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2012年07月23日の記事は以下のとおりです。

Ai AF-S Nikkor 300mm F4D が海外からやってきた

 先日,勢い余ってAF-S300mmF4Dを手配した,と書きましたが,手もとに届きました。

 今回の買い物はそこそこ高額だったこともそうですが,買い方が面白いものですので,ちょっとその辺も書いておこうと思います。

 まあ,別に珍しい事でも何でもないんですが・・・海外の業者から個人輸入で購入するという,この手の話としては定番の話題です。

 お願いしたのはこれまた定番のB&H。アメリカ・ニューヨークのカメラ,ビデオ,コンスーマエレクトロニクス機器のお店です。

 ここがアメリカにおける最安値かどうかはわかりませんが,海外発送をしてくれることが大前提で,日本からの買い物客にも丁寧確実,しかも迅速で海の向こうからやってくる商品が注文から僅か3日で届くという韋駄天っぷりで,大変評価が高いお店です。

 ということで,円高が長く続いてお買い得感も高く,数々の実績で名の知れたB&Hを私も一度は使って見たいと思っていたのですが,いくら円高と言っても5000円を超える送料や配達時に立て替えてもらった消費税を支払うことを考えると,あまり安い買い物であるとか,国内との差額が小さなものを買うと,かえって損になります。リスクも高く,その上国内で購入した商品と違って保証やサポートも難しくなる個人輸入は,慎重になる必要があります。

 今回,買うことにしたAF-S300mmF4Dは,国内では12円ちょっとくらいが最安値です。仮に125000円としましょうか。

 で,1ドル80円として,B&Hの売値が1149ドルですから,日本円で91920円です。その差はなんと33000円ですよ。

 うーん,そもそも91920円では,日本では中古だって買えません。

 で,実際にはUPSによる配送料62.23ドルも加わります。この段階で96898円です。これに消費税3%を支払うとすると,約99800円です。10万円として,差額はそれでも25000円です。

 その代わり,この商品はImportedということで,俗に平行輸入品と呼ばれるもので,ニコンが保証しない,非正規な商品です。初期不良があっても,故障があっても,お店の保証を使わないなら,すべて有償の修理扱いです。ここらがリスクですね。

 昨年だと,もう100ドルほど安かったのですが,タイの洪水や品不足もあってか,今はこの値段でした。それでも安いし,不良の少ないニコンのレンズですから,これは買っても良いだろうと踏んだわけです。

 ですが,日本人としてはちょっと複雑な気もしますね。もともとこのレンズは日本製で,日本の通貨「円」で作られて,売られるべきものです。

 10万円の商品を1ドル80円で輸出すれば,1250ドル。これを私が1ドル80円で買えば元の10万円になりますので,差し引きゼロに見えるのですが,ミソは日本人にとって125000円のレンズの値打ちは,アメリカ人にとって1149ドルしかないというところにあります。

 本来なら,日本で125000円のレンズは,アメリカでも1560ドルで売れて欲しいわけですね。でも,アメリカの人はこのレンズに1560ドルの値打ちはないといっていて,それで1149ドルという値段がついて売られているわけです。

 ですから,ニコンは日本国内なら125000円で売れているレンズを,アメリカでは9万円で売らねばならないことになっているのです。当然,ニコンは日本国内で売るよりも,アメリカに輸出した方が少ないお金しか手にできません。

 そして,いろいろな流通を通って,このお店に1149ドルで並びます。やがてそれを私がドルで支払って購入するのです。最終的に日本に住んでいる日本人の私は3万円も安く買えてしまうのですが,誰がこの差額を負担しているのでしょうか・・・そう,多くはニコンが負担しています。

 品物はのべで地球を一周するほど移動し,しかも飛行機や船の燃料を消費して,結局日本に戻ってきます。個人レベルの小さな事ではありますが,無駄なことをやれば儲かるなんて,根本的におかしいですよね。無駄を省かないと,儲かるはずもないのに・・・アメリカ人の価値観に合わせて安くしたレンズを,日本人が買う。本来だったら発生しないアメリカと日本を往復する運送費用と,クレジットカードのドルでの決済手数料が発生し,これが関係する会社を潤します。いわば,不必要な仕事で儲かってしまうのですね。

 いやはや,もう国とか関係ないなあと思います。


 それはともかく,日本時間で7月18日の夜に注文,翌日の朝には出荷されていました。時差があるとは言え早い対応です。

 そして成田に着いたのが7月20日,そしてなんとその日の夕方に届いてしまいました。2日で届いてしまうとは・・・おそるべし。

 UPSと提携するヤマトに,消費税を2700円ほど支払い,私だってしたことがない長い旅をしてやってきた,AF-S300mmF4Dを手に取ります。そうか,こいつがMJQやビリー・ジョエルのニューヨークからやってきたレンズか。

 まず,箱の大きさにびびります。嫁さんにばれないように,目に付かないうちに押し入れに入れてしまおうと思ったのですが,こんなに隠しようがありません。

 箱を開けると,ソフトケースが出てきます。そしてこの中にレンズが収まっています。大さは結構ありますが,重さは想像していたよりも軽い印象です。手で持つにも無理だ,と思うほどのことはありません。十分手持ちは可能でしょう。

 さすがにもともと18万円クラスのレンズです。プラチックが多用されているとはいえ,高級感もありますし,しっかりとした質感が好印象です。

 室内での試写を行いますが,これがもう鳥肌が出るほどの,素晴らしさです。

 F4開放から,びしっと解像感が出ています。色収差も小さく,さすが銘玉と言われているだけあります。トキナの100-300mmF4と比べてみましたが,もう比べるまでもないという感じです。誰の目にも明らかに差があります。もう完全にこの100-300mmには出番はありません。

 最初の間,AFを動かすとキーキーと音がして,やばいな初期不良かと思いましたが,そのうち音が全くしなくなって,スムーズに動くようになりました。ちょうど左手がフォーカスリングの所に来るのですが,AFモータが動作するとき,くくっとトルクがかかるのが今ひとつですが,これくらいは仕方がありませんね。

 そして,なんといっても寄れます。これもトキナの100-300mmF4では勝負にならない高性能さだと言えるでしょう。

  開放から十分シャープで使えるレンズ,色もコントラストも解像度も申し分なく,AFは高速,案外持ちやすく,振り回しやすいし,その上1.4m近くまで寄れる自由度が素晴らしく,まさしくこれは銘玉です。

 野鳥や動物,昆虫といったネイチャー系,飛行機などの飛びもの,自動車や鉄道などの動きものを捉えるのによく使われるレンズですが,なかなかどうして,人を撮影してもよいじゃないですか。ちょっと背景のボケがうるさいなあという印象がありますが,少し絞ってボケを減らしてやれば,解像度も上がってびしっと決まります。

 こういう写りがポートレートに良いかどうかは疑問ですけど,レンズの基本はやはり解像度です。300mmという焦点距離ゆえに,それなりに被写体との距離をとらないといけませんが,それだけのことをしても十分元が取れるほどの,素晴らしい写りです。これは,もっと早くに買っとけば良かったです。

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