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2012年11月12日の記事は以下のとおりです。

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは使えば分かる凄いレンズ

  • 2012/11/12 17:19
  • カテゴリー:散財

 D800を買ってはや4ヶ月,列ぶもののないフルサイズ3630万画素の超高解像度,プロ機譲りの基本性能,闇雲に増えず整理された機能,筋肉質な凝縮感のある質感など,私には過ぎたカメラだなと,使う度に思います。

 操作,音や振動にはそろそろ慣れてきましたが,頭の中で完成するイメージと結果とがなかなか一致せず,まさに振り回されているという表現がしっくりきます。

 ラフに撮影すればラフなりに,真剣に撮影すれば真剣な,そんな写真が上がってきます。D2Hもいいカメラでしたが,人馬一体の感覚を味わっていたのは,絶対性能の低さから来る底の浅さだったのかも知れません。それくらい,D800は底なしです。こちらがどれだけ頑張っても,目の前にはまだまだ先が見えています。ゴールは全然果てしないです。

 D800を購入する時に,3630万画素だからといって,なにも最新の高解像度なレンズを買うことだけがすべてではなく,オールドレンズのキャラクターを取り込むにも役に立つはずだと,そんな風に考えていました。

 実際に使ってみればなるほどその通りではあるのですが,そのキャラクターが望ましい物でなければ,どうもぱっとしない写真になってしまうだけの話であり,やはり最新のレンズを使うのが間違いないようです。

 仮に,FA43mmやFA77mmのような,味のあるレンズをD800で使う事が出来ればどんなに面白いかと夢見ることがありますが,私がD800で面白いなと思ったのはせいぜいMicroNikkor55mmF3.5というオールドレンズくらいのもので,あとはシャープネスもコントラストも足りず,色収差がどーんと出た,残念な結果しか生まないレンズばかりでした。

 結局,D800のポテンシャルを生かすには,多くのユーザーがそうであるように,D800にふさわしいレンズを手に入れるのが近道であるということです。

 ということで,D800を手に入れても,どうもしっくりこず,D800を使う楽しみさを感じないこの状況を打破すべきと,これまで必要ないと意地を張っていた標準ズームを買おうかどうか,散々迷っていました。

 そう,AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDです。

 世に言う「通しF2.8」の標準ズームで,高価で大きいのですが,その画質は極めて高い,各メーカーにとっても看板となるレンズです。

 私は標準レンズがズームであることが当たり前になった現在でも,単焦点レンズを好む偏屈です。すでにズームレンズの画質は単焦点に列び,単焦点レンズを使う理由など普通はないのですが,私は撮影者が前に後ろに動く事が大事だと思い込んでいるので,ついつい根が横着な私がズームを使うと,動かなくなってしまうのではと避けてきたというのが,本音の所です。

 ただ,時代に逆行するのもそろそろ限界かなあと,とりあえずタムロンの28-75mmF2.8(A09)を買って,標準ズームを試してみました。その結果は上々で,ズームによるメリットは利便性だけではなく,表現の幅を広げる物だと感じましたし,一方のデメリットはすでに払拭されているといってよいでしょう。

 つまり,私は20年前のF4からF5.6に明るさが変化する,標準ズームの黎明期に持った,あのファインダーの暗いイメージを持ったままだったんでしょうね。

 ところがこのA09というタムロンのレンズ,3万円しない安さでF2.8通しですから凄いの一言なのですが,やっぱり安いなりのレンズです。

 3万円という安さのために,欠点を書くのが憚られるのか,非常に高い評価ばかりを目にするのですが,それもあくまで3万円という値段が前提であり,単焦点には勝てません。柔らかいとかポートレートに最適とか,そういう文言は,つまり解像度が低く,コントラストも低かったりするんだけども,色はしっかりのる,というそういう意味合いだと考えるべきかも知れません。

 D800を買った人の多くが,標準ズームとしてAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDを選びます。これ以外の選択肢はないという言い方をする人もいます。標準ズームの利便性に,D800にふさわしい高画質を備えたこのレンズ,D800の性能を生かすには,最低でもこのレンズを手に入れなければだめなのではないかと,思っていました。

 しかし,定価で30万円,実売でも16万円から17万円もする高価なレンズです。おいそれと買うわけにはいきません。

 安く買いたいなあと思ってネットをウロウロしていたところ,ある中古カメラ屋さんに未使用品という謎のAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDがありました。価格は税抜きで135000円,税込みだと14万円ちょっとです。

 この価格であのAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDを買うことが出来るのか・・・でも,さすがに私だけの判断では手が出せないので,嫁さんに相談(懇願)しました。

 私:レンズ欲しい!欲しい!欲しい!
 嫁:いいよ。
 私:いくらするのか聞かないの?
 嫁:いくらするの?
 私:14万円ちょっと。
 嫁:だめ

 というやりとりがあったものの,その後高度な交渉術を駆使した結果,どうにか了解を取り付けました。

 とりあえず取り置きしてもらい,金曜日に会社が終わってからお店に出かけました。こんな高額商品を買えてしまうほど,私はお金持ちではないはずなのに・・・

 未使用品というのは,要するに逆輸入品のうち,箱が潰れているなどの問題のあるものだそうです。レンズ本体は未開封で,ビニールの袋からも出しておらず,一度もカメラボディに取り付けたことはないという話でした。

 それなら新品みたいなものですが,保証もお店の1年のみですから,そのへんを納得しておかないといけません。私はそんなものは気にしませんから,14万円で買えることがとてもありがたく感じました。

 さて,家に帰って取り出して見ますが,想像通りの大きさと重さです。嫁さんは絶句していました。縦グリップ付きのD800に取り付けられたレンズを手にとるなり「重っ!」と,投げ捨てていました。

 しかし,たまたま子供がよちよちと歩いてやってきたので,撮影してみます。結果を見て,私はこれまでの無知を恥じました。拡大せずとも,全体の透明感が違います。タムロンのA09も良いレンズでしたが,どっちかというと塗り絵のようなべたっとした画像で,立体感に薄いレンズだったように思います。ズームならこんなもん,3万円ならこんなもんと,そんな風に思っていましたが,AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは全然違います。桁違いです。当たり前です,5倍も高いレンズなのですから。

 解像度の高さはシャープネスと立体感を生み,締まった黒と滑らかな階調が持つ豊富な情報量とあいまって,圧倒されます。音もなく迅速に合焦するAFにはストレスを全く感じません。それに,ワイド端が24mmまでいけるというのは気分的にも全然違います。そう,28mmまでなら「普通のレンズ」なのですが,24mmになると,もう特殊な超広角というイメージが私にはあり,頭の中もスイッチが切り替わるのです。

 これは確かに,よいレンズです。

 もう楽しくて仕方がありません。結果を見るのが楽しみで,その結果は概ね私の期待を裏切りません。うれしい反面で,みんなが普通に選ぶレンズだと考えると,私の欲しかった画像というのは,結局みんなが欲しいと思っていた,言い換えると凡庸な画像に過ぎなかったのかと,そんな風に考え込んでしまいました。

 しかし,本当にこのレンズは優れているのでしょうか。気分の問題ではないのか,高いレンズだけに高画質に見えているだけではないのかと,自分を疑い始めていました。

 簡単にチェックをしてみましょう。

 比較するレンズは,タムロンの28-75mmmF2.8(A09)と,AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDです。ついでにAF-S50mm/f1.8Gでも同じ条件で撮影してみます。

 嫁さんのCDラックをさっと撮影して,中央部を切り出して比較してみます。焦点距離はすべて50mmにあわせます。A09とAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは開放のF2.8で撮影しますが,AF-S50mm/f1.8GはF2.8まで絞っておきます。かなり有利になりますが,これはF2.8という明るさで撮影した時にどれくらいの画質を得られるかを調べる物ですから,これでいいのです。

 画像はJPEGの撮って出しで,画質はNORM,サイズはLですから7360x4912ピクセルです。色空間はsRGBで,ISO感度は室内だったのでISO3200まで引き上げます。

 シャッター速度は,3つともF2.8だったはずなのに,A09だけ1/160秒,残りの2つは1/200秒となりました。A09は50mmといいつつ,ちょっと広角よりでしたし,実力で言えばF2.8よりやや暗いのかも知れません。

 まず,最初にタムロンのA09です。

ファイル 602-1.jpg

 次に,AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDです。

ファイル 602-2.jpg

 もう雲泥の差です。A09はくもりガラス越しに見ているかのような感じで,まるで幻想的と言えるほどのソフトっぷりです。黒も締まっておらず,解像度だけではなくコントラストも低いです。この柔らかさをうまく利用すると,ポートレートに使ったり出来るのでしょうね。

 最後に,AF-S50mm/f1.8Gです。

ファイル 602-3.jpg

 これも素晴らしいですね。わずか2万円のレンズですが,この切れ味はさすが単焦点の50mmです。

 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDと比べてみても,AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDの優秀さが分かります。値段は高いし,高価なレンズをふんだんに使った贅沢なズームレンズですが,それだけのことはあります。

 逆の見方をすれば,15万円も出さずとも,2万円でこれだけ高画質なレンズが手に入ることもまた事実なわけで,目的をはっきり持つ事がいかに大切かを思い知らされます。

 タムロンのA09は3万円という値段でこれだけの高画質なのですから,これはもう銘玉として名を残すことは間違いないと思いますが,出てくる画像はソフトであることと同時に,平面的です。これを個性と受け取って活用出来ればよいのですが,それはとても難しい事です。

 小さい事も軽いこともA09のメリットですが,AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDの素晴らしさはそんなことを一切気にしなくなるほどの感動があります。

 ということで,高価なレンズを手に入れました。おかげでD800がまるで別の機種のように,強烈な画像を出力できるようになりました。写真はレンズで決まるというのを,つくづく思い知った休日でした。

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