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2013年07月03日の記事は以下のとおりです。

ノンフライヤーで揚げ物をする

 まだ寒い頃から話題になり,発売開始の4月にはいきなり品薄状態,予約をしても納期が未定という状況だった,フィリップスの「ノンフライヤー」ですが,この週末に私の手もとに届きました。5月末に予約をしたので,ちょうど1ヶ月くらいですね。

 HD9220という無味乾燥な型名ですが,3万円という調理家電にしては高価なこの商品がこれほど注目を集め,売れているかは,やはり日本人が揚げ物好きで,一方でそれらが体に良くないものだという印象をいかにすり込まれているかを投影しているんだと思います。

 え,おまえはなんで買ったのか?ですか。

 そりゃ,揚げ物が好きだからですよ。ただ,私の場合は別にヘルシーとか片腹痛いわプププという人などで,油でギトギトの唐揚げでも全然構いません。

 ただ,それはあくまで私の食べ物の好みであって,そうした揚げ物を自分でするのはとても大変です。まず油です。毎日揚げ物を食べるなら別ですが,2週間に一度くらい食べるのに,サラダ油を大量に使い,しかも使い捨てることになるなんて,もったいないです。

 濾過して保存という手もありますが,熱を加えた油は一部分子構造が変わりますし,参加すれば毒にもなります。滅多に食べない揚げ物だからこそ,油は毎回新品にしないと危険です。

 次に揚げ物用の鍋の確保です。他と共用できないので専用の鍋を確保しないと行けませんが,それはすなわち鍋の墓場です。揚げ物以外の料理にはもう二度と使えなくなります。

 そして調理です。辺り一面に飛び散る油だけではなく,油が蒸気になって家中に広まり,天井やら壁にこびりつきます。換気扇の掃除も死ぬほど大変です。

 その上,火事の危険もあります。水は100度以上になりませんが,油は200℃でも300℃でも,温度が上がります。しかも蒸気になった油は引火性です。揚げ物の時には,付きっ切りで見ていなければなりません。

 それで食べられる揚げ物はというと,せいぜいとんかつ1枚,コロッケ2つくらいのものでしょう。いやいや,これは全然割が合いません。

 オーブンレンジにある揚げ物を行うモードも使って見ましたが,時間はかかるわ煙は出るわ,電気代は凄いわ,しかし火は通ってないわ,で散々でした。

 結論として,揚げ物はプロに任せよう,ということになったのでした。

 揚げ物をやっているスーパーの総菜売り場では,毎日大きなフライヤーに大量の油を使って,どんどん揚げ物をやります。油は定期的に交換されるし,規模が大きいので温度の変動も小さく,素人の揚げ物が味でかなうはずがありません。

 食べたいだけ買うことが出来て,後始末も必要なく,わざわざ自分でする理由など,ないですよね。

 なら,なぜ「ノンフラヤー」を買ったのか。

 それは,売っていない揚げ物を作るために必要だったからです。

 1つは,フライドポテトです。

 いや,マクドにいけばあるやん,というのは待って欲しいんです。私はマクドに行く習慣がないし,あの雰囲気が今ひとつ苦手です。ポテトだけを買いにいくのは拷問のようなものです。しかも結構高いですよ。

 それに櫛形のポテトフライを食べたいときはどうします?私は櫛形や乱切りのフライドポテトが好きなのです。

 もう1つは,春巻です。

 春巻なんぞ売ってるがなと,というのも待って下さい。確かに売ってますが,私の春巻きは,母親の手作り春巻きです。

 具沢山で太さが3cmほどあります。具材はよくある甘い物ではなくて,それだけでも十分ご飯が進む,香ばしいものです。

 私は子供の頃からこれが好物で,母もよく作ってくれました。こればかりは他で食べることはできず,いずれそのレシピを学ばねばならんなと思っていたのです。

 最大の障害は,油で揚げることです。春巻なんですから当たり前なのですが,やはり揚げ物を家でやることに対する抵抗感は強く,これまで涙を呑んでいました。

 そこへですよ,揚げ物が手軽に出来る「ノンフライヤー」の登場です。これは,まさに一子相伝秘伝のレシピを受け継ぎ,あの春巻きに再び相まみえる,神が与え賜うた千載一遇のチャンスです。

 ということで,鶏の唐揚げなどはどうでもよくて,この2つについての解として,注目していたわけなのです。

 果たして,手にした「ノンフライヤー」はどうだったのか。

 まず,でかいです。炊飯器くらいかなと思っていたらとんでもない。クビのないペンギンくらいありまっせ,これは。

 真っ黒でつやつやの色も,下ぶくれな形も,安っぽいし,見た目も醜悪です。これが3万円で飛ぶように売れているとは,アベノミクスの本物ですよ。

 消費電力は1460W。うちで一番大きな電力のマシンになりました。構造は簡単で,蚊取り線香のようなヒーターが上にあり,さらにその上にファンがあります。

 熱風を循環させ,その熱で調理します。コンベクションという方式で,これは昔からありますね。

 そういう意味では,別にハイテクでもアイデア商品でもなんでもないんですが,この手の調理家電は,結局レシピブックがどれくらい充実しているかが決め手です。

 構造が簡単な「ノンフライヤー」には,これが大ヒットとみるやそっくりなものからパチモンまで,様々な類似品が登場しています。それでも本家(かどうかは知りませんが)のフィリップスを選んだのは,レシピブックの充実度がこの商品の値打ちを決めると思ったからに他なりません。

 しかし,ついてきたレシピブックはぺらぺらで,10品目ほどあるだけです。これならパチモンでもよかったかなと,ちょっと反省した次第です。

 気を取り直して,とにかくフライドポテトを食べてみましょう。

 お隣から頂いた,とても美味しそうな小粒のじゃがいもを櫛形に切り,15分水にさらします。軽く水分を切ってからバスケットにいれ,本体にセットします。余熱が必要と書いてあったので先に3分余熱,バスケットをセットしてから16分にタイマーをセットし,完成を待ちます。

 まず音が大きいです。何事かと思います。そして熱いです。周囲ももわーっと暑いのですが,背面の排気口からは,熱風が出てきます。でもまあ,これだけです。別に他のことをしていても危険なことはありませんし,タイマーが0になれば自動で止まります。

 16分後,初めての作例が姿を現します。

 うーん,しわしわです。外の水分が飛び,かたくなっています。中はほくほくとしてフライドポテトなんですが,これは私の知るあのフライドポテトではありません。水分も油分もないので,塩もからみません。

 まずいわけではありませんが,美味しいわけでもありません。

 翌日,リベンジです。

 同じようにじゃがいもを水にさらしますが,最後にサラダ油を少し入れ,からめます。これをバスケットにセットし,今度は余熱なしで16分です。

 素材に含まれる油で調理するのが「ノンフライヤー」ですから,油の少ないじゃがいもは,外から補給してやると,美味しく出来るはずです。

 うん?,なんか焦げ臭くなってきましたよ。

 あれ,なんか部屋が白くなってきた。

 おおお,「ノンフライヤー」から煙がもくもくでてますよ!

 あわてて家中の窓をあけ,子供と嫁さんを別の部屋に避難させました。

 しばらくすると煙は収まりました。どうも,油が多かったようで,垂れた油が高熱で煙になったようです。しかし,鶏の唐揚げでも春巻でもとんかつでも,油が垂れれば煙がでるわけですから,これはちょっとまずいかも知れません。

 そして完成。出来上がったポテトは。間違いなくフライドポテトでした。

 味は,なつかしい,母親の手作りポテトの味でした。私は,食べ慣れた普通に美味しいフライドポテトとは明らかに違う,すっかり忘れていた母親の味を期せずして思い出すことになり,つい無口になって食べてしまいました。

 ただ,これが冷凍食品だと,7分ほどで出来上がるんですね。水にさらす時間もいれると実に30分かかるのですから,ちょっと酒の肴に,と言うわけにはいきません。これは冷凍食品を使うのが賢いでしょう。30分かけるフライドポテトは,私が過去を懐かしむ時だけ食べることにしましょう。

 ところで,白い煙の対策は,キッチンシートを敷けば良いらしいです。そこで偶然家にあったクッキングシートを使って,またもフライドポテトを作ってみました。結果は,確かに白い煙は出ないし,クッキングシートが燃えたり焦げたりすることはなかったのですが,売りの1つである熱風の循環を妨げるので,特に下側に火が通りにくくなっている感じです。

 それでも中心部はほくほくですし,決して食べられないものではないのですが,もう少しからっと揚がって欲しいですし,表面の上と下で焼き加減が違うというのも,ちょっと気に入りません。途中で裏返せばいいのですが,面倒だし,やけどの危険もありますから,やろうとは思いません。

 ということでクッキングシートをどうやって使うかは,ちょっと考えどころですね。


 それはそれとして,唐揚げも揚げ出し豆腐もかなり美味しいそうですし,ホットケーキミックスを使ったドーナッツも美味しいらしいです。(そういえば揚げドーナツも母親の手作りでした・・・懐かしいなあ)

 レシピブックには,白身魚のフライがあります。私はこの,白身魚のフライがとにかく好きで,これが自分で調理できるというのは,なかなか面白いです。まあ,南洋の大きな白身の魚(メルルーサとかね)はスーパーでは売っていませんので,鱈などのフライにするのがもったいないものしか,自家製ではできないでしょう。

 いずれにせよ,油の扱いにうんざりして揚げ物を禁止していた我が家でも,揚げたてのフライが食べられるようになりました。春巻もこれから母親に教えてもらって,食べられるようにします。
 
 こうして,週末の料理の幅が広がっていくのは,楽しいことです。

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