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2012年06月01日の記事は以下のとおりです。

さらばクレバリー

 アキバに,クレバリーというPCパーツショップがありました。ありました,と過去形を使うのは,さる5月30日に破産を申請,いわゆる倒産してしまったから,です。

 それでも,アキバにはまだまだ多くのPCパーツショップがあります。年に数件の割合で廃業や撤退がある厳しい業界ですが,1995年に東京に生活の基盤を移し,以降身近に感じている場所だけに,常に変化する秋葉原らしいと思う一方で,やっぱり寂しいものです。

 PCパーツと縁遠い嫁さんをして,クレバリー?ああ,不幸箱のお店ね,アンパンマンのお店ね,という反応を示し,倒産のニュースもすでに知っていたというほどの知名度を誇るお店で,アキバの中では一定の評価を得た有名店でした。

 T-ZONEが倒産したときに比べて扱いが小さいなあ,なにか大人の事情があるのqあwせdrftgyふじこ

 ・・・

 PCパーツショップの面白さというのは,人それぞれだと思いますが,私の場合,量販店では見る事の出来ないメーカーやブランドの商品があること,同じ商品でもそれなりに「訳あり」で安いものが出ていること,なにより消耗品と言い切っても良いHDDやメモリ,CPUなどのパーツがバルクで安価に売られていることです。

 バルクという販売形態はまさにアキバのPCパーツショップならではです。メーカーが商品の品質を担保する通常の商品に対し,バルクはお店がその商品の品質を担保すると,簡単に言えばそうなります。

 その品質の担保にもいろいろなレベルを設定出来る自由度があり,それに伴い価格もある程度調整出来るところがバルクの面白いところです。買う側も勉強しておかないと,いけないのはそのためです。

 バルクの仕入れは大量に行うものですから,数を売ることの出来ないお店には扱う事ができません。だから,アキバのように目的を持った人がたくさん集まる街に,PCパーツのお店が集まるということです。

 ちょっと脇道にそれますが,最近バルクのHDDなんてあんまりみないと思いませんか?昔はHDDを買えば必ずと言っていいほどバルクで,お店の初期不良対応だけしか期待出来なかったものです。

 銀色の帯電防止袋に入ったHDDがカウンター奥の段ボール箱から出てくるのが普通だったと思うのですが,ここ数年,1TB以上のHDDを買えば,それは化粧箱に入っていて,代理店の保証が付いてきます。

 安定した品質と保証という点ではいいことなのかも知れませんが,一方でお店独自の「目利き」が生かせない商品になってしまうわけで,どこで買っても同じものならと,結局価格だけの競争になっちゃうよなあと,心配になります。

 話を戻します。

 私はどういうわけだか,クレバリーのロゴが緑色だったころから,よく買い物をしていました。最初は,数あるパーツショップのうち1つに偶然立ち寄ったことから始めるのですが,電子部品のお店が集まるエリアに比較的近いところにあったこと,価格もそれなりに安かったこと,品物も揃っていたことで,よく使うようになりました。

 キーボードの専門店が出来たときには,私も良く立ち寄りました。展示が多く出ていたことは言うまでもありませんが,様々な種類のキーボードをちゃんと在庫していたことが私にはありがたいことで,今でも使っている東プレのRealForce89Uは,ここで買ったものです。

 HDDやメモリもここでよく買いました。値段はもっと安いお店があったとは思いますが,他の店で買った時には初期不良があたっても,なぜかクレバリーで買えば初期不良に当たらないというジンクスがあって,容認できないほど高値でない限り,クレバリーで買っていました。

 なんといっても,クレバリーと言えば不幸箱,です。

 私が購入した不幸箱は,本当に「ゴミ箱」だったのですが,その年の不幸箱はとりわけ不評だったようで,本気で怒っている人がたくさんいました。内容はここでも取り上げたことがあるので書きませんが,「これはやりすぎだな」と心配になりました。

 私は,クレバリーの実店舗を知っていて,店員さんの様子も分かっていましたから,不幸箱がどれほどひどいものであっても実店舗に対する信頼を変えることはなかったのですが,もし不幸箱がクレバリーとのファーストコンタクトであったなら,これはクレバリーを敵視したに違いありません。(まあそんな人は不幸箱を買うことはないでしょうけど)

 それに,不幸箱はいわばパーツショップの洒落ですから,程度によっては笑って済まされるべきものでした。内容がひどすぎたので笑って済ませるのは難しいと,この不幸箱については思います。

 当時も書きましたが,IT系のメディアで紹介されて予定数を一気に完売,追加を用意するという盛り上がりを見せたことは,本来なら「話の種になればいいか」と寛容な人達に向けて少数だけ売りたかった当人達を,本当にゴミ箱を用意したというその罪の深さで,猛省を促したことは想像に難くありません。

 そんなクレバリーですが,再開発の関係でお店を閉めると言いつつ,そこに別のお店がすぐに入ったりして「なんだったんだ」という印象を与えましたし,高値で仕入れたと思われるHDDを赤字(かそれに近い値段)でばらまいたりと,失速寸前の機体を必至に引き上げようと,地面すれすれでもがいていたように感じていました。

 それでも,きっと頑張ってくれるだろうと思っていましたから,こんなに早くにだめになってしまうとは思いもよりません。とても残念な事です。

 あくまで噂レベルの話ですが,あの界隈では,クレバリーが危ないというのは半ば常識だったらしく,すでに現金のみの取引だった代理店もあったりと,時間の問題とみられていた節があります。

 先の閉店騒ぎの時も,すぐに別のお店が入った時の反応が結構淡泊だったわけですが,このあたりからも再開発なんてのはウソだと,関係者には分かっていたのでしょう。それをわざわざメディアに書き連ねるのは,大人げないことだというんでしょうね。

 いずれにせよ,クレバリーで買い物をして,失敗したなと思うことはありません。ものは確かだし,店員さんの知識もあるし,オリジナル商品は安い上にものも悪くなく,よく利用していましたし。

 PCパーツを買うことがあったらまずクレバリーに,と思っていた私は,次からどこへ行こうかなとちょっと困っているわけですが,これも時代の流れでしょう。クレバリーに親しい店員さんがいたわけではありませんので,元スタッフで新しいお店を立ち上げるなどをされても,私にはよくわからないでしょうけども,それでもある種の親近感や感慨深いものがこみ上げてくると思います。

 出来る事なら,どんな形でもいいので,そのDNAを受け継いだお店が出てくるといいなあと思います。あ,不幸箱はもうやめましょうね。

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