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2013年07月16日の記事は以下のとおりです。

シグマの35mm F1.4 DG HSMを買いました

  • 2013/07/16 16:54
  • カテゴリー:散財

 ここ数ヶ月で欲しいものリストに入っていたものを順次購入しているのですが,その締めくくりとして,シグマの35mm F1.4 DG HSMをようやく買うに至りました。

 昨年秋に出たこのレンズですが,純正の定番であり,高級で高価で,このレンズをわざわざ選ぶのはこのレンズが必要な人だけ,という広角大口径レンズである35mmF1.4で純正に真っ向勝負に挑んだシグマの気合いは凄まじく,数値は各社の純正を凌駕し,その写りもさすがに純正にケンカを売っただけのことはある,まったくもって素晴らしいものです。

 それでいてレンズメーカーの本分を忘れず,純正の同クラスのレンズに比べて2/3ほどの価格ですし,コンパクトで,複数のマウント向けに発売されています。

 個人的には,シグマは安かろう悪かろうでしたし,はっきりいえば嫌いなメーカーでした。ズームやフォーカスの回転方向はニコン/ペンタックスと逆ですし,デザインも嫌い,安いだけで特に特徴もなく,製品の当たり外れ,ばらつきも大きくて,どうもぱっとしないメーカーでした。

 しかし,ここ数年のシグマは凄いです。ユーザーのわがままに耳を傾け,個性的な商品をラインナップするかと思えば,定番レンズで純正に勝負を挑み,大型センサを搭載したコンパクトデジカメを作ったかと思えば,どう考えても勝ち負けは二の次としか思えない一眼レフをしぶとくやめずに続けていて,しかもセンサーのメーカーまで買収してしまうのを見ると,どこにそんな体力があるんだろうと心配になるくらいです。しかも日本製ですしね。

 ここまでひたむきなメーカーを見ると,もはやかつての印象で語ることは誤りです。その製品で語らねばなりません。

 私が手に入れたDP1sも,非常に個性的なデジカメですが,結局カメラとしての完成度はさっぱりで,今は全く使っていません。なんでこれが評判になるのか,なんでこれが支持されるのか,ちょっと考えただけではわかりません。

 けど,使って見ればわかるんですね,シグマがこのカメラにどういう個性を与えようとしたのか。コンセプトという言葉で表現してもいいでしょうし,意地と言ってもよいでしょうが,いずれにせよ,こうしたものが指示されるような商品というのは,人々の記憶に残るものです。

 私も,シグマに対する印象がこの数年で変わって来ました。ユーザーに対するメッセージは,直接間接を問わず,非常にまっすぐ届きます。こんなメーカーは今どきないと思います。

 そして,今回の35mmF1.4です。

 35mmでF1.4という大口径レンズは,明るいというメリット以上に,描写が甘くて結局開放では使えないと言う現実が立ちふさがって,純正の定番ではありますが,積極的に選ばれるレンズではなかったように思います。

 そこに,新コンセプトのArtシリーズ第一弾として,なぜこれをラインナップするのか。シグマは思い入れを込めたと言いますが,口で言うのは簡単です。本当にユーザーにその思いが届くのかどうか。

 好都合なことに,私が気に入って常用する焦点距離が最近35mmになっていて,この焦点距離で大口径なものを欲しいと思っていたところでしたので,ここはシグマに1票をいれてみようと思っていたのです。

 ずっと9万円近い値段で推移していたのですが,なぜかここ1週間ほどで8万円くらいになってきました。今はまた9万円近い値段に戻っているようですが,私は8万円になったら買おうと思っていましたので,迷わないで買うことが出来ました。


 まだ撮影画像をご紹介出来ないのですが,ファーストインプレッションです。

(1)大きさ,重さ,質感

 鏡筒はプラスチックですので,質感は期待していませんでしたが,塗装も素材も素晴らしく,とても手に馴染みます。フォーカスリングもしっとり回り,とても高級感があります。

 重さはこのクラスのレンズとしては軽いと言え,大きさもコンパクトです。フード無しなら十分振り回せます。

 デザインもよいです。純正ならデザインコンセプトがあって,これに従えばとりあえず批判されることはないでしょうが,レンズメーカーは複数のメーカーのカメラに取り付けられるものをデザインせねばならず,とても厳しい制約を課せられているといえます。

 ですが,このレンズのデザインはいいです。シグマのレンズには見た目にがっかりさせられることが多いのですが,これはよく出来ています。


(2)素晴らしい写り

 写りは素晴らしいです。開放からびしっと決まる高い解像度,そこからなだらかにぼけていく滑らかさに,ぼけた部分の馴染みの良さ。色もコントラストも申し分なく,ここまでくると性能云々ではなく,個性として拍手したい素晴らしさです。

 開放から積極的に使えるレンズは,もちろん絞ってもまた素晴らしいわけで,F1.4での切れ味を見た後,開放でこれだけ写るのに絞り込んだらどうなるんだろうと,ドキドキしながら絞ってみます。

 すると,青天井で良くなる感覚です。え,まだ切れ味が増すのか?え,まだ収差が改善されるのかと,これ以上はもういいよ,と思う所からさらに画質が上がる限界のなさに,ちょっと怖くなるくらいです。


(3)AFについて

 AFは超音波モーターで駆動されますが,一部に「速くない」という声もありました。しかし私はそうは感じません。十分速いです。D800でAF-Cを使った時に食いつきの良さは見事であり,D800が持つ動く被写体への追従性を,レンズがスポイルしていません。

 静かで滑らかで迷わないAFは,さすが最新レンズだなと思います。


(3)良くない点

 とはいえ,良いことばかりではありません。そこはF1.4という大口径レンズですから,弱点もあります。

 1つは,周辺光量の低下が強烈です。F2.8くらいまで絞れば気にならなくなりますが,開放で使うと,そもそも露出不足ではないかと思うほど,周辺の光量が落ちて真ん中だけが適正露出な状態です。

 シャープな被写体が中央にいて,少し外れるとどどーっとぼけて,そして被写体の周りは真っ暗という感じの写真は,とてもドラマチックなのですが,暗い割には被写体の生々しさにギャップを感じ,なんだか気持ちが悪いです。

 そして,開放ではパープルフリンジが結構出ます。大口径レンズなら出て当然ですし,他のレンズならもっと派手に出ると思いますが,解像度が高いだけに目立ちます。

 この2つの弱点は,現像ソフトが対策をしてくれます。Lightroomを使う私にとっては,それほど弱点とは言えないのですが,周辺光量の補正を入れると,途端に嘘っぽくなってしまうので痛し痒しです。

 レンズの補正を入れると歪曲収差も補正されますが,その補正は少しです。これだけ素性が良いというのは,大したものだと思います。

 パープルフリンジは,絞ればほぼなくなります。開放でもLightroomで補正できるので,あまり気にしなくても良いかもしれないです。むしろ,開放で使えることでISO感度を上げてノイズを劇的に減らせることや,シャッター速度を上げてブレを防ぐ事の方がメリットな場合もあり,つまるところ大事な事は,実用に耐えうる選択肢が増えたことなんだと思います。


(4)まとめ

 このレンズは,私にとって我慢して使うレンズではありません。ある条件でしか力を発揮しないレンズでもありません。素直に被写体に向けて,見たままを撮影するレンズです。

 その性能はこちらの想像を超え,明るさとのトレードオフは実質的に考えなくてもよいくらいです。なにかを犠牲にすることを考えなくてもよいことが,これほど快適なことなのかと,改めて思います。そうです,高い性能は,すごい写真を撮るためにあるだけではなく,見たままをストレス無しに撮影する為にも,あるのです。

 このレンズは,このことを改めて意識させてくれました。8万円が高いか安いかは難しいですし,他の人におすすめ出来るものではないと思いますが,1段絞ったF2あたりで,ため息の出る写りが楽しめます。これは,ほかのレンズでは味わえないんじゃないかと思います。

 手放せない1本になることは,間違いないでしょう。

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