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2013年06月06日の記事は以下のとおりです。

GR雑感~そろそろ見えてくる残念な点

 一眼レフなみの大型・高感度なセンサを搭載し,一眼レフに迫る高性能なレンズを搭載したGR。小さく持ちやすいサイズに軽快なレスポンスも相まって,ぱっと手に取ることが増えました。

 撮影後すぐの,LCDでの確認では,その高画質っぷりに満足していたのですが,これをPCで見ればモアレが目立ち,それまで満点だったGRの評価が少し落ちています。

 そして昨日,D800と同じようなワークフローで印刷まで行ってみて,なかなか思い通りにはならないことを,強く感じました。

 そんなわけで,そろそろ新婚の夢のような時間も終わり,冷静に現実が見えてきたGRについて,思った事です。

(1)高感度特性

 D800よりも画素ピッチが大きい割には,D800よりも高感度特性は低いです。私は高感度特性を,ノイズが出始める感度,ノイズをLightroom4で除去して実用レベルに出来る感度,コントラストの低下が実用レベルに出来る感度,の3つで捉えています。

 GRの場合,まずISO3200は実用になりません。ISO400までがノイズについて問題のない感度,ISO1600までがノイズ除去可能な感度という感じです。コントラストの低下については,ISO3200が思った以上に悪く,ISO2000くらいまでかなと思っています。

 最高感度であるISO25600は,もうまったく使い物になりません。こんな感度の設定を設けた事がおかしいと思うくらい,全く駄目です。

 D800の場合,ISO800まではまず問題なく,ISO3200までなら除去が可能です。ISO25600は確かに実用レベルにはなりませんが,「ISO25600ですよ」と注釈をつければ「ほほー」というリアクションがかえってくる程度の画像が得られます。

 コントラストについても,ISO3200までは問題がありません。ですので,D800ではISO感度は3200まで自動で上がるように設定しています。

 同じような感覚でGRもISO3200まで自動にしたのですが,結果としてISO2000以降の写真は,まるでコンパクトデジカメで撮ったかのような画像になってしまいました。

 ノイズの量はもちろんですが,コントラストの低下,くすんだ色,眠い画像と,高感度特性は,この頃のデジカメにしては「悪い」という印象を持ちました。


(2)プログラム線図の問題

 プログラムモードを使っていると分かるのですが,出来るだけ絞りをF4.0にしようと頑張るのです。高感度特性が悪いくせに,簡単にISO感度を引っ張り上げてF4.0にしようとするので,最終的な画質にがっかりすることが多いです。

 室内撮影においてはこういう問題は結構深刻です。レンズはとても優秀で,F4.0が最高性能であることは分かりますが,これがF2.8になってもそんなに悪くはなりません。

 しかし,ISO400がISO800になると,これはもうかなり画質が悪化します。ここはISO400のままで,絞りをF2.8にするのが正しい選択だと思うのですが,GRのプログラム線図はそうなっていません。

 また,いかに28mm相当のレンズであっても,シャッター速度を落とすと被写体ブレが無視できません。1/15秒くらいが限度かなと思いますから,本来なら出来るだけISO感度は低く保ち,まず絞りをF2.8に開け,次にシャッター速度を1/15秒くらいまで落として,それからISO感度を変えるという仕組みにして欲しかったです。


(3)AFの問題

 プログラム線図が気に入らないなら,Aモードで撮影すれば済むだけのことではあるのですが,オートモード(緑色のカメラのマークです)でしか,顔認識AFが動作しないんですね。顔認識AFは,人の写真を撮るときには,いちいちAFポイントを動かさなくてもよいので便利なのですが,これが使えるのは結果的にプログラムモードだけになってしまうんです。

 AFポイントをもっと素早く,確実に動かせれば良いのですが,これがD800なんかとは明らかに違う弱点なんだと思います。顔認識に頼らなくても済むAフレキシブルなFか,どんなモードでも利用出来る顔認識AFか,どちらかが欲しいです。


(4)ホワイトバランス

 ホワイトバランスは,悪くはないのですが,期待していたほどではありませんでした。

 D800の場合,余程の事がない限り外しませんし,出てきた結果は大変好ましいことが多いです。オートホワイトバランスを全く信用していなかった頃は,太陽光に固定して現像時に合わせ直しをするのが普通だったのですが,D800になってからはオートを信用し,手作業によるホワイトバランスはほとんど行っていません。

 やってみるとこれが大変楽なんです。それなりの数を処理すると,いちいちグレーの部分を探してホワイトバランスを取るのはなかなか大変ですし,RAWと同時記録にしたJPEGをそのままプレビューとして使えますから,とても便利です。

 ですが,GRは案外ホワイトバランスを外しがちです。大きく外すと言うより,あまり綺麗な色に合わせてくれないという「ちょっと残念」という感じです。昼頃なら綺麗な肌色が出ていても,朝の光では青っぽい色になるんですが,顔色悪いな,と思うくらいにずれているので,オートホワイトバランスを信用出来ないなと思いました。

 D800だとこういう場合でも綺麗に合わせてくれます。朝の光であることが分かる程度にあわせてくれるので,雰囲気を維持しつつ,自然な顔色にしてくれるので助かります。

(5)ダイナミックレンジ

 D800は元々ダイナミックレンジも広く,それなりに粘ってくれるのですが,GRはそこは極普通です。RAWの場合,D800は14bit,GRは(非公式ですが)12bitです。

 この2bitの差は,結構大きいと私は見ていて,画像処理をしたときに潰れた影から画像が浮き出てくる感動,白く飛んだところからうっすら画像が見えてくる感激が,これほどのものとは思っていませんでした。

 RAWが12bitだから,という理由だけではなく,センサのダイナミックレンズそのものが一番大きな理由だと思いますが,GRのダイナミックレンジは,やはりそれほどのものではありませんでした。

 いや,正しい露出で撮影すればいいんですよ。露出補正をちゃんと面倒くさがらずにやれば,それで済む場合がほとんどですが,速写性に優れたGRですから,ついつい補正をしないで,AEを信じることも多いのです。

 しかし,それではやっぱり外してしまうことも多いです。

 GRで,逆光の人物を撮影しました。この段階ですでに背景は白く飛んでしまっていたのですが,顔がやや暗かったので,1/3ほど持ち上げて現像しました。

 印刷をしてがっかりしたのは,まるで,人物が下手なコラージュのように,白い背景に立体感を失って張り付いていたことでした。

 思うに,補正を賭けたときに,立体感を作る,奥行き方向に出るグラデーションが白く飛んでしまって,立体感がなくなってしまったんではないかと。D800ではさすがにこういう不自然な結果になることはありませんでしたので,横着をしないで,露出はきちんと管理しようと思いました。


(6)コントラスト

 はまったときの画像は確かに一眼レフを凌駕します。しかし,その範囲が結構狭い印象で,適正露出から外れたときにリカバー出来る範囲が案外狭いです。

 コントラストの低下は結構あるような印象で,露出で横着をすると,どうもメリハリのある画像が得られません。レンズのポテンシャルの高さは折り紙付きですし,これはセンサ(と画像処理)の性能によるものと考えるしかないでしょう。

 最近思うのですが,携帯電話搭載のカメラがいかに高性能化しても,やっぱりなんだか携帯くさいな,と思う原因は,コントラストにあるように感じるのです。無理にコントラストをあげて鮮やかにすると,今度は少ない情報を無理に加工するので,画像の破綻が起こります。

 情報量の多さは一眼レフにはかないません。同じような傾向はコンパクトデジカメにもあると感じていて,特にサイズの小さいセンサのカメラほど,こうした傾向が強いと思っています。PENTAX Qがいかに面白いカメラであっても,やはりコンデジの域を抜けられないのは,その辺にあるような気がします。

 GRの場合,なんといってもセンサがAPS-Cですから,かなり余裕があると思っていました。しかし,APS-Cの一眼レフに比べても,条件の悪化に対するコントラストの低下が,ちょっと大きいなあという印象を持っています。

 ですから,やっぱり露出は丁寧にやらないといけないです。


 てな具合です。

 いかに,D800がラフに扱えて,後でリカバーの出来るカメラであるかを強く感じました。GRはそういう意味では普通のカメラで,特に悪いわけではありません。D800が良すぎるんでしょう。

 あるいは,GRは28mm相当という画角を生かしたスナップを志向したカメラであり,人物撮影にはあまり向いていないのかもしれません。これは良し悪しと言うより,個性ですね。GRでサッカーの写真を撮るのはかなり不利なわけで,それと同じ話です。

 でも,願わくは14bitのRAWであって欲しかったなあと思います。14bitのRAWが持つ情報量の多さには,感覚的な面白さに加えて技術的な興味も尽きません。実用面でもレタッチ耐性が格段に向上することは間違いないわけですから,やっぱりGRくらいマニアックなカメラなら,14bitであって欲しかったと思います。

 

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