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2012年12月11日の記事は以下のとおりです。

第2級アマチュア無線技士国家試験

 さる12月9日に,第2級アマチュア無線技士の国家試験を受けてきました。

 は?ハム?なんで急に?

 直接の動機はちょっとアレなのでここには書きませんが,以前から上級の資格を欲しいと思っていたことは確かです。

 私が,当時電話級と呼ばれた,今で言う第4級アマチュア無線技士の国家試験に合格し無線従事者免許証を手に入れたのは14歳の時。今にして思えば中二病全開,手の付けようのない自意識過剰な時期でした。

 「子供の科学」から「初歩のラジオ」に進んだ工作少年は,自然科学全般から電気電子に興味の対象を絞りますが,やがて「初歩のラジオ」で取り扱われているいくつかの分野から,さらに興味の対象を選ぶことになります。そしてその興味の対象が,その人の生業となることも珍しいことではありません。

 私はオーディオとコンピュータに軸足を置いて,今もそれらを楽しんでいますが,結局興味を抱かずに終わったアマチュア無線についても,「初歩のラジオ」を開けば眼に入ってくるわけですから,知らないうちにちょっとした知識を身につけるようになります。

 こういうことって,子供にとってはとても大事な事ではないでしょうか。

 何事もきっかけが大事ですが,振り返ってみればそうしたきっかけがその人の人生を左右することって大いにあります。私だってそれまで存在すら知らなかった「子供の科学」を親に買い与えられていなかったら,あるいは熱を出して学校を休んだ時の暇つぶしにこれまた全く知らなかった「初歩のラジオ」を買ってきてもらっていなかったら,今こんな趣味や仕事をしているとは思えません。

 押しつけられるのではなく,いろいろな物が眼に触れるチャンスがあって,そこから興味をもって自分の力で掘り下げていくことがあったかなかったは,その人の可能性をある程度決めてしまう重要な要素ではないかと,そんな風に思います。

 閑話休題。

 元々見ず知らずの人と話をしたいとも思わず,高周波回路にそれほど興味もなかった私にとってアマチュア無線というのは,「初歩のラジオ」の取り扱う分野のなかで唯一国家資格が必要という制限にやや強い印象があった程度ですが,なにせ電子工作が得意だった子供のことですから,試しにと電話級の過去問題を解けば概ね正解するわけです。

 間違った問題を勉強することも全く苦にならず,むしろ正しい新しい知識が手に入ることを喜んでいたほどでしたし,それに国家試験というものものしい響きを持つものが,私にも乗り越えられるかと思えば,しびれるじゃありませんか。

 そんなわけで14歳の時に,学校ではなく当時通っていた塾で知り合った友人が電話級に合格したと聞いて,どれ私もやってみるか,とその秋に受験,合格しました。ライバルの存在というのは誠に重要ですね。

 友人はさっさと無線機を買って局免を申請し,50MHzで開局しました。当時最新だったヤエスのFT-690mk2をわざわざ塾にこっそり持ってきて,私に見せてくれたことを思い出します。

 メーカー製の無線機は中学生には高価で,全く欲しいとも思わなかったのですが,自作の無線機で交信できればいいなあとは思っていました。特にある本で見つけた,50MHzのAMトランシーバーの製作記事は,回路規模も適当でしたし,バーニアダイアルが格好良くって,ぜひ作って移動運用したいなあと思っていました。

 しかし,冷静に考えると,電話級なんてのはただのおしゃべりで,電話ごっこなんですよ。それが目的ならいざ知らず,私は特におしゃべりをしたいわけではなく,電子工作の最高峰たるアマチュア無線を自作で行うことで,自身のスキルを高周波に振り向けたいと思っていただけですから,結局熱は冷めていきました。

 これが電信だったり,遠距離の通信だったり,海外との通信だったりすれば,その後の私の人生は大きく変わっていたかも知れません。

 3級や4級は国家試験も簡単ですし,講習会を受ければ免許が手に入ります。しかし,1級や2級という上級資格は,かなり難しい国家試験にパスするしかありません。

 無線工学そのものには興味があって,勉強も苦にならない私としては,やっぱり上級資格は手に入れたいものでした。その免許が何の役にも立たないと分かっていてもです。

 電話級を取った後に,2アマの問題を見てみましたが,とても難しく,しかしやりがいのある問題にしびれたことを思い出します。

 裏を返すと,無線工学以外には興味はなく,特にモールスは覚えるのが大変な上に本当に何の役にも立たないということで,上級資格は上級資格らしく,私の手の届かないところにあったのです。

 1アマや2アマに対する憧れだけは14歳の頃から残り,やがて時間がどんどん過ぎて,国家試験も記述式から選択式になり,モールスの実技も送受信から受信のみ,そしてとうとう昨年実技そのものがなくなってしまいました。

 これはチャンス到来です。

 モールスの実技がなくなり,一生使う事のないモールスを覚える難易度が相当下がりました。アルファベットからトンとツーが頭に浮かべばそれでよいのですから,随分楽になったものです。

 無線工学は一応現役のエンジニアな訳ですから,ビールを飲みながらでも合格するはずだろうと1アマの過去問をやったところ,半分ほどしか正解しません。解き方すら分からないという有様です。なめてました。

 これはさすがにまずいと,2アマにレベルを下げました。法規は覚えるしかありません。電話級の頃からいろいろ変わっているようですので,覚え直しです。

 モールスは語呂合わせで覚えます。仮に開局しても,モールスを使う事は絶対にないです。だから受かるためだけに覚えます。

 てな作戦を立てて,そのうち勉強するわ,と思っていたら,もう12月。2日前からあわてて勉強を始めて,試験に臨みました。

 試験場の強烈なニオイに閉口しつつも,他の資格試験にはちょっとないようなとても緩い雰囲気の中,午前の法規は2時間近くも時間を余らせ,午後の無線工学も早めに終わらせて,帰ってきました。

 それでも,結構疲れました。久々に頭を使った気がします。

 まず,法規は丸暗記ですので,試験問題を見た瞬間にぱーっと放出して,あとはすっきり忘れました。モールスも覚えているうちに問題用紙に書き出して,あとはさっさと忘れます。

 暗記科目ゆえに,わからない問題は考えても答えは出てきませんので,分かる物から回答して,わからんものは適当にマークします。自己採点の結果,122点(150点満点)という事でした。もうちょっといけると思ったのですが,うっかりミスもありましたし,合格点に達しているので良いとしましょう。

 無線工学はエンジニアの意地で,高得点が欲しいところ。むしろ満点でないといけないくらいですが,そんな気分とは裏腹に,すっかり油断していました。複雑な計算問題はなかった代わりに,解いたことがない問題がチラホラあって,ちょっと焦ったりしました。

 自己採点の結果,114点(120点満点)でした。

 ということで,おそらく合格です。こんなことなら,1アマにしておけば良かったかなあと,そんな風に思うのですが,まあいいです。

 ちょっとうれしくなって,アマチュア無線の世界が私の知らない間に大きく変化していて,もしも面白い事になっていたら開局するのも悪くないなあと思って,現在のアマチュア無線の状況を調べてみました。

 調べたところ・・・もううんざりするほどひどい状況になっていました。開局はないですね,こんな状況だと。もう10年もすると日本のアマチュア無線は絶滅するんじゃないでしょうか。

 電波は限りある人類共通の貴重な財産ですから,有効に使われていなければ理解は得られません。

 アマチュア無線の人口がここ数年で増えつつあるアメリカや,人数は少ないけれども質は高いヨーロッパに比べて,日本のアマチュア無線家は人数こそ多いけれども,その質は最悪と言われます。

 様々な質が問われますが,私はアマチュア無線という純粋な趣味に電波という貴重な資源の割り当てがあるという誇りを持たずに電波を出していることが最大の問題ではないかと思っています。

 アマチュア無線への電波の割り当ては,その過去の功績に報いる意味も込めて,国際的に認められているのですが,それを当然の権利として主張するだけの人達が多いんじゃないかと感じています。

 その権利を得るために何をアマチュア無線家がしたのか,そして現役のアマチュア無線家が何をするべきなのか,その意識が希薄です。アマチュア無線家同士はもちろん,そうではない一般の人々に対する啓蒙も全然です。

 こんなことでは,一般の人々の理解はとても得られません。少なくとも割は理解できません。

 ちょっと適当なことを書きますが,正直なところ有効活用が可能なVHFやUHFはアマチュア無線から召し上げた方がよいんじゃないかと思います。

 それなりに反発があるとは思いますが,HFだけ残しておけばいいんじゃないでしょうか。現役のアマチュア無線家が無線の世界に貢献をしないなら,過去のアマチュア無線家が開拓したHFだけ,その功績をたたえるために残しておくのはとても公平です。

 アマチュア無線機のメーカーが困ると思いきや,考えてみれば同じ帯域の無線機をアマチュア向けに売るより,新たにその帯域を割り当てられた業務向けに売る方が儲かるはずですから,大歓迎でしょう。

 アマチュア無線の資格も再編されるでしょうね。国はすでにアマチュア無線を邪魔で面倒で穀潰しな存在(もしくは気にもかけない存在)に思っているようですし,アマチュア無線に関連する各種団体も根っこから腐りきっているという話ですから,その話を信じれば,縮小はあっても拡大はありません。上級資格が最も取りやすいのは,もしかすると今かも知れません。

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