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2013年05月28日の記事は以下のとおりです。

我が家でルンバが踊っている

  • 2013/05/28 17:04
  • カテゴリー:散財

 掃除機が自動で動き,人間に変わって掃除をしてくれるなんて,科学技術に夢を託していた時代の,見通しの甘い願望に過ぎず,そんな未来はいずれやってくるとしても,自分が生きているうちに訪れるとは,おそらく多くの人が信じていません。

 仮に,私が外宇宙からきた超知的生命体と秘密の契約をして,完璧な自立型お掃除ロボットの開発に成功しても,それはきっと受け入れられる事はないでしょう。私が思うに,技術の進化は,大衆の想像の範囲でなければ,認められないものなのです。

 ロボット掃除機のルンバは,アメリカ生まれです。例えばこれが,ホンダ製,パナソニック製,ソニー製だといえば,多くの日本人は「結構いけるかもな」と感じたでしょうが,アメリカ製の製品に馴染みがなく,まして有名メーカー製でもないルンバを信じることが出来ないのは,至極当たり前のことです。

 しかし,本当にそれが良いものであれば,時間はかかっても,クチコミで評判は広がっていきます。ロボット掃除機というこれまでに市場がなく,何にも比較されない新しいものは,使った人の意見しか頼るべきものがありません。

 かくして,ルンバは10年かかって,ようやく人々の「次に欲しい家電品」リストに加わることになりました。

 気が付くと,ルンバの値段も随分下がっています。日本上陸の頃は10万円もしました。10万円もすれば,失敗出来ないです。もしまともな掃除をしてくれなかったら,10万円が完全に無駄になります。

 それが,今では3万円台で買うことが出来るものもあります。これなら,多少の失敗があってもなんとか目を瞑ることができるでしょう。3万円なら多少ゴミが落ちていても許されますが,10万円なら許されないものです。

 前置きが長くなりましたが,ルンバを買いました。700シリーズの中級機である,770です。最近円安が進んでいるので最も安かった年末頃に比べると随分高くなったと思いますが,これ以上待っても値下がりは期待出来そうにないと,買うことにしました。

 1つに,新居のフローリングが濃い色で,僅かなホコリでも目立ってしまうことがありました。それで気になって掃除機をかけるのですが,これまで30分もあればすべての部屋を掃除機出来たのに,新居では部屋数が増えたこともあり,1時間ほどかかるようになりました。

 土曜日と日曜日に掃除機をかけるのは私の仕事。貴重な土日でのべ2時間も掃除にかかってしまうのは,確かにもったいないなと思っていました。しかも平日の帰宅後に掃除機をかけることはできず,結局ホコリが渦巻く住んでいるという気分が抜けきれません。

 嫁さんも似たような気分でいたようなのですが,素直に「ルンバ買って~」といえばいいものを,やれ「ルンバは働く女性の三種の神器」だの「共働き夫婦には必須」だのと,あくまで私に買わせようとします。

 まあ,私が掃除の担当ですので,私が楽をするのに私が費用の負担をするのは至極当然なことですから,やや引っかかるものがありつつも注文,先週の金曜日の夜に届きました。

 ルンバは,部屋の大きさや間取り,どんなものが部屋に置かれているかによって,その効果に差があると思います。ですのでいつものようにレビューを書いても余り参考にはなりませんが,あくまで私の個人的感想として,書こうと思います。

(1)大きさ,重さ

 写真ではわかりにくいのですが,ルンバは結構大きいです。時々猫が乗っている動画を見ますが,まさにあんなかんじの大きさです。部屋にあると,かなり存在感があり,はっきりいえば邪魔にもなります。

 重さについてはもっとわかりにくいと思うのですが,よっこいしょと声をかけるほどの重さです。ニッケル水素電池とモーターが重いのでしょうね,ずっしりとした重さです。


(2)音

 かなり大きいです。普通の掃除機と違って高速回転する部分がありませんから,音はラジコン戦車のような音ですが,かなり耳障りです。確かに動いているルンバを見るのは楽しいのですが,音がうるさいので基本的には外出時に掃除をさせるものだと,改めて思います。


(3)掃除にかかる時間

 部屋の大きさやレイアウトによって違うと思いますが,概ね1時間から1時間30分ほどで掃除を終わります。そりゃ,人間が掃除をした方が早いし綺麗になると思いますが,ルンバは人間の数倍の時間をかけて,ゆっくりゆっくり掃除をするものです。

 短時間で掃除から解放されたい従来の掃除機が,吸引率の向上を第一に改良されてきたことを考えると,吸引力ではなく時間をかけるというアプローチで掃除を行うルンバは,とても画期的であると言わざるを得ません。

 嫌な掃除を時間をかけて行うには,掃除を人間がやらない,留守のうちに行うというこの2つが前提になるわけですから,ルンバは理にかなっています。とはいえ,掃除を人間がやらないという条件を克服するのがとても大変なわけで,これにチャレンジしたメーカーは,私は偉いと思います。


(4)動作と仕上がり

 動きをずっと見ていましたが,ぶつかったら向きを変えて進むという基本的なアルゴリズムです。ただし,向きを変えるときに,ほんの少しずらして反転することで,それまでの経路とは少しだけずれた経路で進むようです。

 その結果,前回なら椅子の脚にぶつかったものが,今回はギリギリつうかと言うことが起こり,結果として部屋中を掃除してくれるわけです。

 ルンバにとって,ぶつかったことを知る衝突センサは,高さ方向を認識しません。ルンバよりも高いものは,それがゴミ箱だろうが壁だろうが,ルンバが乗り越えられない以上はすべて壁です。また,椅子の4本の足にゴチゴチぶつかり,しかも間隔が狭くて足の間をすり抜けられないなら,その椅子はルンバには角柱に見えるのです。

 いろいろレイアウトやスタート位置を試行錯誤してみましたが,まず必要なのは「ルンバになった気持ちで見てみる」ということです。人間にとってあっさりまたげるもの,人間なら通り抜けられる隙間も,ルンバには壁になります。

 人間には向こう側が見えていても,ルンバにはカメラがないので見えません。壁の向こうを知ることが出来る人間と,全く分からないルンバの間には,圧倒的な情報量の差があるといえます。

 ですから,ルンバになりきって,綺麗に部屋を巡回するにはどうすれば良いかを考える事には,意味があります。床にものを置かないことはルンバオーナーの基本ですが,これもルンバにとってどうか,という観点で考えると,すんなり納得出来るものです。

 ルンバは結構力がありますので,ゴミ箱などは自分で押して場所を動かしてしまいます。動く事でゴミ箱にぶつかる機会が増えてしまいますが,このことがルンバには,元の大きさよりもはるかに大きなゴミ箱に見えるようになるのではないかと思います。

 こういう場合,ゴミ箱はテーブルや椅子の上に置いておく方がよいです。

 仕上がりですが,ちゃんと巡回してくれた部分は確かに綺麗になっていると思います。特にカーペットは念入り得意なようで,かなり綺麗になっていると思います。

 しかし,何らかの理由で巡回できなかった場所は,当然ですがゴミが全然取れていません。なぜ巡回できなかったのかを考えるときに,「ルンバにとっての壁」を意識する必要があります。

 人間なら悠々通れる所でも,ルンバには壁が見えています。ルンバにとって壁にならないように,うまくレイアウトを考えないといけません。

 ところで,ルンバが階段から落ちたという話をしばしば耳にしますが,うちでは一度もそんなことはありません。階段を検出する段差センサは有効に機能しているようです。


(5)失敗談

 まず,スケジュールの設定です。月水金の午前中に設定したのですが,なぜか土曜日に動き出しました。設定のミスだったのですが,ルンバのUIは決して優秀とはいえませんので,設定は慎重にしないといけないようです。

 次に行き倒れ。掃除が終わってからホームベースに自分で戻って充電を始めるルンバですが,うちではしばしば行き倒れ,部屋の真ん中でじっとしていることがあります。

 見てみると,ホームベースの位置が変わって,隅っこに追いやられています。ルンバが自分で動かしたんでしょうね。ホームベースをテープで固定して,ようやく戻るようになりました。

 最後に,子供が怖がったという話です。光るものに興味がある娘は,おもむろにホームベースにたたずむルンバのボタンを押してしまいました。突如大きな音がして,自分の方向にゆっくり,なにやらブラシを回転させて向かってくるではありませんか。

 最初はなんだ?と思っていた娘ですが,次第に覚えた表情にかわり,後ずさりを始めましたが,ルンバはゆっくり自分の方に向かってきます。

 そして,泣き出しました。

 怖かったんでしょうね。以後,ルンバについうっかり手を伸ばしても,すぐに引っ込めます。触ってはいけないものだと学習したようです。


(6)ランニングコスト

 ルンバは消耗品の交換が必要で,それなりにお金がかかります。掃除機にランニングコストという考え方はあまり馴染まないのですが,ルンバは掃除機である前にロボットですから,やむを得ません。

 まず,ニッケル水素電池です。700シリーズになって1年半が交換時期になったとはいえ,1万円もする電池を1年半ごとに交換すると,さすがにそのコストは無視できません。

 電池以上にフィルターの交換もバカにならない感じです。3から4ヶ月で交換と言うことですから,年に4回ほどの交換ですが,これってコスト以上に手間がかかります。


(7)結論としては

 完璧を求めるのは無理ですし,過度な期待はすべきではありませんが,土日の掃除がほとんど必要なくなった事実はあり,よく言われるようにお金で時間を買ったことになると思います。

 もう1つ,これもよく言われていることですが,ルンバを買うと,ルンバが効果的に掃除できるよう,床にものを置くことがなくなります。従って床がすっきりし,気持ちいいです。ものが減ったわけではないので,床にあったものはどこかにしまい込まれたに過ぎませんが,忘れてはならないことは,ルンバにとって過ごしやすい部屋は,人間にとっても過ごしやすいのだということです。

 ということで,やや高価な買い物でしたが,ルンバによって土日が有効に使えるようになりました。掃除かは開放される気分的なゆとりも想像以上です。また,ルンバの性能そのものは評判通りですから,ルンバ以外のものを買わなかったことも正解だったと思います。

 問題はランニングコスト,消耗品の入手,故障などサポートの問題,そしていずれやってくる寿命と買い換えです。洗濯機や普通の掃除機のように,買い直すことに何の不安も感じない家電品ならいざ知らず,ルンバはアメリカの家電品ですし,大手メーカーではありません。撤退した,倒産した,日本での代理店がなくなったなどで,入手出来なくなることは案外簡単に起こります。

 他のメーカーが参入していれば良いのですが,シャープも東芝も,韓国メーカーもぱっとしませんし,それらが末永く続けてくれそうには思えません。そうなると,せっかくこの便利さを手にした我々は,数年後にはまたルンバのない生活に戻らなければならないかも知れないのです。

 ルンバのようなロボット掃除機が,当面克服できそうにない問題は,フロアを越えられないということです。3階建ての家に住んでいる人は,家中すべてを1台のルンバで掃除できないことになりますから,本当に自動化するなら3台買うしかありません。

 かように,ルンバは一家に一台ではなく,一フロアに一台ですから,普通の掃除機よりも数が出る可能性だってあるのです。

 そのためには,まだまだ子供以下のアルゴリズムを改良すること,そしてそれが一般の人にも注目されるくらい,適度な未来性を持つようになることが大事でしょうか。

 いずれにせよ,10年後にもルンバがあるという未来を想像出来ない私は,一過性のおもちゃでおわるか,それとも死ぬまで世話になる家電品になるか,まったく想像が出来ません。それは,今後ルンバがどういう進化をするかによって,決まることと思います。

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