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2013年06月10日の記事は以下のとおりです。

新しいScanSnapはこんなにすごかったのか

  • 2013/06/10 17:37
  • カテゴリー:散財

 雑誌を含めてたくさんの本に囲まれて生きてきた私が,いよいよ場所がなくなって捨てる以外に選択肢がなくなっていたころ,思い切って購入したScanSnap。

 手間をかけても本は捨てられないと始めた本の電子化ですが,ScanSnapが良く出来ていたので,想像していたほどの手間もかからず,すっかり週末のルーチンワークとなりました。

 ScanSnap S500を手に入れたのが2007年3月ですから,もう6年も前のことになるんですね。ほぼ毎週使って,実に30万枚を超える枚数をスキャンしたS500も,さすがに満身創痍です。ピックアップローラーは見た目に小さくなったとわかるほど,すり減ってしまいました。

 なにせ,重送やゴミの付着は大きな時間のロスにつながるだけに,この6年間の間に独自のチューニングを施しています。光学系にゴミが入り込まないようにスポンジで隙間をふさぐ,ゴムのへらのようなものも,厚みや角度を調整して,出来るだけ重送が発生しないようにしました。

 分解掃除ももう慣れたもので,光学系まで分解して元に戻すことも20分もあれば出来るようになりました。ある時光学系の調整に失敗して,画像が無茶苦茶になったことがありましたが,そうした危機を乗り越えて,S500は30万枚をこなしてくれたのです。

 買い換えをしたいところですが,安いものではありません。ただ,効率に直結する「投資」ですので,あんまり古い機会で頑張るのもどうかなあと思って,もう6年も過ぎてしまったというわけです。

 昨年秋に出た新機種,ScanSnap iX500は,その名が示すとおりScanSnapの最新世代フラッグシップモデルです。すでに6年前から圧倒的なシェアと信頼性でドキュメントスキャナの定番となっていたScanSnapですが,現れては消えるライバル達を蹴散らしつつ,王者としてフルモデルチェンジを果たしたiX500は,登場から半年以上を経過し,その評価は揺るぎません。

 ScanSnapも,すでに基本機能はもう伸びしろはないだろうと思っていたら,愚直にスキャン速度の向上を果たしています。WiFiを搭載したとか,スマートフォン連携があるとか,そういうのはそれほど重要ではないと考えた私にも,A4サイズで25枚/秒という速度は,あまりに魅力的でした。

 S500はいつ壊れてもおかしくない状態です。安くなったときに買っておかなければと思っていたのですが,先日偶然特価を見つけて,iX500を買うことにしました。約37000円でしたので,それほど安いというわけではないでしょうが,4万円を切ればいつでも買って良い商品だと思います。

 ということで,iX500が私の手もとにやってきました。ただ「はやい」というだけの感想は聞き飽きたと思いますので,S500のリプレースをするMacユーザーという限定されたケースで,レビューを書いてみます。

(1)大きさ,形

 大きさはS500とそんなにかわりません。直線基調なので小さく見えるのですが,設置面積はほぼ同じで,外形はむしろ少しだけ大きくなっているそうです。

 重さについてもそんなに変わりません。これは,あまり軽いと紙を差し込んだときに,ひっくり返ってしまうからでしょうね。

 ACアダプタは小さくなりました。ACアダプタの進化もありますが,電圧が下がって消費電力も下がったことが理由の1つでしょう。

 デザインですが,トレイを開くと,ピアノブラックに青色LEDのパネルが出てきます。個人的には,本はとにかく手が汚れるものですので,ピアノブラックは気に入りません。ScanSnapはもっとストイックなデザインであって欲しいと思います。

 また,これも個人的な話ですが,青色LEDが嫌いなので,ここは上品な緑色にするか,アンバーだといいなあと思いました。パイロットランプの代わりに機種名が青く浮かび上がる工夫は面白いですが,そこまでしなくてもいいのになと思います。


(2)ソフトウェア

 最新のSnanSnap Managerをインストールします。昔は,TWAINなどで動作せず専用アプリでしか使えないScanSnapに批判もあったのですが,ScanSnap Managerが優秀で,そのうえサードパーティが提供するスキャン用のアプリが不甲斐ないせいで,次第にそんな批判も影を潜めるようになりました。

 付属のDVD-ROMはV6.0でしたが,インストール後V6.1にアップデートします。V6.1では,iX500内蔵のWiFiを使って,PCにデータを転送出来るようになりました。電源だけはアダプタが必要ですが,PCとの接続が無線になるので,取り回しは楽になるでしょう。

 私の場合,プリセットを5つほど作っていました。V6.1でもそれらは自動的に引き継がれています。内容を一応確認しましたが,きちんと引き継がれているようですので,インストール後に特に調整をする必要はなく,いきなり本番でスキャンすることができました。

 そして,V6.0からの機能だと思うのですが,自動的にページを回転する機能が付きました。別に自動でなくても,偶数と奇数で指定できればそれでいいのですが,これを使えば,例えは文庫や新書などを,横にしてスキャンして,速度を大きく向上させることができます。

 図版があると回転に失敗しますが,日本語の縦書きならほぼ大丈夫です。しかし,回転方向を解析して求めているので,処理に時間がかかります。スキャンはすべて終わっているのに,マシンが解析途中だったりするので,iX500の高速性をこんなことくらいで食いつぶすのは,ちょっともったいないです。

 ところで,V6.1でS500が動くかどうかを試しましたが,無事に動きました。ScanSnap Managerは伝統的に,古い機種でを動かすことが出来るのですが,正式に対応しているわけではありませんし,ライセンスの関係もあるので,ちょっと微妙な所です。

 ですが,S500でもグレースケールに対応出来たり,OCRが出来たりと,最新のソフトにすることで得られるメリットは大きいです。旧機種のユーザーにも有償でいいから,提供して欲しいなあと思います。


(3)使い心地

 まず速度です。私の場合,スーパーファインしか使いませんが,S500に比べると,もう徒歩か自動車かくらいの違いです。S500はA4で6枚/分,iX500になるとこれが25枚/分になるのですから,もう比べるまでもありません。

 S500で,スキャンに失敗すると,高速で紙が排出されますが,あの速度でずっとスキャンされるような感じです。しかも,次の紙を読み込むときのタイムラグもほとんどなく,どんどんスキャナに吸い込まれていきます。

 速度も大事ですが,なんと言っても重送の発生がほとんどないことが素晴らしいです。重送の検出に超音波センサを持ってもっているのは,前の機種であるS1500からですが,検出するよりも重送を起こさないようにする方がアプローチとしては正しいわけで,そうしたドキュメントスキャナの本分を忘れない改良は,素晴らしいと思います。

 これまでゴムのへらだった重送を防ぐ機構は,iX500ではローラーに変わりました。この効果は絶大です。

 ホコリの付着による縦スジも出にくいようですし,重送が起こらない,ミスフィードも発生しないことで,25枚/分という高速性が死なずに済んでいます。

 また,S500では紙の幅を誤認識することがあります。それを見つけて再スキャンするために,すべてのページを見直す必要があったのですが,iX500ではそれもありません。とにかく,1枚あたりの時間も短くなっているし,スキャンの前後にかかる時間も大幅に短縮できています。

 土曜日だけで8冊ほどの本を処理しましたが,あっという間にスキャンが終わり,S500で処理するつもりで確保していた時間は,大幅に余ってしまいました。お金で時間を買った気分です。


(4)画像の品質

 S500はCCDに冷陰極管でした。今にしてみれば非常にレガシーなデバイスの組み合わせですが,iX500ではCISに3色のLEDという,今どきのデバイスになりました。

 画質,色の違いがどのくらいあるのかが不安だったのですが,結論から言うと,S500とそんなに変わりません。変わらないようにチューニングをしてあるのでしょうね。

 もともと,ScanSnapは色再現性が高いわけではありません。その代わり読みやすさを重視するのですが,そうした方向性はiX500でも一貫しています。

 また,S500の縮小光学系にはすでに調整ズレも出ているのですが,iX500は新品ですし,光学系も密着です。モノクロモードで取り込んだ文字のキレは抜群です。

 もう1つ,光源ですが,冷陰極管は蛍光灯ですので寿命があります。赤,青,緑のそれぞれの蛍光塗料の寿命が違うせいで,経年変化で色が変わります。もちろん暗くなりますが,面倒な事に音頭でも変わります。

 ですので,冷陰極管をつかったS500には,機構的な寿命よりも,光源の寿命の方が私は心配だったのです。スキャンしていなくて,冷やしてしまうと色も明るさも変わるので,しばらくつけっぱなしになっていますし,消費電力にも寿命にも良くないことだと気になっていました。

 これがLEDになると,消費電力も下がるでしょうし,無駄な点灯もなく,暖まるまでスキャンが出来ないという時間の無駄も防げて,いいことずくめです。

 今回は紙を密着させる必要があるので,読み取りのユニットが上下左右に動くようになっています。これもスキャン品質を向上させるのに有効に働いていることと思います。


(5)WiFi

 V6.1では,スマートフォンだけではなく,PCともWiFiで接続が出来るようになりました。これでUSBケーブルで接続する必要がなくなったわけです。

 設定も簡単,WiFiのON/OFFは物理的なスライドスイッチで行いますから,WiFiが邪魔になるようなことはありません。

 ただ,私は使っていません。1つは2.4GHzしか対応しないこと。2.4GHzは電子レンジで切断がおきますし,近隣から電波が漏れ出てきているので,空きチャネルが少ないです。

 もう1つは,万が一切断やエラーが起きたときに,何が起こるかがはっきりしないことです。動作が止まってくれればよいのですが,画像にちょっとゴミが混じるとか,ページが読み飛ばされるなどがあれば,これは困ります。

 どんな場合でもそうですが,やはり信頼性が高いのは,有線接続です。

 PCのそばに設置していますので,無理にWiFiで繋ぐ必要はありません。確かにケーブルが1つ減るのは魅力的ですが,もう少し信頼性について考えからにしたいと思います。


(6)まとめ

 iX500ではMac版とWindows版が分かれていません。AcrobatXはWindows専用ですし,ABBYのOCRソフトはMac専用ですから,それぞれ無駄なお金を支払っていることになります。もちろん,ボリュームディスカウントがあると思うので,別々にしたからと言って値段が下がるわけではないでしょうから,難しいところです。

 ですが,S500のころはWindows専用のスキャナに,とりあえずMacで動くようにしておきましたという感じだったMac対応は,iX500ではWindowsとMacで,ほとんど差はありません。

 iX500は実売で4万円ほどですが,S500やS510といった旧機種のユーザーは今すぐにも買い換えて損はしませんし,下位機種にしようかと迷っている人には,ちょっと無理してでもiX500を買うべきだと断言しておきたいと思います。

 使用頻度は,とりわけドキュメントスキャナの場合には,その高速性や作業性の高さで,後から上がってくるものです。面倒,時間がかかる,画像の品質が低いなどで下がったモチベーションは,使用頻度の低下という形で顕在化します。

 逆に,手間も時間もかからず,簡単に本棚に隙間が出来ることを体験すれば,あれもこれもと,どんどんスキャンをしたくなるものです。

 スキャンの結果が良いものであれば,紙を処分しても失うものはありません。滅多に見ないけど捨てるには惜しい,あるいは今まさに読んでいるが,次読むかどうかはわからない,と言った本は,どんどん電子化してしまいましょう。本の電子化は,すればするほど,そのメリットが見えてくるものです。

 こんなだったら,もっと早くに買い換えておくべきでした。

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