンが落ちていると,大体その直上に大きな幼虫が潜んでいます。

 大きさは数ミリから数センチでしたが,とにかくまあよく食べること。秋頃には食べる葉っぱがなくなり,実の表面の皮を食べて,あげくに穴を掘って内部まで食べていました。あと少しで食べられそうと粘っていたら,先に虫にやられてしまったと言うわけです。

 これらの幼虫は,発生に山があるようで,一時落ち着いたと思ったら急に発生します。また,特定の株に発生する傾向があり,それは株そのものが原因なのか,水や日照時間などの差が問題なのか,それはよく分かりません。

 幼虫は見つけ次第,かわいそうですが殺すしかありません。見つけないと葉をどんどん食べられてしまいますし,見つけた限りは駆除することになりますので,心が痛みます。

 割り箸でつまむことは簡単ですが,問題はその後です。焼けた地面に放置とか,踏みつぶさずに済む方法を考えていたのですが,結局アルコールの中に落とすという方法で駆除しました。

 なにがびっくりしたって,そうして駆除した大きな幼虫の死骸を地面に置いておくと,数時間後には跡形もなくなっているのです。蟻が持っていったんでしょうね。アルコール漬けになっているのに,蟻も大丈夫だったのでしょうか。


・食べ方

 真夏になった最初の頃のキュウリは,そのまま塩もみして食べたり,サラダにしたりしました。それも飽きてくると,ニンニクと塩や,豆板醤でさっと炒めて食べました。水分が多いみずみずしいキュウリは炒め物にはあまり適さず,やはり生で食べるのがよいようです。

 秋になってからは,浅漬けにして食べました。なんとなく生で食べる気分でなくなったこともあったからですが,固く水分も少なめのキュウリは,炒めてもなかなかおいしく頂けました。

 でもまあ,ちょっと引っかかるのは,自分の家の庭にぶら下がっているキュウリですから,水も空気も,都会のものなんですね。果たして生で食べていいものかどうか,ちょっと考えてしまいました。


・反省

 なにせ初めての事でしたから,反省点はいっぱいあります。もし次にするときはどうするか,どいう視点で考えてみると,まずは地植えをすることです。そして,株は20cmほどの間隔をあけて,1本ずつ植える必要があると思います。

 水はけはあまり気にしていませんが,水やりを自動で行う仕組みをもう少しまともなものにしないといけないでしょう。

 あと,案外大きくなってしまうので,2mそこそこの高さのネットではすぐに足りなくなってしまいます。さりとて,あまり高くしてしまうと収穫が大変ですし,キュウリは下の方から枯れてくるものなので,クネクネと曲げて這わせるとか,そういう工夫が必要かもなあと思います。

 それと,もう少し早くに種を蒔かないといけないですね。6月末では遅すぎました。出来ればもう2週間ほど早めにスタートしたい所です。

 で,来年やるかといえば,たぶんやらないと思います。毎日の出社前と帰宅後,そして休日の手入れと,楽しかった反面で忙しかったのも事実です。考えてみるとキュウリはお店でいつでも売っていますから,無理に作る事もないという話だってあります。

 ということは,別の作物を育ててみるのもいいかもしれません。でも,スイカとかメロンなんかは,ちょっと違いますしね。どうしたものでしょうか・・・


・総括

 この話をすると,決まって返ってくる反応は,立派に育ったねという言葉です。曰く,キュウリはなかなかちゃんと育てるのが難しく,簡単に枯れてしまう事があったり,キュウリも大きくなる前に茶色くなってしまったりと,思い通りにならないらしいのです。

 しかし,私の場合,5ヶ月にわたって茂っていたし,40本近いキュウリを食べさせてくれました。最初の1本が日に日に大きくなり,いよいよ収穫と言うときのうれしさは,格別でした。

 収穫したキュウリはまだとげとげもありますが,水で洗ってやると綺麗におちて,すべすべの表面になります。ワックスなど使わなくても,これだけ綺麗においしそうになるんだなあと思います。

 聞いた話では,日本の消費者は細く長いキュウリを好むらしく,農家は早めに収穫するんだそうです。だから,私が収穫したような太くて立派な,種が熟す直前のキュウリというのは,ちょっと貴重なのかも知れません。

 キュウリの生育とあわせて,嫁さんのお腹はどんどん大きくなり,収穫したキュウリを栄養にして育った子供は,まさにキュウリと入れ替わるように,生まれて来ました。

 なんでもそうでしょうが,手をかければ,かけただけの成果が得られるという点で,生き物を相手にするのはとてもシンプルだなあと思うのです。もちろん,運とか縁とか,そういうのも関係がないとは言えません。

 でも,おかしな駆け引きもなければ,運や縁の要素が支配的な世界でもありません。とても公平で,手間が結果に直結することが,ひょっとすると農業の醍醐味なのかも知れないですね。

 でもあれか,農業もプロとしてやってしまうと,駆け引きも運も縁も必要になっちゃいますかね。

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