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2012年03月23日の記事は以下のとおりです。

006Pニッケル水素電池の充電器を作る

  • 2012/03/23 11:10
  • カテゴリー:make:

ファイル 553-2.jpg

 006Pという9Vの角形電池があります。積層電池といい,通常の1.5Vの乾電池の小型のものを6つ積み重ねて9Vにしています。一説によると,ソニーがその昔,小型のトランジスタラジオを作ったときに,手頃な電池がないことから自ら作った電池と言われていますが,真偽の程は分かりません。

 006Pは安価で9Vの電圧の得られる電池としてそこそこメジャーな存在ですが,近年の電子回路の低電圧化や低消費電力化,さらには低い電圧を昇圧して任意の電圧を得る電源回路の搭載などで,電池寿命が短く,大電流を引っ張れない006Pを使う例は,非常に少なくなっている印象です。

 私が子供の頃には,なにかというと006Pで,特にトランジスタ数石で作られたようなオモチャ関係は,軒並み006Pでした。端子が列んでいるのでショートしやすく,電池スナップの断線が多かったことも,懐かしいです。

 ギター用のコンパクトエフェクターやチューニングメーターなどは,未だに006Pが使われているようですね。小電力のアナログ回路は電流はそれほど必要なくとも,電圧が高いと性能を上げやすいものです。

 さて,私は家の電池のほとんどを二次電池にしました。デジカメはリチウムイオンですし,乾電池のたぐいは可能な限り,ニッケル水素電池(というかエネループ)にしました。電池を買うのも,ストックしておくのも,もう必要がないわけです。

 ニッケル水素電池は使い方さえ正しければ,非常に良い特性を持つ電池です。それで,技術的な興味として006Pのニッケル水素電池を使いこなして見たいなあと思っていました。

 しかし,家電量販店で売られているものは非常に高価です。充電器も別売りですし,使うあてがないのに買うには,ちょっと冒険です。そこで,makerの強い味方,秋月電子を見ていると安価なものが何種類か売られています。

 このうち,私はMR250Fという型番のものを買ってみました。ニッケル水素電池の1セルあたりの電圧は1.2Vですので,6つ積層しても7.2Vにしかなりません。そこでこの電池は7セル積層し,8.4Vの組電池にしています。電流は250mAhということですので,なかなか高性能ではないでしょうか。1つ650円。

 届いたMR250Fは,本来なら一度満充電にしておく必要があるのですが,あいにく充電器の用意が出来ていません。作戦としては,かつて秋月で購入したMAX713を使った急速充電器を改造するというものです。

 MR250Fの充電条件は,標準で14~16時間@25mA(0.1C),急速で4.5時間@75mA(0.3C)です。0.5Cで3時間充電や,1Cで1.5時間充電というような急速充電は行えません。

 これに従い,0.3Cという急速充電にしては穏やかな電流で充電を行うよう改造を行ったのですが,どうもうまくありません。充電が行われない,あるいは一瞬で終わってしまうのです。

 いろいろ検討してみましたが,どうもMAX713そのものの問題のようで,工夫のしようがないことが分かってきました。MAX713は急速充電で顕著に表れる,充電完了時に電池電圧が下がるという特性を利用した充電ICですが,0.3Cくらいだとその変化が小さく,なかなかつかまえられません。

 だから誤動作しているという結論ではないのですが,どちらにしても75mA程度の充電電流では上手く動かないのも仕方がないし,それに0.3C充電くらいだったら多少充電時間が増減しても電池を痛めることはありません。

 そこで,よく分からないICに頼らず,定電流回路を組んでみることにしました。ちょっと多めの電流を流せる2SC2120が腐るほどありますので,これを2つ使って75mAの定電流回路を作ります。

ファイル 553-1.jpg

 上記のようなよく見る簡単な回路です。ミソはQ2のエミッタとGNDに入った抵抗で,ここが電流を決めます。後述のように,私の場合は充電のON/OFF制御を行うために,Q1のベースをVccに繋げず,マイコンの出力である5Vに繋げますので,やや少なめの電流値になってしまい,最終的には切った貼ったで調整をしています。

 なにせ数Ωの抵抗ですので,なかなか調整が難しいのですが,まあ細かい事は気にしません。

 14V程度の電圧を加えてテストを行いましたが,問題なく約75mAの電流が電池に流れ込んでくれています。よしよし。

 このまま使おうかと思ったのですが,私のようなうっかりさんは,ついつい4時間半を過ぎてそのまま充電をし続けてしまうことでしょう。過充電によって電池が壊れ,万が一爆発でもすると,かのエジソンが子供の頃に,列車内での新聞売りの合間で行っていた化学実験中に火事を出してたたき出されたように,私も家をたたき出されてしまいかねません。

 そこで,うっかりな私をサポートすべく,4時間半で充電をストップするタイマーを作る事にしました。これで心置きなくうっかりできますね。いやなに,1つ100円のマイコン,ATtiny2313を使えば,なんということはありません。

 時間は固定,電流も可変にしませんから,充電中のLEDとスイッチを2つほど用意すれば済むだけなので,本当に簡単なはずですが,考えてみるとこれだけでは開発中に,動作の確認が非常にやりにくいですね。本当に4時間半も見張っていないといけないなんてのは,うっかりな私には厳しい要求です。

 そこで,ちゃんと残り時間を表示するようにディスプレイを用意しましょう。7セグLEDでいいと思うのですが,時間と分,さらに秒まで表示すると5桁用意することになります。

 うーん,配線が面倒くさい。ダイナミックドライブも面倒くさい。

 ということで,贅沢に16桁x2行のおなじみのLCDを奢りましょう。スイッチは2つ。制御用の出力を1つ用意し,ついでにLEDも点灯させましょう。

 回路図を書くのが面倒くさいので,さくっと省略。

 ソフトについては,4時間半という長時間タイマですのでそこそこ正確なタイムベースが必要ですから,4.194303MHzの水晶発振を利用し,これを16ビットカウンタで分周,1秒ごとに割り込みを発生させてダウンカウンタを減らしていきます。これがゼロになったら充電を停止するだけ,の話です。

 ですが,なめてましたね。1時間ほどでソフトをザクザクと書き,回路を組んで書き込みましたが,LCDがちゃんと表示されません。しかも充電制御の端子が一瞬だけHighになり,すぐにLowに落ちてしまいます。

 LCDのライブラリは自分で作った実績のあるものなのに,おかしいなあと思って悩むこと1時間,私のライブラリはLCDを繋ぐ端子が固定されていて,今回の回路ではちゃんと動いてくれないのでした・・・うっかりですね。

 ポートの割り当てを変更して書き直しても良かったのですが,スイッチとLCDとタイマを使ったよくあるマイコンの用途を手軽なものにするため,これを雛形にしようと目論んでいた私は,汎用性の高いフリーのLCDライブラリをそのまま使う事にしました。ピン配置も自由ですし,tiny2313だけではなく,他のAVRにも対応出来ます。

 これで問題が一気に解決。あとは細かいバグを取り,多少の機能追加を行って完成です。

 リセットボタンで充電時間を4時間30分に初期化できるのですが,この状態でさらにリセットボタンを押すと15分ずつ時間が短く設定出来ます。

 また,スタート/ストップボタンで充電を始めたり止めたり出来ますが,時間のリセットは行いませんので,あくまで「ポーズ」です。

 ソフトも完成し,定電流回路とも接続が終わり,全体のテストも完了。時間も正確で,なかなか綺麗にまとまりました。

 初回の充電は電流計を接続し時間と一緒にモニタし,事故に備えて安全に配慮する必要がありますので,まだ実際の充電を行ってはいませんが,まあ大丈夫でしょう。これから機会を見つけて試してみたいです。

 うまくいったら,MR250Fをもういくつか買っておくのも良いですね。余力があれば,他の種類の電池も充電出来るように,充電電流も切り替える事が出来るとさらによいのですが,数Ωの抵抗を切り替えるのはなかなか難しいですから,定電流回路そのものを切り替えるのがよいように思いますけど,なんか面倒ですね。

 冷静に考えたら,006Pを使う機器が全然手元になくて,充電した006Pの使い道がないことに気が付きました。うーん,どうしたものか。

 ところで,この検討で,アナログの電流計が必要になり,中学生の時に購入してとても大事に使ってきた,サンワのアナログテスタ「BX-85TR」を久々に引っ張り出して来ました。

 しかし,どうも様子がおかしいです。テスタを左右に振ると,ゼロ点がずれます。しかも,途中で針が止まってしまうこともあります。メーターが故障している可能性があるわけですが,そうなるともう修理も難しいでしょう。

 あれこれといじって見ましたが,改善しません。あきらめて分解してみようとメーターを固定する内部のネジを緩めてみると,なんと針が途中で止まることがなくなりました。

 左右に揺すってゼロ点がずれる問題はまだ少しだけ残っていますが,それでも随分マシになりました。筐体が30年近い時間をへて歪んでしまい,メーターの可動部が動きにくくなってしまったのでしょうか。

 精密機械であるメーター部分を素人がいじるとろくな事がないので,もうこれであきらめます。そもそもアナログテスタですから,絶対精度はそれほど要求しません。

 しかし,なかなかショックな出来事でした。

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