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2013年09月02日の記事は以下のとおりです。

3万円で粗大ゴミ

  • 2013/09/02 09:23
  • カテゴリー:make:

 デジタルオシロが新品でも3万円で買えてしまう昨今,アナログオシロの人気はすっかり衰えてしまいました。

 アナログにはアナログの良さがあるし,趣味で使うには十分なことも分かっていますが,小さく軽く,電気も食わず,しかも多機能で安いとくれば,アナログをわざわざ選ぶ理由は少ないです。

 むしろ,アナログのメリットが見えてくるような使い方は,趣味の範囲やアマチュアの道具としては,ないのかも知れません。

 しかも,オシロスコープのメーカーは,アナログオシロをもう作っていません。新品で手に入れる事が現実的に難しい中では,中古で出てくるものも,ましてオークションなどで出てくるものも,デジタルオシロになってしまうことは避けられないでしょう。

 ですから,アナログオシロの値段の下がり方は大きくて,100MHzクラスであれば数千円です。新品が買えないものですから,手に入るものは必ず中古ですが,時間が経過すれば調整がどんどんずれるものもまたアナログの特徴です。だから,価格は年々確実に下がります。

 もう,アナログオシロというのは,ビンテージカーなんかと同じで,かつてそれを使っていた人が当時を懐かしむ,趣味性の強い機械になっているといって差し支えないでしょう。

 加えて,テクトロニクスの24xxシリーズにはもっと別の理由で,価値が暴落しています。24xxシリーズは1980年代にアナログオシロの完成形として登場したわけですが,性能や使い勝手は申し分ない代わりに,カスタムICやハイブリッドICが多用されているために,修理が難しいという事情があります。

 特にハイブリッドICの故障は深刻で,メーカーの部品在庫がなくなってからは修理不能となってしまい,多くの24xxシリーズが廃棄されたんじゃないかと思います。今壊れていなくても,そのうち壊れる,壊れてしまえばもはや修理の方法はない,という状況から,10年ほど前からは中古価格も暴落しています。

 それでも,私にとって2465Aは「嫁入り道具」です。これはとにかく大事にしたいです。

 ハイブリッドICのような部品は,もう正常に動作するものから外して移植するしかありません。だから,精度や信頼性はともかくとして,とにかく動くようにするにはなりふり構っていられません。

 いずれ,ジャンクの24xxを1台部品取りに確保しないといかんなと思っていたのですが,最近,オークションでもアナログオシロの出品が減ってきているという話を耳にしました。値段も付かず,程度の良いものが減ってきている状況ではやむを得ない話で,いずれ入手困難になる可能性も考えねばなりません。

 今のうちにドナーを手に入れて置こうと,オークションを探してみると,うまい具合に2445が出ていました。難ありという事と,帯域150MHzでジャンクとあれば,いかに2445といえ,値段は上がらないはずです。果たして,私は6500円で入手しました。

 6500円かあ・・・私が高校生の時に始めた買った松下のオシロは,5MHzで8000円だっただったんですよね。150MHzで4CHなら,アマチュアの工作にはもう十分すぎるんだけどなあ。

 まあ,とにかくこのドナーで2465Aが復活したことは前回書きましたし,プリアンプを除くハイブリッドICも入手出来たので,当分2465Aを修理することが出来るでしょう。


 前置きが長くなりましたが,ようやく本題です。

 オークションというのはまさに歓楽街ですね。楽しさと危険が同居しています。一度踏み入れると次から次へと面白いものが眼に入ってきます。怖いところです。

 2445を見つけた時に,オーディオアナライザのジャンクを見つけてしまいました。

 VP-7722Aという松下の機種です。見た目に随分巨大な装置で,まるで1970年代のミニコンピュータみたいです。調べてみれば松下のオーディオアナライザのフラッグシップモデルだそうです。

 オーディオアナライザは,オーディオの自作をする人間にとっては,1つの目標点と言える憧れの測定器です。レベルやS/Nなどは電圧計と発振器で測定出来なくはないんですが,歪みだけはどうにもなりません。

 一度,HPのオーディオアナライザを中古で買おうと思ったのですが,安く出ていた(それでも12万円ほどしていた)を買い逃したのが15年ほど前,以後「これに手を出したら最後」と踏みとどまって,一昨年は歪率計の自作で決着を着けたはずでした。

 歪率計の自作は良い勉強になりましたし,歪率計の調整に歪率計が必要になるという話もなく,それなりの精度が出ているように思われたので満足していたのですが,やはりちゃんとしたものが手に入れば,それが一番いいです。なにより,自作の歪率計はBTLなど,出力がGNDから浮いているアンプの測定が出来ないのです。

 そのオーディオアナライザが安く出ています。しかも高級機であるVP-7722Aです。写真で見る限りかなり程度は悪く,しかも安全の証である,自分の歪率を測定した写真がありません。これは,壊れている可能性が高いです。

 VP-7722Aは2CH同時測定が可能で,発振器は0.0001%の超低歪み,通常の歪率だけではなく,DSPを内蔵して2,3,4,5次の高調波を抽出したり,S/Nの自動測定や,左右の相対レベルを計算して表示したりと,まさにオーディオの測定を簡単確実高精度で行うことが出来る,魔法の機械です。

 1980年代中頃というCDやDATなどのデジタルオーディオ機器の登場に対応すべく,0.0001%の歪みまで直読出来る性能は,現在でも見劣りしません。当時130万円という高価な測定器は,伊達じゃありません。

 欲しい。

 でも,壊れていると厄介だ。

 でも,これが次にまた出てくるとは限らない。

 ・・・気が付いたら,3万円以上という高価格で,手に入れていました。

 届いたVP-7722Aは,私のワクワクした期待を完全に打ち砕き,地獄の底にたたき落としました。恐れていた,粗大ゴミだったのです。

 あまりに汚く,触るのも憚られるほどです。電源を恐る恐る入れると,ファンは回りますが,表示は消えたまま。

 こりゃやられたなあと思いつつ,発振器の出力をオシロスコープに繋いでみれば,一応正弦波は出ています。周波数も振幅もそれなりの精度です。自作の歪率計で歪みを計ると,自作の発振器よりは低いこともわかりました。

 完全に壊れているなら,速攻で粗大ゴミにするところですが,超低歪み発振器が生きているなら,ちょっと捨てるのも惜しいですね。なんとか修理出来れば御の字です。

 そう思って,ケースを開いて見ました。

 真っ黒なホコリが渦を巻いています。どこを触っても指が汚れます。大きな筐体に部品がぎっしり詰まっていて,もう何がなにやら,と言う感じです。修理しようという気が失せるほど,複雑な構造です。

 とにかく,もうこれはゴミだ,捨てることが決まったものだ,だから,気が済むまでいじくって,あとは捨ててしまえばいいと,そんな気分で分解を始めました。あー,ホコリが鼻に入ってくしゃみが出ますよ。ハクション。

 次は修理編です。

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