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2012年02月07日の記事は以下のとおりです。

HP15c Limited Edition

  • 2012/02/07 12:22
  • カテゴリー:散財

ファイル 546-1.jpg

 測定器と電子部品が切り離され,PCも分離されるかという話が出たり消えたりの昨今,名門Hewlett-Packardはプリンタとサービスの会社になってしまいそうです。

 ですが,非常に不思議なことに,電卓だけはまだHewlett-Packardに残っています。いや,実際に設計をやってるわけではないのですが,hpのロゴが付いた電卓が今でも普通に買えることは,ちょっとした驚きです。

 私が経営者なら,電卓部門なんかとっとと潰すか売却するんですが,歴代の経営者が電卓に特別な感情を持つはずもなく,やっぱり規模が小さくて,目立たないからということではないかと思う訳です。

 とはいえ,前述のように設計も製造も丸投げですし,サポートも他の会社がやってますので,hp自身がやっていることはほとんどありません。ブランドだけ残っているという言い方も正しいですが,むしろブランドが残っているからこそ,今回私が買ったHP15cの復刻も障害なく可能だったりするのです。

 そんなわけで,HP15cの復刻版を買いました。hpも分かっているようで,懐古主義に囚われてもがき続けるミドルエイジを確実に捕獲するためのオッサンホイホイとしての役割が強く,限定版,シリアルナンバー入り,綺麗な化粧箱に入って,お値段は1万円です。

 オッサンホイホイに,まさに国境なし。

 昨年末の初回分は存在を知らず,買いませんでした。しかし,なにかとトラブルもあったようで,1月下旬入荷分の予約開始に偶然発売に気が付いた私はラッキーだったと思うようにしています。

 届いたのは結局2月になりましたが,無事に手に入りました。製本された綺麗な日本語マニュアルまで同梱され,なかなか満足です。

 hpの電卓はこれで3台目です。買う度に書いてることですが,私は逆ポーランド記法に馴染んだ人ではないし,従ってhpの電卓を使ってきたわけではありません。中学生の時から使っているのはシャープのPC-1245であり,これが復刻するなら即予約です。

 ですが,HP15cは,あの独特のデザインが素晴らしく,1980年代を体現していると思います。また,ぱっと見てさっぱり分からないキーの配置や印刷は,電卓=日本のお家芸と思っている多くの日本人を混乱に陥れますが,その壁を乗り越えても到達する高みがそこにあります。

 かつて,hpの電卓は,エンジニアと科学者,そして金融の専門家にとって,憧れの存在でした。でした,などというのはおこがましいですかね,私はそのことをリアルタイムでは知りませんから。

 ただ,同じデザインでコンピュータの専門家向けに作られた,HP16cは,とても気になる存在でした。2進数-8進数-10進数-16進数の演算や変換,補数の計算などが行える便利さが,かなり大きな桁まで享受できます。ポケコンをもってしても,これほどの便利さはありません。

 でも,これが復刻する可能性はゼロに近いでしょう。HP15cという,エンジニア向けの強力な計算機が復刻しただけでも,感謝せねばなりません。

 そのHP15cですが,コンパクトなデザイン,シンプルなディスプレイを持ち,複素数の計算,積分の求積,方程式の求根,行列計算もプログラムも可能という,数学が嫌いな人なら別人格が表面に出てくる程,実生活に関係のない豪華な機能です。当時,これが手のひらサイズで登場した時の驚きは,想像に易いです。

 一歩下がって考えてみると,実はこの電卓の最大のユーザーは,自社の測定器部門で働くエンジニアだったはずです。優れた電卓が測定器を作り,電卓がさらに進化するというサイクルが,ある時期まではあったのだと思います。

 復刻されたHP15cは,中身まで当時のままというわけではなく,CPUはARMになって,処理速度も随分向上しているようです。また,スイッチの感触やガタなどは当時の精密さが再現出来ているわけではないらしく,これは残念な話です。(私はそれほど気になりませんが)

 ただ,正しい答えを出してくれるはずの電卓に,バグがあって答えが信用出来ない場合があるそうです。これは復刻もなにも,電卓としての基本機能を満たしていないわけですから,早急に対応をして欲しいものだと思います。(ただ,私自身がそういうバグを確認したわけではないのであまり偉そうなことは言えません)

 私個人の感想で言えば,独特のデザインはとても気に入っていますし,LCDの表示のテイストもHPのそれですからとてもワクワクします。キーも押し心地も悪いとは思いませんし,この大きさと,限られた入出力インターフェースで非常に複雑な計算をやってのける事への感心というものが沸いてきます。

 初めてのhpの電卓として手に入れたHP35sを買ったのが2007年,あれから5年ほど経過して,また新しいhpの電卓を買うことになるとは思っていませんでした。

 ただ,ちょっとうれしいのは,コストダウンで失われた,プラスチック製の独立したキー,プラスチックのフレームにアルミの化粧パネルを貼り付けた筐体という2つの要素が,未だにこの価格で実現出来ることです。

 1980年代後半になると,こういう手のかかるものは採用されなくなりますが,使って見るとこの2つがあると,非常に使いやすいんですね。ただ,コストダウンを理由の1つにして使われなくなったものですので,今これを電卓に使ったら2万円を越えるなんてことになると,あきらめるほかありません。

 しかし,HP15cが1万円くらいで出来るのであれば,今後こういう仕組みが採用される可能性を捨てずにいることができます。もう少し一般的になって,選択肢が増えるとうれしいですね。

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